2018年 夏 コンゴ共和国 ODZALA DISCOVERY CAMPS コンゴ レイン・フォレスト・サファリ 12日間 手配旅行

2018年8月8日発の手配旅行でコンゴ共和国に行かれた、神奈川のK夫妻様からのレポートです。

コンゴ共和国、オザラ・コクア国立公園については、新型コロナウイルス以降、通常のツアー自体がなくなっていますが、先日山形さんのツアーが発表されました。そちらのガイドになるとも思い、2018年に出かけたコンゴ共和国への旅行についてのレポート書きました。

オザラの熱帯雨林
オザラの熱帯雨林

今は、新しい別のキャンプもできたそうですが、以前道祖神さんにあったツアーのオザラのキャンプには3つのロッジがあり、組み合わせて泊まれました。山形さんとのツアーでも同じ場所を使うようです。以前のツアーではオザラのキャンプはンガガ3泊、ランゴ1泊、ムボコ1泊の計5泊でした。今回の山形さんのツアーでは、ンガガ3泊、ランゴ2泊、ムボコ2泊の7泊です。私たちは、ンガガ2泊、ランゴ2泊、ムボコ3泊の計7泊でお願いしました。旅行代金が結構高くなってしまいましたが、一生に一度しか行けないだろうと思い、奮発しました。

ツアーをベースに組んでいたので、ブラザビルからオザラのキャンプまでは車で14時間程度、帰りも車での戻りの予定でした。しかし、旅行直前に連絡があり、行きも帰りもブラザビルから軽飛行機で行けることになりました。これは、宿泊をキャンプ全体で7泊にしたため、キャンプのプロモーションに該当することになり、軽飛行機での送迎がつくことになったようです。今回の山形さんとのツアーも同じ扱いのようです。その結果、日程に無駄がなくなり、ブラザビルが連泊になり、ブラザビル半日観光が1日観光になりました。また、その日程については、現地の日本人ガイドの萩原さんが案内してくれることになりました。こちらも本当にラッキーでした。

オザラ国立公園は、ローランドゴリラを見ることがハイライトになります。オザラでゴリラを見るためには、結構手続きが大変で、以前ウガンダでマウンテンゴリラを見に行った時より健康診断書が大変でした。ポリオの予防接種、麻疹の予防接種など、実際やるとなるとひと手間必要ですが、母子手帳が残っていたので、診断書を書いてもらうだけで済みました。

首都ブラザビルへの入国は、用意していただいた宿泊場所の証明書などがあったのでスムーズに進めました。現地のアシスタントが来て案内してくれるはずでしたが、なかなか来なかったので、自分たちで書類を見せて入国しました。この証明書がないため、入国で時間がかかっている外国人客も結構いました。助かりました。入国したところで、萩原さんと合流できました。カフェで簡単なレクチャーを受け、現地旅行会社のスタッフと合流し、オザラまでの軽飛行機に搭乗しました。キャンプまでの専用飛行機でした。同じキャンプに向かうお客さんと一緒にキャンプまで向かいました。客は私たちを含め2家族4名でした。

キャンプの飛行場に着くと(サバンナではおなじみのAir Stripです)、そこには4WDとガイドさんが待っていました。こちらのキャンプは、個人手配の場合、基本プライベートビーグルになるようで、1家族に1台の4WDと1名のガイドさんがつきます。あとで分かったことですが、以前催行されていた道祖神さんのツアーの時と同じガイドのアロンさんが私たちの担当でした。ここから、ローランドゴリラに会えるンガガキャンプまで3時間程度車で移動します。途中、サファリを楽しみながら移動します。アオムネハチクイや、見たかったズグロハチクイを見ることができました。キャンプ近くではPutty-nosed Monkeyのグループに会うこともできました。夕方遅く、ンガガキャンプに到着し、夕食と明日のゴリラトラッキングに向けての説明を受けて寝ました。ロッジは、広くはありませんが快適で、気持ち良い滞在ができました。

アオムネハチクイ
アオムネハチクイ
Putty-nosed monkey
Putty-nosed monkey
ンガガキャンプ
ンガガキャンプ
ンガガの部屋
ンガガの部屋

ンガガキャンプは、メインキャンプから離れており、主にローランドゴリラトラッキングを目的としたキャンプです。道祖神さんのツアーでも、3泊で2回のゴリラトラッキングをすることになっています。私たちも2泊で2回のゴリラトラッキングをします。2回とも飛行機で一緒だったオーストラリア人ご夫婦と一緒に行きました。客4名にレンジャー、それぞれのグループのガイドの計7名で見に行きます。

1回目は、キャンプから歩いて行きました。マウンテンゴリラと違って、起伏のない熱帯雨林を歩きます。ウガンダの山と比べればきつくはなく、ちょっとしたハイキング程度で進みます。途中、ゴリラが寝ていたベッドなどを見ながら歩きます。気配がして歩みを止めると、けもの道の先に斥侯役のゴリラが現れました。斥侯ゴリラが去って、レンジャーの指示に従って前進すると、一本の木を中心に開けた広場に、ゴリラの家族がいました。子供たちは木の周りを走り回っています。大人もいます。すると、横からゆっくりとシルバーバックが歩いてきました。ちょっと隠れるように歩き、低木のあるところに座り、さりげなくこちらを見ています。ウガンダのマウンテンゴリラは、相当レンジャーとの関係が近く、客にも近寄ってくる感じでした。オザラの場合、人間とゴリラの関係が近くなりすぎないようにしているようです。レンジャーも観光客も、ローランドゴリラの方も、極度の緊張はありませんが、なれ合い過ぎないような保護を心がけているのだと思います。ローランドゴリラのグループは、ジンジャーを掘ってかじったり、子供は追いかけっこやターザンごっこのような遊びをしたり、リラックスした姿をみせてくれたりしました。その間、シルバーバックは、なんとなくこちらをうかがって、グループの安全を見ていたように思います。人間の家族とあまり変わらないような姿を見ることができました。ゴリラのグループに出会うまでも30分かかっていなかったと思います。

ゴリラトラッキング1日目
ゴリラトラッキング1日目
ゴリラ斥侯
ゴリラ斥侯
ゴリラ子供
ゴリラ子供

ゴリラトラッキングの2回目は、明日の朝になるので、午後は自由時間です。私たち2人にアロンさん1名がついているので、午後のアクティビティーもこちらの希望通りに考えてくれました。午後は、周辺のバードウォッチングをしました。周辺は、危険な動物はあまりいないということで、徒歩での散策です。ロッジ周辺は森ですが、ゴリラトラッキングと同じでそんなに起伏はなく、簡単なハイキング程度のウォーキングです。フルサイズ一眼レフに500mmまでのズームを付けて担いで歩いても問題はありませんでした。ただ、熱帯雨林で野鳥を見つけて撮影することの難しさを感じました。緑色のエボシドリを撮りたかったのですが、飛び去る後ろ姿だけ見ることができました。緑の翼に鮮やかな赤がはっきりと見えましたが、止まっているところは見えませんでしたし、当然撮影はできませんでした。残念。このウォーキングでは、多くの野鳥は見られませんでしたが、木々や昆虫などをたくさん観察できました。特に蝶は多くの種類がいました。アフリカらしい原色の蝶がいました。

夕方、もう一度ガイドさんが散策をしようというので、ウォーキングをしました。それは実はサプライズで、ロッジから10分くらい歩いたところに小さな川があり、そこで夕方の森でのバータイムを楽しみました。冷たい川の水に足を浸しながら、もう一組のお客さんも一緒に飲み物を飲みながら、会話を楽しみました。

翌日の朝は、2回目のローランドゴリラトラッキングです。ロッジから少し車で出て、そこから森を歩きました。ただ、ロッジスタートから30分程度で、ゴリラのグループに会うことができました。今回のグループは、木に登って食事しているところを観察しました。シルバーバックも、軽い身のこなしで木の上を移動していました。マウンテンゴリラとの違いがよく分かりました。子供を抱いたお母さんゴリラも、木に登って食事をしていました。結構長い時間観察させてもらいました。

木の上のゴリラ
木の上のゴリラ
シルバーバック
シルバーバック

午後は、次のキャンプに移動のはずでしたがンガガキャンプ周辺の雰囲気が気に入っていたので、こちらを1泊増やして調整しても構わないということで、ンガガキャンプを1泊増やしてもらいました。そこで午後はもう一組のお客さんとキャンプ近くの村に行くことになりました。村の人々に歓迎してもらい、村について話を聞きました。昔からの話や、ゴリラとの距離感など興味深い話も聞けました。また、子供たちがいたので、一緒にサッカーをして遊びました。

夕方は、また一緒に外で火を囲んでバータイムを楽しみました。ここで、今回見たいと思っていたブラック・ビーイーターを撮影することができました。比較的開けているところでは、鳥も観察しやすく、他にシロクロコサイチョウなどもその場所で撮影できました。ナイトサファリでは、ギャラゴなども見ることができました。

翌日は、午前サファリをしながら移動して、次のキャンプに移動します。熱帯雨林の難しさもあって、姿はなかなか見られませんでした。ゴリラの声や、キヌバネドリの鳴き声などはしましたが、はっきり姿をとらえることはできませんでした。途中で、町の様子を見せてもらいました。幼稚園などの施設も見学しました。途中のサファリは、野鳥中心で、大型の哺乳類は見られませんでした。ンガガキャンプのみ、離れており移動に数時間かかりますが、ムボコとランゴは比較的近い場所にあります。次の2泊はランゴですが、ランチはムボコでとりました。開けたところにあり、草原には多くの小鳥たちがいました。

午後は、カヤックとバイのウォーキングでランゴキャンプに向かいます。まずは、熱帯雨林の中を流れる川をカヤックで進みます。私たちは、2人乗りのカヤックを任され、川を進みました。これは本当に良い体験でした。熱帯雨林を自分たちのパドルで進む中、ヤシハゲワシが舞い、フォレストバッファローがいたり、マルミミゾウが現れたりと、ゆったりと自然を感じることができました。1時間以上、カヤックを楽しむことができました。唯一辛かったのは、ツエツエバエがたくさんいたことです。相当かまれました。ツエツエバエ対策は必要でしょう。半年間以上、傷が残りました。

カヤック
カヤック
フォレストバッファロー
フォレストバッファロー

カヤックを降りたら、ここからはバイのウォーキングです。道祖神さんの紹介にもある通り、防水系の装備よりも、濡れることを前提とした装備の方が良いです。長靴よりもつま先とかかとがしっかりしたサンダルが良いと思います。水の深さは場所によって違うので、長いパンツをはく場合、これも防水よりも濡れてもすぐ乾く軽めのパンツの方が良いと思います。オオヤマセミ、シャイニングブルーキングフィッシャー(写真が撮れず残念でした)がいたり、サンショクウミワシやアオバトなどが空を舞ったりする中を歩きました。途中、進路をフォレストバッファローの群れにふさがれましたが、ガイドさんがまるでバッファローとジェスチャーで会話をしているような感じで、バッファローの群れを動かしてくれました。結構緊張感のあるバッファローの群れとの対峙でした。ガイドさんの質の高さがこういうシーンでも感じられました。無事ランゴキャンプに入りました。ちょうどキャンプの前に大きなバイが広がっているのですが、私たちがキャンプに入る時にはマルミミゾウがいました。バイのウォーキングは水が結構深く、冷たいため、身長が高くなく冷え性のパートナーにはきつかったようです。

バイを歩く
バイを歩く
ガイドとバッファロー
ガイドとバッファロー

ランゴは、バイの前にテラスがあり、居ながらサファリができます。マルミミゾウはもちろんのこと、Red river hogやシタツンガも見えましたが、遠くて写真にはなりませんでした。ただ、観光用のきれいなテラスからこれらの動物を眺められる贅沢は、なかなか得られるものではありません。

ランゴでは、ウォーキングサファリでコロブスなどの動物や鳥類を観察。途中、フォレストバッファローの群れが近づいてきて、木に抱きつき静かにする指示を受けることもありました。結構な緊張感がありましたが、無事やりすごせました。熱帯雨林のウォーキングサファリならではの体験でした。

ランゴキャンプ
ランゴキャンプ

ムボコは近いので、行うサファリは同じようなものですが、ロッジのロケーションの違いで居ながらサファリで得られるものが異なってきます。ムボコには、夕方マルミミゾウがやってきて、近くで眺めることができました。ボートサファリと車でのサファリでは、マルミミゾウとサルの類、鳥を探すわけですが、サバンナとは異なった風景でのサファリはそれだけで楽しいものでした。

カンムリカワセミ
カンムリカワセミ
マルミミゾウが現れる
マルミミゾウが現れる

オザラでのサファリは、見られた動物はそこまで多くはないのですが、ローランドゴリラとは本当に良い距離感で出会えましたし、その他の動物も肉食獣が少ない分、歩いての目線、カヤックでの目線と、出会い方が異なり、心動かされる観察ができました。また、サバンナとは異なる、アフリカの熱帯雨林を感じるだけでも貴重な体験でした。朝のキャンプサイトから見上げた空に、群れを成したヨウムが飛んでいる姿、感動的でした。

ヨウムの群れ
ヨウムの群れ

今回は、時間的な余裕ができたため、ブラザビルでの観光ができました。これに関しては、萩原さんに大変お世話になりました。コンゴ共和国で思い知ったのは、旅行も英語だけではだめだということです。ホテルのフロントも英語が通じない、国際空港のアナウンスに英語がないなど、驚きました。今回、萩原さんがいなかったら、首都の観光は厳しかったと思います。心から感謝しております。コンゴ(ザイール)川、市場、街、街のレストラン(現地食と洋食とも)、学校など専用車で回りました。市場では現地の人々の食の状況を見ることができたり、現地の学生や学校の教頭先生と話をしたり、街では若者と記念写真を撮ったり、現地のレストランでは日本の支援の一端を見つけたりしました。布市場に寄って、シャツ用の生地を決め、萩原さんにお願いしてシャツにしてもらいました。これも、すてきな思い出です。

コンゴ川
コンゴ川
子供たち
子供たち

コンゴ共和国では、一生の思い出となる旅ができました。動物密度はそれほど高くはないのですが、貴重な動物たちが、世界的にも貴重な環境で暮らしていることを体感できました。オザラ・コクア国立公園は、2023年に世界遺産に登録されたようで、ますます魅力的になっていると思います。ローランドゴリラの観察に関しては、本当に良い距離で観察できると思います。お勧めします。

■山形豪さんと行く コンゴ オザラ・コクワ国立公園 フォレスト・サファリ 12日間

2025.08.01発 ヌー大移動の季節 マサイ・マラで徹底サファリ 10日間

毎年この時期になると、ヌーの群れはどの辺りにいるのだろうか、そろそろ川渡りを始めただろうかと、何となく気になってしまいます。例年、ヌーが川渡りをするであろうこの時期に、マサイ・マラの選りすぐりのロッジに滞在し、サファリに臨むこのツアー。今年はどんな光景が待っているのでしょうか?

エレメンタイタ湖からマラへ

今回のツアーはエレメンタイタ湖訪問からスタート。湖畔に位置するだけあって、ロッジには沢山の鳥たちが訪問してきました。ロッジでのんびりしていたいのも山々ですが、マサイ・マラへの移動があるので、ロッジを早朝に出発し、短時間のゲームドライブに集中です。限られた時間でしたが、それでも、ウォーターバックやインパラ等のレイヨウ類、湖ではアフリカヘラサギ、アフリカトキコウ、クロシロゲリ、エジプトガン、そして念願のフラミンゴを観察することができました。マサイ・マラでは見られないので、皆さんご満足の様子でした。

立派な角を持つウォーターバック
立派な角を持つウォーターバック
ピンクが美しい、オオフラミンゴ
ピンクが美しい、オオフラミンゴ

マサイ・マラへの長距離移動の後、保護区に入ってからは、ゲームドライブをしながらロッジに向かいます。シマウマ、ゾウ、トピ、ハーテビースト、エランド、ダルマワシ等がこの日はお出迎えをしてくれました。そして、マサイ・マラの奥深く、タンザニアとの国境に近づくと、ついに遭遇しました。今回のサファリの主役である、ヌーの群れです。大群とまでは言えませんが、数百頭のヌーの群れを見ることができました。また、ライオンについても、オス・メス含め複数のグループと遭遇しました。初日から大成功と言えるでしょう。

早々にヌーと遭遇
早々にヌーと遭遇
初日からライオンも見られました
初日からライオンも見られました
ハネムーン中でしょうか。オスとメスのペアで過ごしていました
ハネムーン中でしょうか。オスとメスのペアで過ごしていました

マラ川でのサファリとヌーの川渡り

マサイ・マラでの本格的なサファリが始まりました。この日のターゲットは何と言ってもヌー。昨日のヌーの動きから、川の方に群れが来ている可能性が高く、真っ先に川に向かいます。到着すると、まさに川渡りが始まったタイミングでした。ガイドは何とかポジションを確保しようとするも、他の車に遮られ、綺麗に見られる位置を確保することができません。しばらくすると、水の中にいたカバが川渡りを嫌がったのか、ヌーの邪魔をし始め、川渡りは終わってしまいました。この場所にはクロコダイルもおり、死んだヌーを捕食している個体もいました。

砂埃が巻き上がり、いっきに川渡りが始まります
砂埃が巻き上がり、いっきに川渡りが始まります
川に残されたヌーの死骸。すぐ後ろにいるのはクロコダイル
川に残されたヌーの死骸。すぐ後ろにいるのはクロコダイル

後続のグループもいたので、ポジションを取り直し、次の川渡りの瞬間に備え待機します。しかし、カバやクロコダイルの存在を気にしてか、この場所で川渡りが始まることはありませんでした。残念ながら、ここは諦め、昼食に向かいます。昼食はサバンナでのランチボックス。近くにヌーが佇んでいました。

置いて行かれてしまったヌーとシマウマ達
置いて行かれてしまったヌーとシマウマ達
サバンナでのランチボックス
サバンナでのランチボックス

午後はまた別のポイントに向かいます。ここでもヌーが川岸にまとまり、川渡りはいつ始まってもおかしくありません。少し離れた所で待機し、固唾をのんで見守ります。すると、何頭かが下に行ったと思いきや、まるでスイッチが入ったかのように、大きな土埃を巻き上げながらヌーの群れが一気に駆け出し、川に飛び込んでいきます。ヌーとシマウマ、成獣も幼獣も、命を懸けた川渡りです。本当に凄い迫力で、数十分間続きました。幸い、周囲にカバやクロコダイルはおらず、無事に全頭渡っていきました。

崖の上に留まっていた群れが、一気に動き出します
崖の上に留まっていた群れが、一気に動き出します
次から次へと川へ
次から次へと川へ
広いマラ川を一列になって渡ります
広いマラ川を一列になって渡ります

ゾウの大群、ヌーの大群

この日も早朝はマラ川に向かい、ヌーの川渡りのチャンスをうかがいます。しかし、ヌーの移動も一段落してしまったのでしょうか、川岸にヌーの姿はありませんでした。ここでターゲットを変え、北部エリアを中心にサファリをします。すると、合計で50頭以上にもなろうかというゾウの大群と遭遇しました。子ゾウも沢山見ることができました。

途中で出会ったゾウの大群。親戚たちが集まります
途中で出会ったゾウの大群。親戚たちが集まります
親子の呼吸はぴったり
親子の呼吸はぴったり
子ゾウは大人たちに守られるようにして、過ごします
子ゾウは大人たちに守られるようにして、過ごします
鼻を伸ばして、前へ前へ
鼻を伸ばして、前へ前へ

午後は一転、南部エリアでサファリを行います。そこでは、数日前に川を渡ってやってきたであろう、巨大なヌーの群れでサバンナが溢れかえっていました。なお、ハンティングシーンを見ることはできませんでしたが、狩りを終えた直後でしょう、獲物のヌーにかぶりつくライオンの親子とも遭遇しました。

辺り一面、無数に散らばるヌーの群れ
辺り一面、無数に散らばるヌーの群れ
やはり近くで見ると迫力があります
やはり近くで見ると迫力があります
ハンティングを終えたばかりのライオン達
ハンティングを終えたばかりのライオン達

ライオン、ヒョウ、チーター。そしてまたチーター。

この日はこれまで滞在していたマサイ・マラ西部を出て、東部に移動します。マサイ・マラ中部の平原エリアを中心にサファリ。早速、綺麗なたてがみをしたオスのライオンと遭遇。そして、別々の場所で、単独のチーターを2頭観察することができました。しかし、残念ながら、距離があり、写真には上手く残すことができませんでした。この日はさらに、サファリの大物のヒョウまで登場してくれました。幸運な事に、起き上がったと思ったら、こちらに歩いてきてくれるではありませんか。至近距離から観察することができました。

早朝で涼しく元気なのか、しっかり顔を上げていてくれました
早朝で涼しく元気なのか、しっかり顔を上げていてくれました
チーターと言えば、やはりアリ塚の上。少し距離があるのが残念
チーターと言えば、やはりアリ塚の上。少し距離があるのが残念
マサイ・マラでも珍しい、ヒョウ。近くまで来てくれました
マサイ・マラでも珍しい、ヒョウ。近くまで来てくれました

午後は、再度中部の平原エリアに向かい、午前中に遠くからしか観察できなかったチーターを至近距離から狙います。ヌーやシマウマを横目にサバンナを進むと、お目当てのチーターとの遭遇です。そして、今度は至近距離から撮影することができました。

食事中のチーター
食事中のチーター
今度は至近距離から
今度は至近距離から

再びの川渡りとチーター

この日は早朝に朝食ボックスを持ってサファリに出発。ライオンやヒョウを狙って中部エリアに向かいます。ところが、ヌーの大群がこちらに向かって走ってきます。そのまま川の方に向かっていくので、急遽予定を変更し、川沿いへ向かいます。すると、期待通り、川を渡り始めました。少し遠くからの観察でしたが、ヌーが元気に川を渡る様子を全景で見ることができました。

何故か弧を描く様に進むヌーの群れ
何故か弧を描く様に進むヌーの群れ
今回は少し遠い所で川渡りのチャンスを待ちます
今回は少し遠い所で川渡りのチャンスを待ちます
期待通り、川渡りが始まりました
期待通り、川渡りが始まりました

朝食はサバンナでのボックスランチ。アフリカハゲコウやツキノワテリムクがそろりそろりと近寄ってきて、おこぼれを狙ってきます。当然、保護区内なので餌付けは厳禁です。

サバンナでの朝食
サバンナでの朝食
アフリカハゲコウがそろりそろりと忍び寄る
アフリカハゲコウがそろりそろりと忍び寄る

午後も川沿いのサファリからスタートし、短時間でしたが、川渡りを観察することができました。また、獲物にかぶりつくチーターの姿も。1日の最後は、美しい夕日で締めくくりです。

川渡りを終え、去っていく集団
川渡りを終え、去っていく集団
獲物にかぶりつくチーター
獲物にかぶりつくチーター
今回は毎日の様に、綺麗な夕日を見ることができました
今回は毎日の様に、綺麗な夕日を見ることができました

最後の川渡り

最終日はランチボックスを持ってサファリに出発です。マラ川沿いで待機するも、集まっていたヌーは川渡りをせず行ってしまいました。続いて、サンド川に移動し、セレンゲティからマサイ・マラにやってくるヌーの群れを観察しました。セレンゲティとの境界周辺では、この他、オスの2頭のライオンとも遭遇しました。

サンド川を渡るヌーの群れ
サンド川を渡るヌーの群れ
かっこいいライオンのオスの兄弟
かっこいいライオンのオスの兄弟
サバンナでの最後のランチボックス
サバンナでの最後のランチボックス

旅の最後に、再度マラ川に向かい、レンジャーを伴いウォーキング。カバやクロコダイルを間近に見ることができました。帰りがけ、マラ川付近を走るも、ヌーの姿はなく、辺りは静けさに包まれていました。午前中はヌーで溢れていたので、最後にもう一度見られるかと思っていましたが、難しいものです。もちろん、それが自然であり、野生動物であり、サファリというものなのかと思います。私達の旅は、ここで終わりますが、ヌーとシマウマの旅は、マラ川の先へと続いていきます。良い旅を!

今回の旅の舞台となったマラ川。お世話になりました
今回の旅の舞台となったマラ川。お世話になりました
マラ川沿いを歩きます。カメラを向ける先にはクロコダイル
マラ川沿いを歩きます。カメラを向ける先にはクロコダイル
今回もさようなら、マサイ・マラ
今回もさようなら、マサイ・マラ

■【特別企画】ヌー大移動の季節 マサイ・マラで徹底サファリ 10日間

【ゴリラ・トレッキング2回の特別版】ウガンダ ゴリラ・トレッキング 9日間

2025年8月8日出発「【ゴリラ・トレッキング2回の特別版】ウガンダ ゴリラ・トレッキング 9日間」にご参加された、Marlin様からのレポートです。

10月に念願の「ケニア・サファリとザンジバル・ビーチ」に参加して、すっかりアフリカの魅力に取りつかれた私。帰国後、20年前に柴田都志子さんの「動物研究者ダイアン・フォッシー(こんな生き方がしたい)」を読み、いつかゴリラに会いに行こう、、、の気持ちが再熱し、帰国早々申し込んでいました。
申し込んだときはキャンセル待ちだったので、来年参加のつもりで申し込んだのですが、神のめぐりあわせか参加できることに。あとは軍資金を貯めるだけ(笑)。

【1日目、2日目】

盆休み前の金曜日深夜に関空から出発後ドバイで東京組と合流し、男性2名+女性4名と添乗の矢口さんと7名でウガンダのエンデベ空港に向かいます。上空からみるウガンダは「アフリカの真珠」にふさわしく、緑豊かな大地が広がっています。入国手続き後、迎えてくれたドライバーのベイカーとアバスが運転する2台のトヨタに乗ってホテルに向かいます。ショッピングセンター併設のホテルとのことで、食事前にスーパーで買い物もできました。

WesternPremierGardenHotelの写真
WesternPremierGardenHotelの写真

【3日目】

翌日は、日が昇る前6時半にホテルを出発し、ムブロ湖国立公園に向かいます。
ビクトリア湖を擁するウガンダはアフリカというよりもレインフォレストのよう。車から見る景色は昇る朝日と、湖から立ち上る水蒸気でとても豊かです。途中赤道の街を超えて舗装された道をひたすら進みます。赤土の町をいくつも超えると緑豊かな草原になり、牛の姿が目立つように。アバスがこのあたりは牛乳工場があるんだとの説明。国立公園のゲートを越えたあたりから、馴染みのあるホルスタイン柄から、角が大きなアンコーレ牛の群れに変わっていきます。牛飼いやアンコーレ牛も歩く国立公園内の悪路をトヨタは進んでいき、14時ごろMihingoLodgeに着きました。ヨーロッパ旅行客が多い素敵なロッジです。パッションフルーツのウエルカムドリンクを飲みながら風に吹かれ国立公園を見渡せる立地。プールでのはしゃぎ声に入りたい、、、と思いつつ、15時からホースサファリが始まるので、急ぎ荷物を置いて再集合です。

ビクトリア湖から昇る朝日
ビクトリア湖から昇る朝日
赤道の街
赤道の街
アンコーレ牛
アンコーレ牛
MihingoLodgeのプール
MihingoLodgeのプール
ホテルの部屋
ホテルの部屋

素敵な部屋に後ろ髪をひかれつつ急な階段を上りホテルのロビーに集合。ここからホテル施設内にある馬場に向かいます。レクチャー後の乗馬は、初体験の方には、スタッフが引き綱をしてくれます。ゆっくりと国立公園を進むと、シマウマやインパラやイボイノシシが通り過ぎます。1時間ほどホースサファリを体験し、宿に戻って夕食です(かなり忙しい、、、)。MihingoLodgeの食事は、海外のフュージョン料理感が抑えられて、とても美味しく日本人の口に合います。ただホテル到着時に遅めの昼食を食べているのであまりお腹がすいていないのが残念、、。夕食を頂いたあとは、そのままナイトサファリに出発。銃をもったレンジャーガイドが乗り込み、サーチライトを照らしながら、動物を探します。ホースサファリで見た動物だなぁ、、と思っていると、ドライバーが色めき立って車を進めます。サーチライトが照らされた方向を見ると、インパラを狙う豹!!ただ狩りは成功せずインパラの勝利だったようです。長い一日はこうして終わり、明日も7時出発です。

ホースサファリの写真 
ホースサファリの写真
ナイトサファリの写真
ナイトサファリの写真

【4日目】

朝食後、トヨタのハッチを開けてサファリに出発です。インパラ、シマウマ、レイヨウ、イボイノシシといつものメンバーのお出迎えです。シマウマの赤ちゃんを見たり、バトラーイーグルを見つけたりと車を進めていると、アバスが急スピードで車を進めます。するとロスチャイルドキリンの群れが。アカシアの木を食べながら、どんどん集まってきます。合計六頭ほどの群れでしょうか。ムブロ湖国立公園はバードウォッチングの方も来られているようで、バードウオッチャーがガイドとキリンの対岸を歩いています。ケニアとは違うウガンダの景色にびっくりです。サファリをしながら元の幹線道路に戻り、次はゴリラトレッキングの基点となるムタンダ湖に向かいます。ムタンダ湖はルワンダやコンゴとも接している地域。山岳地帯にもかかわらずとてもにぎわっています。7時間強のドライブでCameleon Hill Lodgeに到着します。今年初めて利用する宿とのことで、とても個性的なインテリアのロッジ。でも各ロッジにガスの給湯器があるのはすごいです。アフリカでお湯切れの心配せずシャワーができるなんて桃源郷ですね。ベイカーとアバスも一緒に夕食を囲みます。

ムブロ湖国立公園でのサファリ
ムブロ湖国立公園でのサファリ
シマウマの親子(子供のシマは褐色)
シマウマの親子(子供のシマは褐色)
ロスチャイルドキリン 
ロスチャイルドキリン
ムタンダ湖
ムタンダ湖
カメレオンロッジ
カメレオンロッジ

【5日目】

今日はついにゴリラトレッキング1日目。まだ真っ暗な6時にロッジを出発です。昨夜の雨で、タイヤが取られそうなぬかるみの道をベイカーとアバスは慎重に車を進めます。悪路を進んでいると、真っ暗な中、通学途中の小学生くらいの子供たちに出会います。子供たちは興味深そうに車に向かって手を振ってくれます。1時間ほどでブウィンディ原生国立公園に到着。ブリーフィングの後、レンジャーについてトレッキングの開始です。メンバーは私たち6名とフランス人親子に加え、それぞれのポータとあわせて20名近いパーティで出発します。民家の小道を進み、だんだんと急な山道になるにつれ、レインフォレストのブウィンディではぬかるみに足を取られます。川を渡り、滑り、いばらを避けながら進みます。
悪路ですが、ポーターさんがリュックを背負って下さり、急な山道に手を添えてくださるので本当に助かります。そんな中、チームについて必死で進んでいると、うしろから「ゴリラが来てるよ!」の声。なんと私の2メータの距離で子供ゴリラが横切って草むらに入っていきます。上を見ると大きな木にゴリラがぶら下がっているではないですか!!
レンジャーからマスクを着用するよう指示があります。ゴリラファミリーとの1時間がスタートです。
必死でiPhoneのシャッターを押します。ゴリラは私たちを時々見つめながら、でもゴリラペースで木に登り、木にぶらさがり、葉を食べ、移動します。トラッカーが茫然とゴリラを見つめている私に先に進むように促します。すると地面に腰を下ろしたシルバーバックが繁みの葉を食べています。想像以上に長い黒い毛。大きな肩の筋肉、大きなお腹。そばに子供。シルバーバックは私たちを牽制する目つきで見つめながら葉を食べています。
ブウィンディは熱帯雨林なので、草むらにゴリラの上半身が飛び出すように映ります。彼らが移動するたびに私たちも道なき道を追いかけます。川辺にシルバーバックが腰をおちつけ、子供たちが集まってきました。母ゴリラがシルバーバックに「キューキュー」といった小声で話かけます。ああ、彼らはファミリーなんだなぁと、とても腑に落ちます。1時間が経過し、山を下りる時を知らされます。満足感と、物足りない気持ちの両方でぬかるんだ山を下りました。

ブウィンディのサイト
ブウィンディのサイト
村を抜けてトレッキング開始
村を抜けてトレッキング開始
私たちを見つめるシルバーバック
私たちを見つめるシルバーバック
ゴリラファミリー
ゴリラファミリー

【6日目】

今日はブウィンディとは別のムガヒンガ国立公園でのゴリラトレッキングです。6時に出発して2時間ほどのドライブでルワンダ国境に近い国立公園に到着します。10グループ程のゴリラウォッチができるブウィンディとは違い、ムガヒンガは3グループ程のゴリラファミリーのうち、ゴリラと接することができるのはまだ1グループのみの成長中の国立公園とのことで、到着時の歓迎のダンスも老若男女の村の方々が迎えてくださいます。
昨日のブウィンディのぬかるみ体験があるので、今日も山に挑戦だ!の気持ちでスタートを切ったのですが、ムガヒンガは穏やかな草原を登っていくイメージ。レンジャーから開けた草むらで待つように言われ、トラッカーがゴリラの場所を探しているのかなぁ、、と思っていると、突然シルバーバックが私たちの方にやってきます。え?近いよ迫ってくるよ、大丈夫?と思っていたら、シルバーバックは私たちのすぐそばで草を食べ、そして豪快にオナラを吹きかけてくれます。シルバーバックのオナラは草の匂いが凝縮したような匂い。特別な体験です。
子供ゴリラもやってきて木に登り、草をたべ、立ったままおしっこも披露してくれました。近くで見るシルバーバックは人間の3倍近くの重量がありそう、、、。なのにスイスイ木に登って葉や蔓を食べています。目に焼き付けようと凝視していると、レンジャーに先に進むように言われて木々の下に場所を移すと、いました!ボスのマークが。このグループはシルバーバックが3頭いて、35歳のボスのマークと、マークの兄弟と、外からやってきた3頭のシルバーバックがいるとのこと。子供や母親を含め9頭近くのグループです。ブウィンディのゴリラと違って、満腹になると私たちの前でお腹を出して横になっています。ブウィンディと違い、出会った場所からグループはあまり移動しないので、1時間ずっとゴリラのしぐさや様子を観察できます。
ブウィンディのゴリラトレッキングはレインフォレストの中で逞しく生きるゴリラファミリーに会え、ムガヒンガではすぐそばで穏やかななゴリラファミリーに会うことができ、両方を訪問できて本当に良かったです。

ムガヒンガ国立公園の歓迎のダンス
ムガヒンガ国立公園の歓迎のダンス
ムガヒンガの森
ムガヒンガの森
目の前に座って食事をしながらオナラも
目の前に座って食事をしながらオナラも
ボスの兄弟のシルバーバック
ボスの兄弟のシルバーバック
ボスのマーク
ボスのマーク
子供たち
子供たち
食事が終わるとお昼寝
食事が終わるとお昼寝
下山途中のカメレオン
下山途中のカメレオン

【7日目】

ゴリラの興奮も冷めやらぬまま、今日は7時にロッジを出発し、マバンバ湿地まで10時間ドライブです。道中は舗装された道路を行くのですが、高地のムタンダ湖と違い、だんだんと暑くなっていきます(でも8月の日本とは雲泥の差の涼しさです)。19時にNkima Forest Lodgeに着いたときは、ロングドライブを心していたといえども、ヘトヘト。Nkima Forest Lodgeが木々の生い茂るサンクチュアリのようなロッジだったので、「あー、陽のあるうちにロッジに着きたかったなぁ、、」は心の声です。
20時から最終日の晩餐とのことで、美味しい南アフリカのワインをドクターからごちそうになり、テンション高めの私たちは、ロッジのスタッフお勧めのロッジに住むフクロウ観察へ。どうやって観察するんだろう?と思っていると、スタッフがロッジのテラスのスピーカーから録音しておいたフクロウの声を流すという技!スピーカーからの声に、ロッジ付近のフクロウが共鳴しあって、近くの木に寄ってきてくれます(ごめんね、フクロウさん)。マバンバ湿地はラムサール条約も結ばれているバードサンクチュアリで多くの鳥がロッジの木々を寝床に集まるそうです。明日のハシビロコウも期待できそう!

ロングドライブ中に何度も見かけるバナナトラック
ロングドライブ中に何度も見かけるバナナトラック
ウガンダではバナナが主食。焼いて食べると焼きいものよう
ウガンダではバナナが主食。焼いて食べると焼きいものよう
素敵なNkima Forest Lodge
素敵なNkima Forest Lodge

【8日目】

6時の朝食後、矢口さんのガイドでロッジの先に広がる高台からマバンバ湿地を上から見ようと散歩に出発です。ちょうど朝日が昇るタイミングで、360度の眼下の風景をそれぞれが独り占めした散歩です。湿地を鳥の群れが舞い、朝日が昇り、風がそよぎ、心が透き通る景色です。
素敵なロッジに後ろ髪引かれつつ、ボート乗り場へ。2艘のボートに分かれて出発します。パピルスや水連が茂る湿地をボートは進みます。途中でハシビロコウが捕まえて食べるナマズも見せてもらいます。風を切って進むボートの側を、鳥たちが水連の葉にのってお食事中。ハシビロコウが見れなくても、風を切って進むボートだけで大満足と思っていると、ハシビロコウのリリアンが佇むエリアへ到着。動かない鳥と聞いていたので、微動だにしないのかと思いきや、首はクルクル動きます。ハシビロコウは狩りをしているときは2時間程一定の場所から動かないそう。寿命は25歳ほどで、リリアンは18歳、卵は2個生むけど兄弟で戦い1羽しか成長できない、とガイドの説明を聞いていると「動くよ!」とガイドの声。リリアンは前のめりに踏ん張ったかと思うと、鶴のように大空を飛んでいきました。マバンバ湿地には15羽のハシビロコウしかいないとのこと、神々しいこの鳥が自由に空を飛びまわれる環境が続くことを祈らずにはいられません。
マバンバ湿地に別れを告げ、エンテベ空港へ向かいます。最後のマバンバ湿地が素敵すぎて、ゴリラトレッキングの興奮に感動がさらに上塗りされてしまいました。素敵な7日間を一緒に体験したメンバーとの別れを惜しみ、ドバイ経由で帰途につきました。また是非アフリカ訪問するぞ!

夜明け前のNkima Forest Lodge
夜明け前のNkima Forest Lodge
ロッジからの散歩途中に朝日が昇ります
ロッジからの散歩途中に朝日が昇ります
ボートに乗ってマバンバ湿原へ出発
ボートに乗ってマバンバ湿原へ出発
ハシビロコウのリリアン
ハシビロコウのリリアン
パピルスと水連の湖
パピルスと水連の湖
ヒメヤマセミ
ヒメヤマセミ

■ウガンダ ゴリラ・トレッキング 9日間

2025.08.03発 ガボン・エクスプローラー 13日間

国土の8割を熱帯雨林に覆われ、豊かな自然が残るガボン。ロペ国立公園とアフリカ最後のエデンと呼ばれるロアンゴ国立公園、2つの公園を軸に、列車やボートなど多彩な移動方法を組み込み、まさにツアータイトル通り、ガボンを探索・体験する旅を企画しました。久々にツアーが催行になりましたので、簡単ですがレポートです。

エチオピア航空で首都のリーブルビルへ到着。ガボンはアフリカでも内戦経験のない平和な国で、人々も穏やかで町にはゴミも少なく、整った街並みが続きます。到着日と翌日は、リーブルビル沿いのビーチやサン・ミシェル教会を訪問、リーブルビル最大のモンブエ市場も歩きました。ものに溢れ、活気あるマーケットはやはりアフリカ旅行の楽しみのひとつです。

リーブルビル空港に到着
リーブルビル空港に到着
主要エスニックグループのファンのマスクをモチーフとしたモニュメント
主要エスニックグループのファンのマスクをモチーフとしたモニュメント
サン・ミシェル教会
サン・ミシェル教会
リーブルビル沿いに続くビーチと大西洋
リーブルビル沿いに続くビーチと大西洋
リーブルビル最大のモンブエ市場
リーブルビル最大のモンブエ市場
オクラにピーマン
オクラにピーマン
チキン売り
チキン売り

リーブルビルからロペ国立公園へは、トランス・ガボン鉄道を利用します。出発は20時。市内観光の後、リーブルビル南部のオウェンドにある駅へ向かいました。今回は特別に(?)VIPルームで出発を待ちます。

19時頃、いよいよ列車の搭乗時刻となりました。今回利用の1等席はすべて指定座席となります。しかし、ここはアフリカ。私たちの座席には既にママが陣取っており、もう何があっても動かないからね、といわんばかりに、ちょうど居合わせたポリスのいうことも聞きません。こうなることはなんとなく予想できたので・・・空いている席におとなしく座り待っていると、トランス・ガボン鉄道は汽笛とともになんと定刻通りに出発したのでした。

オウェンド駅
オウェンド駅
19時頃に搭乗開始!
19時頃に搭乗開始!
1等席車両へ
1等席車両へ
エアコン完備の車両と快適なシート
エアコン完備の車両と快適なシート
エクスプレスはロペまで2駅、約290kmです
エクスプレスはロペまで2駅、約290kmです

日本の列車ではまず聞くことのない、車両とレールが擦れあう?賑やかな金属音を車内に響き渡らせながらゆっくりと進みます。トランス・ガボン鉄道はオウェンドとフランスビル約670kmを結ぶ鉄道です。その大きな目的は木材やマンガンなど資源輸送となります。旅客輸送はエクスプレス(特急)とオムニバス(各駅)が1日ずつ交互に走っていますが今日はエクスプレスの日ですので、ロペまでは2駅、距離は約290kmあります。事前の情報では5~6時間ほどの到着予想でしたが・・・遅れたのかこれが定刻なのか、8時間後の早朝4時前にようやくロペ駅へと到着したのでした。駅のプラットホームが短いため、真っ暗な中、直接線路に降りホテルの送迎車を待ちます。

早朝、ロペ駅に到着
早朝、ロペ駅に到着
オゴウェ川を見下ろすホテル・デラ・ロペ
オゴウェ川を見下ろすホテル・デラ・ロペ

氷河期に形成されたというサバンナと森林の風景が特徴のロペ国立公園訪問の目的は、絶滅危惧種でありオスは個性的な色彩の顔を持つマンドリル・トレッキングです。まずは、ロペ国立公園へのサファリへ。ウォーキング・サファリとサファリカーでのサファリとなります。動物自体は少ないものの、森ではブラックコロブスやダイカーの親子、サバンナではブッシュバックやマルミミゾウを観察できました。

ロペ国立公園の風景
ロペ国立公園の風景
サファリへ出かけます
サファリへ出かけます
ウォーキング・サファリへ
ウォーキング・サファリへ
遠く樹の上にブラックコロブス
遠く樹の上にブラックコロブス
気温は快適でウォーキングも楽しい
気温は快適でウォーキングも楽しい
ようやく遠くにマルミミゾウを発見
ようやく遠くにマルミミゾウを発見

そして、いよいりマンドリル・トレッキングへ。1回のトレッキングは4名までとなるため、午前と午後に分かれてトラッカーの皆さんに案内していただきました。発信機やGPSを駆使して居場所を特定するため、遭遇率は高いです。15分ほど歩いて群れに遭遇しました。数百頭レベルと数は多いですが、次々と森を移動していくため、森を歩ける体力と、写真に収めたい方は超望遠レンズや撮影テクニックを要します。また、顔の色彩が特徴のオスは個体数が少なく、表にあまり顔を出してはくれません。対面から約1時間でトレッキングは終了となります。写真の成果はさておき、参加者皆さんマンドリルとの対面をお楽しみいただけたようです。

マンドリルの居場所を探ります
マンドリルの居場所を探ります
居場所が特定できたら森へと入ります
居場所が特定できたら森へと入ります
マンドリルのファミリーを発見
マンドリルのファミリーを発見
超望遠レンズが必要ですね
超望遠レンズが必要ですね
オスのマンドリルがちらり。撮影は難しい
オスのマンドリルがちらり。撮影は難しい
樹の上をどんどん移動していきます
樹の上をどんどん移動していきます
ひと休憩?考え事?
ひと休憩?考え事?

ロペ国立公園滞在中は、ホテル近くにやってくるアカスイギュウや野鳥の観察、旧石器時代から暮らす人々の文化を深く知ることのできる博物館訪問も楽しみのひとつです。

ホテル近くに毎日やってくるアカスイギュウ
ホテル近くに毎日やってくるアカスイギュウ
ロペ=オカンダのミュージアム
ロペ=オカンダのミュージアム
シロクロコサイチョウなど野鳥も多い
シロクロコサイチョウなど野鳥も多い

日程6日目は移動日となり、ランバレネを目指します。ロペからジョレまでは、かなりの悪路が続きます。赤土のダートは荒れており、さらに、このルートは木材輸送トラックが行き交い、砂埃も激しく、中継地のジョレへ到着した頃には砂まみれになりました・・・。ただ、ジョレのパン屋兼レストランで食べたチキンは絶品!スパイスが利き、かつ、これほど柔らかいチキン料理は、私も過去アフリカでチキンは何度もいただいていますが、ベスト・オブ・チキンです。パンも焼きたてで素晴らしいお味でした。

赤土のダート道をトラックが行き交います
赤土のダート道をトラックが行き交います
ジョレでいただいた美味しいチキン料理
ジョレでいただいた美味しいチキン料理

ランバレネまでは、まだまだ道路の状態が悪く、舗装路ではありますがポットホールが続きました。なんとか夕方到着。ランバレネといえば、この地で医療活動に生涯を捧げたアルベルト・シュバイツァー博士の記念館で知られています。博物館や実際に使われていた診療所などを拝見しました。

シュバイツァー博士と博物館
シュバイツァー博士と博物館
当時使用されていた診療所
当時使用されていた診療所
診察室など当時のまま残ります
診察室など当時のまま残ります
シュバイツァー博士はじめ診療所に関わった方々の墓碑
シュバイツァー博士はじめ診療所に関わった方々の墓碑

日程7日目は、今度はスピードボートに乗り換え、ガボン最長の河川であるオゴウェ川を下ります。豊かな水量をたたえゆっくりと流れ行くオゴウェ川では、人々の生活風景、多くの野鳥に加え、カバにも遭遇しました。オゴウェ川から支流へと入り、最後はラグーンを移動し、半日でオンブエへ。

スピードボートでオゴウェ川から支流へ
スピードボートでオゴウェ川から支流へ
川面に移る森の景色が美しい
川面に移る森の景色が美しい
川沿いの村人たち
川沿いの村人たち
ペリカンの群れなど野鳥も見られます
ペリカンの群れなど野鳥も見られます
ヒッポプールにいたカバの親子
ヒッポプールにいたカバの親子
オンブエに到着
オンブエに到着

オンブエからは、密猟やブッシュミート市場で保護されたニシローランド・ゴリラが暮らしている島と、エッフェル塔をデザインしたグスタフ・エッフェルが手掛けたサン・アン教会を訪問しました。ゴリラの保護島は周囲3㎞ほどの島に、オス2頭、メス6頭のニシローランド・ゴリラが自然に暮らしていました。プロジェクトが始まり10年ほどとのことですが、思いがけず自然の中で暮らすニシローランド・ゴリラに出会うことができ、皆さん感激。帰りはボートのエンジン故障でしばしラグーンに浮かんでいましたが、ちょうどよい夕日観賞の時間となりました・・・。

保護されたシルバーバック。器用に食事タイム
保護されたシルバーバック。器用に食事タイム
鉄骨のサン・アン教会
鉄骨のサン・アン教会
ラグーンでの夕陽
ラグーンでの夕陽

さて、最終目的地のロアンゴ国立公園へ向かいます。悪路を2時間弱走り、イベンゲで入園手続き後、まずは公園北部のンドラ・ロッジへ。洗練されたロッジでの昼食を楽しんだ後、ボートでロッジへ移動します。ロアンゴ国立公園では、季節により宿泊地が異なります。乾季の今は、内陸のアカカ・キャンプがベースとなります。既に国立公園内ですので、ロッジへ向かう途中からサファリ・スタート。アフリカハサミアジサシ、オオヤマセミ、ヒメヤマセミ、ヤシハゲワシ、シロクロサイチョウ、アフリカヘビウなどの野鳥をはじめ、マルミミゾウやアカスイギュウ、スレンダークロコダイルにも出会え、幸先のよいスタートとなりました。

公園事務所からアカカ・キャンプへ
公園事務所からアカカ・キャンプへ
アフリカハサミアジサシ
アフリカハサミアジサシ
スレンダークロコダイル
スレンダークロコダイル
パピルスとマルミミゾウ
パピルスとマルミミゾウ
川から陸へ移動するマルミミゾウ
川から陸へ移動するマルミミゾウ
ロアンゴらしい風景
ロアンゴらしい風景
日没も間近。ロッジへ急ぎます
日没も間近。ロッジへ急ぎます

アカカ・キャンプは全6部屋のみのテント・ロッジ。クィーンサイズのベッドに、薪で沸かしてくれるお湯や時間は限られるものの電気もあります。ツアーでロッジは貸切のため、プライベート・ロッジのように、快適に過ごせました。また、サファリはボート・サファリ、または、ウォーキング・サファリとなりますが、付近に他のロッジがないため、ロアンゴ国立公園をほぼ貸し切りのようにサファリできるのも大きな魅力で、野鳥観察においては大きなアドバンテージにもなります。ロッジ滞在中には、レストラン棟から動物・野鳥観察できるのも魅力。非常に贅沢な時間を過ごせます。また、朝日の時間は霧も相まって、幻想的な朝を迎えられました。

アカカ・キャンプのレストラン棟
アカカ・キャンプのレストラン棟
各テントへ。夜にはゾウが通ることもあるので注意が必要
各テントへ。夜にはゾウが通ることもあるので注意が必要
眺望も雰囲気もよいテント・ロッジ
眺望も雰囲気もよいテント・ロッジ
ロッジから動物・野鳥観察も
ロッジから動物・野鳥観察も
霧が立ち込める朝は幻想的
霧が立ち込める朝は幻想的

さて、サファリの成果はといえば、東部アフリカや南部アフリカでのサファリに比べると派手さはないものの、充実したバードウォッチングができること、また、マルミミゾウをこれほど間近で観察できる場所は、他にはないでしょう。

アカカ・キャンプを拠点にボート・サファリ
アカカ・キャンプを拠点にボート・サファリ
ウォーキング・サファリもあります
ウォーキング・サファリもあります
乾季に広がる湿原と深い森
乾季に広がる湿原と深い森
天気もよく森の緑が映えます
天気もよく森の緑が映えます
森が広がるエリアでは猿の観察チャンスも
森が広がるエリアでは猿の観察チャンスも
雨期には水に沈んでしまう湿地エリア
雨期には水に沈んでしまう湿地エリア

ウォーキング・サファリではブラウンモンキー、アカカワイノシシの存在は確認できたものの、撮影に至らず。

ボート・サファリでは、セネガルショウビン、カンムリカワセミ、ヒメヤマセミ、ルリハシグロカワセミ、ヒメショウビンなど多くのキングフィッシャーをはじめ、ヤシハゲワシ、アフリカレンカク、オスプレイ、シロガオリュウキュウガモ、ヘビウ、オジロクロツバメ、バライロハイチクイ、アフリカトキコウなどが観察できました。

ルリハシグロカワセミ
ルリハシグロカワセミ
シロハラサメビタキ
シロハラサメビタキ
ヤシハゲワシ
ヤシハゲワシ
ヒメヤマセミ
ヒメヤマセミ
アフリカレンカク
アフリカレンカク
カンムリカワセミ
カンムリカワセミ
アフリカトキコウ
アフリカトキコウ
シュモクドリ
シュモクドリ
ヒメヤマセミ
ヒメヤマセミ
セネガルショウビン
セネガルショウビン
オオヤマセミ
オオヤマセミ
ルリムネハチクイ
ルリムネハチクイ
シラガサイチョウ
シラガサイチョウ

また、野鳥だけではなく、数えきれないほどのマルミミゾウやカバ、シタトゥンガ、シロエリマンガベイにも出会えました。特にシタトゥンガについては、最終日まではっきりと捉えることができませんでしたが、最後の最後にシタトゥンガのカップルや小さな子供を立て続けに見られ、とても盛り上がりました。

川底を歩くマルミミゾウ
川底を歩くマルミミゾウ
シロエリマンガベイ
シロエリマンガベイ
初めガイドしか見えなかったシタトゥンガのオス
初めガイドしか見えなかったシタトゥンガのオス
カバもいます
カバもいます
シタトゥンガのカップル
シタトゥンガのカップル
ようやくはっきりと写真に収められました
ようやくはっきりと写真に収められました
かわいらしい子供のシタトゥンガも
かわいらしい子供のシタトゥンガも

そして、旅の締めくくりはサプライズのサンダウナー。ロッジスタッフや皆さん一緒に、ドリンクを飲みながらロアンゴ国立公園の自然の中でリラックスしたひと時を過ごしたのでした。帰りはポートジャンティルから国内線で再びリーブルビルへ。

サプライズのサンダウナー
サプライズのサンダウナー
大自然の中でゆったり(湿度が高いので火はガソリン点火・・・)
大自然の中でゆったり(湿度が高いので火はガソリン点火・・・)
ポートジャンティルから国内線でリーブルビルへ
ポートジャンティルから国内線でリーブルビルへ

サファリだけではなく、多彩な移動方法でガボンを旅するガボン・エクスプローラー13日間。ガボンならでは(?)ののんびりした空気もあり、車両の遅延やトラブルは正直多々ありますが、これもアフリカ旅の醍醐味でしょうか。2026も企画予定ですので、ご興味がございましたらぜひお問い合わせください。

道祖神 佐藤

■ガボン・エクスプローラー 13日間

2025.07.12発 【特別企画】北部ケニア・ブラックパンサー・サファリ 10日間

『クロヒョウ』、遺伝子の異常(欠落?)が原因で生まれる、正常体では黄色の体毛に斑点模様が特徴のヒョウの「黒変種」のことですが、ヒョウが生息している場所であればどこでも、いつでも出現の可能性はあり、有名なのはインドやスリランカで、植生が密で太陽光が遮られることの多い、どちらかというと薄暗い自然環境、いわゆる森林や密林の環境で発生率が高くなると考えられているようで、サバンナや比較的ひらけた疎林帯の多いアフリカでは非常に稀なケースでした。
ケニア中央部のやや北寄りに位置するライキピアで、このクロヒョウの出現が確認されたのが2019年、当時からケニア国内のみならず、野生動物が好きでそちら方面にアンテナを張っている世界中の人々の間では大きなニュースとして取り上げられていました。ただ、色々と調べてみると、当然クロヒョウの生息個体の数は少なく(当時は1頭ないしは2頭といわれていました)、テリトリーを強固に保持するヒョウの生態特性上、チーターやリカオンのようにあちこち縦横無尽に動き回ることはなく、ライキピアの中の限られたエリアに留まっているであろうことは予想できましたが、それでも広大なエリアの中で1~2頭という希少なクロヒョウを探して、観察し、撮影するなんていうことをメインの目的に据えて、果たしてツアー化できるだろうか?という点が大いに疑問で、ツアー化することはなく、しばらく様子見ということで静観していました。
風向きが変わったのは2023年頃、ツアー担当の私のサファリガイド時代の個人的友人や当地のロッジのスタッフ自身からの情報提供により、どうやら同エリアには最低でも6頭、最大で8頭のクロヒョウが生息しており、そのうち1頭は人間やサファリカーにかなり慣れており、サファリカーのエンジン音を聞いて逃げることもなく、人前に姿をさらすことに対してもあまり神経質ではなく、遭遇できる可能性はかなり高いらしいという情報を得て徐々に真剣にツアー化を考えるようになりました。ケニアといえば弊社の創業当時からサファリツアーを手掛け、最も多くのお客様をお送りし、現地事務所を置いているアフリカでの本拠地であることから、パイオニアを自負している身としては、やはりツアー化すべきという考えの元、2025年の特別企画として企画したのがこのツアーです。

ライキピアという場所自体、有名なマサイマラ国立保護区やアンボセリ国立公園と比較して圧倒的に知名度も低く、日本からのお客様が多く訪れる場所ではありませんが、昔から野生動物の生息密度が高いことは知られており、エリア内には個人や自然保護団体が所有する私営保護区が点在し、南アフリカのクルーガ-国立公園周辺の私営保護区やボツワナでと同じようなスタイルの、最低限のオフロード走行やナイトサファリを含むサファリが可能なことは知られていました。今から30年近く前に何度か足を運んだことはありましたが、日本からのパッケージツアーの行き先として選択するという考えは長い間頭に浮かばず、クロヒョウの出現をきっかけとしてこのライキピアに加えて、赤道以北に位置するサンブル国立保護区を組み合わせてツアー化できたのは、弊社としても大きな収穫でした。
さすがにケニアを代表するマサイマラ国立保護区と比較しますと、野生動物の生息数や種類の多さは劣りますが、それでも印象的には僅かなもので、代わりによく知られた野生動物の別種、赤道以北に生息している種の個体がいくつも見られ、サファリカーですごく混雑しているということもなく、比較的ゆっくりと野生動物観察を楽しむことができる地域です。標高が低いため、暑さと乾燥、ホコリっぽさが最大の敵といったところでしょうか。
初めてのツアー企画でしたが、結果的にライキピアではGIZA MUREMBO(スワヒリ語で「美しき黒」という意味)と名付けられたメスのクロヒョウとは何度も遭遇、闇夜のハンティングを複数回目撃し、今年生まれた2頭の子ヒョウたちにも出会えました。それにとどまらず、ケニアでは滅多に遭遇することのなくなったリカオンの群れ、陽の光の元では滅多に遭遇できないシマハイエナ、クロヒョウ以外のオス・メスの普通の色と柄のヒョウ数頭、ライオン、グレービーシマウマ、アミメキリン、長大な牙を持ったゾウとその群れとの遭遇など、非常に大きな収穫でした。せっかく赤道以北に足を伸ばすのであればと組み合わせたサンブル国立保護区では、ライキピアで見ることのなかったチーター、オリックス、ゲレヌク、また両地域を通じて数多くの美しい鳥たちも観察・撮影でき、私自身ケニアを訪問するのは2018年以来7年ぶりでしたが、訪問前の期待をいい意味で思い切り裏切る、非常に実りの多いサファリとなったと思います。

前置きが長くなりましたが、以降はツアー中に撮影した写真をご覧いただいて、添乗員レポートに代えさせていただきたいと思います。
行程はナイロビから軽飛行機でケニア山の西の麓のナニュキへ空路移動、そこから陸路ライキピア(正確にはオルドイニョ・レンボロ)のロッジに移動。ここではクロヒョウ探索をメインに4泊して私営保護区でのサファリを楽しみ、その後再び陸路ナニュキへ移動。ナニュキでナイロビからのサファリカーに乗り換えて北上し、サンブル国立保護区のロッジに移動し2泊、最後は陸路で一気にナイロビへ戻る、という行程です。

まずは、まだあまり日本からの観光客に走られていないライキピアのオルドイニョ・レンボロから。

ナイロビから空路ナニュキへ45分、ナニュキから陸路3時間で到着するライキピア北部のオルドイニョ・レンボロ
ナイロビから空路ナニュキへ45分、ナニュキから陸路3時間で到着するライキピア北部のオルドイニョ・レンボロ
域内は概ね疎林帯で、丘陵あり岩山あり、加えて2本の川が流れ、野生動物にとっては素晴らしい生息環境が広がっています
域内は概ね疎林帯で、丘陵あり岩山あり、加えて2本の川が流れ、野生動物にとっては素晴らしい生息環境が広がっています
岩山を背にその麓に位置するメイン・キャンプ、大型テントが6張りのテント式ロッジです
岩山を背にその麓に位置するメイン・キャンプ、大型テントが6張りのテント式ロッジです
サファリはオープンカー、ドライバーを兼任するガイドと運転席の屋根上に座って動物を探すスポッターのコンビでゲームドライブを主導します
サファリはオープンカー、ドライバーを兼任するガイドと運転席の屋根上に座って動物を探すスポッターのコンビでゲームドライブを主導します
朝の軽食はキャンプでですが、ランチ、ディナーは域内の指定場所でもとることができます
朝の軽食はキャンプでですが、ランチ、ディナーは域内の指定場所でもとることができます
この日は域内にいくつかあるダム(貯水池兼水場)を見下ろすハイドでランチ
この日は域内にいくつかあるダム(貯水池兼水場)を見下ろすハイドでランチ
なんと到着後1回目のサファリでクロヒョウに遭遇、メスで名前はGIZA
なんと到着後1回目のサファリでクロヒョウに遭遇、メスで名前はGIZA
今年生まれたという2頭の子供を連れていた
今年生まれたという2頭の子供を連れていた
親はクロヒョウ、子供は普通のヒョウという、ちょっと神秘的な光景
親はクロヒョウ、子供は普通のヒョウという、ちょっと神秘的な光景
その後、発信機を取り付けてある個体のいるリカオンのパックにも遭遇
その後、発信機を取り付けてある個体のいるリカオンのパックにも遭遇
6頭で動いているが、夕方気温が下がってくると盛んに動き、なかなか1か所にはとどまってくれない
6頭で動いているが、夕方気温が下がってくると盛んに動き、なかなか1か所にはとどまってくれない
もちろんブチハイエナも生息しているが、若干おとなしく控えめな印象、数も多くはなさそう
もちろんブチハイエナも生息しているが、若干おとなしく控えめな印象、数も多くはなさそう
保護区内にいくつもあるダムの一つでくつろぐゾウの群れ、ランチをとったハイドから見える景観
保護区内にいくつもあるダムの一つでくつろぐゾウの群れ、ランチをとったハイドから見える景観
キャンプのエサ台に現れたセグロコサイチョウのメス
キャンプのエサ台に現れたセグロコサイチョウのメス
ミナミメンガタハタオリ
ミナミメンガタハタオリ
羽のグラデーションが美しい、シロハラミドリカッコー
羽のグラデーションが美しい、シロハラミドリカッコー
アフリカサンコウチョウのメス
アフリカサンコウチョウのメス
数多く見かけた、アフリカオナシアゲハ
数多く見かけた、アフリカオナシアゲハ
赤道以北に生息するフサホロホロチョウ
赤道以北に生息するフサホロホロチョウ
アカハシコサイチョウのオス
アカハシコサイチョウのオス
ダイニングの花瓶に飛来したヒガシニシキタイヨウチョウ
ダイニングの花瓶に飛来したヒガシニシキタイヨウチョウ
ヒョウの捕食対象となるインパラも群れで生息しています
ヒョウの捕食対象となるインパラも群れで生息しています
チャガシラニシブッポウソウ
チャガシラニシブッポウソウ
アフリカワシミミズク
アフリカワシミミズク
午前のサファリの休憩場所近くにいたライオンのメスが夜は活発に動いていました
午前のサファリの休憩場所近くにいたライオンのメスが夜は活発に動いていました
短時間のナイトサファリで出会ったGIZA、1頭目はスクラブ・ヘアーを仕留める
短時間のナイトサファリで出会ったGIZA、1頭目はスクラブ・ヘアーを仕留める
2頭目の獲物は目の前でディクディクをゲット
2頭目の獲物は目の前でディクディクをゲット
距離にして約5~7mまで近づいてくれてやっとブレずに撮影できました
距離にして約5~7mまで近づいてくれてやっとブレずに撮影できました
メスの割になかなか凄みのきいた表情
メスの割になかなか凄みのきいた表情
15分間程度で仕留めた3つ目の獲物、このディクディクは自分用らしく、樹上に運んですぐに食べ始めました
15分間程度で仕留めた3つ目の獲物、このディクディクは自分用らしく、樹上に運んですぐに食べ始めました
珍しく真昼間にコールしながら歩き回っていた大きなオスのヒョウ、KISIWA(川の中州でよく見られていたので、「島」という意味の名前)
珍しく真昼間にコールしながら歩き回っていた大きなオスのヒョウ、KISIWA(川の中州でよく見られていたので、「島」という意味の名前)
オスのヒョウはシャイの個体が多いのですが、堂々とゆったりと歩くKISIWA
オスのヒョウはシャイの個体が多いのですが、堂々とゆったりと歩くKISIWA
結局20~30分撮影させてくれ、川床に消えていきました
結局20~30分撮影させてくれ、川床に消えていきました
群れで、比較的キャンプの近くに留まってくれていたおかげで何度も見かけたリカオン
群れで、比較的キャンプの近くに留まってくれていたおかげで何度も見かけたリカオン
クロヒゲゲラ
クロヒゲゲラ
セグロコサイチョウのオス
セグロコサイチョウのオス
キタカンムリショウノガン
キタカンムリショウノガン
ゴマフオナガゴシキドリ
ゴマフオナガゴシキドリ
クロワシミミズク
クロワシミミズク
何度か見かけたのですが、結局正面から顔を撮影できなかったシマハイエナ
何度か見かけたのですが、結局正面から顔を撮影できなかったシマハイエナ
おそらく父親のKISIWAが獲って木の上に置いた獲物の残りを食す、KISIWAの息子のKINYU
おそらく父親のKISIWAが獲って木の上に置いた獲物の残りを食す、KISIWAの息子のKINYU
三夜連続、この日もハンティングモードのGIZA
三夜連続、この日もハンティングモードのGIZA
ストレスを与えず、仮の邪魔にはならないように、最低限の明かりでスポットします
ストレスを与えず、仮の邪魔にはならないように、最低限の明かりでスポットします
目の前にいたメスのジャッカルを一撃で捕らえて放置
目の前にいたメスのジャッカルを一撃で捕らえて放置
即死状態かと思われたジャッカルですが、この後フラフラと立ち上がってよろめきながらブッシュに消えていきました
即死状態かと思われたジャッカルですが、この後フラフラと立ち上がってよろめきながらブッシュに消えていきました
赤道以北に生息するグレービーゼブラ
赤道以北に生息するグレービーゼブラ
ヒガシコシジロウタオオタカ
ヒガシコシジロウタオオタカ
遠目で見て、珍しいコシジロイヌワシかと思い狂喜したのですが、脚や尾羽の色をよく確認すると、さらに珍しいヨゲンノスリの黒変種でした
遠目で見て、珍しいコシジロイヌワシかと思い狂喜したのですが、脚や尾羽の色をよく確認すると、さらに珍しいヨゲンノスリの黒変種でした
ケニアの中~北部では珍しい、長大な牙を持ったオスのゾウ
ケニアの中~北部では珍しい、長大な牙を持ったオスのゾウ
全体的に大きな体、細かい縞、白いお腹、大きな耳と茶色いマズルが特徴のグレービーゼブラ
全体的に大きな体、細かい縞、白いお腹、大きな耳と茶色いマズルが特徴のグレービーゼブラ
サバンナシマウマと異なり、オスは自らのテリトリーを持ち、そこに入ってくるメスと交配します
サバンナシマウマと異なり、オスは自らのテリトリーを持ち、そこに入ってくるメスと交配します
あちこちにある岩場で見られたロックハイラックス
あちこちにある岩場で見られたロックハイラックス
こちらは遺伝子異常のない正規の色のヨゲンノスリ
こちらは遺伝子異常のない正規の色のヨゲンノスリ
滞在最終日についに夕立につかまり、サファリは中断。雨上がりにはヒョウモンリクガメがあちこちに
滞在最終日についに夕立につかまり、サファリは中断。雨上がりにはヒョウモンリクガメがあちこちに
最後の夜のサファリでGIZAの代わりに彼女のテリトリーに現れたオスヒョウのKOVU(スワヒリ語で「傷」の意味、顔面に大きな傷跡がある)
最後の夜のサファリでGIZAの代わりに彼女のテリトリーに現れたオスヒョウのKOVU(スワヒリ語で「傷」の意味、顔面に大きな傷跡がある)
約5時間の陸路移動を経てサンブル国立保護区へ
約5時間の陸路移動を経てサンブル国立保護区へ

オルドイニョ・レンボロの絵私営保護区でたっぷりサファリを楽しんだ後は、サンブル国立保護区へ移動。ここでの目当てはオルドイニョ・レンボロではほぼ見られないチーターです。

カラーリングが美しいノドジロハチクイ
カラーリングが美しいノドジロハチクイ
探していたホオアカオナガゴシキドリをやっと目視しました
探していたホオアカオナガゴシキドリをやっと目視しました
ベイサオリックスもサンブルならではの大型哺乳動物
ベイサオリックスもサンブルならではの大型哺乳動物
首や脚など露出している部分の肌がブルーグレーのソマリダチョウ
首や脚など露出している部分の肌がブルーグレーのソマリダチョウ
常に水のあるエワソニイロ川が保護区の南を流れているので、水辺を好むウォーターバック(こちらはコモン)も生息しています
常に水のあるエワソニイロ川が保護区の南を流れているので、水辺を好むウォーターバック(こちらはコモン)も生息しています
ハイガシラショウビン
ハイガシラショウビン
ブッシュの枝の高い位置に留まり、けたたましくアラームコールを響かせるハゲノドシャコ
ブッシュの枝の高い位置に留まり、けたたましくアラームコールを響かせるハゲノドシャコ
気温の上がる午後、水を求めて川へ向かうゾウの群れ
気温の上がる午後、水を求めて川へ向かうゾウの群れ
ちょっと遠いですが、サンブルではポピュラーなレイヨウ、ゲレヌク
ちょっと遠いですが、サンブルではポピュラーなレイヨウ、ゲレヌク
赤&青のド派手なオスに対して地味で渋い色合いのヒガシアフリカアガマトカゲ
赤&青のド派手なオスに対して地味で渋い色合いのヒガシアフリカアガマトカゲ
トロピカルハウスヤモリ
トロピカルハウスヤモリ
African Striped Skink、和名はないのかもしれませんが、名づけるならアフリカシマトカゲ
African Striped Skink、和名はないのかもしれませんが、名づけるならアフリカシマトカゲ
先日より少しはっきり見ることができたゲレヌク。後ろ足で器用に立ち上がって高い位置の草を食みます
先日より少しはっきり見ることができたゲレヌク。後ろ足で器用に立ち上がって高い位置の草を食みます
立派な体格のゴマバラワシ
立派な体格のゴマバラワシ
ここまで写真を1枚も挙げていませんでしたが、ライキピアでもサンブルでも見られたアミメキリン
ここまで写真を1枚も挙げていませんでしたが、ライキピアでもサンブルでも見られたアミメキリン
サンブルでもライオンは見られましたが、ここでもメスのみでした
サンブルでもライオンは見られましたが、ここでもメスのみでした
ハネムーン中のチーターカップル。サンブル2泊、滞在1日で3個体を見ました
ハネムーン中のチーターカップル。サンブル2泊、滞在1日で3個体を見ました
夜、ロッジの部屋の前に現れた、エサを探すジネット
夜、ロッジの部屋の前に現れた、エサを探すジネット
最後の日の朝はヘビクイワシを近距離で
最後の日の朝はヘビクイワシを近距離で

弊社が長年手掛けているケニアを目的地にしたものでは、珍しく初めての試みとなったツアーでしたが、結果的にサファリの内容としては大成功となったのではないかと思います。ライキピアのキャンプ(テント式ロッジ)はクロヒョウを一目見ようと世界中から訪問客が殺到している状況で、かつ雨季はクローズしますので比較的狭き門となっています。来年も同時期にツアーを企画しており、既にキャンプのお部屋は押さえていますが、現段階で残室1となっています。
2027年の予定はまだありませんので、クロヒョウに限らずケニアでボツワナのようなサファリがしてみたかった、赤道以北のちょっと珍しい亜種も見てみたい、という方はぜひこちらのツアーへのご参加をご検討ください。

道祖神 羽鳥

■【特別企画】北部ケニア・ブラックパンサー・サファリ 10日間