17年の年末年始、南アフリカとボツワナに跨り管理されているカラハリ・トランスフロンティア公園を訪問するツアーに添乗員として同行させていただきました。
アフリカで初めての国境をまたいだ保護区域として指定されたカラハリ・トランスフロンティア公園。
総面積は38,000㎢で、ボツワナ側の面積が28,400㎢、南アフリカ側の面積が9,600㎢です。人間の手がほとんど及ばないカラハリ砂漠南部に位置し、過酷な自然環境が広がりますが、極度の乾燥地帯に適応した動物達が力強く息づいています。
2つの国に跨っているため、南アフリカ、ボツワナどちらの国からもアクセスすることができ、また園内は、国境を越えてサファリを行う事が出来ます(正確には、出入国手続きが必要な場所もあります)。
キャンプしながら滞在することも可能ですが、こちらのツアーでは、快適なロッジに連泊しながら動物観察を行います。
まずは、ヨハネスブルグから国内線でアピントンへ。
そこから陸路移動して、カラハリトランスフロンティア公園に到着です。
園内は、砂丘とアカシアやキャメルソーンなどの低灌木が広がります。
この辺りの年間降水量は、150mm前後と少なく、雨季(11~4月)の時期も雨が降る事はあまりありませんが、雷と強い風を伴った激しい雨が降ることもあります。
この公園には、いわゆるBIG5のうち、十分な水や餌が必要なゾウ、サイ、バッファローは生息していません。
また、キリンやシマウマも生息はしていますが、生息しているエリアが限られており、今回は残念ながら出会うことが出来ませんでした。
代わりに、昆虫などを主食とするミーアキャットやマングース、オオミミギツネやワイルドキャットなどの小型の食肉目の生き物にとっては生息しやすく、また、それを狙う猛禽類が数多く生息しています。
そして、特筆すべきは何といっても、カラハリ砂漠のみに生息するカラハリライオンです。
今回は、世界一美しいライオンと言われる彼らをじっくりと観察する事が出来ました。
他のエリアのライオンと比べると平均して体付きが大きく、体毛はグレー、そして雄はタテガミが黒いのが特徴です。
このツアーでは、ロッジに泊まりながら動物を観察します。
自然に配慮された造りで、必要なものは十分に揃っており、快適に過ごすことができます。もちろん公園内に立地しているため、動物が敷地内にもやってきます。高床式になっている部屋の下には、夜になると、動物が寝ていることもあり、大迫力の咆哮が聞こえることも!?
アフリカでサファリを行う際は、東部・南部アフリカ地域を問わず基本的に、早朝、夕方の2回サファリを行います。
今回のサファリはロッジ専属のドライバーと車を利用して行いましたが、非常に充実したものでした。
朝は、起床してから、ティー&コーヒー、クッキーなどで簡単に済ませてから、日の出前にロッジを出発。11時前頃に戻ってきてブランチ。夕方は、ハイティーを楽しんで、涼しくなる時間から日の入り(20時頃)までサファリ。
日照時間が長いシーズンということもありましたが、毎日9~10時間程度のサファリをたっぷりと行いました。
また、ある日は、早朝からフルデイサファリを行いましたが、途中ランチ休憩やティーブレイクなどを挟んで15時間!の超ロングサファリで、おかげで色々なシーンを観察する事が出来ました。
8日間と短いツアーながらも、毎回濃密なサファリになるため、充実度は、滞在期間以上のものになりました。
ほ乳類が19種、鳥類は30種以上(猛禽類が15種)確認することができました。
カラハリトランスフロンティア公園は、ケニアやタンザニアなどでサファリを経験したことのある方には、動物相や自然景観の違いをより感じていただけるため、サファリリピーターの方にお勧めしたい場所です。
ただ、サファリが初めての方でも、ゾウやキリンやシマウマに会えなくても大丈夫、とにかく美しいライオンに会いたい!という方であれば、きっとご満足いただけるかと思います。
こちらのツアーは、通年ツアーを設定(2名様催行、添乗員無し)しておりますが、次回の9月15日(土)発については、添乗員同行で実施致しますので、ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。
荒木
■カラハリ・トランスフロンティア公園でサファリ 8日間