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2010.12.23発 スーダン・サハラ ヌビア砂漠の旅 13日間

2011年1月9日に南北分離の是非を問う国民投票が行われようというスーダンに行ってきました。ツアーを企画する以前の段階で、国民投票の向けての治安の状況はどうなのか、騒乱がおこる可能性はあるのか、など気になる情報を現地手配会社を通じて入手しましたが、現地からの回答は決まって「ハルツーム以北のナイル沿いとヌビアは大丈夫!あなたもわかってるでしょ?」とのことで、ツアーを実施しました。
個人的な旅行含めスーダンは何度も足を運んでいますが、ツアーが催行されるのは2シーズンぶり、最近は中国の投資などで発展が著しいスーダンですが、やはり地方の農村部は私が初めて旅した15年ほど前からほとんど変わっていません。表だってわかるのは、市場に並んでいる品物に多くの中国製品が混じっていることくらいでしょうか。

このツアーのメインの見所は、ヌビアに残された古代エジプト時代のものを筆頭に、クシュ王国時代、次いでキリスト教時代を通じて残された遺跡なのですが、エジプトと比較して保存状態がそれほど良いわけではなく見応えも?ですが、日常生活の傍らに、いわれも知られずに横たわっているような、本来の遺跡の姿を見るような気がして、個人的には非常に好感がもてます。夕暮れ時に遺跡の片隅に腰掛けて夕陽を眺めていると、時間の流れによって風化されつつある、この土地に生きた人びとの『想い』のようなモノがかすかに感じられるような気がして、柄にもなくロマンチックな気分になることができました。

また、今までこのツアーにご参加された皆さんが等しくお持ちの感想だと思いますが、このツアーの裏の見所はスーダン北部、ヌビアの人びととの触れ合いです。世界広し、アフリカ広しといえども、いち観光客にここまで無防備に接してくれる人びとはいないのではないかと思わせるほど、地元の方々と身近に接することができます。特に今回のツアーではスーダンの伝統衣装を好んで纏ったお客様がいらっしゃったため、スーク(市場)では地元の方々の目を引き、いつもにもまして楽しいひとときが過ごせたのではないかと思います。

移動にとても多くの時間を割いていた未舗装路の多くが、中国の援助によって快適なアスファルトの道に変わり快適な移動とスーダンならではの砂漠の悪路の移動がバランスよく配置されるようになり、旅はかなりメリハリの効いたものになっています。インフラが整ってきているとは言え、地方の宿泊施設はまだまだ貧弱で、テントが数泊、それ以外は地元の有力者の方が持っているゲストハウスを利用しますが、年々設備はよくなってきています。なにより優秀なコックさんが同行し、毎食美味しい食事さえとれれば、どんな貧弱な施設でも快適な宿泊になることが多いのですが、この点スーダン手配会社の馴染みのコックさんは、企画者の私が安心しておすすめできる腕の持ち主なので、今回のツアーでも彼の料理は大好評で、そのお陰で救われた場面は多かったです。

私たちの帰国後の国民投票の結果、南北分離が決定的となっている状況で、おそらくアフリカ最大の国としてのスーダンを旅する機会は今回が最後になるかもしれません。ですが、人類の歴史が始まる前から今も滔々と流れる悠久のナイルの流れのように、それに寄り添って生きる人びとはいつまでも変わらないでいて欲しいと強く感じました。

チュニジア、エジプトをはじめ中東諸国では市民による民主化要求が激化、情勢があまり良くない国も多いですが現在もスーダン北部の状況は全く変わらずのようで、もちろん今年も暑さが落ち着く11月以降にツアーを企画しています。悠久の時間とともに生きるスーダンの人びとの優しさにふれるこのツアー、アフリカ一のホスピタリティーをもつこの国をまだ未体験の方、是非ご参加をご検討ください。
羽鳥

道祖神