先日、ケニアとタンザニアの2ケ国に渡って約2週間超という長いサファリ旅行に出かけてきました。国立公園・保護区を全部で計5ケ所。ここ数年はお休みしていた同ツアーだったのですが、現在はタンザニアの入り口キリマンジャロ空港とケニアの玄関ナイロビ空港の両方に飛んでいる飛行機も増えたことから、以前に比べてより効率よく回れるような内容が組めました。サファリの回数はたっぷり15回!東アフリカのサバンナを舞台にしたサファリツアーの決定版ともいえる内容になったと思います。
セレンゲティ国立公園では、たっぷり3日間、雨季の終わりかけのサファリを楽しみました。もちろん野生動物に会う事も出来ましたが、何より豊かだったのは、雨季のサバンナの瑞々しい美しさです。『雨季』という字は「雨の季節」と書きますが、現地ではこの季節の事を『グリーン・シーズン(=緑の季節)』と呼びます。文字通り、サバンナの緑が本当に濃く、特に早朝のゲームドライブは格別でした。サバンナがまだ朝靄に包まれる夜明け、樹々や草花、シンと張り詰めた空気の息遣いまで聞こえるような静寂の中、焦らず、急がず、騒がず、じっくりと動物との出会いを求めて車を走らせます。
毎日お弁当片手にセレンゲティをあちこち走りました。忙しいシーズンの時期に比べるとサファリカーの姿も少ない為か、次から次へと野生動物を追いかけて走る、と言うよりものんびり、じっくり丁寧に動物を観察する場面が多かったように思います。
一つ気になったのは、ヌーとシマウマの大きな群れが、セレンゲティの南の入り口ナービゲからンドゥトゥ地区へと向かっていった事です。もう6月になろうという時期に、まだこんな場所に大きな群れが居るという事は、今年は随分マイグレーションの動きが遅いような気がします。中央部のセロネラ地区も草丈がまだまだ高く生い茂っているという事は、まだそのあたりまでは群れの本隊はやって来ていないのでしょうか。不思議です。
さて、ここから今度はンゴロンゴロ自然保護区へと戻り、今度はクレーターの中へ降りてじっくりとサファリします。
ンゴロンゴロ自然保護区でのサファリを終え、これにてタンザニアでのサファリを終えます。2ケ所の国立公園でたっぷりとサバンナの中での時間を過ごすことが出来ました。
いよいよ北上して国境を越えます。約1週間、お世話になったドライバーさんに別れを告げて2ケ国目のケニアに突入です。
ケニアでは王道の3ケ所。アンボセリ国立公園→ナクル湖国立公園→マサイ・マラ国立保護区と回ります。次なるナクル湖では、タンザニアでは遠目にしか見る事の出来なかったサイを狙います。
タンザニア~ケニアへと全5ケ所の国立公園・保護区を巡る旅もいよいよ終わりです。
サバンナのピーク時期と言われる『乾季』にサファリ経験のある方はお分かりかと思いますが、あの季節の早朝ゲームドライブの出発時は、何十台ものサファリカーが次々に砂煙りを上げながら先を競って走り出し、まるで鉄火場のような迫力があります。あの朝っぱらからの喧騒にガツンと気合が入り、あれはあれで個人的には大好きなのですが、それとはまったく異なる、静かで丁寧なサファリが「緑の季節」のサファリの魅力です。
食動物たちの家族の風景、風にたなびく緑の中で気持ちよさそうに転寝をするライオン、色彩が豊かな草花、また空気が澄んでいる為に鮮やかな色合いを見せてくれる鳥たちの姿も魅力です。『乾季』に比べると出会うことの出来る動物の絶対数が少ない為、一つ一つの出会いを大切に、丁寧に観察する上質なサファリを楽しむことが出来ました。
15日間という長めの日程の為、一年を通して常に企画しているようなツアーではありませんが、サバンナの隠れた魅力に出会えるような季節を厳選して、ピンポイントで募集を続けています。次回はまた11月の秋口や3月の春先など、ピークの時期を外して企画予定です。是非、密かなサバンナの魅力に出会える季節をお楽しみに!