4月20日~21日に講習会西日本編第5回を、奈良県の弥山・八経ヶ岳にて行いました。
今年は3月に高見山(標高1,248m)での足慣らしに始まり、今回はそれなりの達成感を求めて近畿最高峰であり百名山でもある弥山・八経ヶ岳(標高1,915m)へ。奈良、三重、和歌山にまたがる台高・大峰山脈は標高は2,000mに及ばないものの山域は広大で山深く、国内有数の降水量のために谷は鋭く切れ込み、いつも濃い霧をまとっている味わい深い山々です。いまだに女人禁制を貫いている事で有名な山上ヶ岳をはじめ、日本最古といわれる山岳信仰の聖地でもあります。山々には行者の行場が点在し、奈良の吉野から和歌山県の熊野本宮まで続く全長170㎞に及ぶ山道、大峰奥駆道は熊野の参詣道として世界遺産に登録されています。
山域の中心部に位置する弥山は曼荼羅世界の中心点である須弥山を意味する山名で、そこに登ることはあたかもあちらの世界に潜っていくかのような、そんなストーリーも楽しみつつ、非日常を満喫してきました。
天気の不安定なこの時期、やはり途中から気圧の谷や寒気の影響により雪が降ったり、木々や髪に霧氷がつく天気となりましたが深山はより深山らしく趣きがありました。弥山小屋は貸切状態。部屋を広く使い、調理場を借りて牛丼を作ったり、参加者全員で
おにぎりを握ったり、普段の山小屋ではできない体験ができました。
今回の山行のポイントは長い下りにありました。山頂から長い尾根をゆるゆると下る、キリマンジャロ登頂後の長い下りを想定した行程としました。次回、講習会第6回は木曽の御嶽山です。白山、弥山に続いてまたしても霊山。
立派な行者さんになれるかも?
ご参加いただいた皆様お疲れ様でした。ありがとうございました。