8/23発「ヌー大移動の季節 マサイ・マラで徹底サファリ 10日間」に同行いたしました。
タイトル通り、8月のマサイ・マラはヌーの群れが集まるベストシーズン。マサイ・マラ国立保護区を南北に流れるマラ川を、命がけで渡る”川渡り“を見るために、世界中から多くの観光客が集まります。川岸に集結する何100万頭ものヌーの大群、1年に1度のご馳走を心待ちにするナイルワニ、対岸で待ち構えるライオン。アフリカの大地が育む生命のドラマを生で味わった、貴重な10日間となりました。
ケニアとタンザニアの国境をまたぐ広大なサバンナを、新鮮な牧草と水を求めて、1年を掛け移動を続ける、地球上でもっとも巨大な移動といわれるヌーの大移動。3月から6月にかけてタンザニアを北上してきた群れは、7月~9月、マサイ・マラを南北に流れるマラ川へ辿り着きます。
7月~9月といっても、大自然にはカレンダーはありません。その年の天候によって移動時期や場所は大きく異なり、昨年は、7月、8月にタンザニア側で降った雨により、群れの多くが引き返し、8月は、例年よりも川渡りが少なく、10月に川渡りがあったとの情報もありました。毎年、自然、ヌー達との真剣勝負なのです。
弊社では、できるだけヌーの川渡りに遭遇できるチャンスを増やすため、マサイ・マラに6連泊。さらに、宿泊いただくロッジも徹底的に選び抜いています。
マサイ・マラの中心部、マラ川を望む高台に建つ「マラ・セレナ・ロッジ」。川渡りポイントが眼下に広がる好立地で、毎年、川渡りの時期は1年以上も前から予約が入る世界的にも人気のロッジに3連泊。
さらに、ヌーが集まる時期は肉食獣もアクティブに動くことから、ハンティングなどのドラマチックなシーンを狙い、個体数、種類が多いといわれる東側エリアのテント型ロッジにも3連泊いただきます。
8月25日、マサイ・マラ到着日。ゲート近くのロッジで昼食を取り、マラ川を目指します。マラ川に掛かる橋を越え、マサイ・マラ西部に位置する「マラ・トライアングル」へ。東側エリアではまばらだったヌーの群れも、西側エリアは草原を埋め尽くさんばかりの数。
ヌーの川渡りといっても一度きりではなく、いくつものグループに分かれ、それぞれが新鮮な草を求め、マラ川を西へ東へと交互に渡りながら北上するといわれています。ここ数日間、川渡りの情報が無かったという事もあり、地平線遠くまで続く群れの様子から「明日、明後日」が勝負と判断。翌日は、朝、昼とお弁当を持って、サファリに挑むことに。ドライバーガイドたちからも、私たち以上に“川渡り”への意気込みが感じられました。
何百万頭ものヌーが川岸に集まっていても、渡るかどうかは確約できないのが、この川渡りの難しいところ。時には2時間も、3時間も、彼らが渡り出す瞬間を待つ必要があります。右に左に、ベストな場所を探し、いよいよ川に足を踏み入れてみても、そのルートが困難と判断すると引き返してしまう。川の深さ、崖の傾斜、さらにはカバやワニがいればなおさら、慎重に、慎重にルートを決めながらスタートします。
シマウマがスタートを切るのか、それともヌーが行くのか。約1時間コースを見定め、いよいよ1頭が崖を降り始めました。次に続けと続々と崖を降りていく大群。
午後は、ホテル近くのクロッシングポイントへ。
役者は揃った。スタートを切るのは誰か。車の中から、勝負の時を待ちます。ヌー達は、右に左に何度も行ったり来たりしながら、川の様子を調べては、ベストな場所を探しているよう。徐々に日差しも強くなり、ヌーと人間との根競べ。岩場が多く、飛び込んでみるものも足を滑らせ戻ってしまい、なかなか渡らない。結局、1時間半ほど待ってみるも、残念ながら日没前までに渡りを見ることはできませんでした。
2日目。朝早く朝食を取り、見学場所をロッジ近くのクロッシングポイントに絞り、勝負をすることに。
2時間以上待つも動きが無く、諦めかけた時。別の場所で待機していた、もう1台から連絡が。
あっという間に10分間の渡りは終了。最終的には、2日間で約4回もの川渡りを観察することができ、命をかけた野性の営みをまざまざと見せつけてくれました。
ツアーの一番の目的であった川渡りを見事にクリアし、翌日は、マサイ・マラ東側へ。クロサイ、ヒョウ、チーターなどの肉食獣・草食獣を狙います。
マラ川にかかる橋を渡り、東側へ。西側では、地平線遠くまで、見渡す限り広がっていたヌーの群れは、東側では疎ら。
ヌーの群れが集まるこの時期は、肉食獣たちもアクティブです。
マサイ・マラ滞在後半、出会いたいと探していたのが、マサイ・マラで有名なチーター5兄弟とヒョウ。
マサイ・マラ滞在最終日。ハイライトとして期待したいのは、前日に出会ったチーター兄弟のハンティング。昨日は獲物を捕らえることが出来なかった彼らがお腹を空かせていることは確実でした。
しばらく兄弟の動きを追いかけるも、雨が降り出し、いったん引き返すことに。午後、昼食を取りサバンナに戻ると、なんと、兄弟の姿が。
残念ながら、ハンティングシーンは逃してしまいましたが、前日からお腹を空かせていた5兄弟が無事に、食事にありつくことができ、私たちも一安心。また、次も元気な彼らの姿に出会えることを祈って。
結果的に、ツアーの一番の目的であった、ヌーの川渡り、そしてヒョウ、クロサイというビック5も達成。実に、中身のぎっしり詰まったサファリ旅となりました。「待つ」「耐える」時間が非常に多かったのですが、決定的な瞬間に出会うためには、このレポートでは伝えきれないほどの多くの時間を動物たちと共有する必要があり、それこそがサファリの面白さだと感じました。
6日間のマサイ・マラ滞在と聞くと長く感じるかもしれませんが、広大なサバンナに暮らす野生動物の一瞬を捉えるには、決して長くはありません。
川で命を落としたヌーの骨は、時間を得て、やがて川の栄養となり、自然に還元されるそうです。ヌーの川渡りという生と死のドラマを通して、過酷なサバンナで生きる野生動物の強さと自然の摂理、やさしさを体験することができました。
川渡りが見られるかどうかは神のみぞ知るですが、この時期の迫力ある命の営みを間近で味わう体験は、訪れる価値ありです。
早速、来年のツアーも発表しております。
■【特別企画】ヌー大移動の季節 マサイ・マラで徹底サファリ 9日間
ぜひ、ご参加ください!