2021.07.24発 林さんと行く夏の尾瀬でバード&ネイチャーウォッチング 1泊2日

7月24日(土)~25日(日)で尾瀬のバードウォッチングに同行させて頂きました。首都圏の猛暑を避けて、爽やかな気候の中で尾瀬の豊かな自然を満喫してきました。今回は鳩待峠から尾瀬ケ原を散策した後に、尾瀬沼へ向かい大清水に下山するコースです。

今回歩いたルートマップ
今回歩いたルートマップ

午後には天気が崩れる予報のため、当初の予定より1本早い新幹線に変更して尾瀬に向かい、10時半には鳩待峠に到着しました。尾瀬ケ原に向かう途中の道では樹林帯や河原に咲く花々や花に集まる昆虫などを観察しながら下ります。草花ではツクバネソウやモミジカラマツ、マルバダケブキ、オニシモツケなどで、オニシモツケの花にはハナカミキリが集まっていました。また、森の中からは姿は見えないものの、コマドリ、コルリ、ミソサザイなどの声が聞こえ、川原にはカワガラスの姿も見られました。

クルマバツクバネソウ 中心の花が黒い実に熟した姿が羽子板のつくばねに似るため名がついた
クルマバツクバネソウ 中心の花が黒い実に熟した姿が羽子板のつくばねに似るため名がついた
モミジカラマツ 線香花火の様な花が唐松の葉に似ており、葉はモミジのような五葉である
モミジカラマツ 線香花火の様な花が唐松の葉に似ており、葉はモミジのような五葉である
オニシモツケとヨツスジハナカミキリ オニシモツケの花は蜜や花粉が多いのか、沢山の昆虫が集まる
オニシモツケとヨツスジハナカミキリ オニシモツケの花は蜜や花粉が多いのか、沢山の昆虫が集まる

1時間程度下ると尾瀬ケ原の入口の山の鼻に到着します。休憩は密を避けて研究見本園のベンチにして、植物を観察しながら休みます。キンコウカの群落とコバノギボウシ、トキソウ、コバノトンボソウなどが見られました。

キンコウカ 今回一番見られた湿原に大きな群生を作っていた
キンコウカ 今回一番見られた湿原に大きな群生を作っていた
コバノトンボソウ ランの仲間で、花が飛び交うトンボを想像させる
コバノトンボソウ ランの仲間で、花が飛び交うトンボを想像させる

休憩を終えたら尾瀬ケ原に出発です。山の鼻周辺の草花ではカキツバタや池塘の中にヒツジグサ、オゼコウホネが見られ、水辺ではナガバノモウセンゴケは花をつけていました。鳥はノビタキが湿原を移動しながら餌を探し、上空ではイワツバメが飛び交っており、周辺の森からはカッコウ、ホトトギス、ツツドリの声が聞こえてきます。他には珍しいトンボも多く、日本最小のトンボであるハッチョウトンボのオスが鮮やかな赤い姿で水草にとまっている姿も何度か見られました。また、池塘の底にはイモリも見られました。

カキツバタ アヤメの仲間で花弁の根元に白い筋が入る
カキツバタ アヤメの仲間で花弁の根元に白い筋が入る
ヒツジグサ スイレンの仲間で羊の刻に開花するためこの名がついた
ヒツジグサ スイレンの仲間で羊の刻に開花するためこの名がついた
ナガバノモウセンゴケ 北方系のモウセンゴケで、食虫植物としても有名
ナガバノモウセンゴケ 北方系のモウセンゴケで、食虫植物としても有名
ノビタキのオス 夏鳥で本州では山の高原や湿原で繁殖し、冬は東南アジア等に渡る
ノビタキのオス 夏鳥で本州では山の高原や湿原で繁殖し、冬は東南アジア等に渡る
ノビタキのメス
ノビタキのメス
ハッチョウトンボのオス とても小さく、羽を除くと大きさは1円玉程度である
ハッチョウトンボのオス とても小さく、羽を除くと大きさは1円玉程度である
カオジロトンボ 高山の水辺のみで見られるトンボで顔が白い
カオジロトンボ 高山の水辺のみで見られるトンボで顔が白い
コサナエ 山の渓流で見られるトンボ
コサナエ 山の渓流で見られるトンボ
アカハライモリ 池塘で見られ、背中は黒いが腹部は鮮やかな赤で黒い斑紋が混じる
アカハライモリ 池塘で見られ、背中は黒いが腹部は鮮やかな赤で黒い斑紋が混じる

牛首の分岐からは東電小屋の方に進み、ニッコウキスゲ群落のポイントに向かいます。実はここまでの道でほとんどニッコウキスゲは見られませんでした。ようやく群落が見えてきたと思ったら鹿除けの柵が設置されており、その中のみ咲いている状態でした。かなり鹿の食害による深刻なダメージを受けている模様です。この周辺ではアオヤギソウやカキラン、トキソウなども見られました。

ニッコウキスゲの群落 鹿侵入防止柵の内側には群落が見られた
ニッコウキスゲの群落 鹿侵入防止柵の内側には群落が見られた
カキラン 花弁の上部が柿の実に似た色の可愛い蘭
カキラン 花弁の上部が柿の実に似た色の可愛い蘭
ミズチドリ 高原の湿原で見られ、白い花が飛ぶ千鳥を連想させる
ミズチドリ 高原の湿原で見られ、白い花が飛ぶ千鳥を連想させる
アオヤギソウ 花が淡黄緑色で目立たないが、よく見ると可愛らしい
アオヤギソウ 花が淡黄緑色で目立たないが、よく見ると可愛らしい

ところが、この頃から天気予報の通りに雲行きが怪しくなって来て、雨が降り出して本降りになってしまい、ヨッピ橋から竜宮経由で宿泊する小屋がある見晴までは雨の中での歩行となってしまいました。ヨッピ橋近くの河原では昼だというのにニホンジカの姿が見られました。

小屋に到着して濡れた服を乾燥室で乾かしながら、ひと風呂浴びた頃には雨は上がりました。尾瀬の小屋ではお風呂に入れる事も魅力のひとつです。ビールを飲んで一息入れたら、温泉小屋のある赤田代方面に散策に出掛けました。

赤田代には尾瀬でもここでしか見られない草花があり、今回はクロバナロウゲ、コアニチドリ、サワヒヨドリが見られました。湿原ではホオアカのつがいが見られ、上空にはノスリが飛んで、小屋へ戻った時には手前の広場の木にはニュナイスズメの群れが集まっていました。夕食後には再度、木道を歩いて蛍狩りを楽しみます。あまり知られていませんが、7月下旬から8月上旬まで尾瀬ケ原ではヘイケボタルが見られます。

キンコウカの群落と至仏山 雨が上がり暮色がかった至仏山が見られる
キンコウカの群落と至仏山 雨が上がり暮色がかった至仏山が見られる
クロバナロウゲ 本州中部以北の湿原で見られるいかつい花で、漢字では「黒花狼牙」と迫力がある
クロバナロウゲ 本州中部以北の湿原で見られるいかつい花で、漢字では「黒花狼牙」と迫力がある
コアニチドリ マタギの里である秋田県上小阿仁村で発見されたのが名前の由来で、絶滅危惧種の蘭
コアニチドリ マタギの里である秋田県上小阿仁村で発見されたのが名前の由来で、絶滅危惧種の蘭
マイサギソウ 湿原で見られるサギが舞っているイメージの蘭
マイサギソウ 湿原で見られるサギが舞っているイメージの蘭
オタラコウ フキに近い仲間で水が流れる場所で見られる
オタラコウ フキに近い仲間で水が流れる場所で見られる
ホオアカ 夏は高原で繁殖し、冬は日本南部で越冬するホオジロの仲間
ホオアカ 夏は高原で繁殖し、冬は日本南部で越冬するホオジロの仲間

翌日は朝から快晴です。あわただしく夜明けの風景を撮影して、5時半には朝食を食べて出発です。見晴から尾瀬沼までの道は樹林帯が大半で、最初はブナの原生林で標高をあげるにつれてアオモリトドマツとシラビソの針葉樹に替わっていきます。ここではメボソムシクイやエゾムシクイ、ウソを期待しましたが、声は聞こえましたが姿を見る事は出来ませんでした。ゆるいけど長い登りを歩いて白砂峠を越え、白砂湿原で休憩しました。ここは針葉樹林に囲まれた湿原で、久しぶりの解放感に浸れます。池塘ではイモリやツチガエル、マツモムシの背泳ぎやゲンゴロウの仲間が見られました。ここからはゆるい下りを少し歩くと尾瀬沼の沼尻に着きます。尾瀬沼をあふれた水は沼尻から尾瀬ケ原に下り、他と合流して只見川となり、三条の滝を経由して日本海にそそぎます。ここは以前小屋とトイレがありましたが火事で焼失してしまい、今は休憩するスペースのみ残っています。この周辺は標高が高いので、サワランが咲き残っていました。

沼尻からは尾瀬沼北岸の道を歩いて大江湿原を目指します。針葉樹林と小さな湿原が交互に現れる道で、途中でヒガラの群れや高山性のトンボであるエゾイトトンボなどを観察しながら歩きました。

夜明けの尾瀬ケ原と至仏山
夜明けの尾瀬ケ原と至仏山
ミヤマバイケイソウ 山道の沢沿いに咲く大型の花
ミヤマバイケイソウ 山道の沢沿いに咲く大型の花
サワラン 色は鮮やかであるが、これ以上蕾が開かない蘭
サワラン 色は鮮やかであるが、これ以上蕾が開かない蘭
エゾイトトンボ 高山性のトンボでブルーと黒が鮮やか
エゾイトトンボ 高山性のトンボでブルーと黒が鮮やか

大江湿原へは鹿除けのゲートを開けて入ります。今年のニッコウキスゲは裏年でやや少なめでしたが、コオニユリ、オタカラコウ、ヤナギランなども咲いて眼を楽しませてくれます。更に花が多いので蝶もよく見られました。

大江湿原入口にある鹿柵の扉
大江湿原入口にある鹿柵の扉
ニッコウキスゲ群落と尾瀬沼及び三本唐松
ニッコウキスゲ群落と尾瀬沼及び三本唐松
ニッコウキスゲ 別名ゼンテイカ(禅庭花)と呼ばれ、朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう
ニッコウキスゲ 別名ゼンテイカ(禅庭花)と呼ばれ、朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう
コオニユリ 湿原で見られるユリの仲間
コオニユリ 湿原で見られるユリの仲間
ヤナギラン 日当たりのよい草原を好む大型の花
ヤナギラン 日当たりのよい草原を好む大型の花
ウラギンヒョウモン 山地性のヒョウモンチョウの仲間
ウラギンヒョウモン 山地性のヒョウモンチョウの仲間
アキアカネとニッコウキスゲ 実はこのトンボが一番多く見られた
アキアカネとニッコウキスゲ 実はこのトンボが一番多く見られた

その後、長蔵小屋のベンチで尾瀬沼を眺めながら昼ごはんを食べます。水辺にはアオサギやカワウが見られました。昼食後は沼沿いの道をしばらく歩いた後に三平下で尾瀬沼と別れて三平峠までの山道を登り、峠から一ノ瀬まで下ります。下りの道ではでは再びニホンジカに至近距離で遭いました。その後一ノ瀬からシャトルバスで大清水へ行き、路線バスに乗り換えて尾瀬戸倉に戻って温泉で汗を流してから上毛高原駅で解散しました。

尾瀬沼と燧ケ岳
尾瀬沼と燧ケ岳
ニホンジカ 見た目は可愛いが、植物への被害は深刻
ニホンジカ 見た目は可愛いが、植物への被害は深刻

今回は姿を見た鳥は少ないものの、声を含めると22種の観察となりました。しかし、尾瀬の魅力は湿原と山の風景とそこに咲く草花や動物全てであり、ベストシーズンの初夏に見られる動植物はほぼ網羅したと思います。自身で記録したリストでは、植物82種で、動物は鳥以外では哺乳類1種、両生類3種、魚類2種、昆虫18種でした。特にトンボは北方系や高山系の珍しい種類が見られて興味深かったです。今後も動植物層の豊かな地域へのツアーを企画して皆さんをご案内したいと思います。

◆道祖神的!?国内ツアー特集

2021.07.03発 林さんと行く国内日帰り探鳥会第2回 八王子城跡と高尾周辺(東京都)

7月3日(土)に東京都 八王子市高尾山周辺のバードウォッチングに同行させていただきました。梅雨の期間でしたが、さいわいにも雨には降られず、目的のアオバズクとサンコウチョウをじっくり見ることが出来ました。

サンコウチョウ
サンコウチョウ

今年の梅雨は中休みも無く雨が降り続いており、前日は激しい雨が降って南関東の一部には警報も出ている状態でした。しかし、天気予報では昼前には止む予報であり、延期をしたらサンコウチョウの繁殖が終わってしまい観察が困難になると予想されるので、集合時間を遅らせて実施しました。

10時30分に京王線狭間駅に集合した時には雨は予報通りに止んでおり、徒歩でアオバズクがすむ神社に向かいます。到着して早速探しますが、いつもとまっているカエデの木の横枝に姿が見えません。ちょっと焦って少し探しましたが、奥の杉の木にいました。おそらく激しい雨を避けて定位置から移動したのでしょう。

アオバズクは夏鳥で東南アジアから渡ってきて、東アジアで繁殖します。抱卵はメスのみが行い、オスが見張りと餌を運ぶ役目なので、撮影した個体は見張り中のオスだと思われます。平地から低山地にかけての森林に棲みますが、巣になる大きなうろがある木は少なくなってきているので、数が減ってきているそうです。

アオバズク
アオバズク

1時間程度、観察と撮影をした後に八王子城址公園に移動します。高尾駅からバスに乗り八王子城址公園に向かいます。バスから降りて歩く途中の八王子霊園ではキビタキのメスとメジロが見られました。八王子城址公園は戦国時代の小田原北条氏の城の一つの山城で公園として周辺環境も保全されています。公園の広場で昼食した際にはウグイスとガビチョウの声が聞こえました。

昼食後に薄暗い杉の木が茂る林道を歩きながら、サンコウチョウが出るポイントに向かいます。林道入口でよく見られたコサメビタキは巣立ちした模様で見られませんでした。

コサメビタキ
コサメビタキ

林道に入ったらすぐに「ホイホイ」とサンコウチョウの声が聞こえたので、声の方向を見るとオスが長い尾をひらひらさせながら杉の木立の間を飛んでいます。しばらく観察をしていたら、メスも現れてくれました。一緒にいる時もあるのでつがいの模様です。

サンコウチョウのつがい
サンコウチョウのつがい

杉木立の薄暗くて枝が沢山ある中を頻繁に飛び回るサンコウチョウは撮影がとても難しく、お客様も苦労されている様です。薄暗いため枝にとまっても、一旦眼を離してカメラや双眼鏡を覗くと場所が分からなくなる程でした。オスの方が羽毛は暗い色ですが、ブルーのアイリングやクチバシが鮮やかで、比較的見つけやすい感じです。

この日は近くを流れる小さな沢も大量の水が流れており、いつもは水飲みや水浴びにやってくるオオルリやキビタキは現れる気配は無い状態でしたが、河原の方から「シーシー」とヤブサメの声が聞こえてきました。しかし、暗い森の中でとても小さく保護色の鳥はついに見つける事は出来ませんでした。

皆さんが撮影に夢中になっている間に時間は過ぎて行き、3時半にはかなり暗くなってきたので、観察を切り上げて帰路につきました。今回は梅雨の合間をぬって目的にしていた簡単には見られない2種の鳥をしっかり観察出来たので良かったと思います。

サンコウチョウは日本へは夏鳥として渡来して、平地から低山にかけての暗い森にすみます。昆虫食で、木々の間を飛翔中の昆虫を捕食する姿をみられます。「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」月・日・星、と聞えることから、三光鳥と呼ばれていますが、「ツキヒーホシ」はよく聞き取れません。また、漢字記載では三光鳥ですが、その際はイカルも含まれます。私の個人的な感想ではイカルの方が「ツキヒーホシ」はよく聞き取れますが、「ホイホイホイ」はありません。

道祖神ツアーなので、参考にアフリカでみられるアフリカサンコウチョウの画像を掲載します。こちらはオスも鮮やかな赤褐色で、稀に白色と黒のみの個体も見る事があります。明るい疎林にすみ、ロッジの庭などでもよく見られます。

アフリカサンコウチョウ
アフリカサンコウチョウ
アフリカサンコウチョウ
アフリカサンコウチョウ

~添乗員より~

去る7月3日(土)に、弊社の動物チェックリストの著者でもある林さんがご案内する八王子城跡と高尾周辺でのバードウォッチングにお手伝いとして同行させていただきました。
前日、前々日と梅雨のさなかということを考えても、かなり激しい雨が降り続き、八王子には大雨警報も出ていたため、実施を危ぶみましたが、集合時間を1時間遅らせるという判断が功を奏したのか、集合いただいた時点ですでに雨は止んでおり、16時頃にバードウォッチングを終了するまで雨に降られることなく鳥たちの観察を楽しむことができました。

今後も8月の富士山奥庭での第3回以降、12回まで企画しておりますので、鳥がお好きな方、週末に自然の中を少し歩いてみたいという方、在宅期間中にバードウォッチングに目覚めたという方などなど、本格的な方もいらっしゃいますが、そうでない方も多くご参加いただいておりますので、気軽にご参加いただければと思います。

■道祖神的国内ツアー特集

羽鳥

2020.11.14発 林さんと行く国内日帰り探鳥会第2回 早戸川林道(神奈川)

11月14日(土)に神奈川県 宮ケ瀬湖の早戸川林道のバードウォッチングに同行させて頂きました。皆さんに一番の目標であったヤマセミをじっくり見ることが出来て、他ではオシドリの大きな群れやミサゴの捕食中の姿などが見られました。

 朝の8時20分に小田急線本厚木駅に集合して、バスで約50分かけて宮ケ瀬湖に向かいます。宮ケ瀬湖は丹沢山系の人造湖で、早戸川林道は宮ヶ瀬湖畔の小中沢駐車場の横から始まる林道で、早戸川橋までの約4.2kmまでは一般車両が通行禁止で、湖畔沿いの舗装道路にて車の通行を気にせずゆっくりと鳥を観察出来ます。

最初は園地と自然林の境を歩きますが、11月では冬の小鳥の入りは今ひとつで、ジョウビタキのメス1羽のみでした。やがて、湖が見えて来たので湖面の水鳥をチェックし始めたら、ミサゴが上空をいきなり通過しました。比較的ゆっくりでしたので、皆さんしっかりと見られたと思います。湖面ではオオバン、マガモ、カワウなどよく見られます。その中で、近づいて来たカヌーを嫌がって逃げる小型カモ類の群れを双眼鏡で観察したら、オシドリの群れでした。今回は目標の鳥はしっかりと見えているのですが、とても観察時間が短い感じです。

マガモ
マガモ
シジュウカラ
シジュウカラ
ヤマガラ
ヤマガラ
コゲラ
コゲラ

 山の鳥の方はカラスザンショウの実を目当てにシジュウカラやヤマガラの群れが何度か現れ、コゲラも出ました。また、山の稜線付近にはトビを何度か見ましたが、下見の時に出会えたクマタカ、ハイタカは出てくれませんでした。。。 残念!

クマタカ
クマタカ

やがてヤマセミのポイントが近づいてきました。人が集まってカメラを構えていますので、期待が持てそうです。分かり易い場所にいてくれて、全員の方がしっかり見る事が出来ました。更に場所も移動してくれたので、色々な写真が撮れたと思います。ここでランチを食べながら、他の鳥を待っていたらカワセミも登場してくれました。

ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミのテリトリー&狩り場
ヤマセミのテリトリー&狩り場

帰路は同じ道をゆっくりと鳥を探しながら戻ります。湖面に100羽位のカモの群れが着水するのが見えたので、双眼鏡で覗くとオシドリの大群でした。ちょっと遠かったですが、なかなかゴージャスな水鳥の群れでした。その後、湖の人工浮島にミサゴがとまっているのを見つけました。魚を捕食中で、カラスに見つかって邪魔されていましたが、無視して頑張って食べていました。その後、カヌー乗り場付近でセキレイや別個体のミサゴを観察して帰路につきました。

オシドリ
オシドリ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ

今回は一番の目標であるヤマセミがしっかりと観察出来たので本当に良かったと思います。次点は大群のオシドリと食事中のミサゴだと思います。簡単に出会える鳥では無い上に、興味深い姿を見せてくれました。逆に不作だったのは山の鳥で、まだ高山から移動してきていない感じでした。そのため、今回の観察種は20種に留まりました。

12月になれば、更に冷え込むので移動して来て、木々の葉も落ちて観察もし易くなると思います。山の鳥を安全な林道からゆっくりと観察できる、都内からも簡単に行けるエリアなので、是非訪れてみて下さい。

※現在、林さんと行く探鳥会は中止となっております。

2020.11.01発 林さんと行く国内日帰り探鳥会第1回 ふなばし三番瀬&葛西臨海公園(千葉)

11月1日(日)に三番瀬と葛西臨海公園のバードウォッチングに同行させて頂きました。実は10月10日の予定でしたが、悪天で延期となりました。三番瀬でのシギ・チドリの渡りのピークは過ぎてしまいましたが、数は多く身近で見られるとともに、葛西臨海公園と組み合わせたので、40種類程度の野鳥を観察することが出来ました。

朝の9時に京葉線二俣新町の駅に集合して、バスで三番瀬に向かいます。干潮のピークより約2時間前に現地に到着して長靴に履き替えて渚へと向かいます。

渚のシギやカモメを観察し始めたら、カモメの群れが大騒ぎを始めたので上空を見たらミサゴ2羽が旋回をしながらこちらへ向かって来ました。近くを旋回してくれたので、皆さんしっかりと見られたと思います。その後ハマシギやミユビシギ、シロチドリなどを観察しました。渚で餌を求めてちょこまかと走り回る姿はいつ見ても愛らしいもので、こちらが動かないと近くにも寄ってくる時もあります。

その後、ミヤコドリの大きな群れがいるポイントに移動して観察しました。この時期のシギ・チドリは冬羽の灰褐色で地味なのですが、ミヤコドリだけは大型で黒と白のツートーンでクチバシは朱色がかった赤なので、よく目立ちます。元来は旅鳥でしたが、近年東京湾ではほぼ通年で見られ、三番瀬は見易いポイントとなっています。他に大型のチドリのダイゼンも一緒にいました。

ハマシギ
ハマシギ
ミヤコドリ
ミヤコドリ
ミユビシギ
ミユビシギ
シロチドリ
シロチドリ
ミサゴ
ミサゴ

昼頃にバスと京葉線で葛西臨海公園に移動します。鳥類園のウォッチングセンターに向かう途中の上空にチュウヒと思われる猛禽が現れました。

昼食後には鳥類園を一周しながら鳥を探します。上の池と呼ばれる淡水池にはカモ類はまだ少ない状況でしたが、オオバンは沢山いました。また、カワセミが近くに現れて、楽しませてくれました。森の歩道を歩きながら小鳥を探し、何ヶ所かある下の池と呼ばれる汽水池が見られる観察窓から水鳥を探します。森の中ではシジュウカラやメジロという常連の他にカケスが見られました。カケスは山の鳥なので、おそらく冬になる前に移動中の個体だと思います。ウォッチングセンターの観察リストにはキビタキなど移動中の鳥がいくつか掲載されていました。池が見られる観察窓からは、カワセミが大サービスで、木の杭から何度も餌を探して行ったり来たり姿が間近に見られました。最後に東なぎさとの水路を歩いて、カモメやカワウなどの水鳥を観察していたら、近くの護岸にイソヒヨドリが出てくれました。

今回は水鳥以外に陸の鳥も探したので、約40種類の鳥を観察することが出来ました。これからは木々の葉も落ちるし、冬鳥も渡って来るので賑やかになって来ると思います。

また、春と秋の渡りの季節も様々な鳥が見れますし、珍しい鳥も現れる可能性があります。都内から簡単に行けるエリアなので、是非訪れてみて下さい。

※現在、林さんと行く探鳥会は中止となっております。

カワセミ
カワセミ
カワセミの飛翔
カワセミの飛翔
ゴイサギの幼鳥
ゴイサギの幼鳥
ハクセキレイ
ハクセキレイ
イソシギ
イソシギ
モズ
モズ
オナガ
オナガ
ヒヨドリ
ヒヨドリ
アオサギ
アオサギ
ヒメアマツバメ
ヒメアマツバメ
イソヒヨドリのメス
イソヒヨドリのメス

2020.10.20発 マタギの文化とブナ林の自然に触れる、白神山地の森歩き2泊3日~秋~

新型コロナウイルスの流行により海外旅行ができなくなっている状況を踏まえて、弊社スタッフそれぞれが、それぞれの個性を前面に出す形で考案・企画した「道祖神的日本国内の旅」シリーズ。

そのうち秋田と青森にまたがり、ユネスコ世界自然遺産でもある“白神山地”を、古くからこの山々を生活の場としてきた青森県西目屋のマタギの方々に案内していただく森歩きツアーに、企画者自ら添乗員として同行させていただきました。

 

森歩きのベースとなった、伝統的なマタギ小屋
森歩きのベースとなった、伝統的なマタギ小屋
マタギ小屋の外には炊事場とダイニング
マタギ小屋の外には炊事場とダイニング
小屋は小さいので、ご参加の皆さんはテントに宿泊
小屋は小さいので、ご参加の皆さんはテントに宿泊
様々な説明を聞きながらマタギ道を歩く
様々な説明を聞きながらマタギ道を歩く

ご参加4名様と添乗員という少人数で密を避けつつ、体調管理にも気を付けて催行させていただきましたが、国内とはいえ私自身久々に遠くまで旅し、森を歩くことができるということの爽快感と楽しさを心から味わうことができ、ご参加者の皆様も同じような感想を持たれたことと思います。一般的に白神山地観光と言うと、青森側の十二湖や白神岳登山、あるいは青森側の暗門の滝や通称マザー・ツリーと呼ばれるブナの大木を訪問するものが一般的ですが、私自身白神山地を何度か歩いた経験から、山地に詳しいマタギの方に案内いただいて、何の変哲もない森を歩く方がより深く森を知ることができ、内容的にも面白いものになると考えており、今回はマタギの狩猟キャンプであるマタギ小屋をベースキャンプに、彼らの猟場でもある森を歩く内容で企画しました。10月下旬からが紅葉の最盛期ということもあり、赤~オレンジ~黄色に色づく木々を愛でつつ、キノコや木の実などの森の恵みも味わうこともできました。

白神の森の代名詞であるブナの他、ミズナラ、カツラ、トチ、アカマツなど、植生も豊か
白神の森の代名詞であるブナの他、ミズナラ、カツラ、トチ、アカマツなど、植生も豊か
山の斜面を彩る見事な紅葉
山の斜面を彩る見事な紅葉
紅葉も、視点によって様々な見る楽しみがあります
紅葉も、視点によって様々な見る楽しみがあります
豊かに育ったキノコ、食用に適さないものももちろんあります
豊かに育ったキノコ、食用に適さないものももちろんあります
カラフルな森の果実たち
カラフルな森の果実たち
山でとれたものがそのまま並ぶことも多い食卓
山でとれたものがそのまま並ぶことも多い食卓

野生動物や鳥は、やはり見るのはなかなか難しかったですが、それでもニホンザルの群れや小型のキツツキであるコゲラなどは見ることができましたし、クマの痕跡を見ながらマタギのクマ猟の臨場感あふれる話を聞くことができ、またシベリアから秋田や新潟に渡っていく途上の白鳥の鳴き声を聞くなど、自然の営みの一端にリアルに触れることができたのではないかと思います。

紅葉が美しい津軽湯ノ沢を歩く
紅葉が美しい津軽湯ノ沢を歩く
蕗の葉で拵えた柄杓
蕗の葉で拵えた柄杓
固いブナの樹皮につけられたクマの爪痕
固いブナの樹皮につけられたクマの爪痕
ニホンザルの群れに遭遇しました
ニホンザルの群れに遭遇しました

このツアーはもう一本、時期を冬にかえ、風景もガラッと異なる雪の中を歩くものを2月に企画していますが、そちらもありがたいことに満員御礼となっています。

海外旅行解禁となれば、専門であるアフリカの旅に集中することになるとは思いますが、こういった足元の自然と古来受け継がれてきた文化を知る旅の企画も続けていけたらと考えています。

道祖神 羽鳥