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2012.08.01発 ボツワナ・キャンプ~オカバンゴからチョベへ11日間

道祖神にはいろんなキャンピングツアーがあるが、ボツワナ・キャンプには特筆すべき魅力がある。キャンピングは単にテントに泊まることではなく自然の只中に仮の住まいを設けることで、畏れ多くも野生動物たちの生活領域にお邪魔することだ。この感覚をより強く感じることができるのがボツワナ・キャンピングツアーだ。

世界最大の内陸デルタ「オカバンゴ」へ飛ぶと、ランドクルーザーがお出迎え
オカバンゴのラグーンやチョベ川でボートサファリ。風が気持ちいい。
乾季は特に夕陽が美しい。日が暮れるとキャンプの火と星が美しい。

トイレなどが常設され人間のテリトリーとして確立されたキャンプサイトではなく、このツアーのサイトにはそれを示す小さなサインが木に下げられているだけだ。必要なものはすべて持ち込み、去る時は何も残さない。プライベートキャンプなので他の旅行者とキャンプサイトを共有することもない。持続的な人間のテリトリーではないので当然動物がやってくる。夜間、ライオンやハイエナの咆哮が近くテントの中でかたずを飲む。ラーテル(アナグマ)がサイトを徘徊していく。ハイエナも食べ物の匂いにつられて時々やって来るがガイドが草履で追い払う。ゾウは昼間でもやってきて木をなぎ倒していくし、サバンナモンキーたちは木の上から我々の食料を狙っている。川辺でキャンプすれば水の中からカバが人間たちの生活を眺めている(その距離わずか)。

チョベ川を泳いで渡るゾウたち(左)。川の中州は安全地帯なのでカバも陸上でのんびり(右)。
チョベの中州の動物たちはボートで近づいても逃げない。ナイルワニは日向ぼっこ中。
グレータークドゥの角のラインはやはり美しい(左)。バッファローは表情豊かだ(右)。

これらの野生動物たちと時々現れる人間との境はお互いの経験に基づいたもので、自分のコミュニケーションの仕方によっていかようにもなる。野生動物と自分の間には檻も車体もなく、生き物同士の共通の了解があるだけだ。旅のはじめは経験がないので野生動物の気配や接近にビビるのが当然だが、カバは水に入っているうちは平穏だとか、ゾウの威嚇の程度だとか、この鳴き声はどの動物のどういう心情のものかだとか、そういったことを知るにつれて野生動物との距離感が分かってくる。

夕日にたたずむアオサギ、Grey Heron(左)。どこか上品な見た目、African Fish Eagle(右)。
茶髪のツバメ、Lesser striped Swallow(左)。嘴に隙間のあるコウノトリ、African Openbill(右)
ダーツのように鋭く泳ぐ鵜、African Darter(左)。ソフトモヒカンのシャコ、Crested Francolin(右)。
嘴が鮮やかなハサミアジサシ、African Skimmer(左)。飛べるのに飛ばない、Southern Grand Hornbill(右)。

野生動物を観賞の対象としてだけでなく、隣人として感じることができるかもしれない。そこがこのツアーの魅力だと思う。

貴族の名を持つセーブルアンテロープ(左)。ライオン、夕日に燃える?(右)。
明け方、寒くて落ち着かないバブーン一家(左)。サザビー、360度警戒態勢(右)。
若い雌のヒョウ。美しさは語るに及ばず。
大きくて目が優しい。

有冨

道祖神