壮大なタンザニア・サファリ 12日間 前編

2011年9月17日出発、壮大なタンザニア サファリ 12日間に参加された戸田 克之さんからのレポート 前編です。
出発する二ヶ月ほど前、と或る経緯があって、このツアーに参加を決めた私であったが、道祖神ホームページの当該募集案内を再度読み直しながらブツブツと一人つぶやいていた。

パンフレットの謳い文句 参加前の私
特に一度でもサファリを経験された方にお進め!! まだ一度も行ったこと無いけど
バオバブ林のタランギレ バオバブはマダガスカルで観たけど珍しいの?
世界でも唯一、野生動物が見られるンゴロンゴロ・クレーター 唯一って何が??
あのセレンゲティ国立公園で “あの”ってセレンゲティってそんなに凄いのかい?
企画者がこだわった、厳選・贅沢なロッジをそれぞれ指定! 私は、普通で構わないけどなあ
タランギレではナイト・サファリに挑戦 夜、動物たちは寝ちゃっているのでは?
黒サイで有名な世界遺産の一つ、ンゴロンゴロ自然保護区サファリ 黒サイは他のエリアにはいないの?
セレンゲティ3連泊フレキシブルなサファリ・アレンジ 3連泊もしたら飽きない?
セレンゲティへは一気に軽飛行機で 車では何でダメなの?遠いの?

先ずは何でもいいから兎に角、唯々、あの“あふりか”と云う所へ一度は行ってみたいとずっと思っていた。この超ベテラン企画者のこだわりの所以などさっぱり理解・推測もできず、私は、こんな無知丸出しで恥かしげもなく旅発ったのであった。数冊の“あふりか”本と少しのインターネット上の情報とTV番組、道祖神がくれた資料等を一夜漬け的に詰め込んではいたものの、この地のことはまったく実感的想像に難く、「行けば解る、行かなければ解らない、だから早く行こう」と。
旅に行く前にその地の勉強をして往くと数倍面白くなると諭す者もいれば、ことアフリカに関しては事前知識収集をあまりしないほうが・・・とアドバイスする某旅行社ブログ書き込みもあったが、私は勉強嫌いなので当然後者に賛成することにした。先入観を持たないよう“自分独自の感性で”見てみようとカッコ付けてみた。スワヒリ語なんぞはさっぱり、英語も殆どダメ(日本語でさえ時々通じない?!)、海外旅行は添乗員様頼りのこのワタクシが同行友達なし・こころ強い女房なしでの初めての一人参加。さて、どうなることやら・・。
皆さんから期待されるようなまともなサファリツアーレポートは、文才のない私には到底無理なことである。既にご存知のように道祖神には、これまでアフリカ旅の諸先輩方のプロライター顔負けの紀行文は沢山あるし、動物たちの写真もカレンダーになるほどのものがいっぱいあるのでそちらにお任せするとして、“<span class=”bold”>あふりか</span>”超ド初心者の旅がどう始まり、どう終わったのか、無知が所以の行動・愚問・珍問を含め恥しげもなく報告したいと思います。当然成り行き的で、支離滅裂になることを先にお詫びしておきます。
サファリツアーを何度か経験された方には、恐らく「そんなことも知らなかったの?!」って、サラリと流され終わってしまう内容も多いと思いますが、これから行かれる方に少しでも参考になるようでしたら嬉しいです。
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日本(関空)⇔ドバイは、業界屈指(近くに座った人の言葉)のエミレーツ航空である。私は、名古屋駅からエミレーツ航空無料直行バスを利用して関空で最終合流した。バスの添乗案内係が顔黒ハンサムインド系中東人で外国訛りの強い日本語を話していて、いきなり出だし名古屋から既に異国の地に来ているようであった。直行バスも飛行機内もドバイ空港内も、聞いていた通り空調が効き過ぎ、寒く乾燥していて上着とマスクと目薬が役立った。(この日の名古屋の気温29℃、ドバイは朝5時で外気32℃着るものにひと工夫必要だ)
ドバイでの乗り継ぎ待ちは、往5時間半・復4時間半とかなり長時間でホトホト参った。空港建物は、超近代的なデザインで素晴らしいと思うが暇をつぶす所が殆ど無い。DFショップも飲食店も同じような店が数多くあるだけで日本人にはあまり有難くないものばかりだ。ローカル色も全くなく無味乾燥でつまらない(新興国の人にとっては憧れかも知れないが)と言うのが私感である。ビジネスorファストクラスであれば話は別であろう、有料シャワーや仮眠室利用と言う手もあるらしいが何か他に良い方策は無いものか。読書もしたが空港内の照明がどこも暗かった。我々庶民用の“暇つぶしアイデア・おもしろベスト10”みたいなノウハウものありませんか道祖神さん?!それからもう一つ、広さの割にはトイレの数が少なく、朝方は結構混むので要注意・・・と言っても、どうにもならないか。
関空からドバイを経て19時間余り、睡眠と機内映画(このエミレーツのパーソナルモニターは優れものだ)にも飽きた頃ようやくナイロビ・ケニアッタ空港に着いた。ここは、ひと昔前にモダンデザインを誇ったであろうカラフルな建物だがケニアらしいローカル色(初めて訪れるのに、勝手にそう感じた)が出ていてなかなか良い。降り立つやいなや眼の中に“あふりか”がどんどん入ってくる、ここまで来ると流石にあふりかに来たゾーと云う感じがする、入国審査員も明るく陽気で他の国の人には無い親しみやすい独特な雰囲気で、コレが巷に言うあの“あふりか人”なのかと、周りにそんなあふりか人がいっぱいいて、なぜだかやたら嬉しくなる。この時の私は、ケニア=あふりかと短絡的。・・・この旅の目的地は、タンザニアのはずなんだが。
添乗員のIさんは、ごった返す空港ロビーでウロウロしながらどこに行けば良いのか“金魚のフン”(フンはもちろん私のこと)のような団体9人を引き連れ、数十組もいると思える迎えの人だかりの中からいとも簡単に迎えのドライバー(この時点では、私はまだ黒い顔の人の区別が付かず皆同じ顔に見えていた)とマイクロバスを見つけ出し、手際よく金魚とフンと荷物を載せ、ここからずーっと南のほう(土地勘が有る訳ないので地名がさっぱり分からない)の国境に向かわせた。道路の両側には、工事途中で放棄されている大小の建物が目に付く、やはりこの国も経済が混沌としているのだろう。
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往も復もケニア ⇔ タンザニア国境の其々の出入国管理事務所での顔写真と指紋採取は、あったりなかったり、1人だけだったり全員だったりとバラバラだった。職員は大勢いるのに1人で審査受付に追われる担当者のすぐ後で、並んで待っている我々をよそ目に堂々と他の係官たち3~4人が楽しそうにティーパーティーをしている。恐らく定時休憩なのだろうが、日本では考えられないシーンである。ここは“あふりか”だ~。しかしなぜだろう腹も立たない自分がそこに居た。
ここでのトイレは有料で、同行ドライバーが交渉してグループ10人分で5$を添乗員さんが払う。ここから更にずーっと南下してタンザニア初泊のホテルに向かう。夕暮れが近い。
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マイクロバスに再度長時間揺られてやっとたどり着いたのは、このタンザニアツアーの最初と最後に宿泊するアルーシャのスノークレストホテルだ。
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夜8時過ぎに到着、入室前に即、遅めの夕食開始。先ずサファリの先輩たちが頼んだものは動物図柄のビール、綺麗にラベルを剥して旅の記念に持ち帰る人も多いらしい。若輩初心者の私はオレンジジュースで我慢(本当は、アルコールが飲めない)。食事もそれなりに欧米人にも満足できるであろう洋食バイキング、あまり出無いと聞いていたサラダも盛りだくさんでありがたい。さり気なく地元の料理も2~3品加えてある。たっぷりお腹に詰め込んで部屋に入ると、大理石貼りのサニタリールーム(シャワーはあるがバスタブは無い)にガラススケルトンデザインのヘルスメーターがおいてあった。これも、サファリが始まる前と終わって帰るときに測り、どれだけ〇〇になったか判るように旅人の健康を祈ってくれているベテラン添乗員さんならではのご配慮であろうか。ベッドに入る前に明日の軽飛行機搭乗のためにソフトバッグへの荷物の詰め替えを済まさなければならない。トランクはここに預けて行く。
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フロントに6:00AMに依頼してあったモーニングコールが6:15に鳴った。が、実は、こんな事もあろうかと自分の目覚まし時計で既に起きて荷物のチェックをしていた。今日から6:00起床、7:00朝食、8:00出発と言う6・7・8パターンのタイムスケジュールが続くらしい。朝食も洋食バイキングである。ホットミルクと表示してあるポットからは、さ湯が出る。ここは“あふりか”だ~。
外に出てみるとガードマン達が駐車場の真ん中で朝礼をしていた。少し様子を見ていたが、連絡・指示・質疑忚答などきちんと大きな声で時間を掛けてテキパキやっている。こんな目立つ所でやっているのは、おそらく宿泊客への安心感、悪いことを企んでいる奴への牽制というパフォーマンスの意味もあるのだろうが、昨夜はこの人達に護られながら私たちは寝ていたのだと思った。安心して利用できるホテルを選んである、さすが道祖神!!・・・でも彼らのような人達が必要な社会でもあるのがここタンザニアなのだなあ。事実、ホテル前の通りを少し散歩しようとしたら、小柄で制服が愛嬌にみえてしまうドアマンがすかさず追ってきて、あまり出歩かないようにと忠告してくれた。朝の7時頃である。
昨日のマイクロバスで出発、8時前後はアルーシャでもラッシュアワーだ。交差点に信号があった(無いだろうと思っていた訳ではない)が、ランプ切れと土埃でひどく汚れて読めないのに、大量のクルマやバイク、荷車、人々が、滞ること無く上手く平然と流れている。色々な音色のクラクションをバックミュージックにしながら。この人達の運動神経を褒めずにはいられない。ここは“あふりか”だ~。
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アルーシャ郊外の飛行場から軽飛行機で待望のセレンゲティ国立公園へ向かう。いつものこのツアーでは、軽飛行機は一番最後にサファリから戻るために利用するらしいが、今回は、逆コースとなっているとのこと。待たされることもなくすこぶる順調に離陸した。長時間待たされたり、経由地が変更になったりすることは日常茶飯事らしい。運良く、コクピット丸見えの最前列に座ることができた。気軽にカメラポーズをしてくれる機長は白の制服、副操縦士は私服のブレザー姿(まさかアルバイトでは?と少し心配)で、おまけに、二人の間に置いてあるマニュアルがぎっしり入ってパックリと口を開けた革の仕事鞄の一番上にあるのは、キャンディーの大箱だ。副操縦士は、小柄で未成年に見えなくもないが、離着陸時は煩雑な仕事をテキパキとこなしているので本物であろう。「大丈夫だ」と何度も自分に言い聞かせた。
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機内からは、大地溝帯と推測できる谷や、あちこちに点在する丸く囲われたマサイの部落、そして草原を走る動物たちが見えた。象やキリン、シマウマなどはかろうじて見分けがつく。・・・ところがなんだか、TVを見ているようでまるでタンザニアに来ている実感が湧いてこない。ドキドキ・ワクワクするはずなのに妙に冷静に眺めている。幸い中継地も無く1時間のフライトだった。
降り着いて、眩しい日差しの下、乾燥した気温上昇中の独特とも言える空気を感じながら、出迎えのサファリカーに荷物を積み替えていると、背後から「Jambo! How do you do Mr…What your name?」・・・えっ、「はうどぅゆどぅ」って・・・誰か私に声を掛けている・・・振り返るとサングラスを掛けた大柄な“<span class=”bold”>あふりか人</span>”がニコヤカに手を差し出している。ガイドをしてくれるドライバーだ。「あ~、はうどぅゆどぅ。あ~、まいねーむいず“とだ”え~っと」「Welcome Tanzania」「いえ~す」・・・と、握手をした。あ~びっくりした~いきなり後ろから英語で声を掛けてくるんだもん。大きな温かい手だと感じた時、突然ここでタンザニアにサファリに来たんだ!と急に実感が湧いてきて心臓がバクバクし始めた。
ホテルのランチタイムまで、たっぷりと時間があったのでチェックインせずに2台の改造ランクルでサファリ開始。まだ今なら、肉食獣の捕獲行動を観られる可能性のある時間帯だからすぐ行こうとのことらしい。添乗員さんこだわりの軽飛行機利用は、上空からしか出来ない大地の観察以外に、こんな時にも生かされている。さすがベテラン、少しでもレアなシーンを観られる時間を増やそうとする緻密な謀だ。
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果たして、開始早々20分も経たないうちにオスの豹が樹の上で獲った獲物を食べているとの無線が入った。急行する。彼の獲物は、リードバックとのこと(リードバックってどんな奴?もらっていた簡易動物図鑑を早々に開く私)。
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食後の一服をしているらしく動かない。いや、動けないのだろうこんなに人が多くては。現実を知らない私は、サファリでは日常的にしょっちゅう見られる事かと思っていたが、どうやらこれでも結構レアなシーンらしい。でもTVのような獲物を狩るところや、食べているところが見たい!!と言ったら、サファリ通のひとから贅沢なオッサンやな~と言われてしまった。(出し惜しみしないで!サバンナの神様!)この後、午前中だけで、ライオンはもちろんマサイキリン、アフリカゾウ、ハイエナなど15種類ものどうぶつを見ることが出来た。これもかなりラッキーなことらしい。PM:1時過ぎに今日から3連泊するセロネラワイルドライフロッジへ 。昼食を摂り、チェックインをして午前のスケジュール終了。
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このロッジは、木材と石材・ガラスを上手く使ってデザインされた木造2階建のセンスの良い洒落た建物だ(でも部屋の床鳴りがギシギシとかなり酷かった)。敷地内で多くのハイラックス、サバンナモンキー、アガマトカゲなどが遊んでいる。鳥のさえずりもよく聞こえてくる。のんびりしていて落ち着けるところだ。ありがたい事に予想に反して蚊や蝿などの虫は、殆どいない。おまけに部屋には、TVも冷蔵庫も貴重品庫もいない。建物内に広いトレーニングジム室があったが、内部は空っぽで何も置いてないし入れない。それでもまあいいっか、大自然があれば・・。そういえば、ここは部屋にバスタブがある、時間制限付きで温水と電気が使える・・・でもこれって本当はすごい贅沢なことなんだよね~。次回は、キャンプサファリがいいかも・・・。
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休憩後PM:4時からは夕方サファリが始まった。見ることが出来た動物たちは、多すぎてここには書き尽くせない。
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今は9月、ここタンザニアでは、朝日は真東から昇り、昼の太陽は真上に、そして夕日は真西に沈む。赤道直下に近いのに過ごしやすい気候だ。言われていた通り“あふりか=熱帯=蒸し暑い”では無い。1日の気温差がかなりある、ちょうど2000メートル級の日本アルプスの夏山に似ていて、カラリとして快適だ。持っていた山用品で旅のアイテムを揃えて来たのは、正解であった。(この旅の為に新たにあつらえた物は必需のソフトバッグだけで済んだ。このダッフルは、70Lぐらいの容量がオススメ。)
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デジ亀(寒っ!、ダジャレ古すぎっ!)の電池を充電しようとしたが、変換プラグがバッグの中に無い、忘れたのだ。うかつだった。予備電池はあるが予想以上に使っているので心許ない。同行の人に借りようとしても多分今時は、ちょうど同じように充電のタイミングでダメだろう。試しにコンセントをじっと見てエイッと念力をかけてみるが穴の形は変わらない。微妙に穴のサイズは違うが、ダメ元でシェーバー専用のコンセント(こいつの形がいちばん類似している)に、そっとそして少し無理矢理差し込んでみた。やはり赤ランプは点かない。・・・ムムム・・・グリッと軽く回してみた(壊れない程度に、右回しがオススメ)・・・喝!と念ずると同時に・・・何と!、赤ランプ点灯!・・・やってみるもんだねー。(次に泊まったセレナロッジでは、ダメだった・・・多分念力が足りなかったのだろう・・・その次のトゥリートップスロッジでは成功した・・・特技がまた増えた)
早朝サファリの一コマ
途中で遅めの朝食です。ドライバーさんも一緒です。厚紙のBOXに色々入っていました。ランチBOXもそうですが、食べ切れないものは、全員の分を綺麗に仕分けして地元のマサイの人達などにあげます。
頭上には、ハタオリの巣があり、忙しそうに出入りしていました。まだ気温は上がらず、少し寒いです。
この公園内では、勝手にどこでも車外に出て好きな所で休憩できるわけではなく、指定サイトがある。もちろんオフロード走行も禁止です。スピード違反も然り。
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熱気球
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5:00AMモーニングコールは、TELではなく、ホテルガードマンの直接のドアノックだった。
5:30AM外はまだ寒くて暗い。ツアーオプションの熱気球に乗るのは、グループの中では私一人だけ。(少し不安。そんな私を事前察知してか、添乗員のIさんが早朝にもかかわらず見送りに来てくれていました、この気配りプロとしてもさすがです。これでツアー出発前のチョンボは、帳消しです。)予定時刻通りバルーンの迎えの車が来た。正刻だったので珍しいと思いきや、体格の良い白人(バルーンパイロットでした)、英語で他の人達とペラペラと話をしている。“何言ってるかさっぱり??”この先大丈夫かいな(だいぶ不安になってきた私)。
暗闇の中で大勢のスタッフが、気球3個を上げる準備をしている。かなり大掛かりで、大型トレーラー数台で持ち込んでいるようだ。膨らみかけたその中を覗いてみると、ここでソフトボールができそうな程大きい。乗客が呼び集められ、搭乗の注意事項説明が始まった。またもや“何言ってるかさっぱり??”でも「Do you understand?」だけは判った。開き直った私はもちろん「OK, of course!」
横倒しになった籠に升目毎に乗り込み、シートベルトを掛ける。日の出と共に待望のフライトが開まった。滑りこむように大空の中へ。時々ゴーっと単発的にガスバーナーを燃やす音がする以外は、全くの静寂。“雲に乗った様”と云う表現だけではとても言い表せない。パイロットは、バルーンを一度高くまで上げて、上空から動物たちを見つけ出すと、彼らを脅かさないよう巧みな操作で上下左右最適と思われるところに近づけてくれる。顔を上げて果てしなく広大なサバンナに目を遣ると、色々な沢山の思いが、私の脳裏を横切った。
約1時間のバルーンならではの空中サファリを楽しんだ後は、先ずは着地した場所で、フランスの高級シャンパン(飲めない私でもサラっと美味しく戴けました。・・「高級品」・・勿論お替りしました)で乾杯。ずぅ~と追って来ていたサファリカーに乗って場所を移し、英国式フルコースの野外ブレックファストがはじまった(英国人は、朝っぱらからフルコースを食べるのが好きらしい)。
仮設トイレの仕切りは、向こう側がオープンで大草原に向かっての〇〇です。もちろん 野××では無く、タンクの付いた洋式です、ご心配なく。少しドキドキの開放感がたまらない。
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人間が一方的に取り挙げていった蜂蜜を、ミツバチたちが取り返しに来ました。これを見ていたら・・・その昔、列強ヨーロッパの国々が勝手にアフリカを分断し、植民地化して様々な幸を取り挙げて行きました。一方的に自国の文化を持込み押付け ・・・なぜか、こんな思いが・・・ 美味しい食事を頬張りながら、少し悲しくなりました。
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スーパーハイウェイ(もちろん未舗装路!!)で、次のンゴロンゴロ自然保護区に向かう。壮大なサバンナのど真ん中、その地の果ては見えない。大地は陽の当たるところ、雲の蔭のところが、ハッキリ線引されている。巻きあげる砂煙が凄い。対向車とブンブンすれ違う度に、エアコンの無い車の窓を開けたり締めたり大忙し、降り注ぐ陽の道をバク走する。こんな車内の状態は、想像に容易い。ヘッドライトを点けた対向車も多い、まるでレース中の様。メガネ・マスク・目薬が必要とは、この事だったのか!
ドライバーのソロモンに制限時速はあるのかと聞いてみた、「公園内は時速50Km」、「えっ、今この車は?」、ソロモンは揺れる体でハンドルをしっかり握りながら、ニヤリと笑って、「だから今、50Kmネ!」。
途中、小高い丘で休憩をした。車から降りると、すぐさま男性陣はぐるりと回りを見廻して無言のまま四方に散らばって行く。車を背にしてモゾモゾとした後、しばし立ち止まっている。私のマーキングの〇〇が偏西風に乗って日本にたどり着くのに何日かかるのだろう。
ゆっくり深呼吸をしながらこの果てしない壮大なサバンナを見廻した時には、涙が出そうになった。確かに私は、ここサバンナの真ん中に居る。自分が今ここにこうして立って居られるのは、限りない沢山の人のお陰だ。家族に感謝、ご先祖様に感謝、友人・先輩・後輩に感謝、ツアー関係者に感謝、タンザニアに感謝、地球に感謝。そして一番飛切りの感謝は、妻に。
精一杯強がっても私は、こんなにも小さい。でも、この旅は、ほんの少しだけ私を大きくしてくれたような気がする。
ここは“アフリカ”だ~!!
あふりか”が少し“アフリカ”になった。
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後編は、「マサイ村訪問」から始めようかな。
タンザニアのツアー・旅行一覧はこちら。
サファリ・動物がテーマのツアー・旅行一覧はこちら。