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ボツワナ・キャンプ 塩湖と砂漠

「ボツワナ・キャンプ 塩湖と砂漠」にご参加された日比野 倉氏 様から頂いたレポートです。
目を開けると星空というのもなかなか経験できないものだ。今回はレアな小物が見られたのが収穫だ。ラーテルにヘビ。私にとって出会えそうで出会うことがなかったヘビ。。。
現地到着からナイ・パン
南アフリカのヨハネスブルグに到着したのは、午前7時頃。マウンまでの便が午後1時なので道祖神ヨハネスブルグ駐在事務所兼駐在員自宅で休憩することになった。駐在員高達氏の運転で事務所兼自宅に向かう。高圧電流の流れる鉄線に囲まれた一戸建(離れもある。)で、子供の声がするアットホームな事務所。お茶とお菓子で休憩し、再び空港へ向かう。空港で軽食を摂りボツワナのマウンへの便に乗った。マウン到着は、午後3時頃。現地旅行会社のドライバーガイドが待っていた。話によるとテントの設営はしてあるとのことで設営の手伝いはしなくても済みそうだった。車でナイ・パンへ向かう途中、検問所のような場所で、履物の消毒を行った。舗装された幹線道路から埃の舞う道へと入った。日が沈む頃には到着するだろうと思っていたが、車のライトが点灯されひたすら走っていた。予定していたキャンプ・サイトより公園の奥になったということで時間を要した。闇の中に焚き火とカンテラの灯りが見えた。テントは張られていて、食事の準備もできていた。満天の星空の下、キャンプ初日の夕食は焚き火を囲んで始まった。ビール、ワインも用意されていた。暗いので周囲の状況は分らず明朝を楽しみに寝袋に入った。

ナイ・パン 2日目
まだ、薄暗い朝5時半頃、スタッフが布製洗面器にお湯を入れにきた。テントを出ると焚き火だけが目に入ってきた。お茶と軽いスナックを摂り、日の出前にサファリに出発。吐く息が白く寒いが、意識は明るくなって見えてくる周囲の景観に向いていた。サバンナに陽が昇ってきた。辺りがオレンジ色に輝いている時1頭のセグロジャッカルに出会う。陽が昇ってからは、キリンの群れに出会うが、1頭だけ尾の短いキリンが気になっていた。肉食獣に噛み切られたのか。11時頃、キャンプ・サイトに戻りランチを摂り休憩。その時木の枝を伝っていくマンバと呼ばれる綺麗なグリーンの蛇が現れた。ガイドの持っていた図鑑には、VERY DENGEROUS と表示されている毒蛇と知ると、それからやけに頭の上が気になりだした。午後のサファリは3時頃に出かけた。かなり陽が傾きかけた頃、スプリングボックの群れに出会うが、みんな同じ方向を向いている。これは、肉食系動物を警戒しているのではと感じた。遠くにセグロジャッカルが2頭いるが、ジャッカルを警戒しているようではなかった。ガイドが、「チーター」と一声。示す方向をカメラの望遠レンズで覗くとブッシュの前に座り込んでいるチーターが見え、そばに捕らえたばかりの獲物が横たわっている。しばらくすると立って辺りの様子を窺い出した。また座り込むと獲物を食べ始めた。もっと、近かったらチーターの表情を観察できたのだが。陽が沈みキャンプ・サイトへ急ぐ途中に2頭のセグロジャッカルが、ねぐらへ帰るのかオレンジ色に染まったサバンナを走っていった。

ナイ・パンからクブ・アイランドへ
今日も日の出前に起きて朝食を摂ると、スタッフがテントの撤収作業を始めた。最初は、慣れない者が手伝っても邪魔になるかもと思い静観していたが、軽い物から運ぶのを手伝いだすと全員が手伝い出した。今後のためにテントのたたみ方を教えてもらう。荷物を積み終わり8時頃、キャンプ・サイトを出発し、マガディカディ・パン(塩湖)に向かう。途中、1回目のパンク。スタッフが手際よくタイヤ交換し砂地を走り出した。パンク・ストップで時間を取ったため、ベインズ・バオバブに少し立ち寄り先を急いだ。この日は、ひたすら走っていたような気がした。陽が沈んでもまだ走っていた。夕焼けをバックにバオバブのシルエットが綺麗だ。車のライトが点灯されてドライバーも焦ってきているように感じたが、午後7時過ぎてもまだキャンプ予定地に到着しなかった。暗闇の中、ブュシュの陰もない広い場所に車が止まった。暗いから周囲の状況が分らない。遠くにクブ・アイランドの陰が薄く判断できるぐらいだ。すぐに荷物を降ろし、まず寝るためのマットを引きずって寝場所を決めた。今夜はテントを張らずに塩湖の上にマットを敷き星空を仰ぎ見ながら寝袋で寝るのだ。夜の食事は、ミートソース・パスタだったが、麺がうれしい。おいしく感じた。その日のドライバーは、かなり疲れていたようで先に眠るといって休んでしまった。

クブ・アイランドからセントラル・カラハリへ
朝方3時過ぎに目が覚めてしまった。目を開けると星空というのもなかなか経験できないものだ。焚き火が、炭火になって赤く残っていた。何も音がしない。起きることにした。 5時頃、スタッフが起きて薄暗い中お湯を沸かし出したので、傍に行ってライトで照らして手元を明るくした。鍋でお湯を沸かし、沸騰すると塩を入れ、乾燥させた麦のような籾殻のついた米のようなものを入れかき混ぜ出した。何ができるのだろうと見ていると白くなってきて、なんとなくお粥に似ているようなものに見えてきた。スタッフは、これにミルクと砂糖を入れて食べるとおいしいと説明してくれた。食べてみると、確かにお粥に近いものだった。辺りが明るくなって周囲の景観が見えてくると、広い場所で寝ていたことが分かった。クブ・アイランドに数本のバオバブが見える。地平線から陽が昇り始めると遠くの様子もはっきりしてきた。クブ・アイランドを人が歩いている。どうやら、他にも野営しているようだ。朝食を済ましマットを片付けていると、同行の1人が小さいサソリを発見。みんな、興味深げにカメラを向け出した。どうやら、サソリのいる塩湖の上で寝ていたようだ。夜中に寝袋に侵入されなくてよかった。荷物をまとめて車に積み、クブ・アイランドの方に行くとキャンプ・サイトがあることに気がつく。幾つかのグループが野営していて、塩湖で寝ていたのは我々グループのみだったことを改めて知った。今日も、セントラル・カラハリへと長いドライブだ。舗装された幹線道路をスムーズに走っていた時、 2回目のパンクでストップした。日没までにキャンプ・サイトに着けるだろうか。午後4時過ぎにやっとセントラル・カラハリのゲートに到着した。ここからは予定のキャンプ・サイトまで40km~50kmという話だ。ポリタンクに水を補給して走り出した。太陽が、かなり傾きかけた頃、3回目のパンク・ストップで日没までに到着が難しくなってきた。デセプション・バレー地区に入った時は薄暗く、スプリングボックやゲムズボックがシルエットで沢山見える。キャンプ・サイトに到着した時は暗くなっていたが、急いでテントの設営をした。慣れればテントを張るのは早いものだ。

セントラル・カラハリ滞在1
今日も朝は、日の出前にサファリに出発する。朝の気温は、ナイ・パンより寒く感じなかった。陽が昇り始めた時、セントラル・カラハリのシンボルマークに使われているオオミミギツネ2頭、数分後、1頭のセグロジャッカルに出会った。ゲムズボックやスプリングボックにはよく出会うが、肉食系動物には、なかなか出会わなかった。しかし、レアものに出会った。遠くに黒っぽい動くものを発見。初めて見るラーテルだった。獲物を探しているのか砂埃を上げて地面を掘り返している。しばらくして地面の巣穴から出てきた地リスを発見。よく観察しているとおもしろい動作をする。後ろの二本足で立って様子を窺ったり、長いシッポで日陰を作ってみたり。お昼前に、レッド・ハーティービーストに出会ってキャンプ・サイトに戻った。ランチを摂った後、キャンプ・サイトの周辺を歩いて少し焚き火用の薪を集めた。落ちている枯れ枝を集めていると、以前に来たキャンパーたちが残していった燃え残りの薪もあった。日本ではセントラル。カラハリの情報が少ないためワイルドな印象を持っていたが、ヨーロッパや南アフリカから来ている人は多いようだ。車の屋根に薪を積んだ4WDと数回すれ違った。午後のサファリは、3時過ぎに出発。気持ちは、大型猫科動物を期待していた。午後は、午前とは違う小高い丘へ向かっていた。夕方5時頃、ブュシュの中からガサッと音がした。ドライバーが車を止めて後方を見ると、ヘビが現れた。しばらく車を走らせるとドライバーは、車を止めて地面を見つめた。そこには、新しいヒョウの足跡がくっきりと残っている。ふと、後ろを振り返るとブュシュの方へ歩いていく1頭のヒョウかいた。急いでカメラを構えた。ヒョウは、ブッシュの陰に入ると座ってこちらを観察していて捉えずらい。後方から、1台の車がやってきたが、ヒョウは逃げる気配はなかった。でも、ドライバーは、ヒョウの見える位置をかなり譲ってしまったので益々見えずらい状態になり、その場を離れた。30分ほど道を先に進んで戻ってみると、まだ同じ場所にいたが、ブュシュから少し前へ出てきた。何度もシャッターを切る。若いメスのような気がした。この日もキャンプサイトに戻ったのは薄暗くなってからだった。この日は、気温が少し上がっていたのが原因なのか、夕食時、やたらと小さい黒い虫が出没し、スープの中で具のようになって泳いでいた。食事が終わって焚き火を囲んでいると、ゲートのレインジャー2人が車でやってきた。一人の女性は、知っている片言の日本語を話しコミュニュケーションしてきた。

セントラル・カラハリ滞在2
夜中から明け方にかけて、ジャッカルの鳴き声とライオンの鳴き声に起こされた。昼間、姿を見せないがキャンプ・サイトの近くで声がする。寝袋の中で今日は、ライオンに出会えるかもと期待が膨らんだ。薄暗い中、朝食を摂り、サファリに出発した。ライオンの声がしたなら近くにいるのではと期待が大きい。道には、新しい大きなライオンの足跡が残っている。その跡を追って車を走らせたが、結局出会うことはなかった。その後、ヘビクイワシ、スプリングボックの群れ、巣穴から出てきた地リス、ブュシュの陰でお休みしているイボイノシシを見て、キャンプ・サイトに戻った。午後のサファリは、ドライバーが水の調達とタイヤの修理に出かけて3時半頃に出発。声は聞こえるが姿が見えないライオンに出会える最後のチャンスと期待しつつ出かけたが、2羽のキバシコサイチョウを観察して、さらに車を走らせた。すると、ブュシュの奥に長い首が見えた。セントラル・カラハリにはいないと思っていたキリンが群れでいたのだ。数頭がこっちを覗いている。図鑑に書かれている情報を信じ過ぎてはいけないと思った。現地に来て自分の目で見た現実が真実なのだ。遠くから移動してきたのか、人間が連れてきたのかわからないが、とにかくセントラル・カラハリにキリンがいたのだった。日が沈む頃、ゲムズボックを見てキャンプ・サイトに戻った。途中ですれ違った車の人たちからは、若いチーターを見たと聞かされた。ライオンには出会うことはなかった。その夜もジャッカルの鳴き声は聴こえた。夕食を食べ終わった頃、またゲートのレインジャーがやってきた。ここへ来る日本人は珍しいようだ。

セントラル・カラハリからマウンへ
今日は、マウン経由してヨハネスブルグへ戻る日。早朝から1時間半程、サファリに出かけたが、スプリングボックとゲムズボックにしか出会うことはなかった。車に荷物を積んでエアーストリップに向かった。予定していた場所が閉鎖されたとのことで、少し時間がかかったが、 11時過ぎに着き、余裕をもってランチを摂り、帰りの飛行機を待った。予定の午後1時に帰りの飛行機が来てマウンに戻り、ヨハネスブルグへの便に乗り換えた。今回キャンプ・ツアーは、レアな小物が見れたのが収獲だ。ラーテルにヘビ。私にとって出会いそうで出会うことがなかったのがヘビ。東アフリカでは、まだ一度も見たことがないヘビだが、南部アフリカのボツワナでグリーンのヘビが見れたのは貴重だ。

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道祖神