2022.6.3発 【モニターツアー】ウガンダ ゴリラ・トレッキングとサファリ 9日間

2022年6月3日発「モニターツアーウガンダゴリラトレッキングとサファリ 9日間」にご参加いただいたKH様からのレポートです。

コロナ自粛後、初となる海外ツアーに参加しました。行先は“アフリカの真珠”ウガンダ。渡航に関する条件等が変更に次ぐ変更で、だいぶ気をもみながら準備を進めましたが、思い切って来てよかった!と思える感動の旅となりました。

旅の準備とウガンダ入国

コロナ対応としてしたことは、私の場合、①コロナワクチンの接種証明を取得すること、②My SOS というアプリをスマホにインストールすること、③日本に帰国する前にウガンダでPCR検査を受け、陰性証明を取得することだけでした(ワクチンを接種していない方は日本を出国する前にPCR検査を受け、陰性証明を取得する必要があるようです)。道祖神さんがとてもきめ細やかにご対応くださったので、終始、安心して準備を進めることができました。

待ちに待った出発当日、成田空港は閑散としてお店もほとんど閉まっていました。チェックインカウンターも並ぶことなく、時間を持て余すほどでした。機内ではマスクと消毒用ジェルが配布されました。乗り継ぎのドバイ空港は、早朝ながら多くの人が行きかい、コロナ禍の影響をほとんど感じませんでした。

そしてウガンダのエンテベ空港に到着しました。添乗してくださった羽鳥さんの的確なサポートのおかげでスムーズに入国を果たすことができました。

活気に満ちたウガンダの首都・カンパラ。
活気に満ちたウガンダの首都・カンパラ。
マスクをしている人はいません。
マスクをしている人はいません。

クイーン・エリザベス国立公園へ

入国した日はカンパラのホテルに宿泊し、翌朝、クイーン・エリザベス国立公園に向けて出発。約8時間のドライブとなりました。

道路脇で生魚(ティラピア?)や生きたままのニワトリ、焼きトウモロコシ、バナナ、スイカ、木炭など、ありとあらゆるものが売られています。
道路脇で生魚(ティラピア?)や生きたままのニワトリ、焼きトウモロコシ、バナナ、スイカ、木炭など、ありとあらゆるものが売られています。
焼きトウモロコシ
焼きトウモロコシ
おいしいと評判の肉の串焼き「ムチョモ」。お目当てのヤギは売り切れで、牛肉の串焼きをいただきました。カリっとしていておいしい!! ビールが欲しくなるお味。1本70円ほど。
おいしいと評判の肉の串焼き「ムチョモ」。お目当てのヤギは売り切れで、牛肉の串焼きをいただきました。カリっとしていておいしい!! ビールが欲しくなるお味。1本70円ほど。
立派な角のアンコーレ牛。放牧されているのをあちこちで見かけました。
立派な角のアンコーレ牛。放牧されているのをあちこちで見かけました。
パピルスの生い茂る平原が延々と続く。澄みわたる空、草の香りのする風のなんと心地よいことか。
パピルスの生い茂る平原が延々と続く。澄みわたる空、草の香りのする風のなんと心地よいことか。

途中、レストランに立ち寄って昼食をいただきました。

手前中央の赤いものがビーツのサラダ、以下、時計回りにバナナのフライ、ティラピアのフライ、じゃがいものフライ、マトケ(青いバナナを蒸してマッシュしたもの)、チキンのグリル、ビーフのグリル、サラダ。そしてフレッシュ・フルーツ。全部おいしかった!
手前中央の赤いものがビーツのサラダ、以下、時計回りにバナナのフライ、ティラピアのフライ、じゃがいものフライ、マトケ(青いバナナを蒸してマッシュしたもの)、チキンのグリル、ビーフのグリル、サラダ。そしてフレッシュ・フルーツ。全部おいしかった!
ウガンダを代表するビール「ナイル・スペシャル」(左)と、ウガンダ・コーブのラベルがかわいい「クラブ」。どちらも1本6000USh(約220円)。軽くてさわやか。グイグイいけます。
ウガンダを代表するビール「ナイル・スペシャル」(左)と、ウガンダ・コーブのラベルがかわいい「クラブ」。どちらも1本6000USh(約220円)。軽くてさわやか。グイグイいけます。

クイーン・エリザベス国立公園でサファリ三昧

翌日はいよいよサファリ! クイーン・エリザベス国立公園は、クレーターのある丘陵とサバンナ、森林、湖沼と、とても変化に富んでいます。午前中は車でのサファリ、午後はカズィンガ水路でボートサファリを楽しみました。そして夜はブチハイエナの声を聞きながら眠りにつきました。

雄のウォーターバック。じっとこちらを見ています。「すみません、お邪魔しています」と心の中で。
雄のウォーターバック。じっとこちらを見ています。「すみません、お邪魔しています」と心の中で。
象やウガンダ・コーブ、キリン、バッファローなどの草食動物だけでなく、ライオンやヒョウもいるらしい。
象やウガンダ・コーブ、キリン、バッファローなどの草食動物だけでなく、ライオンやヒョウもいるらしい。
バッファローとアフリカハサミアジサシ、そしてホテイアオイのお花畑。
バッファローとアフリカハサミアジサシ、そしてホテイアオイのお花畑。

エドワード湖とジョージ湖を結ぶカズィンガ水路は、動物たちがとても穏やかでのびのびとしているように感じました。アジサシが一斉に飛び立ち舞うさまはあまりに美しく…思わず涙ぐんでしまうほど。

無数にいるカバ。かなり近づいても大丈夫そう…。
無数にいるカバ。かなり近づいても大丈夫そう…。
ナイルワニが大きく口を開けて暑さをしのいでいます。
ナイルワニが大きく口を開けて暑さをしのいでいます。
マラカイト・キングフィッシャー
マラカイト・キングフィッシャー
ヒメヤマセミ
ヒメヤマセミ

ボートで近づいても飛んでいかずに愛らしい姿を見せてくれました。キラキラと輝くマラカイトを間近に見ることができてしあわせ。このほか、ペリカン類やフィッシュイーグル、エジプトガンなどたくさんの鳥を見ることができました。

ハタオリがパピルスに営巣。はじめて見ました。
ハタオリがパピルスに営巣。はじめて見ました。
クイーン・エリザベス国立公園のエレファント・ハブ・ロッジからの眺め。輝くばかりの美しい緑の大地は、まさに“アフリカの真珠"。
クイーン・エリザベス国立公園のエレファント・ハブ・ロッジからの眺め。輝くばかりの美しい緑の大地は、まさに“アフリカの真珠”。

ブウィンディ原生国立公園でゴリラ・トレッキング

クイーン・エリザベス国立公園を出発して、マウンテン・ゴリラの棲むブウィンディ原生国立公園に向かいました。標高が上がり、空気が少しひんやりと感じられるようになりました。

靄(もや)がかかる森のその奥に、マウンテン・ゴリラがいると思うと胸が高鳴ります。
靄(もや)がかかる森のその奥に、マウンテン・ゴリラがいると思うと胸が高鳴ります。
オナガザルの一種、クロシロコロブスがいてびっくり。 
オナガザルの一種、クロシロコロブスがいてびっくり。
つづいて同じくオナガザルの一種、ロエストグエノンも。
つづいて同じくオナガザルの一種、ロエストグエノンも。

公園事務所につくと地元の女性たちが歌とダンスで私たちを歓迎してくださいました。その後、ガイドの方からブリーフィングを受けてマウンテン・ゴリラの棲むエリアへ。

枝や草を掃いながらけもの道のようなところを歩いていきます。ガイドはトラッカーと呼ばれるゴリラたちの居場所を把握しているスタッフと連絡を取り合いながら私たちをゴリラたちの元へと連れて行ってくれます。そのおかげで歩く距離は最短で済むようで、私たちは1時間足らずでゴリラたちに会うことができました。

足元に気をつけながら歩いていたら、ふと空気が変わったように感じました。そして、息が止まりました。目の前に、マウンテン・ゴリラのファミリーが…!

マウンテンゴリラ
マウンテンゴリラ

生きものとしての”格” が、明らかに違う。もちろん、マウンテン・ゴリラのほうがヒトよりはるかに高い。

それが真っ先に感じたことでした。ここで、同じ時間を過ごすことができたことをとてもありがたく感じ、一生の宝物になると思いました。

そして感動したことがもうひとつ。ゴリラとトラッカーとの間に、ゆるぎない信頼関係のようなものが存在したこと。トラッカーは、マウンテン・ゴリラの困惑や苛立ち、リラックスしているかなどの心の状態をしっかり捉えているようなのです。そのうえでゴリラに向けて声がけをすると、ゴリラは納得して落ち着きを取り戻したように見えました。

おかあさんの背中の上ででんぐり返しをしている子どものゴリラ。
おかあさんの背中の上ででんぐり返しをしている子どものゴリラ。
終了時間になり、帰ろうとして振り返ったら真後ろにゴリラさまのおみあしが…。い、いつの間に…?!
終了時間になり、帰ろうとして振り返ったら真後ろにゴリラさまのおみあしが…。い、いつの間に…?!
近すぎて写真を撮っては失礼かもしれないと思いましたが、そっと数枚だけ、撮らせていただきました。
近すぎて写真を撮っては失礼かもしれないと思いましたが、そっと数枚だけ、撮らせていただきました。

雄大な自然

ウガンダは、雄大で豊かな自然はもちろんですが、人もほんとうにすばらしかった。ぜひまた訪れたいと思います!

2022.01.28 石垣島でバードウォッチング&野鳥撮影 2泊3日

先日催行された石垣島のバードウォッチングツアーに同行させていただきました。

石垣島は沖縄本島から南西に約400km、八重山諸島の中核となる島で、サンゴ礁(琉球石灰岩)に覆われた地層を形成しています。

サンゴ礁に囲まれた美しい海が広がります
サンゴ礁に囲まれた美しい海が広がります

日本でも有数の綺麗な海に囲まれているため、多くの方がマリンレジャーやリゾートのために訪れます。

そんな石垣島ですが、実は多くの渡り鳥や固有種、珍しい野鳥が観察出来るためバードウォッチャーにとってもホットスポットになっています。

今回はそんな石垣島の島内を巡りながら様々な野鳥を探してきました。

石垣島といえば、やはりカンムリワシ。

日本では石垣島と西表島に生息していて、特別天然記念物に指定されています。今回は幼鳥を含めた複数の個体をじっくり観察する事が出来ました。

カンムリワシ1
カンムリワシ1
カンムリワシ2
カンムリワシ2
カンムリワシ3
カンムリワシ3

その他にも固有種や本州ではなかなかお目にかかれない種も含めて、たくさんの野鳥(76種類)に出会うことが出来ました。

チュウダイズアオバト
チュウダイズアオバト
イシガキヒヨドリ
イシガキヒヨドリ
コホオアカ
コホオアカ
ムネアカタヒバリ
ムネアカタヒバリ
クロサギ1
クロサギ1
クロサギ2
クロサギ2
ムラサキサギ
ムラサキサギ
リュウキュウキジバト
リュウキュウキジバト
リュウキュウサンショウクイ
リュウキュウサンショウクイ
サシバ
サシバ
セイタカシギ
セイタカシギ
シマアカモズ
シマアカモズ
シロハラクイナ
シロハラクイナ
ヤツガシラ
ヤツガシラ
ヨシゴイ
ヨシゴイ
ズグロミゾゴイ1
ズグロミゾゴイ1
ズグロミゾゴイ2
ズグロミゾゴイ2

ナイトウォークツアーでは、コノハズクや鳥以外の生き物にも出会うことが出来ました。

リュウキュウアオバズク
リュウキュウアオバズク
ムラサキオカヤドカリ
ムラサキオカヤドカリ
オオハナサキガエル
オオハナサキガエル
オオカクレイワガニ
オオカクレイワガニ
リュウキュウコノハズク1
リュウキュウコノハズク1
リュウキュウコノハズク2
リュウキュウコノハズク2
ヤエヤマヒメアマガエル
ヤエヤマヒメアマガエル
ヤエヤマカジカガエル
ヤエヤマカジカガエル
ヤエヤマオオコウモリ
ヤエヤマオオコウモリ
ヤシガニ
ヤシガニ

今回本格的なバードウォッチングに同行させていただいたのは初めてでしたが、ガイドさんの運転する車で島内のスポットを巡りながら鳥を探すのは、全くもってアフリカのサファリの雰囲気そのものでした。

毎日島内で鳥を観察しているガイドさんが日々蓄積とアップデートされている情報を基に、豊富な知識と経験に裏打ちされた鳥へのアプローチが行なわれます。

個々の鳥の性質また状況に合わせた適切な距離感、また写真を撮るための位置取りやアドバイスも抜群です。

アフリカでもサファリの質はガイドのレベルに大きく依存しますが、今回は非常に満足度の高い体験になりました。

4月に入ると次は、これだけを目的に石垣島に来る方も多いアカショウビン、そして秋以降には、また世界各地から渡り鳥が飛来します。

残念ながらまだまだアフリカでサファリをすることが難しい状況が続いていますが、日本の南の島でウチナーサファリはいかがでしょうか!?

沖縄そば
沖縄そば

また次回の企画を乞うご期待ください。

2021.11.07 キャッサバ収穫&料理体験

前回、5月初旬に行ったキャッサバの定植&料理体験から半年後の、11月7日に収穫&料理イベントを実施させていただきました。

天気も良く15名以上の方がご参加くださいました
天気も良く15名以上の方がご参加くださいました

この日は天気に恵まれて青空の下、ご参加者の方と一緒にキャッサバを収穫しました。

キャッサバは育つと10kgを超える根塊が付きます。茎の根を掴んで人の手でとても持ち上げられるものではなく、道具を使って収穫します。

ほとんど木の抜根に近いような収穫作業です
ほとんど木の抜根に近いような収穫作業です

ただ、原産地のブラジルやアフリカなどでは、もちろん基本は手堀りです。長いと放射状に1m以上の長さになる根を、熟練の先達たちは、正確に見極めて掘り進めるそうです。

今回は参加者の皆さんにも、スコップなどを利用して手堀りしていただきました。
まずは、地面が割れて大きく育っているであろう木を見極めていただき、木の部分を切り倒したあとは、ひたすら土と格闘です!

根から上は切り倒します。茎には鮮やかな緑の葉生い茂ります
根から上は切り倒します。茎には鮮やかな緑の葉生い茂ります

茎の部分から放射状に根が付いていて、折らずに掘るのは至難です。

茎の部分から放射状に根が付いていて、折らずに掘るのは至難です。皆さんどうにか折らずに!?無事収穫することが出来ました。

大きくなると10kg以上の根塊になります
大きくなると10kg以上の根塊になります

その後は、場所移して、キャッサバ料理をいただきました。美味しい料理を作ってくれたのは、弊社でも長年お世話になっているブルキナファソ出身のエミールさん。事前に送っていたキャッサバを使って、料理を提供してくれました。皆さん初めて食べる味にも美味しく召し上がって頂けたようで、お代わりされている方もたくさんいらっしゃいました

エミールさんのキッチンカー。一目で分かるアフリカンカラー。普段は都内各所でキッチンカーで営業中。
エミールさんのキッチンカー。一目で分かるアフリカンカラー。普段は都内各所でキッチンカーで営業中。

●FOFO

キャッサバの葉を薫製の魚やラムなどと煮込んだサガサガと、キャッサバをマッシュして練り上げたフフ
キャッサバの葉を薫製の魚やラムなどと煮込んだサガサガと、キャッサバをマッシュして練り上げたフフ
お子さんの参加者用に別途用意してくれたトマトシチューとクスクス&ライス
お子さんの参加者用に別途用意してくれたトマトシチューとクスクス&ライス

前回の定植イベントから引き続きご参加いただいたお客様からは、自分で植えたものを収穫して、それを頂くということに喜びを感じられるイベントだったとお言葉をいただきました。

寒さに弱いキャッサバは、日本(本州)の冬を越せないので、11月中旬頃までには、全て収穫が終わります。

また来年は春の訪れと同時に、再び苗木を定植します。次回は2022年の4月中旬頃に定植イベントを実施する予定ですので、是非参加してみてください!

荒木

2021.10.15発 マタギの文化とブナ林の自然に触れる、白神山地の森歩き2泊3日~秋~

1週間前に引き続き、今シーズン2度目の催行となった当ツアー。今回はお天気の良かった1週間前と異なり、白神に滞在した3日間ほぼずっと雨というあいにくの天気でしたが、天気の面で少しハードな思いをしたからか、キノコはバッチリ収穫でき、紅葉も1週間でより進んでおり、更に雨に濡れるとより美しさを増すブナ林の魅力に支えられ、今回も充分楽しむことができたのではないかと思います。

雨で増水した川の渡渉が困難なため、場所を変えて世界遺産地域内の暗門の滝上部の森を歩きます
雨で増水した川の渡渉が困難なため、場所を変えて世界遺産地域内の暗門の滝上部の森を歩きます
晴れ間が出ると光が降り注ぐような、美しいブナの原生林
晴れ間が出ると光が降り注ぐような、美しいブナの原生林
天然のなめこをたっぷり収穫
天然のなめこをたっぷり収穫
整備された登山道ではなく「マタギ道」のため、踏み跡がなくアップダウンがあって、歩きごたえがあります
整備された登山道ではなく「マタギ道」のため、踏み跡がなくアップダウンがあって、歩きごたえがあります

今回のご参加は5名様でしたが、相変わらず少人数なため基本的な動きは変わりませんが、雨でかつ気温も1週間前より低めだったということもあって、1日目は大川流域のマタギの狩場となっている森から滝で有名な暗門エリアの上部のマタギしか歩かない地域に変更、2日目は沢歩きを中止し、秋田側に足を伸ばして天然の杉林が広がる太良峡の雄琴川沿いに変更して歩きました。いずれも観光客はおろか地元の方もほとんど足を踏み入れない場所で、高低は少々ハードだったかもしれませんが、ほぼ手付かずの自然と、よりピークに近づいた紅葉を堪能できました。

レース模様のような歯が美しいシダ
レース模様のような歯が美しいシダ
触れるとかぶれるウルシですが、葉は美しく黄色~赤に色づきます
触れるとかぶれるウルシですが、葉は美しく黄色~赤に色づきます
夜はもちろん焚火を囲んで。雨で冷えた体に染みます
夜はもちろん焚火を囲んで。雨で冷えた体に染みます
イワナのから揚げときりたんぽ入りのキノコ汁
イワナのから揚げときりたんぽ入りのキノコ汁
一週間で紅葉もだいぶ進みました
一週間で紅葉もだいぶ進みました
明日側に足を伸ばして訪問した太良峡(だいらきょう)
明日側に足を伸ばして訪問した太良峡(だいらきょう)

今回も変わらず、自然から歴史・文化にまたがるマタギの興味深いお話を、焚火を囲んで飲み食いしながらお聞きし、雨降りとは言っても水たまりができることも激しく濡れることもないブナ林の散策は充分以上に堪能できたのではないかと思います。二日目夜から三日目朝にかけて通過した前線と大陸からの寒波のおかげでみぞれ混じりの雨にも降られましたが、初冠雪の岩木山を望むことができたのも、いいオマケだったのではないかと思います。

次回は昨シーズン同様に冬の後半、3月にすっかり葉の落ちたブナ林の雪の上を歩くツアーを再度企画予定ですので、ご期待ください。

道祖神 羽鳥

■道祖神的!?国内ツアー特集

2021.10.08発 マタギの文化とブナ林の自然に触れる、白神山地の森歩き2泊3日~秋~

昨年に引き続き、新型コロナウイルスの流行による状況が、改善の兆しこそ見えますが変化していない中、引き続き企画した「道祖神的日本国内の旅」シリーズ。秋田と青森にまたがり、ユネスコ世界自然遺産でもある“白神山地”を、古くからこの山々を生活の場としてきた青森県西目屋のマタギの方々に案内していただく森歩きツアーに今年も同行させていただきました。秋は紅葉とキノコなどの山の幸が期待できるため人気があり、2週続けての催行となりました。

伝統文化を記録する意味も含めて30年前に建てられたマタギ小屋
伝統文化を記録する意味も含めて30年前に建てられたマタギ小屋
マタギ小屋近くの森でテント泊
マタギ小屋近くの森でテント泊
夜はもちろん焚火を囲んで
夜はもちろん焚火を囲んで
岩木川源流の大川
岩木川源流の大川

現地集合・解散、ご参加3名様と添乗員という少人数で、密を避けつつ、体調管理にも気を付けて催行させていただきましたが、首都圏や人口密集地での緊急事態宣言がやっと解除となったタイミングでしたので、地元を離れた旅をし、森を歩くことができるということの爽快感と楽しさを心から味わうことができ、ご参加者の皆様も同じような感想を持たれたことと思います。滞在し、歩いた場所は昨年と変わらず白神山地の一部で、古来より目屋マタギたちが猟場にしていた地域で、世界遺産エリアの外側ではありますが白神山地を知り尽くしたいマタギの方々がお勧めするエリアです。紅葉のピークにはまだ早かったですが、少しずつ色づいていく森を堪能することができました。

砂子瀬地区のマタギが昔から猟場にしてきた森を歩く
砂子瀬地区のマタギが昔から猟場にしてきた森を歩く
白神山地で最も大きいのではないかと言われているカツラの古木
白神山地で最も大きいのではないかと言われているカツラの古木
ブナの固い幹に刻まれたクマの爪痕
ブナの固い幹に刻まれたクマの爪痕
2日目は滑(ナメ)と呼ばれる一枚岩の川底が連続する湯ノ沢川を遡上
2日目は滑(ナメ)と呼ばれる一枚岩の川底が連続する湯ノ沢川を遡上
紅葉のピークには2週間ほど早かったでしょうか?
紅葉のピークには2週間ほど早かったでしょうか?
青森・秋田県境の釣瓶落峠で見つけた冬眠前のヒメオオクワガタのメス
青森・秋田県境の釣瓶落峠で見つけた冬眠前のヒメオオクワガタのメス

ご参加者の中には昨年に引き続き2回目となる方もいらっしゃったため、違うコースを歩くことも検討しましたが、時期が異なるということもあって同じコースでも充分楽しめるであろうということで、昨年とほぼ同じコースを2日間歩きました。今年のキノコはどちらかというと不作に近い状況のようで、超ラッキーだった昨年のように天然舞茸をゲットすることもできず、キノコ自体わずかしか収穫できませんでしたが、それでも予めご用意いただいたものを調理していただき、山菜とともにいただくこともできました。今は津軽ダムの完成により美山湖の底に沈んでしまったかつてのマタギ集落、砂子瀬地区の周辺には縄文時代草創期(約15,000年~11,000年前)から縄文後期(約3,000年前)までの、縄文時代全期間を通じての遺跡が見つかっているそうですが、世界遺産となって狩りや採集が禁止された今でも人々の暮らしを支え続けている白神山地の豊かさを実感できます。

豊かで美しい森を歩くこともそうですが、自然から歴史・文化にまたがるマタギの興味深いお話を、焚火を囲んで飲み食いしながら聞くことができるのがこのツアー最大の楽しみですが、今回もたっぷり味わうことができたのではないかと思います。

道祖神 羽鳥

■道祖神的!?国内ツアー特集