ヌーの移動や川を渡る場面はメディアなどで紹介される機会も多く、一度は見てみたい!というお客様からのお声にお応えしツアーを企画しました。200万頭ともいわれるヌーとシマウマの群れがマサイ・マラに集まるのは例年7~9月頃。とはいえ大阪府ほどの大きさのあるマサイ・マラで、この時期ならどこでも群れが見られるわけではなく、ましてや川を渡るタイミングも決まっているわけではないので、ツアーの期間やロッジの場所のチョイスは難しいところです。これまでの情報から最も川渡りが見られるのではと予想して期間・場所を選びました。
結果、ツアーのハイライトとなるヌーの群れ・川渡りは十分すぎるほど見ることができ、肉食動物をはじめたくさんの動物に出会えたいいツアーとなりました。マラ川を隔てた両側それぞれに滞在し、サファリをしたのも成功だったようです。
ほぼ毎日のように川を渡る場面に出会えたことは本当にラッキーでした。クロッシングポイントと呼ばれる川渡りのポイントもいろいろあって、ヌーたちが比較的楽に川に入ることができるところから、ほぼ直角に近い十数メートルの崖を飛び降りるように入っていくところまであります。ヌーたちはなぜ困難な場所も選ぶのか、不思議です。それにヌーはどう見ても泳ぎが上手ではなく、ジャンプするように進もうとするので非常に疲れそうです。一方、シマウマは水を飲んでいたと思ったらそのまま川の中をスーッと進む感じです。トピが川を渡るのも初めて見ました。
ヌーがたくさん集まるということは肉食動物たちにとっては毎日がお祭りのようなものです。至るところで食事シーンを見ましたし、中には食べることに飽きてほとんど食べずに獲物のそばで昼寝に入るライオンもいます。ハイエナに食べられながらもまだ頭を上げようとするヌーの瞳は何かを訴えているようで少し切なくなりました。
迫力のあるシーンだけではなく、じゃれあうライオンの子供たち、寄り添うゾウの親子、目がまん丸のハイエナの赤ちゃんなど、癒される場面にもたくさん出会いました。動物たちにとってこの時期は生きることも死ぬこともより身近に感じる時なのかもしれません。
紙田
■特別企画 ヌー大移動の季節 マサイ・マラで徹底サファリ 10日間