2022.12.24発 チュニジア ラクダと歩く砂漠旅 10日間

2022年末、長かったコロナ禍の終わりが見え始め、ようやく海外に目が向き始めた頃、日本を出ればマスクをしている人がほとんどおらず、海外に取り残されているような印象を受けました。5月現在では日本もコロナの規制が撤廃され、多くの諸外国と足並みがそろってきましたので、砂漠の中をラクダと一緒に歩く、一風変わった道祖神らしさが味わえるツアーはお薦めです!

ツアーの内容はラクダと砂漠を歩く。これに尽きます。チュニス郊外の観光も含まれていますが、やはり砂漠を歩くのがメインとなります。全行程でおおよそ100㎞を歩きますので、ある程度の体力は必要となりますが、荷物は全部ラクダが運んでくれるので、自分で運ぶのは水とカメラと歩くのに必要なものだけ。

景色の変わらない砂漠をただ歩いて何が面白いのかと思う方も多いかと思いますが、砂漠といっても景色は少しずつ移り変わり、360度見渡す限り人工物が一切ない砂漠を己の足で歩くという体験は何事にも代えがたく、聞こえる音は風と自分の歩く音のみという世界に没頭できます。

景色が少しずつ変わるとは言っても我々には目印になるようなものが一切見当たらない世界で、迷いなく足を進めるラクダ引きの後に続いてひたすら歩きます。彼らは我々に合わせてゆっくりと歩いてくれていますが、それでもペースは早めで、ピッタリと追いかけることが難しく、サラサラの砂の上を歩き続けるので、舗装された道とは比べ物にならないくらい疲れますが、一日を歩き終えた後に焚き火を囲んで食べる夕食は体に染み渡るような美味しさでついつい食べ過ぎてしまうほど。毎日クタクタになるまで歩きますのであまり夜更かしは出来ませんが、満天の星空を眺めながらボーっとする時間は非常に贅沢です。

テントなしで寝ることもできます。
テントなしで寝ることもできます。
炭と砂の中でダイナミックに焼くパンが絶品。
炭と砂の中でダイナミックに焼くパンが絶品。

明け方にはテントに霜がおりて白くなってしまうほど冷え込み、日中も気温はさほど上がらず、とはいっても日差しは強烈で日焼け止めは必須。

ゴールとなるクサールギレンが見えてくると、体は悲鳴をあげていますが「やっと着いた」、という気持ちより「もう終わってしまうのか」という気持ちになると同時に、オアシスと砂丘の風景を見たときの達成感は100㎞を歩ききった人でなければ分からないと思います。

我々が体に鞭打って5日間で100㎞を歩き通し、オアシスに到着して達成感に包まれながらもぐったりとしていると、ラクダ引き達は我々と別れた後、すぐに来た道を引き返して2日で100㎞を歩くという衝撃的な話を聞き、砂漠の民の体力に驚かされました。

クサールギレンのオアシスでは泳ぐことも。
クサールギレンのオアシスでは泳ぐことも。

ちょっと変わった砂漠のツアーに参加してみたい、達成感を味わえるツアーに参加したい、とにかく砂漠を歩きたい、そんな方にお薦めのこのツアー、是非ご検討ください!

チュニジア ラクダと歩く砂漠旅 10日間のツアーページはこちら

2023.08.18発 サファリガイド加藤直邦さんと行くベストシーズンのマサイ・マラ 10日間

ケニア・サファリガイドの加藤です。8月はマサイ・マラ国立保護区でキャンプサファリをおこなってきました。以前は毎年訪問していたオルケリキャンプ場へ行くのは3年ぶりです。キャンプ場はコロナ禍でずっとクローズしていたそうですが、私たちのために2か月前から準備して、再開できるようにしてくれたと聞いていました。

不安と期待を胸に訪れると、敷地を囲んでいた柵は無残にもゾウに破壊されたままになっていましたが、中のキャンプ場は以前と変わらず整備されていました。キャンプ場を管理するマサイの皆さんも変わらず元気でした。おかげで5日間の滞在中は24時間体制で守ってもらい、安心で快適なキャンプ生活をすることができました。

キャンプ場を覗きに来たキリン
キャンプ場を覗きに来たキリン

季節は乾季ですが、例年ですとマサイ・マラはよく雨が降り、そのおかげでタンザニアからヌーが大移動して来ます。しかし私たちの滞在中はほとんど雨が降らず、サファリドライブへ出かけると保護区のサバンナはかなり乾燥した風景が広がっていました。

日中の陽ざしを避けてライオンたちはブッシュの中に隠れてしまい、探すのに苦労します。広い保護区ですが肉食獣のいるところはサファリカーの渋滞が起きてしまいます。そこでレンジャーを乗せたパトロールカーが交通整備をしたり、道から外れて肉食獣へアプローチする車を取り締まったりしていたのが印象的でした。

私たちは何度かお弁当を持ってサファリドライブへ出かけ、運良くチーターやヒョウ、それに個体数の少ないクロサイも観察することができました。

ブッシュで寝ているライオン
ブッシュで寝ているライオン
ライオン渋滞
ライオン渋滞
丘の上にいたクロサイ
丘の上にいたクロサイ
日中堂々と歩くヒョウ
日中堂々と歩くヒョウ

マサイの人たちと一緒にキャンプ場の周りや、周辺の山をトレッキングしました。野生動物はそれほど近くまで寄ることはできませんが、同じ地面に立って観察するのは一味違います。車では通り過ぎてしまう動物の足跡や糞などのフィールドサインを調べると、動物たちがどうやってサバンナで生活しているかを知ることができます。また、マサイの人たちが実際に使っている薬草や食べられる木の実を味見することができるので、彼らのサバンナでの文化や、野生動物との共存について深く学ぶことができます。

マサイの人とハイキング
マサイの人とハイキング
ライオンが吐き出した毛玉
ライオンが吐き出した毛玉
マサイ村でお土産購入
マサイ村でお土産購入

連泊したオルケリキャンプ場は、私たちの貸し切りだったのでとてもリラックスできました。本当にシンプルなキャンプ場で電灯も必要最小限です。Wi-Fi環境もないので、日常の電子音から逃れたい日本人のデジタルデトックスする場所としては最適ではないでしょうか。今回は天気が良かったので毎日素敵な朝陽と夕陽を眺めることができました。夜には焚き火を囲みながら雑談し、ハイエナの鳴き声を聞き、見上げれば満天の星空という最高のシチュエーションでした。

動物観察だけでなく、より自然を満喫し、異国の文化を学び、リラックスしたい人にはお勧めのツアーだと思います。

皆で作ったケニア料理
皆で作ったケニア料理
草原の夕日
草原の夕日

2023 北部ケニア添乗レポート

年末年始に北部ケニアを巡るツアーへ行ってきました。私にとっては、3年ぶりのケニア訪問になりました。今回の参加者の半数以上はアフリカリピーターでした。

目的地はお馴染みのマサイマラ国立保護区ではなく、赤道を挟んで北半球にあたるサンブル国立保護区です。少しマイナーな保護区ですが、私にとっては密かにマサイマラの次に好きな保護区なので、今回サファリができることをかなり楽しみにしていました。

去年(2022)のケニアは、過去40年で最悪の干ばつに見舞われ、地元の報道では約250万頭の動物が死んだというニュースが日本でも流れていました。サンブル周辺は元々乾燥地帯なのでかなり心配しましたが、訪問してみると最近雨が降り始めたようで緑が多く、花も咲き、瑞々しい大地になっていたのでホッとしました。

ロッジからの眺め
ロッジからの眺め

ここには「サンブル・ファイブ」と呼ばれる、ケニア北半球で見られる珍しい動物を観察することができます。グレービーシマウマ、アミメキリン、ゲレヌク、ベイサオリックス、ソマリダチョウです。グレービーシマウマは、過去40年で個体数が8割も激減し、野生はわずか2千頭になってしまいました。さらに今回の旱魃で40頭も死んでしまったそうで、貴重なシマウマを見た気がしました。

大型鳥類のソマリダチョウのオスは、繁殖期になると肌が青くなる特徴があり、繁殖期に肌が赤くなるマサイダチョウと違いが明らかです。このように、マサイマラやアンボセリなどケニア南部で観られる動物たちと同じ仲間でも、種が違うと形態や習性も変わるので、比較するとより楽しい観察ができます。

グレービーシマウマ
グレービーシマウマ
アミメキリン
アミメキリン
ゲレヌク
ゲレヌク
ベイサオリックス
ベイサオリックス
ソマリダチョウのオス
ソマリダチョウのオス

5日間の滞在中、アフリカゾウの群れやライオンの親子など、沢山の野生動物に遭遇しました。特に印象に残っている出来事は、チーターがゲレヌクを仕留めた直後、ヒョウに獲物を奪われてしまった現場に立ち会ったことです。私たちが見たときにはもうヒョウが獲物をくわえて岩山に登ったところだったのですが、そのヒョウを恨めし気に見つめるチーターの顔が忘れられません。チーターはその後、別の獲物を探しに移動していきました。

ライオン親子
ライオン親子
ヒョウに獲物を奪われたチーター
ヒョウに獲物を奪われたチーター
ヒョウが隠れた岩山
ヒョウが隠れた岩山

またサンブル周辺は、野鳥観察ポイントとしてもかなり魅力的なエリアだと思います。ゴマバラワシやダルマワシ、クロワシミミズクのような大型猛禽類や、青羽が美しいフサホロホロチョウ、それにエボシドリやコサイチョウなどユニークな鳥たちが多く、野鳥ファンを魅了しました。

フサホロホロチョウ
フサホロホロチョウ
クロワシミミズク
クロワシミミズク
カンムリヅルのシルエット
カンムリヅルのシルエット

ツアー後半は、ケニア山の麓にあるオルペジェタ保護区を訪問しました。ここはケニアでは珍しい私立の保護区で、特にチンパンジーやサイの保護繁殖に力を入れています。レンジャーガイドの説明によると、ここで生活するチンパンジーたちは、中央アフリカなどから内戦やペット取引によって孤児となり保護された個体で、この保護区で安全なセカンドライフを送っているそうです。

絶滅危惧種のクロサイや、世界であと2頭になってしまったキタシロサイ(亜種)もここで保護されており、研究繁殖が進んでいます。サファリドライブでは多くのシロサイとクロサイが伸び伸びと生活している姿を観察することができました。

また、ここではナイトサファリドライブが実施されており、参加すると野生動物の夜の姿を見ることができます。夜行性のフクロウや、マングースなども観察できました。

盲目のクロサイのバラカにタッチ
盲目のクロサイのバラカにタッチ
ナイトサファリドライブ
ナイトサファリドライブ
ナイトサファリで見たライオン親子
ナイトサファリで見たライオン親子

最後に首都ナイロビに2泊しました。普通のツアーでは時間の制約でなかなか訪れることのできないゾウの孤児院へ訪問することができました。現在は予約制で人数制限をおこなっています。水浴び場にやってきた保護された小象の多さにびっくりしましたが、飼育員からミルクを飲む表情が幸せそうでした。安全に大きくなって、いつか野生へ復帰してほしいと願います。

ナイロビ国立博物館も訪れ、人類化石コレクションや「野生のエルザ」のジョイ・アダムソンさんの絵画を観賞し、ケニアの全鳥類が標本展示されている「鳥ゾーン」では、このツアー中に何を見たのか再確認をすることができました。

寄ってきた小象
寄ってきた小象

このツアーを振り返ると、前半では人の少ない北部の保護区で珍しい野生動物をじっくり観察し、後半では「人と野生動物の共存」をテーマにした学びのある体験ができ、初心者の方もリピーターの方も楽しめる充実したプログラムになったと思っています。また機会があれば、ツアー第2弾を募集したいと考えていますので、その時は是非ご参加ください。

加藤 直邦 .

2022.08.18発 2022年特別企画 ボツワナ周遊キャンプ 20日間

「2022年特別企画 ボツワナ周遊キャンプ 20日間」にご参加された綾部様より、写真と動画レポートが届きました!

サファリ・キャンプ漬けの毎日は楽しかったです

アフリカ式キャンプ用品
アフリカ式キャンプ用品
このキッチンから、魔法の様に料理が提供される
このキッチンから、魔法の様に料理が提供される
ランクルのボンネットで、ティータイム
ランクルのボンネットで、ティータイム

ゾウ付きランチ・・・ゾウにエサを与えないで下さい
ゾウ付きランチ・・・ゾウにエサを与えないで下さい
ベジタリアンディナー・・・止めて!
ベジタリアンディナー・・・止めて!
夜の勉強会
夜の勉強会
星降るキャンプ
星降るキャンプ

マゼラン星雲は、毎晩見えた
マゼラン星雲は、毎晩見えた
モーニングサファリ
モーニングサファリ

ナイトサファリ
ナイトサファリ
ブタの貯金箱
ブタの貯金箱

ツアー中の動画もお楽しみください!

2022.07.21発 ボツワナ・キャンプ オカバンゴからチョベへ 12日間

2020年7月の催行が決まっていましたが、コロナ禍で延期に次ぐ延期となった弊社ツアー中で最も人気のあるツアーの一つ『ボツワナ・キャンプ』。コロナ流行の状況も落ち着いてきはじめ、日本再入国の際の規制も少し緩んできたということで、日本帰国前のPCR検査のために現地での延泊を追加し、12日間のスケジュールとなりましたが何とか今年2022年に3年ぶりの催行となりました。

まだ状況が状況ですので躊躇する方も当然いらっしゃり、直前でキャンセルがお二人出ましたが、ある意味まだモニターとしてツアーを出すような状況のため、現地手配会社とも相談し、最少催行人数は割ってしまっていますが4名様+添乗員という超少人数でのツアーとなりました(とはいえ、通常でも6名様+添乗員、利用するサファリカーは1台ですので、現地での動きには全く違いはありません)。

◎フライト

キャセイ航空の香港~ヨハネスブルグ便がまだ復活していないため、利用航空会社の選択肢が限られる状況ですが、今回はシンガポール航空を利用し、シンガポール乗り換えで南部アフリカの玄関口である南アフリカのヨハネスブルグを往復しました。ヨハネスブルグからボツワナのマウン、ボツワナのカサネからヨハネスブルグへは、以前と大きく変わらずボツワナ航空やエアリンクの近距離便の利用です。機内でのマスク着用義務、シンガポール・チャンギ空港での体温チェック等はありますが、それ以外に関しては以前と全く変わらない空の旅です。

◎南アフリカ、ボツワナ入国

今回ツアー出発直前に南アフリカが、入国に際しての新型コロナウイルス感染症関連のほぼ全ての規制を撤廃したため(検温だけは実施中)、予防接種証明書等のチェックもなく、いつも通りイミグレーションにパスポートを提出し、入国スタンプを貰うだけの手続きです。ヨハネスブルグからはボツワナ航空に乗り継いでオカバンゴ・デルタの南に位置するマウンへ移動しますが、ボツワナはまだ規制が緩んでいないため、2回の予防接種を受けたことを証明する書類または、入国72時間前以内のPCR検査の陰性証明が必要になります。が、それ以外は南アフリカと同様にビザが不要なため、上記書類のチェックがある以外は予想外にすんなりと入国が可能でした。

◎ボツワナ国内の様子

南アフリカは国外からの訪問客を除き、街中や空港をはじめ、ホテルやレストランでもマスクをしている方はほとんど見かけませんが、ボツワナの街中ではまだ3割程度の方がマスクをしているといった状況です。入園の手続きをするゲートの事務所を除き、国立公園内やキャンプサイト、ロッジ、サファリカー内など、マスクを着用している方は見かけず、欧米からの観光客もマスクなしでのびのびと過ごしている姿が見受けられました。

◎サファリ

さて、ツアーとしては3年ぶりの催行となりましたが、国立公園や保護区内の生物たちの暮らしはコロナ前と全く変わりありません。当然と言えば当然ですが。特別なシーンを見ることはなかったものの(ヒョウの狩りのシーンは見ることができましたが)、見ることができた動物や野鳥の種類、個体数ともにさすがボツワナといった印象で、相変わらず質の高いサファリを堪能することができました。名物ガイドのショーゾーさんの動物探査のスキルもコックのティモシーの調理の腕も相変わらずで、久々に催行されたキャンプツアーを大いに楽しむことができたのではないかと思います。直前まで、このツアーがテント泊だと知らずにご参加された方もいらっしゃいましたが、不便さと引き換えに得た自然の近さを堪能、非常に楽しまれていました。

◎日本への帰国

今回はヨハネスブルグで連泊して時間的余裕を作り、ヨハネスブルグ空港の建物内にある検査場でPCR検査を受けて陰性証明書を受け取り、事前にダウンロードしていたMySOSを使って事前登録を行ったうえで日本に戻り、入国しました。まだ1日の入国者数20,000人という上限が撤廃されていませんので、空港の利用客もさほど多くなく、MySOSに事前登録してのファストトラックを利用しなくても、コロナ禍前の時間とほぼ変わらない程度の時間で入国から荷物受け取り&解散まで40分~1時間程度かかるといった状況です。

ボツワナ・キャンプは弊社のツアーの中でも一番人気のツアーのひとつで、発表すると早めに満席・キャンセル待ちとなってしまうツアーですので、コロナ禍を抜けきっていない多少不安定な状況でも企画・催行は続けます。2023年も2022年と同様に①7月下旬から8月初旬、②8月上旬から8月中旬の2本企画し、ツアーの後半がこのツアーの日程と重なる長期間のボツワナ周遊キャンプを8月中旬から9月初旬に企画予定ですので、まだ参加されていない方は楽しみにお待ちいただければと思います。

by 羽鳥