「壮大なタンザニアサファリ12日間」に参加して

『壮大なタンザニアサファリ12日間』にご参加頂いた、T.A.様からのツアーレポートです。
タンザニアから帰国して2週間になるが、いまだマラリアは発症していない。ツェツェ蠅にくわれたところもやっと痒みが落ちつき瘢痕もほとんど残っていない。ナイロビ経由でのタンザニア12日間の旅はあっという間であったが、思い出されることなどを記してみたい。(名誉なことにツアーを企画・添乗されたIさんに依頼されたのです。)ちなみに私は景観や遺跡の見学・音楽鑑賞を中心に旅行しており、動物をみる旅行は初めてである。もちろん東アフリカも初訪問であった。道祖神の読者であれば東アフリカのリピーターも当然多いと思うが、これから初めて同地へ旅する読者も想定して記します。
東アフリカへのフライトに関して
今回は成田<―>インチョン<―>ナイロビの経路で大韓航空利用であった。往路はインチョンで乗り換えが5時間待ちになったが、帰路は3時間弱くらいだった。行きは暇を持て余したが、帰りはシャワーを浴びて免税店を物色しているとあっという間だった。
インチョン>ナイロビは14時間の夜間フライトだが、寝ているだけでよく、時差ボケ(ケニアと日本は6時間差)もほとんど感じなかった。早朝にナイロビに到着するため、その日の午後にはバスでタンザニアのアルーシャに到着でき、ゆっくり休養できて良かった。
逆に朝州発する帰路のナイロビ―>インチョンのフライトは超のつく暇さで、機内で映画を4本鑑賞してもまだ到着しない。一晩夜をとばした感じになって全く眠れず、日本で仕事に戻ってもなかなか疲れが取れなかった。さらにこのフライトは子連れの韓国人観光客で満員、きわめて騒がしかった。同国人にはケニア近辺は手軽な観光地として人気があるのだろうか。
大韓航空の機内食には必ず韓国料理のメニューがあるのに、韓国焼酎(ソジュ)やマッコリがおかれていないのが残念。もしかして韓国人がさらに陽気になってしまうから出さないのか?カルビタンやビビングクスにワインは合わない。安い酒だがソジュを飲みたい!
アルーシャ
単なる経由地ではなく、それなりに買い物など楽しかった。私はサトウキビを原料とした現地のスピリッツが気に入った。銘柄は忘れたが、カクテルのマティーニを少し甘くした感じの味で、アルコール度数は30%くらいだったか?ビールをチェイサーにして飲んだらすぐに酔える。往路に寄った時は昼食をCultural Heritage内のレストランでとったが、同敷地内にあるアフリカンアートの博物館は一見に値する。特に西アフリカ諸国の木彫などのコレクションはかなり貴重に思われた。往路はThe African Tulip Hotelに一泊した。室内設備などは立派でシャワーの湯量も豊富、またレストランの雰囲気・料理も良かったが、インターネット環境は貧弱。
アルーシャ>セレンゲティのフライト
10人乗りくらいの小型プロペラ機。天候が良く、わずかにキリマンジャロも垣間見えた。上空からンゴロンゴロ付近のクレーターがいくつか見え、景色がすばらしかった。観光フライトとしてもっと宣伝したほうが良いと思う。一人あたり15kgまでの機内預け荷物の重量は結構厳しくチェックしていたが、今回は全員の荷物を一緒に測定していた。重量オーバーぎみだった私の荷物もセーフ。荷物の多さには我ながらいつも悩まされる。
セレンゲティ国立公園
食べられる側の草食動物は、それこそ死ぬほどいますね!今回幸運にも、チーターが叢のなかで獲物(おそらくガゼルを)を食している場面に遭遇した。口の周りを血だらけにしたチーターの、(後ろ足)大腿部の筋肉の美しさに感動した。走る速度を上げるためには結構な筋肉量が必要なのだろうが、無駄な贅肉もなく形状もかっこいい。早朝サファリでは湖に上ってくる朝日に感動!大草原を悠々と歩くキリンの家族も優雅な雰囲気で良かったし、メスを追ってひたすら走り回っているオスのダチョウも滑稽な姿で面白かった。サファリカーの運転手兼ガイドは鳥類に詳しいようで、いろいろ美しい鳥の名前を教えてくれたが、残念ながら全部忘れた。
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今回、6人乗りサファリカーを3人ずつで使用して2台であったが、車内で余裕があって本当に良かった(Iさんのご英断に感謝!)。目当ての動物が現れてもサファリカーの左右どちらか側でしか見えないことが多く、両サイドに自由に動けるスペースが確保できないとじっくり鑑賞・写真撮影することは困難だろう。また、サファリ中はサンダル履きがよい。車の座席にさっと乗ることができますから。このコースには靴はもはや必要ないですね。
セレンゲティでは「パイオニア・キャンプ」に3連泊だった。高台にあるラウンジからの眺望は素晴らしく、広大な公園が見渡せる。ここからの朝日も素晴らしかった。当キャンプの各部屋は大きなテント張りとなっており、ツェツェ蝿の多い丘陵地帯に散在している。夜はヒヒやバッファローなどが出没するらしい。夜7時以降に部屋からレストランに移動するときはマサイ族のガードマンが付き添ってくれる。マネージャーはジンバブエ人で客の半数は英国人とのこと、日本人は5%くらいだそうだ。昼食・夕食はプレフィックス式のコースで、自分でチョイスできる。ここで特筆すべきは、ラウンジやレストランでのビール・ワインなど飲み物代も宿泊費にすでに含まれていることである(毎回の支払いやサインは面倒ですから)。サファリから帰ってシャワーを浴び、ラウンジで大草原の夕日を見ながらビールやカクテルを飲みつつ各国の観光客や支配人と談笑、8時にレストランに移動して南アフリカ産の赤ワインで乾杯する。完全に西洋人が作るタイプのリゾートである。そして、ここの料理はすばらしくおいしい。正直、毎回どんなメニューがあるか楽しみだった。メインの選択肢には必ずパスタも含まれており、肉ばかりで疲れた私の胃腸には良かった。また、洗濯サービスが宿泊費に含まれているのも便利。夕食前に部屋備え付けのカゴに洗ってほしいものを何でも入れておくと、約24時間後にきれいに洗濯して持ってきてくれる。ドライクリーニングはできないそうだが、このシステムは男の一人旅には超便利ですばらしい。部屋のシャワーなどの温水は、各部屋に一台附属しているソーラーシステムの機器で日中に温めたものとのこと。極端に多量に使わなければ、翌朝まで十分お温は出る。なお、天気が悪いときは薪でお湯を沸かして配るとのこと。また、部屋にはコンセントが存在しない。ランプなどのコードは直接電源につながっていて抜くことはできない。カメラやスマホの充電はレストラン近くの小屋にある充電用コンセントで行う(すごいタコ足配線!)。食事中やシャワー中に行えばそれほど不便ではない。盗難はないと思うが、似たようなバッテリーは数多く、間違えられてなくなる可能性はありそう。なおラウンジ付近では問題なくWi-Fiが使える。当然だがビジネスセンターなどはない。
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さて、広大なセレンゲティでは3日間毎日サファリを行ったが、結局キャンプから半径数十キロの範囲を移動しているにすぎない。次回ほかのロッジなどに宿泊すれば、また違う景色のセレンゲティを眺められるのであろうか。また楽しみができた。
オルドパイ峡谷(セレンゲティ―>ンゴロンゴロ移動日のオプショナル)
教科書にのっている地名なので、どうしても行ってみたかった。峡谷というより平原に亀裂が入った感じ。平原を車で走っていても近くまで来ないと存在に気付きにくい。普通は峡谷を見下ろす崖の上にある博物館をみて終わりらしいのだが、私は当然にアウストラロピテクスが発掘された場所に行くつもりだった。(ツアーの同行者の皆様、つき合わせてすいません。)サファリカーの運転手に頼み込んで(チップを渡して?)、谷底に降りるためのガイドを探してもらった。谷底は思ったより暑く、野生のサイザル麻が生えていた。すごいところまで来たものだと実感。今回の旅でもっとも感動した。(なんたって180万年前ですから!)
マサイ族の村(観光村)
マサイ・ジャンプの高さに感服しただけ。総体的には時間の無駄。しかし、彼らのドルへの執着には驚く。
ンゴロンゴロ保全地域
まず、クレーターの外輪山(リム)上のホテルに向かう途中、リムの外側に広がる丘陵地帯の景色がすばらしい。マサイの村が点在している。真っ青な空・草原の緑・真っ赤な大地のコントラスト。(ただし埃っぽいですね。)
宿泊はロケーションのすばらしいンゴロンゴロ・セレナ・ロッジ(2連泊)で、部屋からのクレーターの眺望が良かった。残念ながら2日間とも早朝は濃霧のため日の出自体は見られなかったが、その後に低い雲の間からクレーターに射しこむ光の束は美しかった。ホテルの設備は整っており、温かいシャワーが朝から存分に使える(当たり前か?)。客室が多い立派なホテルのため、宿泊客も相当多い(白人ばかり)。そのためか、やや食事のメニューはパイオニア・キャンプより平凡であるが、味は十分に平均点を越えている。タンザニア産のビールは数種類置いてあったが、私はセレンゲティ・ビールが気に入った。いわゆるハーフ&ハーフのようなやや黒ずんだ色で香ばしい味。ここは有料のランドリーサービスが普通にあった。シャツが一枚100円程度なのでいくつか頼んでみたが、特に問題なく仕上がっていた。なお、ラウンジのバーカウンター付近でなんとかWi-Fiが使えるが、少しでも離れると無理。今回はタランギレでは再度キャンプ・ロッジになるので、ここでちゃんと壁のあるホテルで一服できたのは正直とても良かった。(落ち着いて寝られた。)ちなみに標高が2300m以上あるので、夜は寒くて頭がキリッとする。
クレーターに降りてほぼ一日(6時間という制限時間があるそう)のサファリを行った。ここでは若い3頭のライオンが狩りをしたシマウマを食している場面、それをハイエナとジャッカルが奪う場面に運よく遭遇した。ハイエナがくわえていたシマウマの下腿の「シマシマ」模様が妙にリアルでした。白黒に血液の赤色がとても鮮明。ヌーの大群はみられたが、残念ながらサイには出会わなかった。カバは結構いますね。ここでは動物の背景に外輪山があるので、大平原とはまた異なった趣の写真が撮れておもしろい。ホテルのスタッフによるとンゴロンゴロは雨季の5月が特にお勧めとのこと。
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ンゴロンゴロ>>タランギレの移動
すばらしい舗装道路は通っている。途中に昼食を兼ねて、キテラ・ロッジという昨年できたばかりの宿泊施設に立ち寄った。ここのロッジ周辺には農園が広がっていて、ロッジで供される野菜・果物などを有機栽培している。時間があったので、ゆっくり農園を散歩した。昼食では新鮮な野菜がサーブされた。私はここで、タンザニアで初めて生の野菜を食べたが、食あたりはしなかった。
タランギレ国立公園
サルやヒヒが多い。セレンゲティより起伏があるので、景色的には変化があって面白い。ここまで来ると、すでに十分いろいろな動物を見てしまっているので、ライオンが狩りをしている場面がぜひ見たいなどと人間さらに欲が出てくる。草食動物はもはや写真にも撮らない。象の群れは至近距離で見られて良かった。今回分かったのは、午後の陽の高い時間帯、肉食動物はほとんど日陰で寝ているということ。見学する側も食後でボーっとしているし暑いので、無理に車で走り回らずに皆で昼寝すると良さそう。ホテルにいったん帰るのは大変なので、昼食場所の近くにゆっくりできる休息できる施設を作ってほしい! また、ここではナイトサファリも体験できた。国立公園の外側で行うため、近くの村からやってきた飼い犬と野生の象の群れが一緒に見られて、なんかアットホームな感じが良かった。
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タランギレではリバー・ロッジに宿泊した。今までの二か所に比べると、かなりボロく見えてしまう。私がもっとも差を感じたのは、その電気量の少なさ。部屋の中でもレストランでも、夜間は相当に暗い。年取ると暗いところで見にくくなるので、料理の色が判別つかず少し困った。誰も入らないようなプールを作るくらいなら、発電機を増やしてほしい。また、Wi-Fiはつながらない。
帰路のナイロビ
帰路は、タランギレ>アルーシャ>ナイロビと丸一日かけて戻った。全体的には道路事情はよく、快適なドライブだった。ナイロビの夕方の渋滞はすごかった。車の増加にインフラが追い付かない例。ホテルはナイロビ・セレナ・ホテル。日本人がみても超高級ですね。浴室のアメニティがPenhaligonsなのには、英国の影響を少し感じた。夕食を取ったビュッフェのレストランも工夫した料理が多く、最後の晩餐は十分に楽しめた。翌早朝に空港に向かったが、ちょうど国際線出発ターミナルは(火事のあとで)再開されたばかりとのこと、少し運が良かったらしい。ローカルな免税店などには、特に買いたいものはなかった。ちなみに我々が離陸した直後に、ナイロビの高級ショッピングモールでテロが発生したが、インチョンに着いてから知った。
今回は、ベテラン添乗員のIさんに引率され、少人数での旅行だった。6人だと小回りがきくので、とても良かった。同行の皆様にはたいへんお世話になり、感謝しております。ありがとうございました。大きく体調を崩す人もいなかったのも良かった。タンザニアにも再訪したいが、次回はケニアでのサファリにも参加してみたいと思う。
タンザニアのツアー・旅行一覧はこちら。
サファリ・動物がテーマのツアー・旅行一覧はこちら。

タンザニア家族旅行

2012年12月26日出発、4歳のお子さんを連れてタンザニアへ家族旅行に行かれた、藤村ゆかり様からのレポートです。
海外旅行に行く人は増えましたが、まだまだ周囲にアフリカ旅行の経験のある人は少なく、ましてや子連れでアフリカ旅行をした方となるといなかったこともあり、今後子連れの方でアフリカ旅行を計画される方の参考になればと思いポイントを子連れに絞って経験談を書かせていただきます。
子供 : 4才
期間 : 10日間
行き先 : タンザニア(アルーシャ、ンゴロンゴロ、セレンゲティ、モシ)(手配旅行)
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行き先
夫婦で以前にケニアに旅行したこともありアフリカサファリの経験もあったので子供を連れて行くことに決定
当初は南アフリカを希望するが、南アフリカ系のサファリロッジは子供の制限が厳しく最低でも6歳以上とのことで断念
東アフリカのサファリロッジは子供の年齢制限がないということでタンザニアに決定
カタール航空のキリマンジャロ空港までの乗り入れが決定し、乗継の回数もドーハ1回になったことも追い風となった
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黄熱病予防接種について
子供も予防接種を受けました
私たち夫婦が以前に接種を受けて問題なかったこと
子供にアレルギーがなかったこと
4歳の年齢で受けれる全ての予防接種(インフルエンザやおたふく、水疱瘡などの任意も含む)を受けさせており、接種に特別な問題はなかったこと
旅行の約半年前に接種
黄熱の予防接種は大人も子供も同量の接種ですと接種前に説明を受け、漠然と子供の量は成人より少ないと思っており少し戸惑った
接種後3日目くらいで朝起きると目がうさぎの目の様に少し赤くなる⇒半日で治まる
接種後3日目くらいで接種部分が赤く腫れた⇒1週間で治まる
発熱はなかった
フライト時間、乗り継ぎについて
アフリカ以前に海外旅行に数回連れて行っており飛行機には慣れていたため子供を長時間飛行機に乗せる不安はありませんでした。
日本⇔カタール間(10-12時間)は往復共に深夜の時間帯のフライトで子供はずっと寝ていたため問題なく過ごせた
カタール⇔キリマンジャロ間(7時間)は御飯を食べたり、遊んだり、昼寝もしたので問題なく過ごせた
カタールでの乗継は約2時間だが、乗継の手続き等考えるとトイレに行く時間のみくらいでほぼジャストでの乗継で子供が待ち時間で飽きることはなかった。
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蚊について
黄熱、マラリアを心配する声もありますが、子供には長袖、長ズボン、日本の虫除けスプレーで基本レベルで保護しましたが、蚊にかまれることはありませんでした。
余談ですが、欧米からのファミリー客が多かったのですが、欧米の子供は半袖・半ズボン・セッタの子もかなり見かけた(そもそも寒くてそんな格好ができるのが不思議でしたが)
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食事について
サファリロッジはどこもビュッフェスタイルの食事なので、様々な種類のご飯があり(パン・フルーツ・お肉・魚・カレー・デザート・スープなどなど)、子供に食べ物の好き嫌いはないので何か食べたいものは毎日あった。ふりかけ、カップラーメン等用意して行ったがたまにふりかけを白ご飯にかけて食べるくらいであった。
セレナロッジでは毎朝2種類のシャンパンがビュッフェに用意されており、モーニングシャンパンができます!!
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サファリについて
サファリカーは手配旅行ということもあり、家族で1台だったので他のお客に気兼ねすることなく、くつろいでサファリを楽しめました。
子供も間近に見える様々な動物に大興奮してました。
特にアフリカでしか見れない、動物の骨や動物が動物に食べられている瞬間、喧嘩シーンなどに興味を持ってました。
サファリカーの天井をオープンにして顔を出して動物を見ながら車で走るのがとてもお気に入りでした。
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ロッジについて
モシのプロテアホテルのベットが一番狭いくらいで、アルーシャホテル、ソパホテルのベッドはかなり大きく子供と添い寝でも全く問題のない大きさでした
どこのロッジもプールがあり、子供は入りたがったが気温的に寒くてプールに入る気分にはなれず。昼間でかなり天気のいい時に入れるかなという感じです。
セレナロッジでの毎晩演奏される、アフリカ民族音楽が子供はお気に入りでした
大晦日の夜はセレナロッジでは夕方バーがオールフリードリンク(アルコール含)になり、おつまみもフリーで振舞われ、動物柄の生地で民族衣装風に着付けしてくれ、その後その生地も頂けて、子供も大喜びでした。
どこのロッジでも子供はよく「ジャンボ!!」と声を掛けられてかわいがって頂きました。
セレンゲティのセレナホテルにはディクティクが部屋の前まで何回か来ておりとてもかわいく癒された。
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セレンゲティからアルーシャまでは長時間の車移動を避け、セスナにて手配してもらい負担を小さくした。
モシの町までキリマンジャロを見に行ったが、天候が悪く雲に覆われて頂は見れなかった。しかし、モシの町を観光し、バナナ酒を地元の小屋に入ってのんだり、市場の雰囲気を味わったりとアルーシャ市内の異なる雰囲気を味わえた。
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タンザニアのツアー・旅行一覧はこちら。

究極のタンザニア・サファリ 後編

2012年2月8日出発、究極のタンザニア・サファリに参加された土井 治夫 様からのレポートです。
2月15日(水)
午前のサファリへ
5時30分スタッフがモーニングコールをしてくれ起床。気温は17℃で、ベッドから出ると肌寒い。外はまだ暗いためテント内で準備をしていると、時々マサイの2人の会話が聞こえてくる。風が強くてテントを揺らす音は聞こえるが、鳥や動物の鳴き声はまだ聞こえない。朝食後サファリへ出発。
【出会えた動物】
●チータ
母親と1ヶ月弱位の赤ちゃん4頭に出会う。母親が残り少なくなったトムソンガゼルの子供を口にくわえてアカシアの木の下に移動。4頭の赤ちゃんが後を付いていく。生後1ヶ月のため自分でエサを食べることはできないが、一応真似事をしてエサに噛み付いていた。
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●ライオン
11頭の群れ。構成は赤ちゃん2頭、子供3頭、メスの大人6頭。但し、母親は50mほど離れた所に1頭のみ。2頭の赤ちゃんがサファリカーを気にしながら母親のところへ移動。母親に会うとお互いの顔を摺り合わせて挨拶し、早速おっぱいをもらっていた。赤ちゃんのころは、群れから少し離れたところで子育てをしているようだ。メスが左側から2頭、右側から1頭がヌーの群れを目指して進んでいく。狩が始まったのか。サファリカーでヌーの向こう側に先回りして狩の瞬間を待つ。しかし、ヌーが移動してしまったため狩を諦めた様子。
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●その他
オオミミキツネ5匹、ハイネナ2頭、ダチョウ20羽の群れ
キャンプを目指してンドトゥ湖底を走る。しかし、風が強くて砂埃のため100m先が見えない。
午後のサファリへ
昼食後、ジンバブエから写真撮影に来ているプロの写真家Cliveさんが声を掛けてきた。オーストラリア人でジンバブエに住んでおり、自分のゾウを持っているとのこと。今回は2週間の予定でンドトゥの動物を撮影に来ている。iPad2で自分が作ったプロモションビデオを見せてくれた。ナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、ケニア、タンザニア等の国立公園で撮影した動物をコンパクトに纏めて紹介していた。午後4時サファリに出発。
●チータ
母親と4頭の子供(1才以上)。木陰で寝そべっており、時々寝返りを打ったり頭を持ち上げる程度で動こうとしないため諦めた。
●スティンボック
サファリカーの前を突然2頭が横切った。一瞬のためカメラを構える余裕がなかったが、30mほど離れて安心したのか、2頭が立ち止まってこちらを興味深く見ていた。オスとメスのペアー。
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●オオミミキツネ
キャンプのすぐ近くで2匹の親と7匹の子供の家族に出会う。巣穴があり子供たちは穴を行ったり、来たり。多分、穴が縦横に掘られているのだろう。
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2月16日(木)
セレンゲティ北東部のビリラロッジへ
6時起床。朝食を摂り、荷物を入口ドアの外に出す。直ぐにスタッフがサファリカーのところまで運んでくれる。ここはスタッフへのチップを個別に行うのではなく、チェックアウト時に一括してチップボックスに入れるシステムとなっている。5,000シリング(日本円で約250円)投入。添乗員から「忘れ物はないですね?」という確認に、全員「なし」と答える。ところが、スタッフが各テントの中をチェックして忘れ物を2個持ってきた。その中の1つは私の物。やはりなにか忘れてしまうものだ。反省!!
今日は、クハマキャンプを後にして次の目的地セレンゲティ北東部のビリラロッジまでサファリをしながらドライブ。ビリラロッジは3年前にオープン。アラブ系資本で開発され、セレンゲティでは最高に豪華なロッジとの評価あり。
昼にはビリラロッジに到着。案内された部屋は広くて、シャワー、バスタブ、トイレは区画され。各設備は今まで利用した中ではトップ。
【出会えた動物】
●トムソンガゼル、グラントガゼル
クハマキャンプからセレンゲティに向かう途中の平原には、トムソンガゼルとグラントガゼルが混在した群れが10km以上に亘って見られた。いかにもセレンゲティを代表するシーンの連続。のどかで、平和的で見る人の心を和ませてくれる。時にはライオンやチータの狩の対象になるものの、表面上は平和そのもの。
●カメレオン
サファリをしながらゆっくり進んでいた車が突然停止。ドライバーが道路上にカメレオンを発見。10cmほどの大きさで、黄色いカメレオンが道路を横切ろうとしていた。体を前後に揺すりながらゆっくりゆっくり進むため、横断に時間がかかる。別の車が来たら轢かれかねないが、やっと横断して草むらに消えた。ホッ!!
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●その他
カバ、ワニ、キリン、シマウマ、ヌー
午後のサファリへ
午後2時ごろ昼食。部屋からは広大な平原が一望でき、直ぐ近くでバッファロー1頭が草を食み、遠くの岩山にはバブーンの群れが遊んでいた。のどかな風景。昨日までのクハマキャンプは水が貴重で洗濯ができなかったので、溜まった汚れ物を一気に洗濯。また、今回のツアーで初めてバスタブにゆっくり体を沈めた。午後4時からサファリに出発。
【出会えた動物】
●カバ
「Hippo pool」と呼ばれるカバが生息する川へ行くと、20台ほどのサファリカーが駐車しており、多くの人がカバを撮影していた。川の水が減っていたため、狭いところにカバがいっぱい。まさに「うじゃうじゃ」という表現がピッタリ。母親の背中に顔を載せて寝ている赤ちゃんカバがいれば、母親の傍で2~3分毎に息継ぎのため顔を出す赤ちゃんカバもいた。
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●その他
インパラ、シマウマ、バブーン、ウォーターバック、コウノトリ
午後7時ごろロッジに戻る。7時半から夕食。隣の席にはドイツから来た20名ほどの団体さんがいた。突然コックやウエイターが鍋、フライパン等を鳴らしながら歌を歌って出てきた。お客の中に、今日が誕生日の人がいる。誰だろうと見渡していると団体さんのところへいく。ある男性に向かって「Happy Birthday」の歌を歌い出した。おめでとう!!4年前も同様のイベントがありケーキのお裾分けを頂いたが、今回は人数が多いため残念ながら諦めざるをえなかった。
2月17日(金)
ランチボックス持参でサファリへ
今朝6時ごろ3回の停電があった。1回目と2回目は直ぐに回復。トイレに入っている時に3回目の停電。暗くて何も見えなかったが、直ぐに回復するだろうと待っていた。しかし、待てど暮らせど回復せず。20分以上経ってようやく回復。その間、トイレで座りっぱなしであった。豪華なロッジにしては意外。これもアフリカか?
今日はランチボックスを持参して1日中サファリ。セレンゲティの南に動物が多くいるということで期待が膨らむ。
【出会えた動物】
●コウノトリ
ロッジ近くの平原の所々で枯れ草が燃えており、追い出される虫を狙って多くのコウノトリが廻りに群がっていた。その数は500羽を超える。枯れ草が燃えるのは自然発火と思っていたら、ガソリンを撒いて強制的に焼いているとのこと。今は乾期だが、もう直ぐ雨期を迎えるための準備という。日本では、兵庫県の豊岡で人工繁殖させ放鳥しているが、数は中々増えないらしい。誰かが「この鳥を捕まえて日本に持って行ったら、多くの赤ちゃんが生まれ、少子化の問題も解決するよ」と言っていた。
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●シマウマ、ヌー
シマウマやヌーの大群はセレンゲティの大平原と隣国ケニアのマサイマラを1年掛けて1周している。時々テレビ等でヌーの河渡りを放映しているが、今の時期はセレンゲティを南から北へ移動している。水飲み場に寄ると、圧倒的な数のシマウマとヌーが交代交代で水を飲んでいた。これだけの数がいると、我先にと水飲み場に殺到するのではと思うが、ある群れが飲み終わると次の群れが水を飲みに行く。どのように順番を決めているのか?今日1日で、シマウマの3様の死に出会う。
【その1】
昨夜来、出産に苦しんでいた母親が今日になっても出産できず、赤ちゃんは死に母親も悲しいかな死を迎えた。近くでは兄弟と思われるシマウマがジーと見つめていた。
【その2】
今朝、ヒョウのハンティングにより犠牲になった子供のシマウマがアカシアの木の枝にぶら下っていた。近くには母親と思われるシマウマがいつまでも離れずにいた。
【その3】
水飲み場で脚を泥に取られ抜け出すことができず、徐々に体が沈んで首から上を出すだけの状態。もう助からない。4日前にも同様のシマウマを見たが、人間が手を貸すわけにもいかない。近くでは、家族と思われるシマウマ達が時々悲しい声で鳴きながら必死で励ましていた。シマウマは家族の絆が強いようだ。誰かが不幸に会うと、残りのもの達が励ましたり、いつまでも近くにいて死を悼んでいるようだ。
●その他
インパラの群れ、ライオン11頭、ヒョウ3頭、ゾウ10頭の群れと11頭の群れ、クリップスプリンガー
今日は午後4時で切り上げロッジにてゆっくり過ごす。アフリカの風を肌で感じながらベランダの椅子に体を委ねる。私にとっては正に至福の時。この時間を過ごすためにアフリカに来たようなものだ。
2月18日(土)
最後のサファリへ
今日でサファリは最終日。8時に出発。ドライバーに「もう一度チータとヒョウが見たい」とお願いしたところ、チータは無理、ヒョウなら見られるよ」という話。今朝、雨が降っていて外は肌寒い。100円ショップで購入した雨用ポンチョを着る。これが大いに役立つ。1つ目は防寒、2つ目は防雨、3つ目は防ツェツェ蝿。
【出会えた動物】
●ハゲワシ
草原およびアカシアの枯れ木に、おびただしい数のハゲワシ。ドライバーによると、昨日難産で死んだシマウマが夜間にライオンに食べられ、今朝、ハゲワシが掃除をしたとのこと。確かに、ワシの群れの中からあばら骨らしきものが見えた。これも自然のリサイクル。ライオン、ワシに命がつながった。
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●シマウマ
何台ものサファリカーが1頭のシマウマの所で駐車している。今回こそはシマウマの出産と期待したが、どうも8ヶ月位の赤ちゃんはお腹の中で死んだ状態で、出てきていないらしい。母親も助からない!!出産が原因で死に至るシマウマは今回で2回目。なんともやり切れない。
●ヒョウ
ドライバーの予言通りヒョウに出会うことができた。1本のアカシアの木に母親のヒョウ。50mほど離れた別のアカシアの木に2才位のオスとメスのヒョウ。オスとメスの区別は、アミリさんの例の「見分け方」による。(写真の左はオス)
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昨日は野焼き跡にあんなに沢山いたコウノトリが、今日はどこにも見当たらない。彼らの生活圏は随分広いようだ。昼過ぎにてサファリを終了。後はロッジでゆっくり休養に当てる。
ロッジに戻り昼食を摂っていると、隣に子供3人(5,4,2才位)と両親の家族がいたが、一番下の子供がぐずっていた。そこで、最近始めたバルーンアートで喜ばせてあげようと思い、部屋に戻り風船を取ってきて犬やキリンを作って子供たちにプレゼント。下の子供は直ぐに泣き止み、上の子2人とともに風船で遊び始めた。少しは喜んでくれたかな!
部屋に戻り、汚れ物を洗濯するとともに、荷物を整理し、写真も整理。後はバスタブに体を沈めて疲れを取る。夕食までの時間ベランダの椅子に腰掛け最後のアフリカに浸る。
2月19日(日)
飛行機でアルーシャへ
朝食に、最後まで残しておいた味噌汁を皆さんに振舞う。8時にセレンゲティのセロレナ空港へ向けて出発。途中、シマウマの大群に出会う。草を食みながら北へ向かって進んでいく。ヌーには殆ど会えず。ベルベットモンキー、インパラの群れ等見納めと思い、目に焼き付ける。残念ながらライオンやヒョウには会えず。
空港には、プロペラ機が4機停まっており、我々は18人乗りの双発機で予定時間より早く、アルーシャに向けて飛行。雲を避けながら快適な空の旅。キリマンジャロ山は雲の中で見えず。1時間弱で無事アルーシャ空港に着陸。既に迎えのバスが来ており、バスに乗り込む。
先ずインド人経営の有名な土産物店に寄る。ここでTシャツを購入。地元のスーパー、コーヒー専門店に寄った後、中華料理店にて遅い昼食。味付けは必ずしも日本人に合うとは限らない。お客の多くはインド系で、彼らの口に合うように味付けされているようだ。
午後3時過ぎにスノー・クレスト・ホテルに入る。ここで、預けたハードケースを受け取り、荷物の詰め替え。
タンザニアのお金を持っていても使えなくなるため、ホテルのギフトショップに入り、Tシャツ、コースターを購入。今日はここに泊まり、明日には国境を越えてケニアのナイロビ空港からドバイ経由で関空に帰る予定。
2月20日(月)
帰国の途へ
6時モーニングコール。7時には朝食ボックスを持参してホテルを出発。国境の町ナマンガに近づくと、左手にキリマンジャロ山が顔を出してくれた。ナマンガにてタンザニアの出国手続き、ケニアの入国手続きを行う。ケニアに入って直ぐ土産物店にてトイレ休憩。余り食欲は無いが、薬を飲むため朝食ボックスから少し口に入れる。その後、ここの店で素敵なインパラの壁掛け用彫刻を見つけ早速購入。最初は50ドルと吹っかけてきたが、店主のビッグママの了解をとり20ドルで購入。そのお礼に朝食ボックスの残りをプレゼント。早速、ケーキを取り、口に運んでいた。
ナイロビ空港にて搭乗手続きを済ませ、フライトまでの時間を買い物等で過ごす。先ず、免税店にて「out of Africa」というマカデミア・チョコレートを探す。このマカデミアナッツは日本人がケニアで栽培しているもので、明治製菓にも提供しているとのこと。応援したい気持ちもあり13個も購入。ここで、Tさん、Yさんとアドレスの交換。良い写真があれば送ってもらうようにお願いした。
午後3時過ぎに搭乗し、一路ドバイへ5時間のフライト。ドバイに到着後、乗り換えのため荷物検査を受け、東京組とはここでお別れ。ショッピングセンターにて、高橋さんから勧められたスイスのLindt製の高級チョコレートを購入。
午前2時過ぎ、搭乗手続きを済ませ関空まで約8時間のフライト。自席の前のモニターでフライトの状況をチェックしていたら、色々なデータが出ていた。参考までにある地点のデータは以下の通りであった。
・飛行機の速度 : 913km/h
・グランド速度 : 1,183km/h
・尾翼の風速 : 270km/h
・外気温 : -36℃
・ドバイー関空の距離 : 8,117km
これからのデータから単純計算した場合
・ドバイ→関空への飛行は、偏西風により1,183km/hのスピードで所要時間は6時間51分
・逆に関空→ドバイへの飛行は、偏西風により643km/hのスピードで所要時間は12時間36分となる。
同じ距離を同じ飛行機の速度で飛行した場合、偏西風の影響により所要時間が大きく変わることが分かる。しかし、実際には飛行機の速度を調整することにより、ドバイ→関空を8時間、関空→ドバイを11時間位で飛行している。
午後4時半ごろ関空に無事到着。入国審査、税関の手続きを済ませ、エミレーツ航空が運行している無料シャトルバスにて名古屋に向かう。約3時間で名古屋駅西に到着。名鉄の南加木屋駅まで迎えに来てもらい、2週間ぶりに我が家に帰るも、ジロウに吼えられてしまった。
Asante Sana(どうもありがとう)
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究極のタンザニア・サファリ 前編

2012年2月8日出発、究極のタンザニア・サファリに参加された土井 治夫 様からのレポートです。
2月8日(水)~9日(木)
久し振りのアフリカへ
4年前は中部国際空港からドバイ空港までエミレーツ航空で直接フライトしたが、エミレーツ航空の撤退により、今回は名古屋駅西から無料シャトルバスにて関空まで行く。名古屋からもう1名Bさんが本ツアーに参加しているが、バスには10数名おり特定できず。東名阪から、名阪、西名阪を経由して約3時間で関空に到着。
関空にて、Bさん、北海道から参加のYさんと合流。Yさんとは6年前のケニア・ツアーで同行しており再会。エミレーツ航空の搭乗手続きを済ませ23時40分離陸。UAEのドバイまでは8200km、約11時間の旅。客は座席数の半分ほどで、隣の2席が空いていたので横になることができラッキー。それにしても長い!!
無事ドバイに到着。ここで東京からの4名(Kさん、Tさん、Yさん、添乗員のIさん)と合流し、飛行機を乗り換えケニアのナイロビへ。離陸までの4時間を初対面の参加者や以前同行した参加者と交流し離陸を待つ。搭乗手続きを済ませ、ナイロビまで5時間のフライト。
機内で昼食が出たが、男性のCAが近くの席にいたBさんに「chikin or beef?」と聞く。Bさんが「beef」と返事したが、CAはニコニコしながら「ン?」と聞き返す。Bさんは自分の英語が通じなかったと思い、再度「beef」と返事、CAが茶目っ気たっぷりに「ン?」、これを4回ほど繰り返す。廻りはみんなニヤニヤ、やっとBさん、からかわれていることに気づく。今度はTさんが「female beef(メスのビーフを)」と返事してやり返す。これにはCAも困った。しかし、外国人はこのように陽気な、茶目っ気ぶりが自然でうまい。
午後3時近くに無事ナイロビに到着。入国審査を済ませ、預けた荷物を受け取る。空港には旅行会社が手配したマイクロバスが迎えに来ていた。乾燥した爽やかな暑さ、やっとアフリカに着いたと実感。ここナイロビから国境の町ナマンガまで190km。道路は4年前にはガタガタ道であったが、一応舗装されており快適なドライブ。しかし、時々警察に車を停められ車内を検査された。最近、隣国ソマリアの政情が不安で、難民が避難してきており警備が厳しくなっているとのこと。
ナマンガにて、ケニアの出国手続き、タンザニアの入国手続きを行う。両手続きとも厳しく、両手の指紋を採られた。ここでトイレを使用したが、2人で1ドル要求され、使い古した1ドル紙幣を渡そうとすると受け取り拒否。仕方なくもっと新しい紙幣を渡した。ケニア、タンザニアでは偽ドル紙幣が横行しており、古い紙幣の受け取りを拒否するらしい。
国境からアルーシャまで110km。暗くなってきたが、8時近くに到着し、今夜宿泊するスノー・クレスト・ホテルに入る。ここで夕食を済ませた後、荷物をハードケースからソフトケースに詰め替え、明日からのサファリに期待しつつ就寝。
2月10日(金)
ンゴロンゴロ自然保護区へ
6時に起床。ホテルの室内は24℃、半袖シャツ1枚でOK。日本とは真逆の気候で快適。8時半ホテルを出発。まず両替所にてドルからシリングに交換。レートは1ドル=1,580シリング、100ドルを交換する。アルーシャ郊外ではコーヒーのプランテーションが多く見られた。8月が収穫時期。ンゴロンゴロ自然保護区のソパ・ロッジへ向かう途中、マニャラ湖畔の露店にて赤いバナナを購入。14本の房で4,000シリング(日本円で約200円)。甘くて美味しい!この当りから白い蝶(日本のモンシロチョウより一回り小さい)が乱舞。目的地のソパ・ロッジ近くまで何キロにも亘って蝶の乱舞が続く。繁殖期を迎えているのだろう。
ソパ・ロッジに午後1時半ごろ到着。このロッジは標高2,300mのところにあり、気温も25℃前後でさわやか。このロッジで受付を済ませている間に、偶然ドライバーのTさんに会う。4年前のツアーでドライバーとしてお世話になった人で、少しやせていたが、元気な様子で安心。
最初のサファリへ
ロッジで昼食を摂った後、初めてのサファリへ出発。このロッジからンゴロンゴロ動物保護区のクレータ底まで約600mを下る。今回の撮影のテーマは、動物の親子と各動物の顔のアップ。
【出会えた動物】
●ライオン
この保護区には3つのプライド(群れ)があり、その1つの群れに出会う。子供を含めて10数頭。オスは顔の左側を怪我しており、時々大きな口を空けて痛さを我慢している様子。また、親と子供はサファリカーにより分断され、子供は草むらに隠れたまま。親も心配顔。申し訳ない気持ち。
01 21

●イボイノシシ
生後3ヶ月の子供3匹を連れた家族に出会う。親は草を食べるとき、前脚を折りかがんで食べるが、子供も親を真似てかがみ地面に近い草を食べていた。愛嬌がある。
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●クロサイ
遠くの方に1頭のクロサイがポツン。カメラにやっと収まる位で、時々草を食んでいたが、臆病でサファリカーには近づこうとしない。「今日は、これでサイなら」と冗談を言いながら帰途に着く。
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●その他
シマウマ、ヌー、グラントガゼル、トムソンガゼル、ハイエナ、バッファロー等
ここの保護区は午後6時でゲートが閉まってしまうため、カバに会いに行く時間が無くなり仕方なく帰途に着く。午後7時半に夕食。徐々に客が増えて、総勢100名以上。レストランはてんてこ舞いの状態で、食事を終えるまでに2時間もかかってしまった。お陰で、今回のツアー参加者と色々な話をすることができた。ベッドには湯タンポが入れてあり、心配りが嬉しくもあり、懐かしくもあった。
2月11日(土)
ンゴロンゴロからセレンゲティへ
6時にモーニングコール。電話はないため、スタッフがドアを叩いて知らせてくれた。室内温度は20℃で快適。今日はサファリをしながらセレンゲティ国立公園のヘソの位置にあるセロネラ・ワイルドライフ・ロッジを目指す。途中セレンゲティまでの道路は舗装されておらず、砂埃を巻き上げながらのドライブ。12時前にゲートに到着。入園手続きを済ませ、サファリをしながら午後2時セロネラのロッジに到着。このロッジには3連泊の予定。昼食後、旅装を解き、洗濯用ロープを張る。11年前にもこのロッジを利用したが、その時の悪夢が甦る。部屋に入ったら、あるはずのハードケースが見当たらない。添乗員に「ハードケースが見当たらない」というと、「アルーシャのホテルに保管してありますよ」との返事。一瞬目の前が真っ暗!!幸い1日分の着替えと常用薬はナップサックに入れていたため、毎日洗濯しながら、髭は伸ばし放題で過ごした。
午後のサファリへ
午後のサファリに出発。ロッジの南方にシマウマ、ヌーが来ているということで2台のサファリカーでセレンゲティ・サファリを開始。今は乾期で砂埃が多く、また日差しもきついため、帽子、サングラス、マスクは必需品。カメラにはシャワー・キャップを被せ砂埃対策。
【出会えた動物】
●トムソンガゼル、グラントガゼル
トムソンガゼルの群れに、一回り大きいグラントガゼルが混じっている。このような群れは良くある形態で、お互いメリットを共有しあっている。トムソンガゼルにとっては、グラントガゼルの危険探知能力により肉食獣からの脅威を早く察知でき、一方グラントガゼルにとっては、子供が大きさ、体色ともトムソンガゼルに似ており、その群れに混在することにより肉食獣からの危険を避けている。
04 23

●ゾウ
ロッジ近くの池に水を飲みにきた約20頭の子連れの群れに出会った。サファリカーで近づくと、メスの親たちが子供と車の間に入り子供を守ろうとする。このため、親子の2ショットをカメラに収めることは難しい。池では水をたっぷり飲んだ後、水浴びをしたり、泥んこ遊びをしていかにも気持ち良さそうだ。
05 24

●ヒョウ
無線でヒョウがいるとの情報を得たためサファリカーを飛ばす。既に10台ほどのサファリカーが集まっており、近くのソーセージツリーにヒョウがいるという。すぐ近くで、プロ用のビデオカメラを車にセットした撮影隊がヒョウを撮影していた。下にいたヒョウが急に駆け上がり、予め木の上に置いてあるエサを食べ始めた。暫く様子を見ていたが、サファリカーは三々五々散っていった。
06 25

●その他
トピ、ハーティビースト
午後7時半に夕食。その後は洗濯を済ませ、今日撮影した写真の整理をしたり、気づき事項をメモしてから就寝。
2月12日(日)
午前のサファリへ
5時30分起床し、6時30分に朝食を摂る。今日は7時30分にサファリへ出発。毎日サファリカーに乗る人を1人ずつ交代することに決める。参加者の交流を図るためと、車は6名で2台なのでドライバーによる車の撮影ポイント決めに違いがあるため。ドライバーはアミリさんとジョンさん。アミリさんは48才でレンジャーの経験があるため慎重派、一方ジョンさんは30才台で若く、積極派。
【出会えた動物】
●インパラ
80頭くらいの群れに出会う。この群れはオス1頭にメス及び子供たちでハーレムを形成している。オスは大きな角を持っており、いかにもオス同士の戦いで勝ったという雰囲気を持っている。しかし、ドライバーによると、オスとして君臨できる期間は平均6ヶ月と短い。一見羨ましいようだが、厳しい世界のようだ。
07 26

●シマウマとヌー
朝の水飲みのため、シマウマとヌーが池の周りに集結していた。その数、数千頭。水を飲んだ集団が水飲み場から引き上げると次の集団が飲みに来るという繰り返し。順番が決まっているのか混乱はしない。しかし、水の中に入り込んで泥をかき回すためシマウマが出てきた時はシマが消え、一瞬単なる黒いウマに変身。
08 27

●ヒョウ
ソーセージツリーとアカシアの木の上で休んでいるヒョウが2頭。夜行性のため昼間は殆ど眠っていることが多い。ドライバーのアミリさんは、木の上で寝ているヒョウの色を見て年齢を推定し、姿勢を見てオスかメスを区別するという。それでは、アミリさんが教えてくれた見分け方とは?
【見分け方】
前脚、後脚とも木の枝に跨っている→メス
前脚は木の枝に跨っているが、後脚は跨っていない→オス
後脚の間にはタマタマがあるため、跨ると痛い)
この見分け方に女性陣は納得、男性陣は?あなたは納得、それとも?(写真はメス)
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●その他
ライオンの親子、鳥類
午後のサファリへ
昼食を摂り、暫く休憩。午後4時にサファリへ出発。
【出会えた動物】
●チータ
小さなアカシアの木の下で、盛りを過ぎたチータが先ほど獲ったトムソンガゼルを旨そうに食べていた。ハイエナに見つけられると獲物をすぐに横取りされてしまうため、見つからないように祈るばかり。
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●ダチョウ
オスが2羽。1羽は首と脚が赤くなっている。これは繁殖期を迎えている状態。先日テレビで放映していたが、ダチョウはオス1羽にメス数羽が一般的で、先ず本妻が巣に卵を産み、残りのメスがその卵の周りに産む。真ん中に本妻の卵、周りには20個程の他のメスの卵となる。卵を温めヒナに孵すのは本妻のみ。これによりジャッカル等の敵に卵を盗まれることがあっても周りの卵が犠牲になり、真ん中の卵は無事。動物は敵から子供を守るために色々考えるものだ。感心する。
11 29

余り時間が無く、今日はこれにてサファリを終了。ロッジへ帰る。
2月13日(月)
ランチボックスを持って1日サファリへ
朝食で、持参した味噌汁を皆さんに振舞う。ここは標高が1,600m程あり、気圧が850hpsと低いため、セロハンでパックした味噌汁がパンパンに膨らんでいる。そういえば、自分の顔も鏡を見た時、少し膨らんでいるように見えたが、気のせいか?気温は24℃。暑くも寒くもなく丁度良い。今日は、ランチボックスを持って少し遠出のサファリ。
【出会えた動物】
●シマウマ
シマウマの群れが道を横断していたが、サファリカーが近づいたため親子が分断され、赤ちゃんが取り残されてしまった。暫くしてサファリカーが動き出したら、親と勘違いしたのか車についていこうとする。一方、母親は鳴き声で呼んでいたが、群れがどんどん進んでいくため仕方なくついていく。親子の距離は離れるばかり。最後まで見届けることはできなかった。親子の運命やいかに?一方では、matingしている不届きなシマウマも。
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●ライオン
午後2時過ぎ、ランチを摂るため所定の場所に向かっていたが、冗談半分に、「あのアカシアの木の下で昼食にしようよ」と言って近くを通り過ぎようとしたところ、6頭のライオンが昼寝をしていてビックリ。間違っても所定のエリア以外で車から降りたらどんな危険な目に会うか痛感。
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白い岩と呼ばれるところで遅めの昼食。添乗員が持参してくれたハーフサイズのワンタンが美味しかった。廻りにはツキノワテリムクという綺麗なムクドリがおこぼれ頂戴と集まってくる。しかし、エサを与えるわけにはいかない。午後のサファリ開始。
●ヒョウ
最初に見つけた1頭が、ガゼルの頭を引き寄せ食べていたので他のヒョウに気付かなかったが、ドライバーが「3頭いるよ」と言って場所を教えてくれた。裸眼では見えないため双眼鏡で確認。やっと残りの2頭も見つけた。しかし、ドライバーは裸眼でよく見えている。ドライバーの視力には毎度のことながら驚くばかり。
14 39

●シマウマ
沼に脚を取られて、お腹のところまで埋まったシマウマを見つけた。必死で脱出しようとするが、もがけばもがくほど埋まってしまう。無理したためか前脚が折れている。近くで家族が鳴いて励ましているが、どうすることもできない。これが家畜であれば、人がどうにかして助けると思うが、野生動物を手助けするわけにはいかない。これも自然の摂理。
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●その他
オジロマングース、バッファロー、キリン、鳥類
サファリの途中、モルコピエにあるインフォメーションセンターに寄る。ここには、動物園や南アフリカからクロサイを運んできて野生として放す活動をしているプロジェクトの情報が展示されている。しかし、密猟が横行しており、クロサイの数は中々増えないという。
2月14日(火)
サファリをしながらクハマキャンプへ
朝食を摂っていると、カナダのバンクーバー在住の日本人男性が声を掛けてきた。現在71才でキリマンジャロ登山を終え、セレンゲティに来ている。暫くサファリを楽しんでからザンジバルまで足を伸ばす予定。今回はカナダの白人女性5人と一緒で日程は21日間とのこと。スケールが違う。元NTTに勤めていたが、47年前にカナダに移住。現在は庭師の真似事をして楽しんでいる。日本には2年前に法事で帰ったが、その後は帰っていないとのこと。とても71才には見えない。多分、登山をやっていること、カナダに住んでいることが若さの秘訣かもしれない。
今日は、サファリをしながら南下しンドゥトゥのクハマキャンプへ行く。
【出会えた動物】
●トムソンガゼル
ンドトゥに近づくに従ってトムソンガゼルの数が増えてきた。グラントガゼルも小さな群れを作ったり、トムソンガゼルの群れに混在してたが、圧倒的にトムソンガゼルの数が多い。チータ等ネコ科の動物の存在を期待させてくれる。
●バッファロー
今回のサファリで初めて見た100頭を越す大きな群れ。但し、サファリカーの近くには来てくれなかった。全体的にバッファローの数が少ない。別の場所に移動しているかもしれない。
16

●フラミンゴ
ンドトゥにある湖で500羽ほどのフラミンゴがエサをすくい取っていた。この湖はアルカリ性で塩分濃度が強く、フラミンゴのエサとなる藻が繁殖するため。しかし、ナクル湖のフラミンゴの数に比べたら極端に少ない。
17 31

クハマキャンプに昼ごろ到着。ここには4年前にもきたが、風が強く砂埃が舞い上がっていた。スタッフから注意点等の説明を受ける。
午後のサファリへ
午後1時過ぎに昼食。4時までは自由時間のため、テントの入り口に用意されているテーブルでアフリカの風を肌に感じながら、写真の整理やレポートを書く。午後4時サファリに出発。ンドゥトゥ湖の水はかなり減っており、湖底をサファリカーで走行できるが、砂埃がすごい。気温は35℃、直射日光に当たると流石に暑い。
【出会えた動物】
●ヒョウ
アカシアの木の上で寝ている3~4才のヒョウに関する情報を入手し、現場まで直行。まだ、3台しか停まっていなかったため撮影に良い場所を確保。ここはオフロードサファリが可能なため、木から10mほどのところにサファリカーを接近させ撮影。起きる気配はなく、時折顔の位置を変えたり、体の向きを変える度にカメラのシャッターを切る。ここまで接近できるところが、オフロードの醍醐味。後続のサファリカーが続々集まってきた。
18 32

●チータ
3頭の兄弟チータが小さなアカシアの木陰で寝そべっていた。サファリカーでチータまで数mの距離に寄せて撮影。各チータの息遣いが聞こえるようだ。余りに近くてチータにストレスを与えてしまいそうで心配。
19 33

●その他
ライオン、インパラ、ハーティビースト
午後7時キャンプに戻る。兎に角、砂埃が凄くて体中埃まみれ。すぐにシャワーをお願いし、頭から足の先まで洗い流す。しかし、お湯は屋根にあるバケツから供給しているため5分以内で済ませないとお湯がなくなってしまう。このような不便さも逆にキャンプサファリの楽しみ。夕食は専用のテントまで懐中電灯を手に足元を照らしながら行く。食後、自分のテントまで戻るが、天の川、オリオン座等が満天に輝いていた。星を見て久し振りの感動。夜は各種の動物がくるので外出は非常に危険。夜間はマサイの2人がキャンプ内を警備してくれるから一応安心。
後編へ続く・・・
タンザニアのツアー・旅行一覧はこちら。
サファリ・動物がテーマのツアー・旅行一覧はこちら。

タンザニア・サファリ 添乗

数日前、弊社のベテランスタッフが20数回目となるタンザニア・サファリの添乗より戻りました。
セレンゲティ、ンゴロンゴロのタンザニア北部の定番コース。セレンゲティ国立公園では雨が少なく、ヌーの大群は例年通りの動きをしていなかったようですが、一方のンゴロンゴロ自然保全区のクレーター内ではヌーが続々と出産しているようです。ンゴロンゴロのヌーはセレンゲティ~マサイマラの群れのように大移動はしませんが、ンゴロンゴロに生息する個体には、セレンゲティに生息する個体より近づけるため、観察がしやすいことで知られています。