2017.8.10発 ボツワナ・キャンプ オカバンゴからチョベへ 11日間

この夏のボツワナへのキャンピングツアーに同行させていただきました。
毎年、道祖神の夏の恒例行事の1つとも言える、弊社のベストセラーの1つで、いつも早々に埋まってしまう6名様限定のボツワナ・キャンピングです。

ボツワナ北部の玄関口マウンの空港から6名乗りの小型飛行機でオカバンゴの大湿原へ向かいます。
ボツワナ北部の玄関口マウンの空港から6名乗りの小型飛行機でオカバンゴの大湿原へ向かいます。
小型飛行機の窓からの景色
小型飛行機の窓からの景色
湿原地帯(デルタ)の中にある小さな滑走路に着陸。
湿原地帯(デルタ)の中にある小さな滑走路に着陸。
オープンタイプの4WDランクルサファリカーがお出迎え。
オープンタイプの4WDランクルサファリカーがお出迎え。
初日のキャンプ地に向かう最初のドライブからワイルドな走りです。
初日のキャンプ地に向かう最初のドライブからワイルドな走りです。
水場が多い為、夕暮れ時は一休みしに来た動物を狙うチャンスです。
水場が多い為、夕暮れ時は一休みしに来た動物を狙うチャンスです。
ボツワナと言えばゾウですね。
ボツワナと言えばゾウですね。

キャンプのワイルドさは、ボツワナならでは。
設備の整ったキャンプサイトに泊まるのとは一味違う、自然の環境真っ只中での野営キャンピングこそが、このツアーが長年ファンの方々に支えられている要因の一つです。
夜はテントのすぐ横に動物たちの足音や気配を感じ、夜明け頃には、キャンプの前を流れる川での水浴びの音で目が覚めます。昼間にも、キャンプ地と川を挟んだ向こう側に草食動物の姿を確認出来ます。
トイレは穴を掘ってトイレ用の椅子を載せただけの簡易式、シャワーも量が限られたバケツシャワー(お湯は用意します!)というワイルドなものですが、不便さを補って余りある『自然の中にお邪魔している』というこの滞在そのものが魅力です。

キャンプ地に到着。初日は現地入りしたスタッフたちが設営してくれていました。
キャンプ地に到着。初日は現地入りしたスタッフたちが設営してくれていました。
野営地なので、トイレもシャワーも簡易式のものを設営します。
野営地なので、トイレもシャワーも簡易式のものを設営します。
シャワーはキャンバス地のバケツにお湯を汲みます。
シャワーはキャンバス地のバケツにお湯を汲みます。
お湯を汲んだバケツを樹上にロープで吊るします。
お湯を汲んだバケツを樹上にロープで吊るします。
5リットル、たっぷりお湯を汲んだバケツシャワーの完成です。
5リットル、たっぷりお湯を汲んだバケツシャワーの完成です。
蛇口を捻るとシャワーが出ます。お1人様2リットルまで!(笑)
蛇口を捻るとシャワーが出ます。お1人様2リットルまで!(笑)
電源を取ることは出来ない為、ソーラーパネルご持参の方も。太陽光はふんだんにありますので、十分に充電可能です。
電源を取ることは出来ない為、ソーラーパネルご持参の方も。太陽光はふんだんにありますので、十分に充電可能です。
気になる料理は同行の敏腕コックが毎回3食を作ってくれます。
気になる料理は同行の敏腕コックが毎回3食を作ってくれます。
ダッチオーブンで出来立てパンも食べれます。美味しい!
ダッチオーブンで出来立てパンも食べれます。美味しい!
朝ごはんや、昼ごはんもボリューム満点。
朝ごはんや、昼ごはんもボリューム満点。
肉料理が多いのはご愛敬。
肉料理が多いのはご愛敬。
伝統料理①穴を掘って何やら地中に埋めます。
伝統料理①穴を掘って何やら地中に埋めます。
頭上で焚火をくべます。
頭上で焚火をくべます。
出来上がると、しっかり熱の通ったローストチキン
出来上がると、しっかり熱の通ったローストチキン
伝統料理②南部アフリカ主食のパップ。トウモロコシから作ります。
伝統料理②南部アフリカ主食のパップ。トウモロコシから作ります。
時にはインパラの肉も焼きます。美味しい!
時にはインパラの肉も焼きます。美味しい!

さてさて、肝心のサファリの話。
東アフリカの、どこまでも続く大草原でのサファリも格別ですが、南部アフリカでのブッシュ・サファリはまた違った楽しみがあります。サバンナのように見通しがきかない分、そこらの茂みの影、灌木の隙間、どこにサファリチャンスが転がっているか分からない緊張感。
動物にとっても出会い頭の場面が多く、何しろ距離が近い!、動物と出会う頻度こそ高くありませんでしたが、1回1回の出会いの密度が濃いサファリばかりでした。

早朝の朝焼けのなかで見るヒョウはとてもきれいでした。
早朝の朝焼けのなかで見るヒョウはとてもきれいでした。
よくよく見ると相当変な顔のキリン
よくよく見ると相当変な顔のキリン
インパラのオスです。ハレム(雌の群れ)を率いるオスも食事中はほっと一息。
インパラのオスです。ハレム(雌の群れ)を率いるオスも食事中はほっと一息。
ゾウに近づくのはちょっと緊張します。
ゾウに近づくのはちょっと緊張します。
立派な角を持ったクドゥ。
立派な角を持ったクドゥ。
ライオンも満腹時は穏やかな表情を見せてくれます。
ライオンも満腹時は穏やかな表情を見せてくれます。
子供は、まだまだ食べたりない様子。
子供は、まだまだ食べたりない様子。

印象に残ったのは、ヒョウ。東部アフリカではなかなか出会えない動物ですが、ブッシュの多いこの地域では、突然目の前の茂みから姿を現す場面も多く、その美しい肢体を見せつけるように歩いて去っていきました。また、ハイエナの子供をじっくりと観察したのも思い出深いです。

立派なヒョウです。朝焼けの中、彼らの1日が始まります。
立派なヒョウです。朝焼けの中、彼らの1日が始まります。
突然、目の前のブッシュから現れることも。
突然、目の前のブッシュから現れることも。
がっしりとした身体つきはさすがの迫力です。
がっしりとした身体つきはさすがの迫力です。
ハイエナの子供はとっても可愛いいです。大事そうに食事しています。
ハイエナの子供はとっても可愛いいです。大事そうに食事しています。
巣穴から飛び出て、元気いっぱいです。
巣穴から飛び出て、元気いっぱいです。

あとは、ボツワナと言えば、やはりオカバンゴ・デルタでのモコロ。音もたてずに静寂の中、動物達の隙間を縫うように過ごした数時間は、濃密でリッチなひと時でした。そして、ツアー後半のチョベ河でのボートクルーズ。迫力あるゾウの河渡りや、カバ、ワニ、水辺の動物たちの姿もお見逃しなく。

伝統的な丸木舟モコロ。ですが、現在は一本の木からのくり抜きではなく、グラスファイバー製です。
伝統的な丸木舟モコロ。ですが、現在は一本の木からのくり抜きではなく、グラスファイバー製です。
一艘に2人ずつ、船頭さんの案内でいざ出発。
一艘に2人ずつ、船頭さんの案内でいざ出発。
デルタの中に咲く蓮の花の間を抜けていきます。
デルタの中に咲く蓮の花の間を抜けていきます。
時折聞こえるのは、静かに水を掻く音のみ。静寂の中を行きます。
時折聞こえるのは、静かに水を掻く音のみ。静寂の中を行きます。
水の中から、蓮の根っこを引き上げて切り取ります。
水の中から、蓮の根っこを引き上げて切り取ります。
食べれます。ゆり根のような味でした。
食べれます。ゆり根のような味でした。
奥へ奥へと進み、ゾウの群れが姿を現しました。
奥へ奥へと進み、ゾウの群れが姿を現しました。
車のサファリと違う距離感。静寂の中、ゾウもこちらが近づくのを少し許してくれました。
車のサファリと違う距離感。静寂の中、ゾウもこちらが近づくのを少し許してくれました。
車のサファリがメインでしたが、ちょっと趣向を変えてチョベ河のボートサファリ。
車のサファリがメインでしたが、ちょっと趣向を変えてチョベ河のボートサファリ。
チョベ河の名物はゾウの河渡りです。
チョベ河の名物はゾウの河渡りです。
溺れているようにも見えますが、泳いでいます。
溺れているようにも見えますが、泳いでいます。
ゾウが無事にチョベ河を渡り切った先にはワニがいました。
ゾウが無事にチョベ河を渡り切った先にはワニがいました。
近くで見ると獰猛ですが、寝ています。
近くで見ると獰猛ですが、寝ています。
カバも居ます。水辺のサファリは何だか見ているこちらも安らぎます。
カバも居ます。水辺のサファリは何だか見ているこちらも安らぎます。

サファリ大国のボツワナの名に恥じない、様々な環境下での充実したサファリを楽しむことが出来ました。
しかし、やっぱり何より贅沢だったのは、国立公園内の自然の中の野営地をキャンピングしながらサファリしていく、というこの旅のスタイルではないでしょうか。
夜はテントの横をゾウが静かに歩く気配を感じ、夜明け前にはハイエナの高笑いのような声を聴き、朝目覚めるとブーツの中にサソリがいないかをチェック、野生の一部にお邪魔している環境で毎日を過ごすことは、モノの面での不便さを覆して余りある贅沢な日々でした。
毎年発表早々に満員御礼となるこのツアー、年に1度だけのチャンスです。
来年2018年の夏もご期待ください!

テントの近くにサソリが。ひえ~。
テントの近くにサソリが。ひえ~。
なぜかサソリを捕まえて満面の笑みのスタッフ。チームみんなで旅行を作り上げるのもキャンプの魅力です。
なぜかサソリを捕まえて満面の笑みのスタッフ。チームみんなで旅行を作り上げるのもキャンプの魅力です。

生野
ボツワナのツアー一覧はこちら

ピコ太郎がウガンダ観光大使に!

PPAPでブレークしたあのピコ太郎が東アフリカ・ウガンダの観光大使に任命されたそうです。
詳しいことはわかりませんが、ウガンダでもPPAPが大人気となったことからムセベニ大統領から任命された、そうです。
ピコ太郎のコメントには「気候が最高で、ご飯もおいしい。ゆっくりしたい方には、とてもいい国です」とありました。
気候やご飯はもちろんのこと、マウンテンゴリラやチンパンジー、そしてアフリカの‘豊かさ’を実感させてくれる美しい自然に溢れているのがウガンダです。
ピコ太郎には、今後ウガンダの魅力をどんどんPRしてくれることを期待したいですね!
※写真は、ウガンダのイメージ画像です。ピコ太郎さんとの脈絡はありません!
by KQ

2017.8.27発 ナミブ砂漠とナマクワランド 12日間

2017年8月27日発・ナミブ砂漠とナマクワランド12日間に同行してきました。約4年ぶりのナミビアでしたが相変わらずの「晴天の国」らしく、雲の無い深い青空となりました。
今回の長距離陸路移動を託す頼もしい車は、日野レンジャー「改」。(別に名前は無いのですが・・・)
トラックの荷台を改造し、大型冷蔵庫や広い座席、そしてなんと各座席下に設置された充電用USBポート!おいおい、クールでカッコいいぞ、お前!

頼もしい日野レンジャー「改」
頼もしい日野レンジャー「改」
デッドフライ入り口のキャメルソーンツリー
デッドフライ入り口のキャメルソーンツリー

香港を通過した台風14号の影響でナミブ砂漠到着が1日遅くなってしまいましたが、ナミビアに来て砂丘を見ないのは元も子もないので、何とか頑張り最奥のデッドフライへ。

高低差世界一の砂丘・ビッグダディ
高低差世界一の砂丘・ビッグダディ

このデッドフライは遥か昔に洪水があり、その名残で沼地状態となって森が形成されました。でも砂丘の移動で以降は洪水でも水が流れて来なくなりました。そして約900年前に枯れた森は、激しい乾燥地帯のため樹々を分解する微生物が少なく、黒く変色した硬い枯れ木となって現在までひっそりと立ち続けています。

デッドフライの枯れ木
デッドフライの枯れ木

ナミブ砂漠の後はどんどん南下し、ダイヤモンドラッシュ時代の建物が残るコルマンズコップへ。デッドフライの木でもそうでしたが、あまりにも乾燥しているため、建物が結構そのまま残っています。ガラスが無い家には砂が入り込み、一人で来たらかなり怖いですが、廃墟マニアには最高なスポットです。

コルマンズコップの廃墟
コルマンズコップの廃墟

さて、旅は続きナミビアから南下して南アフリカに入るとナマクワランド地方になります。ナマクワランドといえば何といってもワイルドフラワーです。例年のこの季節は沿岸からの湿った風が入り雨がよく降るのですが、今年は特に雨が少ない日々が続いてしまいました。南アフリカに入ってからもナミビアと同じような雲の無い素晴らしい青空。

ここはナマクワランドなんです
ここはナマクワランドなんです

でも、でも、ここは雨が降ってくれないとお花が・・・
毎日、少しでも咲いているところを探し回ること、やっとスプリングボック郊外で小さめではありましたが咲いていました!

松葉菊やギバエウムなど
松葉菊やギバエウムなど

でも小振りなのでもっと大きな花は無いかウロウロうろうろ。
ありました!ブルビネラが幾つも黄色い花をつけていました。

南ア原産のブルビネラ
南ア原産のブルビネラ
南アフリカの国花・プロテア
南アフリカの国花・プロテア
一面が黄色に
一面が黄色に

天候に左右されてしまうワイルドフラワー。
なかなかピンポイントで訪れることが難しいところではありますが、とても奥の深い旅行になりました。
久世

ケニア(Kenya)旅行に行ってきた

2017年8月25日出発の手配旅行でケニア・サファリ・ハイライト 10日間に行かれた、石川様ご夫妻からのレポートです。

■子供のころの夢が叶った

2017年8月25日から9月4日にかけてケニアに行ってきた。アフリカの大自然をこの目で見てみたいと思い出したのは小学生の頃だ。その頃からテレビ好きだった。よく見ていた番組は海外の雄大な自然や沢山の珍しい動物たちを扱った番組だった。中でも「野生の王国」、「すばらしい世界旅行」は格別だった。毎週末にやっていたこれらの番組を見るのがとても楽しみで、そしていつかは自分で訪ねてみたいと思っていた。あれから約半世紀、漸く夢が叶った。そんな背景からもこの旅はとても格別なものだった。

■旅の準備

家内と旅行を決心したのは今年の5月ごろ。早速近くの旅行会社やWEBで情報を集めた。以前から “いつかはアフリカに行く”と考えていたので下調べは少し進めてあり、評判や情報量から道祖神さんを候補に考えていた。五反田にある事務所を家内と長女と共に訪ね、担当の伊藤さんから丁寧な説明を受けて“ここにお願いしよう”とほぼ即決だった。決め手は担当者の対応に加えて旅先のケニアに日本人の常駐が居ること、やはりいざという時の対応力が違うはずと思った。何といっても未経験の国なので(アフリカ大陸は新婚旅行で行ったエジプト以来の2度目なのだが、、)。

■ドーハ経由でケニアへ、カタール航空は良かった

エアラインはカタール航空。元々JAL派なので同じOne World Allianceの航空会社はありがたかった。一方、カタールは直前にサウジアラビアやエジプトとの国交断絶のニュースがあり少し心配はあった。しかし、キャビンアテンダントの対応やサービスはとても行き届いていて良かった。特に印象深いのは往路のフライトで“このフライトがカタール航空の初めての経験です”と言うと機内食のアラビア料理の説明をはじめ丁寧に対応してくれた上に降機直前にお手紙まで頂いたのだ。

キャビンアテンダントからのメッセージ
キャビンアテンダントからのメッセージ

クルーの人たち
クルーの人たち

経路 国際情勢を反映してか迂回路
経路 国際情勢を反映してか迂回路

また、トランジットで使用したドーハの空港はとても大きく綺麗で感心した。ドバイへの対抗心もあるように聞いたが、いずれにしても素晴らしかった。ビジネスクラスを使ったので次のフライトまでの時間はラウンジで過ごした。スペースもゆったりしていて飲み物、食事などしても充実している。さらに“Quiet Area”という休憩施設も用意されている。しかし、周りが静かな分ひそひそ話が余計響いたりして使うのにちょっと気を遣ってしまう。でも横になれる大きさのソファーは有難かった。

ドーハ空港内のシンボルの熊のぬいぐるみ
ドーハ空港内のシンボルの熊のぬいぐるみ

■さぁケニアに入国

ナイロビのジョモ ケニアッタ空港へ到着。国際線の建屋はとても簡素。空港で道祖神の方をちゃんと見つけられるかなぁという漠然とした不安は一瞬でどこかに立ち去った。入国審査、税関審査を済ませて無事に入国。

その日はナイロビ空港近くのホテル:オレ・セレニに宿泊。家内は少し旅の疲れが出たので無理せず部屋でゆっくり過ごす。早速ケニアのビール:TUSKERを飲む。あれ?何だか普通に美味い。もっと独特の風味があるかもと期待(?)していたが、、この後ほぼ毎日これを飲んでいた。ホテルの目の前はナイロビ公園。ここにも野生動物がいる。部屋から見る事の出来たのはエランドと鷺の仲間。
ところでナイロビは標高が約1800mある。日本から非常食(?)として持ち込んだカップ麺もご覧のとおり膨らんでた。

地ビール?
地ビール?

ホテルの目の前はナイロビ公園
ホテルの目の前はナイロビ公園



■アンボセリ国立公園へ

翌朝、小型機でアンボセリ国立公園へ。約一時間のフライトであっという間に到着。この空港は、平原に滑走路と小さな平屋の建屋とアンテナの塔があるだけとシンプルそのもの。降り立ってすぐに見えるキリマンジャロと地平線。ついにアフリカ大陸に降り立った実感が沸いた瞬間だった。

小型プロペラ機 乗客はインド、中国、日本
小型プロペラ機 乗客はインド、中国、日本

どこまでも地平線が続く
どこまでも地平線が続く

キリマンジャロ
キリマンジャロ

公園の管理事務所はアンボセリの空港にある
公園の管理事務所はアンボセリの空港にある

空港からホテル:アンボセリ・セレナ・ロッジへ。もうすでにサファリは始まっていた。兎に角、動物たちが沢山いるのだ。ヌー、トムソンガゼル、インパラ、象、あれこんなに簡単に会えちゃってよいのかぁって思うほど。運転をしてくれたガイドさんが言うには、アンボセリはキリマンジャロの雪解け水のお陰で沼が沢山あり多くの生き物を育んでいるとの事。
象が沢山いてブッシュを食べつくし、今では平原だ。この環境が密猟を難しくしているため、象の性格が穏やかなことも教えられた。アフリカに於ける象牙密猟は今でも後を絶たない。記憶の良い象は人間に傷つけられる経験を持つと防衛の為に攻撃的になるらしい。早速、手が届きそうな近さで象を観察できた。


インパラとヌー
インパラとヌー

沼の水草を食べるアフリカ象とダイサギ
沼の水草を食べるアフリカ象とダイサギ



水牛 バッファロー オス
水牛 バッファロー オス

エジプト雁
エジプト雁

シロクロゲリ
シロクロゲリ

ダイサギ
ダイサギ

カンムリサギ
カンムリサギ

アフリカレンカク
アフリカレンカク

オニアオサギ
オニアオサギ

部屋の前に来た セネガルショービン
部屋の前に来た セネガルショービン

この公園では夕焼け、朝焼けをはじめこの後の旅行で会うほとんどの種類の生き物に会えた。代表的なものでは上記に加えてライオン、ハイエナ、ジャッカル、バッファロー、ヘビクイワシ、ダチョウ、グランドガゼル、マサイキリン、シマウマ、バブーン(ヒヒ)、沢山の鳥たち。特にエランドは神々しさを感じる美しさであった。
エランド
エランド

ダチョウ オス
ダチョウ オス

トムソンガゼル オス
トムソンガゼル オス

シマウマ
シマウマ

沼から出て砂浴び
沼から出て砂浴び

夜はブッシュに帰る象の群れ
夜はブッシュに帰る象の群れ

ウォーターバック メス
ウォーターバック メス

小さな竜巻があちこちで見られた
小さな竜巻があちこちで見られた

獲物を狙うブチハイエナとジャッカル
獲物を狙うブチハイエナとジャッカル

食べ物を奪い合うブチハイエナ
食べ物を奪い合うブチハイエナ

ヒヒ
ヒヒ






ガイドのヨセフさんはとても真面目で誠実。持参の図鑑で丁寧に教えてくれ好感が持てた。新米のガイド見習いも一緒だった。
丁寧なガイド 新人教育も兼ねている
丁寧なガイド 新人教育も兼ねている

ガイドのヨセフさんと
ガイドのヨセフさんと

もう一つ忘れられないのはホテル・スタッフのフレンドリーな対応だ。ダイニングのマネージャー:キミンダさんが我々の名前を憶えていて毎回、名前を呼んでセットしてくれる。お礼と言っては何だが私からはより丁寧な日本語の使い方について少しお話した。さらにテーブル担当のスタッフやセキュリティのスタッフもとてもフレンドリーだった。
マネージャーのキミンダさん
マネージャーのキミンダさん

サプライズのケーキを用意するスタッフ
サプライズのケーキを用意するスタッフ

滞在したホテルの部屋
滞在したホテルの部屋

ホテル内を我が物顔で歩くサル
ホテル内を我が物顔で歩くサル

アフリカでやってみたことがあった。それは星空の撮影。そのためには光が入り込まない暗い場所に行く必要があるが当然我々旅行者だけでは危険である。スタッフにこの事を話すと一緒に場所探しなどを手伝ってくれた。一緒に見た天の川(子供の頃以来だ)が無事に撮影できたときは本当に嬉しかった。付き合ってくれたマイケルに感謝、感謝。
充実した時間が持てたアンボセリ滞在であった。帰路は来た時と同じようにナイロビへ小型機で移動した。次の訪問地へ向けて。さようならアンボセリ、さようならキリマンジャロ。
撮影を手伝ってくれたマイケル
撮影を手伝ってくれたマイケル

撮影できた天の川
撮影できた天の川

■ナクル湖でシロサイ、クロサイに合う

次の訪問地はナクル湖でアフリカを縦断する大地溝帯の中にある。ナイロビはその外にあるので高地から谷へ向けてのドライブとなった。ここからはガイドが道祖神のジョージになった。

休憩地で大地溝帯を望む
休憩地で大地溝帯を望む

お土産に売っている羊の皮とおぼしきもの
お土産に売っている羊の皮とおぼしきもの

従来はフラミンゴの大群で有名だったが今は湖水が増加し餌の藻が減ってしまったため少数しか見られない。しかし、サイに会える確率は高いとのアドバイスを得て組み入れてもらった。会えた!! それもクロサイとシロサイと同じ日の同じ時間帯に。遠くに見えたサイの移動先に先回りして待ち伏せ作戦、これが大当たり。大迫力。また、水鳥にも沢山会えた。エジプトグース、ヘラハシサギ、エボシクマタカ、そしてとぉ――くにフラミンゴも! ナクル湖まで行くのに6時間もかかったが行って良かった。ホテルはライオン・ヒル・ロッジだった。
公園横には民家も
公園横には民家も

ところでシロサイイとクロサイは色で見分けるのではなく、口の形。幅広の口はシロサイで、幅広=wideがなまって(?) white(シロ)になったという説がある。もう一方はおちょぼ口。あっちがシロならこっちはクロで決まったのか!?
クロサイ
クロサイ

シロサイ
シロサイ

シロサイ?
シロサイ?

アンブレラアカシア アフリカっぽい
アンブレラアカシア アフリカっぽい

我々を警戒するインパラの親子
我々を警戒するインパラの親子

キリンとその前で力比べをする水牛
キリンとその前で力比べをする水牛

ホロホロ鳥
ホロホロ鳥

アフリカトキコウ
アフリカトキコウ

ヘラサギ
ヘラサギ

フラミンゴ この後近づこうとしたが会えずじまい
フラミンゴ この後近づこうとしたが会えずじまい

エボシクマタカ
エボシクマタカ

ウォーターバックオス
ウォーターバックオス

イボイノシシ
イボイノシシ

ホオジロカンムリツル
ホオジロカンムリツル

「あれ? ライオンとハイエナの喧嘩かな?」とジョージが珍しく少し興奮気味に話す。丘の上に10頭を超えるライオンの群れがいてみんな同じ方向を見ている。その先には、やはり10頭を超えるハイエナがじわりじわりと間合いを詰めている。あたかもハイエナがライオンを威嚇している?やや不思議な光景にも思えたが実際そのような雰囲気であった。百獣の王も現実にはいろいろ苦労しているようだ。どこの世界も同じだと思った。
ハイエナはじわりとライオンに向かっていた
ハイエナはじわりとライオンに向かっていた

■そしてマサイマラへ

「セレンゲティ大草原」子供の頃に胸をときめかせて聞いていた名前だ。国境の関係で北側のケニア領をマサイマラ、タンザニア側をセレンゲティと呼ぶが動物にとって国境は無関係でひとつの大きな草原だ。“マラ川を渡るヌーの大群”を少しばかり期待していたが、今年はマラに十分な餌がありヌーは公園に留まっていた。残念。しかし、ここでも沢山の出会いがあった。ナクル湖から約7時間のドライブ(途中昼食休憩を含む)。途中、広大な小麦畑や地元の小さな町々を横目で見ながら移動し公園についたのは夕陽の時間。空がオレンジから赤そして紫へと変わるこれまでに経験のない夕陽を見ることができた。この光景、色、空気は決して忘れない。これまでに見たどの夕陽よりも心に強く残った。感動した。これがアフリカの風景であり、空気だと思った。

ケニアは農業にも力を入れている
ケニアは農業にも力を入れている







マサイマラは大型のネコ科の動物に会えるのが楽しみだった。ライオンはもとよりチーター、ヒョウなどである。今回の旅行ではこれらすべてに会えた。ハネムーン中のライオンや、ライオンがキリンを狩ろうとして追いかける瞬間にも遭遇した。まさに幸運だった。
ハネムーン中のカップル
ハネムーン中のカップル

じゃれ合う子供 こうして狩りを覚えるんだろうね
じゃれ合う子供 こうして狩りを覚えるんだろうね

オッパイをあげるお母さん
オッパイをあげるお母さん


キリンを付け狙うライオン
キリンを付け狙うライオン

ライオンに気づき大急ぎで逃げるキリン
ライオンに気づき大急ぎで逃げるキリン

夜行性のヒョウは会える確率が低いのだが写真に収めることが出来たのはまさに幸運(ガイドさんの実力)。そればかりかチーターの親子に大接近できたり、クロサイのマーキングの瞬間も収められた。一方、草原をゆったりと歩く象の姿は威厳があった。美しいエランド、インパラ、ガゼル。沢山のダチョウやマサイキリン。可愛らしいイボイノシシにも会った。
ヒョウ 昼寝中を起こしてしまった
ヒョウ 昼寝中を起こしてしまった

チーターのお母さん タグが首に付いている
チーターのお母さん タグが首に付いている

チーターのマーキング
チーターのマーキング

クロサイのマーキング
クロサイのマーキング

お行儀の良いイボイノシシ
お行儀の良いイボイノシシ

泥浴びが大好き
泥浴びが大好き

親子で散歩
親子で散歩

おっぱいをせがむ子供の象
おっぱいをせがむ子供の象

カバの親子
カバの親子

ナイルワニ
ナイルワニ


トピがポーズ 正面から見たら角が片方無い
トピがポーズ 正面から見たら角が片方無い


公園に留まっていたヌー
公園に留まっていたヌー

展望台と言われる高台からマラを眺める
展望台と言われる高台からマラを眺める

草原をゆったりと歩くアフリカ象 威厳を感じる
草原をゆったりと歩くアフリカ象 威厳を感じる

小型レイヨウのディクディク
小型レイヨウのディクディク

子供のキリン 色が白い
子供のキリン 色が白い

自然の営みを感じたのはライオンの群れの前に横たわるヌーの骨やヌーの死骸に群がるハゲワシ、ハゲコウだ。また樹上で遠くを見るミミヒダハゲワシも。
一方、颯爽とあるくヘビクイワシは英名:Secretary Bird(執事鳥)の如く凛としていた。





■忘れがたい経験

サファリの途中でパンクした! 最初はパンクぐらいすぐに直ると思ったが、ガイドさん自身もパンクはあまり経験がなくジャッキの使い方や歪んだ工具入れの蓋など次々に問題が起こり四苦八苦。通りかかったレンジャーにもアドバイスを貰って何とか修理完了。ガイドさんご苦労様でした。この間、本来はいけないのだが止む無く公園に降りた。おおー、ワイルドぉと感激しつつ写真を撮った。


もう一つはゲリラ豪雨。着いた日を除いて2日目、3日目の夕方は土砂降りになった。乾季にも拘らずだ。ガイドさんは“雨と風が吹くストームの経験は無い”と言っていた(公園内では時々夜中に強い雨は降るよと現地スタッフが翌日耳打ちしてくれたが)。帰り道が判らなくなるくらいの台風のような雨で少しヒヤヒヤした。何といってもナビは搭載していない。地図はガイドさんの頭にしかないのだから。でも、彼は頼りになった。ヒヤヒヤが深刻な心配事になることは一切なかった。


■初めて気球に乗る

今回の旅行では生まれて初めて気球乗船(?) も体験した。揺れによる乗り物酔いを危惧したが全くの取り越し苦労。朝日が昇るころ離陸、上空から見るマサイマラはまた格別だ。我々のゴンドラにはインド、コロンビア、アルゼンチン、現地人スタッフそして我々と国際色豊かな乗客で、バルーンサファリが終わった後のブッシュでの朝食はシャンペンを片手に大いに盛り上がった。調子に乗って3杯も飲んだのでその後のサファリは暫くとても眠かった。





キャプテン(気球の操縦)は日本人。これまたびっくり。ニュージーランドからご夫婦で越してきたらしい。その日の夕食をお願いして一緒に(ロッジのティピリクワニにて)。ご夫婦の馴れ初めや庭に象が来る今の暮らし、最近酔っ払いが野外で寝てしまってハイエナに下半身を食べられたニュースなどいろいろと楽しい話ができた。有難かった。お返しと言っては何だが、非常食として持参した日本のお菓子やカップ麺を差し上げた。帰国後メールを頂き美味しく食べましたとのこと。良かった。良かった。










■ケニアの人々、マサイの人々

出発前にマサイの人は写真が嫌いで撮る場合には了解を得る、またはチップを渡すなど面倒(な人々)だなと思っていた。しかし、考えてみれば当たり前で、一般の人が外国の人間に物見せよろしく気遣いなく写真を撮られるのは快くない。実際の現地の人々は面倒どころか、はにかみ屋の人が多いという印象でみんな純朴で真面目で控えめだった。アフリカは治安の面も心配だった。ガイドさんに失礼とは思いながら直接この質問をすると。「日本と同じだよ、都市部は犯罪が多いが国立公園のある田舎は事件なんか滅多に起こらないよ」とのこと。




ロッジを警備してくるマサイの人
ロッジを警備してくるマサイの人

ガイドのジョージさん(左)
ガイドのジョージさん(左)

ロッジのレストランのテーブル担当の子
ロッジのレストランのテーブル担当の子

帰国の朝に撮った星空
帰国の朝に撮った星空

帰路の途中に現地のスーパーに寄った。お土産のコーヒーや紅茶を仕入れるために。スーパーは品揃えも豊富で何と近代的なことか!びっくりである。でも、買い物途中で急に停電。発展途上だという事を実感した。近代化して便利になり生活環境が向上して欲しいと思う一方、純朴で控えめなあの人たちはそのままのスタイルで居て欲しいと勝手に思っている。
品揃えは豊富
品揃えは豊富

あら、停電だぁ
あら、停電だぁ

■無事帰国

行きと同じように帰りはナイロビ、ドーハ、羽田の経路で。ナイロビ空港に向かう途中、いつもは有り得ない(らしい)渋滞に会いフライトに間に合うのかちょっとひやひや。実際には何ら問題はなかったが。空港にやっと着いたら今度は車の後部ドアが開かずにちょっとヒヤヒヤ。ガイドさんとはここでお別れ。本当にお世話になりました。ありがとう George。君の事は忘れないよ。空港内に入ろうと並んでいたらセキュリティ検査装置の不調で別の入り口へ回れと指示されるなどちょっとヒヤヒヤ。でもすぐに問題なくパスポートコントロールを通りナイロビのラウンジで最後の(?)TUSKERを飲んでしばし今回の旅行を振り返っていた。


帰りのフライトも順調(ドーハでの8時間弱のトランジットはちとしんどかったが)。無事に日本に着いた。約30年前のエジプトの時のような体調不良も無く全てが順調、沢山の幸運にも恵まれて、興奮の連続の旅行だった。今回の旅行は私の生涯の中で決して忘れることのない大きなイベントになった。
アレンジをしてくれた道祖神の伊藤さん、荒木さん、現地の菊池さん。ありがとうございました。
アンボセリのヨセフ、マイケル、キミンダ、カリオキ。ナクルからマサイマラまでずっとガイドしてくれたジョージ。気球キャプテンの執行さんと奥様。本当にありがとうございました。
心から感謝します。

WIRED VOL.29 African Freestyle

2017.09.11発行
先月、発行された季刊誌のWIRED Japanが、アフリカ特集だったのでご紹介します。たまに、ちょっと尖った雑誌がアフリカ特集を組むことがありますが、多くは旅行先としてのアフリカ、もしくは自然史/文化史、でなければ昨今は幾つかの国の経済発展やビジネス先としてのアフリカに焦点を絞ったものであることが多いです。



そんな中で今回の雑誌の特集は秀逸でした。幾つかの都市の現在進行形のアート・シーン。取材先に選んだ都市も、ヨハネスブルグ、キガリ、ナイロビ、ラゴス、アクラと目の付け所が良かったです。「今、アフリカの若い世代のアーティスト、建築家、写真家、デザイナー、そんな人たちからどんなムーブメントが誕生しているのか?」毎日どっぷりとアフリカ漬けの我々でも窺い知ることのなかった、各都市で今新たに生まれてくるアートや、90年代生まれの世代のクリエイティブ活動に焦点を当てた特集は非常に興味深く、勉強になりました。





例えば、ヨハネスブルグのヒルブロウ地区にあるpontecity、世界一治安が悪い最凶都市と呼ばれ続け、我々もその紋切り型のイメージから脱却できていなかったかもしれません。94年のアパルトヘイト撤廃以降に生まれた世代=フリーダム・ベイビーズと呼ばれる彼らの時代にとっての『アート』は、持たざる者が生業を獲得する手段として、はっきりと機能しています。キガリの若い写真家のアイディアから生まれた、ドローンで輸血袋を各地の病院に届ける医療ビジネス、丘だらけのこの国ルワンダでは車の10倍のスピードです。芸術大国のナイジェリアでも新たなムーブメントは生まれ続けていて、もはやノリウッド映画は既に単なる大衆娯楽の映画産業の場ではありません。実験的な映像アートや、ナイジェリア人が自らの手で民族的アイデンティティに迫るドキュメンタリー作品などが日々生み出される先鋭的なアートの世界へと姿を変えています。個人的には、あの漫画見たいなノリのチープ・ノリウッドも大好きなんですが。ナイロビのクリエイティブの発信地アルケミストBARが特集されているのも驚きました。ナイロビ在住時代に私も足繁く通っていたのを思い出します。この場所に人種・国籍を問わずいろんな人間が集まり、音楽、映画、文学、ペイント、料理、写真、夜な夜な話が飛び交っていたのが懐かしいです。ナイロビという街の良さを体現しているような場所でした。自分が「外国人」であることを意識しなくてもいい、わざわざ「多様性」なんて言葉にする必要もない、皆が違っていて当たり前の街でした。



インタビューの中で、「今」はアフリカの人達が自らのアイディア一つ、表現一つでアフリカを変える事の出来る時代になったんだ、と胸を張って答える若いアーティストの姿がいいです。アフリカの「今」を特集した雑誌が、普通に東京のコンビニの棚に並んでいる時代です。つくづく、世界が近くなったのを感じます。



by 生野