アフリカの通貨名の由来

日本のお金の単位・通貨名は『円』ですが、アフリカ全土を考えると、随分たくさんの通貨名があります。
北アフリカ諸国も、各国それぞれ通貨がありますが、その中で多いのは「ディナール」と「ディルハム」。中東諸国も含めると、ほとんどの国の通貨が、ディナール、ディルハム、リヤルの3つの単位(それぞれ通貨名の前に国の名前がついた異なる通貨扱いですし、当然換算レートもそれぞれ違いますが)のいずれかを使っています。何で別の国なのに、同じ通貨単位を使っているんだろう?と不思議に思われた方もいらっしゃるかもしれませんが(いないか?)、実はこの3つの通貨には非常に長い歴史があります。
まず、アルジェリア、リビア、チュニジア、イラク、クウェート、ヨルダン、バーレーン(その他セルビア、マケドニアでも)で使われている「ディナール」。起源は693年にウマイヤ朝のカリフ、アブドゥルマリクがダマスカスで打刻させた金貨に遡ります。
そしてモロッコやアラブ首長国連邦で使われている「ディルハム」も、全く同じ時に、同じカリフの命によって打刻されましたが、こちらは銀貨でした。
この時以来、イスラム世界では金貨のディナール、銀貨のディルハムが長い間並行して使われてくことになります。

それぞれの名前の由来は、ディナールがローマ帝国のデナリウス銀貨、ディルハムがサーサーン朝ペルシャのディレム銀貨(ディレムは更に遡ると、アレキサンダー大王が持ち込んだギリシャの「ドラクマ」まで遡ることができます)。いずれも、初期イスラム帝国が征服したそれぞれの地域でかつて流通していた貨幣です。今では以前使っていた国々でも独自の名前を持った通貨を制定する国が増えましたが、上に挙げた国々は現在でもこの由緒ある通貨名が使われています。
因みに、他のオマーン、カタール、イランなどの中東諸国では「リヤル」が通貨名となっていますが、ブラジルの通貨「レアル」とともに、スペイン語・ポルトガル語で「王の」を意味する形容詞「real」から名をとったスペインの古い通貨「レアル」に由来するアラビア語名です。この「real」は英語ではロイヤル(royal)にあたります。
日本の「円」の通貨名の由来ってご存知ですか?結構興味深い話なので、是非調べてみてください。
by 羽鳥

タンザニアのお札、Msimbaji

東アフリカに位置するタンザニア。
今は夏に向かっており、どんどんと気温が上がっています!
ところで、この国の通貨をご覧になったことはありますか?
タンザニアの通貨は「タンザニア・シリング(以下、Tsh)」です。
紙幣には、他のアフリカ諸国と同じく野生動物や、初代大統領、そしてその国を象徴する物が描かれています。
Tshで最大の紙幣は「10,000Tsh」。日本円ではおおよそ630~40円。

この10,000Tsh紙幣、スワヒリ語では「Shilingi elfu kumi」(しりんぎ えるふ くみ)と言いますが、通称は「Msimbaji」(むしんばーじ)。
このお札を渡すときに「はい、Msimbajiね!」と渡すと、ほぼ笑いが取れます。
または「おっ、コイツ知ってるな!(ニヤリ)」という反応が!

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ところでこのMsimbaji、語源は「Simba」、ライオンです。
筆者は、強い動物に例えて、この最大額の紙幣にその名を付けたのだと、つい最近まで思っていました。
ところが先日、タンザニア人の友人から
「これはSimba FCからきている名前なんだぜ!お札とユニフォームが同じ色だろ?」
と教えてもらいました。

Simba FCとはタンザニアで人気のサッカーチーム。
サッカー好きのタンザニアンらしい発想だなぁと嬉しくなりました。

Photo by : Fanny Schertzer from Wikipedia Commons
By歌津
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