2023.11.18発 緑の季節のマサイ・マラ 8日間

2023.11.18発 緑の季節のマサイ・マラ 8日間

11月、ケニアは小雨期と言われる時期を迎えます。春の大雨期程には雨は降らないものの、乾季と比べると、やはり緑の多い青々とした時期となります。そんな緑の季節にマサイ・マラはどんな表情を見せてくれるのでしょうか。『緑の季節のマサイ・マラ 8日間』のレポートです。

まず、今回宿泊するのは保護区に古くからある老舗のロッジです。ロッジの横には小川が流れており、頻繁に野生動物が訪問してきます。滞在中、毎日の様に見られたのが、川に住むワニやカバ、鳥類だとエジプト・ガンです。草食動物ではブッシュバックが水を飲みに来ており、ワニに食べられてしまわないか皆さんひやひやしながら眺めていました。さらに、夜はハイエナの訪問も。その他、ロッジの敷地内でディクディクとマングースも、愛らしい姿で歩き回っていました。

川辺にいるのはクロコダイルとブッシュバック
川辺にいるのはクロコダイルとブッシュバック
レストランの前で草を食むブッシュバック
レストランの前で草を食むブッシュバック
小さな来訪者、シママングース
小さな来訪者、シママングース

サファリ初日

保護区を中心部方面に向かった平原エリアを中心にサファリをする事に。すると程なくして、メスライオン数頭と子供たちのグループが低潅木に隠れる様な形で休憩をしていました。子供たちは寝たり、じゃれたり、お乳を飲んだりと思いのまま。家族に守られ、安心しきっている様子です。

甘えるライオンの子供たち
甘えるライオンの子供たち

ガイドの提案で、しばらくそこで待機し、ライオンが動き出すのを待つ事に。ガイドのライオンについての説明を聞きながら、待つこと30分…。なかなか動き出しません。ただ、母親がゴロゴロと寝返りを打ち始めました。これは期待できるかも!とそこへ、近くでサイが出たとの情報が入ってきました。ライオンをもっと近くで見たいという思いに駆られながらも、マサイ・マラでも珍しいサイが現れたというのでは、放っておく訳には行きません。一目散に現場へ向かいます。

現場に到着するも、サイははるか彼方。とても追える距離ではありません。しかも低潅木エリアに入ってしまい、姿を消してしまいました。さて、どうする?サイを待つか、それともライオンに戻るか?二者択一を迫られます。二兎を追うもの一兎も得ず、という状況にならない為にも、素早い選択が求められます。

サイか?イボイノシシか?(サイです)
サイか?イボイノシシか?(サイです)

結局、より確率の高そうなライオンを目指すことに。先ほどいた場所まで急ぎ足で戻ろうとハンドルを返したその瞬間。出てきました、サイです。しかもこっち方面へ向かってきます。ガイドはすかさず進路を予測し、サイの前方で車を停め、サイを待ちます。すると、なんということか、映画の様に、サイがこちらに向かって走り出し、我々の真横を通過していきます。この至近距離での撮影はなかなかできません。今日のサファリは終了し、意気揚々とロッジへ引き上げます。

サイが戻ってきた!
サイが戻ってきた!
真横を通り過ぎるサイ
真横を通り過ぎるサイ

2日目

2日目は一部の参加者がバルーンサファリへ。日の出前にロッジを出発し、バルーンの出発地点へ向かいます。後で聞いた話ですが、暗闇の中でなんとオスライオンを発見したとのこと。さらに、バルーンからは動物や虹が綺麗に見られ、大満足のフライトだった様です。バルーンサファリ後はお約束のブッシュ朝食とシャンパンでお祝いです。

おいしそう!飲み過ぎないように要注意です。
おいしそう!飲み過ぎないように要注意です。

朝食後は通常のゲームドライブへ出発です。そして、今日は沢山の大物と遭遇することができました。まずは平原部でチーターの親子。アリ塚の上で、獲物を探します。お昼寝中のオスのライオン。バッファローの巨大な群れ。そして、ゾウのファミリーを至近距離から捉えることができました。なんと2日目にして、ヒョウを除く全てのビッグファイブが見られてしまいました。

いつでも絵になるチーター親子
いつでも絵になるチーター親子
バッファローの海をゆっくり渡る
バッファローの海をゆっくり渡る

午後のサファリは、ここまで行ったらもうターゲットは残る一つ、ヒョウです。ヒョウを探してサファリを続けると、なんと低潅木エリアの手前で一休みするヒョウの姿が。昨日同様、ヒョウが歩いてくる位置を予測し、写真撮影にベストな位置でポジション取りをし、待機。5分、10分、15分。そして30分と時間は経過し、まさにヒョウとの我慢くらべです。1時間を過ぎた頃、寝ぼけ眼のヒョウが周りをキョロキョロ見渡し始めます。そして、ついにお尻をついて座った姿勢となりこっちを凝視しています。動き出すのは間も無くでしょう。こっちに向かって来るか!?

遠いが、ぎりぎりヒョウだと分かる距離。
遠いが、ぎりぎりヒョウだと分かる距離。
座った!こちらに出てくるか!?
座った!こちらに出てくるか!?

というところで、突然雨がパラツキ始めました。そして、濡れるのを嫌ったか、出てきそうだったヒョウも中に入ってしまいました。これは残念です。もう一息だったのに…。でも、これがサファリです。明日に期待しつつ、ロッジに引き上げます。帰り際、夕日を前にエランドがこちらを眺めていました。

夕日とエランド
夕日とエランド

3日目

今日はお弁当を持っての終日のゲームドライブです。まずは、昨日見たチーター親子のテリトリーへと進みます。到着し観察を始めると、サバンナの遠方にチーターの頭が一つ顔を出します。そうこうしている内に、頭が2頭、3頭増えていきます。なんと、昨日見た親子のチーターの他に、2頭のオスのチーターがいるではありあせんか。なんでも聞くところに拠ると、タノとボラという有名なチーターの兄弟の様です。元々は5匹のオスライオンの同盟でしたが、一頭また一頭とこの地で命を落とし、今は2頭のみになってしまったとか。詳細はいつかお話したいですね。

最初は遠くにいたチーターが…
最初は遠くにいたチーターが…
近づいてきました!
近づいてきました!

チーターの兄弟の観察を終え、サバンナでのサファリを続けます。そして、登場したのが食事中のライオンのプライドでした。獲物は何だかはっきり見えませんが、割と大きな体の草食獣の様です。すでにオスライオンは自分の取り分を取ってその場を離れた様で、残っていたのはメスライオン、おこぼれを狙うハイエナ、ジャッカル、ハゲタカでした。

食事中のライオン
食事中のライオン
ハゲワシも集まってきました
ハゲワシも集まってきました
辛抱強く待つハイエナ
辛抱強く待つハイエナ

続いて、進路を西に取り、ヌーの川渡りで有名なマラ川へ向かいます。ヌーがマサイ・マラに滞留する時期ではないので、動物は少なかったのですが、川には沢山のカバやクロコダイルがいました。また、ここではオプションで、レンジャー同行で川沿いを歩くことも可能です。カバの足跡を見たり、家族毎に決まっているという陸への出入り口を見たり、クロコダイルの赤ちゃんを見たり、ウォーキングでないと難しい体験をすることができました。

大いなるマラ川
大いなるマラ川
無数のカバが。子供もいます。
無数のカバが。子供もいます。
川沿いをレンジャー同行の元、歩くこともできます。
川沿いをレンジャー同行の元、歩くこともできます。

昼食後は、ケニアのマサイ・マラとタンザニアのセレンゲティを隔てる国境ラインを見にいきました。この先が果てしない平原を意味するセレンゲティに繋がっているのかと思うと、感慨深いものがあります。

タンザニアとの国境。ここからセレンゲティです。
タンザニアとの国境。ここからセレンゲティです。

4日目

今日は朝食をお弁当にし、コーヒー/紅茶だけを飲んで出発です。ロッジを出発して数分というところで、オスとメスのライオンを発見しました。反対側には綺麗な虹が出ており、まさに理想的なサバンナの朝となりました。

虹とサファリカーとライオン
虹とサファリカーとライオン

そのままサファリを続け、キリンやジャッカル、ハイエナ、ゾウ、トリクイワシを観察しつつ、昨日ライオンが食事をしていたサイトへ移動しました。今日もオスのライオンが昨日とった獲物を引き続き食べていました。その後、大きな木の下で朝食のピクニックです。サバンナで食べるお弁当は絶品です。

ゾウのファミリー
ゾウのファミリー
サバンナでピクニック
サバンナでピクニック

この後は川周辺を中心にサファリをしました。クロコダイルとカバの観察。そして、参加者の方からリクエストのあったウッドランドキングフィッシャーをガイドが最終日に発見。無事写真に収めることができました。

サファリガイドが鳥もしっかりと見つけてくれます
サファリガイドが鳥もしっかりと見つけてくれます

午後のサファリは、これまで行っていなかったエリアを中心にサファリをしました。ウォーターバックや不思議な形のソーセージの木などを観察。最後は、保護区が一望できる高台に上がり、壮大な景色を眺めました。目の前に広がるのが、ここ数日自分達が動物を探して走り回ってきたサバンナかと思うと、感慨深いものがあります。

サファリカーと向き合うウォーターバック
サファリカーと向き合うウォーターバック
実がソーセージの様な、ソーセージノキ
実がソーセージの様な、ソーセージノキ
高台から、マサイ・マラを見下ろす。
高台から、マサイ・マラを見下ろす。

今年の『緑の季節のマサイ・マラ』では、以上の様にたくさんの動物が見られ、ツアーは大盛況のうちに終了しました。乾季の真っ只中と違い、公園全体が少し瑞々しくなるこの時期。動物たちも、緑の季節を少し楽しんでいる様でした。

石原

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