ナミビアに生息するレイヨウ類、砂漠のオリックス(ゲムズボックス)

ナミビアのオリックス。南部アフリカではゲムズボックスとも呼ぶ、オスメス共に真っ直ぐに伸びた非常に美しい角を持つ大型のレイヨウです。半砂漠、草原、サバンナに生息し、オスを中心とした10~50匹からなる群れを形成して生活していますが、時たま単独行動をしている大型の個体を見かけるのは、老齢化したオスが群れを離れ単独で生活することが多いためです。
このオリックス、ナミブ砂漠等の非常に乾燥し、日中の気温がかなり上がる場所では、日差しと高温を避けるためにアカシアの木などの木陰に入り、人がかなりの近さまで近寄っても警戒するだけで逃げない場合があります。実際のところ、3mくらいの近さまで近づけるでしょう。こういった状況で更に近づくのは、実は非常に危険。体力の消耗を防ぐために餌を漁る行為もストップし、止むに止まれず木陰に待機している状況ですので、人間が近づくことで更に彼らを精神的に追い詰め、最終ラインを超えてしまった人間に対して彼らが何をするかと言ったら、”防衛のための攻撃”しか選択肢がありません。その攻撃も生死をかけたものですので、当然ですが最初から手加減なしです。
時にはライオンさえも貫く、その鋭く尖った角を用いてアタックされたら人間はひとたまりもありません。

アフリカの生態系の中では捕食される、どちらかというと”弱い”部類に入るレイヨウ類ですが、厳しい野生の生存競争の中で生きているということに変わりありません。どんな動物であれ、厳しさの中で生き抜く『強さ』を持っているのは、考えてみれば当然のことなんですね。
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