インド洋に浮かぶ島国マダガスカル

マダガスカルと言えば、アフリカで行きたい国の上位に必ず入ってくる、観光でも大変人気の国です。

モザンビーク沖のインド洋に浮かぶマダガスカルは、地図上で見ると一見小さな島の様に感じますが、面積は587km²で、日本の約1.6倍(世界第4位の大きさの島)あります。また、南北に1570km、東西には最大で570kmと広いために自然環境も多様です。
1億年以上も前に大陸から切り離されたために、独自の動植物層を形成してきたのは有名で、観光資源の一つにもなっていますが、マダガスカルは、5世紀頃に海を渡ってきたとされる多くのインドネシア系の人々を中心に、アフリカからの人々とのミックスによって形成されてきた国であり、また、インド洋交易によるアラブ諸国との交流もあったため、文化も多様でユニークなものが生まれています。
その中の一つ音楽についても、長い混合の歴史を背景とした様々な音楽があります。例えば、アンタナナリボを始めとする中央高地では、インドネシアを起源とする伝統弦楽器を用い、教会音楽とポップミュージックが融合した音楽、南部エリアでは、ツァピキと呼ばれる南アフリカのポップミュージックとミックスした音楽が生まれてます。
マダガスカルの国歌の邦題は、「おお、我が愛しき祖国よ」。
この曲のメロディーは、西欧の行進曲風の特長が出ていますが、歌詞は、一般公募されて決まったそうです。
「祖国」というのは、マダガスカルという国であり、また自分達のルーツである国を指しているのだそうです。
遠く離れた土地に移り住み、自分達の確固たる基盤を作り上げ、それでも自分達の遠い先祖の祖国にも今なお思いを馳せる。彼らの思想感が良く表れているエピソードです。
マダガスカルの音楽に興味のある方は、今週末の6月20日(土)より公開になる、彼らの音楽ルーツを辿るロードムービー、『ギターマダガスカル』を是非ご覧下さい!
http://www.guitarmadagascar.com/
by 荒木

霧の森の叡智 ザフィマニリに学ぶものづくり 11日間 手配旅行

2015年4月に『霧の森の叡智 ザフィマニリに学ぶものづくり 11日間』手配旅行にご参加頂いた、R.K.様からのツアーレポートです。
アイアイとバオバブの木についてしか知らないマダガスカル。車も通らない山道を歩き、無形文化遺産の物作りをする人々の暮らしを学ぶ旅という木彫りの家を背に洒落た帽子をかぶった母子の案内リーフに飛びついた。
首都アンタナナリボ→アントエチャ
首都アンタナナリボから車で南にザフィマニリの人々が住む地域に向かう車窓から稲作風景を目にする。二期作、二毛作が可能な土地柄だと知る。柿の木もある。地域ごとに得意な工芸物産があるらしい。木製のおもちゃの車、楽器、草素材の籠、アルミの鍋食器、刺繍、廃物利用のミニ自転車作り、コブウシの角細工・・・どうやらマダガスカルの人々は器用でアイデアが溢れ出てくるらしい。
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ザフィマニリの村々へ
アントエチャから歩き開始(ルートは道祖神HPを参照)、ファライリブ村までは道幅もあり、周りの景色を眺める余裕も。途中から雷と雹に遭う、現地ガイドがマイ・ダイアモンド!と面白がるほどの大きさ。いくつもの山を越えてやっと辿り着いた村は鞍部のような所にあった。狭い山肌での暮らしは大変だろうに・・・。次のアンブヒマナリブ村への道は細く生活道路とは程遠い山道そのものに思えてくる。村の人々は裸足で歩くから窪んだ道で十分なのだろうが、トレッキングシューズでは何とも歩きにくく体幹を試される。よそ見をしている暇はない。その上、ぬかるみと丸木橋が現れる。こんな道を、荷物を背負ったり、頭に乗せたりしてスタスタ歩く毎日を知らされる。
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村の滞在
家々の中にはトウモロコシが所狭しとぶら下がっている。黒光りしているものもある。うす暗い朝早くから一日中ずーっとどこかで杵でついている音がすることに気付く。女性の仕事だろうか、写真を撮りたいが無理そうだ。来る途中に訪ねた家でごちそうになった豆の煮物は柔らかくやさしい味だった。私たちの7日間の食料となった鶏、あひるは新鮮そのもの、煮込み料理は美味しくご飯にかけて食が進む。初めてのグアバのサラダ、これにはビックリ、美味しい。焼きバナナこれもいい。キャッサバ入りのお粥もなかなか。アラビカコーヒーの土地、毎朝、豆を布でドリップしたのをいただく。
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無形文化遺産の木彫りに挑戦
現地に行く前は帽子編みと椅子の木彫りの2つをやることが出来るだろうと欲張ったことを考えていたが、お邪魔した家で帽子編みを見せていただいた。細い繊維を根気よく縦横に締めていく作業を見た瞬間これは無理と判断。木彫りを優先させることに。しかし、この木彫りは彫刻刀を使うのではない。鑿と木槌。やったことが無い。アンブヒマナリブ村で一本の丸木から彫り出すものと組み立て式椅子の制作現場を見せてもらったが、驚いたことに私たちど素人にここを彫ってみてと鑿と木槌を持たせてくれた。ここに鑿を当てて、この角度にして、叩いて、と手取り足取り。そのたびにハイハイと返事するので村の人の笑いを買う。木彫りの文様には意味があり大概は家族の結び付きを表しているそうだが村によって得意とするものがあるとのこと。彫り方の研修を受けた後、本番を前に下絵の構想作りのヒントを求め村を歩く。蜘蛛の巣、ハチの巣、太陽、バナナの実・・これまた欲張ってしまいたくなる。師匠に下絵を椅子に書いてもらい、いよいよ彫り始める。力むせいもあって深彫りになってしまう。見かねて村の人も手を貸して教えてくれる。足でしっかと椅子を抑えてコンコンとやるのだが何せ俄か彫り師、冷や汗たらたら。それでも夕方前には一応の形となった時は正直ほっとした。足の形を整え、紙やすりをかけ、靴墨を塗り艶出しをして完成。村を出発の朝、師匠が完成品とプレゼントの鑿を持って来てくれた。感謝。
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伝統帽の編みに挑戦
これを作れないとお嫁入りの資格はないという帽子編み。民宿の女将さんの指導を受ける。よそ見しても手は動くという腕前を前に果たして何日かかることやら。少し編み進んだところで、やってみなさいと言われる。おっかなびっくりの手付きで次に通すところを捜す。「ザイ―(良い)?」「ザイ―」と確認しながら進む。何とか形になってきたがやはり編み方が緩い。仕上げは女将さんが。完成品をいただく。髪が薄くなって頭に似合うだろうか。
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とにかく元気な子供たち
電気のない部屋は暗く鬱陶しいので窓を開ける。と子供たちが覗く。持参した折り紙、新聞紙、チラシを折ってプレゼントする。人数が多く間に合わない。教えて一緒に折ろうとするが上手く伝わらない。小さい子供たちは学校でフランス語を習ったばかりだそうで使おうとして話しかけてくるがこちらは知らない。「マダーム」と窓から何かを欲しそうに声をかけてくるのだが。新聞紙も底をつきボール状にしてキャッチボールをしたがすぐほぐれる。丸め直しているうちに少年が草紐を持ってきて丸め直してくれた。嬉しかった。狭い山の背での暮らしは子供たちの運動神経に磨きをかけるのだろうか。高い所からジャンプして下の草むらに飛び込む様子には驚いた。度胸が要求される。
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伝統木造住居の棟上げ式と基礎作り
木の家の棟上げ式と土作りの家の基礎作りを見る機会に恵まれた。お神酒(?)を撒いたり、振舞うのは日本と同じ。結いがあるのだろうか、近隣の村から助っ人が集まったと聞いた。
サカイブ村最後の夜は子供たちが歓迎の踊りを披露してくれた。学齢前の子供たちも一緒に見様見真似で踊っている。日が暮れた中での踊りをヘッドランプで照らすと力強い動きが浮かび上がった。「すごい」しか出てこなかった。
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本当に楽しさてんこ盛りの旅だった。木を生かす生活に触れる旅だったが、木おけを作ってはどうかと出しゃばった事を思いついた。竹もあるからタガを作れるし、洗濯板も。柿があるから柿の葉寿司もどうだろうか。
霧の森の叡智 ザフィマニリに学ぶものづくり 11日間
マダガスカルのツアー・旅行
スタディ・体験がテーマのツアー・旅行

マダガスカル旅行のお土産に「天然のバニラ」はいかが?

マダガスカルの特産品といえばバニラ。
バニラと聞くと、お菓子やアイスクリームに入っているバニラエッセンスを思い浮かべますが、もともとはラン科バニラ属の蔓性の多年生植物のことです。バニラの鞘(バニラビーンズ)を採取し、ボイル、発酵、天日干し、熟成の長い過程を経てやっとバニラ特有のバニリンという甘い芳香成分がでてきます。原産はメキシコと言われますが、現在はマダガスカルだけで世界の生産量の7割を占めています。

スペインが中米から持ち帰りヨーロッパ全土に広がり、アフリカへもたらされました。スペイン軍がアステカを征服した際、カカオとコーンパウダーにバニラの粉末とハチミツで風味を付けたチョコレートの原型と言えるものの美味しさに驚き、持ち帰ったと言われます。
では私たちが普段口にしているお菓子やアイスクリームのバニラの多くがマダガスカルからやってきているかというと、そうではありません。バニラの芳香成分であるバニリンは、バニラビーンズが非常に高価であることとその魅力により、早くから人工的な合成法が研究され確立されています。一般的なバニラエッセンスは人工のものですが、天然のバニラビーンズを酒類に漬けこんで作られたエッセンスは特にバニラ・エキストラクトと呼ばれます。
天然のバニラには芳香成分のバニリン以外にも強壮効果のあるフェランドレン、抗感染効果のあるリナロールを含んでいます。甘い香りをもち、精力剤であり身体の抵抗力を高めるものとして、昔から民間療法の薬として、さらには媚薬として重宝されてきました。なにより天然のものは人工バニラにはない品の良い香りがあるとされています。
日本で買うと高価ですが、マダガスカルのマーケットにはずらりと安く並んでいますのでマストバイでしょう。マダガスカル通の話ではバニラビーンズを泡盛に漬けこむとコクがでて非常に美味しいそうです。
大阪営業所 有冨
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アフリカのサイクロン

今現在、大型で強い台風第8号は五島列島の西側を北上、これから東に進路を変え九州方面へ向かうと予想されています。
こういった事態が発生すると、どうしてもアフリカと結び付けて考えてしまうのですが、アフリカでも毎年台風の影響を大きく受ける国々があります。マダガスカルをはじめとするインド洋の国々です。こちらは太平洋ではなくインド洋ですので、呼び名も台風(タイフーン)ではなく、サイクロン(ちなみに大西洋はハリケーン)。インド洋でサイクロンが発生する時期は、日本の逆の2月から3月になります。
例えばマダガスカルの場合、この時期の旅行が無理かというとそんなことはなく、大きい島なので地域の差が大きく、特に影響を受けやすい島の東側やセントマリー島のある北東部などを避ければ、普通に旅行は可能です。ただ最近の日本と同様に、やってくる時期もずれ始め、軒並み巨大化し、島の南端から北端までご丁寧に縦断していくことも増えているようで、2004年、2006年、2007年、2012年と、中央部の高地にある首都アンタナナリボを直撃するサイクロンが年に2つも、4つも来るような状況(最大で45万人が被災したことも)になっているようです。島の南西部は通常であればこのサイクロンの影響を受けることは殆どなかったのですが、最近はそうでもなく、胴回り20m近い巨大なバオバブが、根こそぎ倒されるような暴風に見舞われたこともあるとか。

沖縄地方では記録的な豪雨となっており、TVのニュースで街路樹がなぎ倒されているのを見て、以前聞いたバオバブの話と重なりました。今日の夕方には九州・四国の西側も暴風圏内入り、10日、11日と関西や関東に向けて移動してくると予想されていますが、皆さま台風情報に注意し、どうぞ安全にお過ごしください。

アフリカからコンニチハ!VOL.8 FROM マダガスカル

今回は、ユニークな生態系や自然環境があり、根強いファンの方も多いマダガスカルからです。
●ガイド自己紹介:
初めまして。私はイリソアです。日本語ガイドです。17年間この仕事をやっていますが、まだまだ上手な日本語を話すことができず、間違える事もいっぱいあります。どうぞ、よろしくお願いします。

●インタビュー:
Q.あなたの国で一番好きな場所はどこですか?
A.一番好きな所は2つあります(笑)。ノシベという島とフォートドーファン(ベレンティ)です。
Q.あなたの国で一番エキサイティングなお祭りはなんですか?
A.毎年5月にノシベで開かれるドニアというお祭りです。メインは音楽祭ですが、ストリートバスケやモトクロスなど、スポーツのショーもあり、見所満載で、エキサイティングです!
Q.お母さんの得意料理は何ですか?
A.色々ありますが、一番美味しいのは、ラビトト(豚肉とキャッサバの煮込み)です。あと、ウナギ(!)です。
Q.あなたの国の格言をひとつ教えてください。
A.「Ny vola no maha rangahy」
≪お金は人を(一人前の)男にする≫
社会生活を送ったり、家族を養うためにはお金が必要です。一人前の男は仕事があり、お金を得て生活ができます。
Q.日本に来ることがあったらどこに行きたいですか。また何をしたいですか?
A.日本に行くチャンスがあれば、京都、広島、大阪、奈良、東京、北海道に行きたいです。あと、日本の動植物園にも行ってみたいです。そして、日本人の日常生活も体験してみたい。もちろん美味しい日本食も!
Q.日本人に対する印象は?
A.日本の人達は、時間を守る人、真面目にそしてよく働く人達だと思います。ですので、世界で最も発展した国の一つになったと思います。私は日本人のそのような習慣を学びたいです。
日本語も流暢で、一般のマダガスカル人同様とても穏やかな印象のイリソアさん。これからもマダガスカルの魅力を多くの皆さんに伝えていただきたいと思います。
イリソアさんも活躍しているマダガスカルのツアー一覧はこちら。