世界各国、各観光地、それぞれが趣向を凝らしてプロモーションのためのポスターを作っていますが、その多くは絶景を写した写真を全面に配し、旅情を掻き立てるキャッチコピーが添えられています。
国内旅行のポスターには、思わず「お見事!!」と唸ってしまうような秀逸なものが多く、特にJRの青春18きっぷのポスターなどは、ある意味非常に危険なシロモノ(旅に出たくなる、という意味で)ではないでしょうか?「旅する若者」時代から遥かな年月を経てしまった私でさえ、グッとくるものがあります。
アフリカ各国、特に観光産業に力を入れている国々は、この例にもれず様々なポスターを製作し、旅したい人の興味を引こうと努力しています。これらのプロモーション・ポスター、今でこそ写真がメインのものがほとんどですが、昔のものはどうだったのでしょう?
1900年代初頭から1960年代にかけて、画家やイラストレーターの描いた絵をあしらった観光ポスターが盛んに作られました。特にアフリカ諸地域では、今のように「~国観光局」なんてものがなかった時代ですから、それを制作したのは、航空会社、船会社、旅行会社など、旅を作る、あるいは人の移動を扱う業者がほとんどでした。製作された時代が時代なため、今は存在しない「フランス領赤道アフリカ」や「ローデシア」といった植民地時代の名称が使われているものもあるのですが、今でも複製や、あるいは当時のビンテージもののポスターを手に入れることができます。いずれもデザインや色使いが素晴らしく、リアリティのあまりない「絵」が中心なのですがなぜか旅情を掻き立てられますし、アートとして楽しめるものも少なくありません。
私の家では、アフリカの「写真」ではなくこんな「ポスター」を飾っています。皆さんのご自宅にもいかがですか?お気に入りの1枚を探してみては?
by 羽鳥