「アフリカでの食事ってどんなものが
ありますか?」アフリカ旅行をされる方から
最も多く聞く質問の1つです。ひと言で片づけるのは難しく、
54の国々ではそれぞれの土地に異なった食文化を持っている。
反面、旅行者の食事は洗練された洋食ばかりのことも多く、
実は、いわゆる「アフリカ料理」に触れる機会はそんなに多くない。
では、例えばナイロビではどんな食生活を送っているのか…。
ある日本人の食生活
ある日本人(私)の3食。毎朝起きると30分くらい歩いて、散歩がてらに近所の果物屋兼カフェに朝食を食べに行く。温かなチャイ(ミルクティー)と、大盛りフルーツサラダで約80円。このフルーツサラダの大盛り具合がなかなかのもので、季節によって中身は多少変わるが、マンゴー、アボカド、パイナップル、バナナ、パパイヤ、スイカの盛り合わせが山盛りになって出てくる。この国のフルーツの美味しさは格別!ぜひ、ホテルに宿泊される方も、朝食のビュッフェではフルーツを味わってみてほしい。
昼食は、オフィス近くの定食屋で済ませることが多い。ケニアのローカルフードは、基本的に定食スタイルで、主食+おかず+野菜+スープの4品がセットになっている。そのうちの主食とおかずの2品をお客さんが選ぶのだ。まず主食は、白ご飯、ウガリ、ピラウ(炊き込みご飯)、マトケ(野菜バナナ)チャパティ等の中から選ぶ。次におかずは、ビーフ、チキン、フィッシュ、ムトゥンボ(腸)等の中から選ぶ。おかずは、フライにして揚げたものや、シチューにしたもの、いくつかバリエーションがある。これらを好きに組み合わせて定食にするのだが、半年ぐらい色々な組み合わせを試した結果、「チキンフライ+ピラウ」私の場合はこの組み合わせに落ち着いた。これが特別に美味しいわけでもないのだが、ほぼ毎日、昼食はこれを食べている。
夕食は家で食べることが多い。ナイロビは大型スーパーも多く、野菜、肉、魚介類と食材には困らないので、調味料さえ揃っていれば、和食でも何でも作ろうと思えば出来ないことはない。また、ナイロビ市内には実に多くのレストランがある。日本食、中華、韓国焼肉、イタリアン、フランス、メキシコ、タイ料理、インドカレー屋、中近東料理にエチオピア料理、ファーストフードやカフェ、ピザ屋なども夜遅くまでやっている。つまりまあ、外食すれば何料理だろうと選択肢はあるので、実はそんなに食事に困ることはない。
だが、時おり無性に食べたくて我慢できなくなる料理がある。ケニアの郷土料理(?)「ニャマチョマ」だ。
「ニャマチョマ」
「ニャマチョマ」は至極シンプルな料理。ヤギの肉を炭火で焼いて塩をかけて食べるだけ。ニャマチョマを出すところは入口が肉屋、奥が酒場になっていることが多い。まずは、天井からぶら下がっている肉の部位を選んで注文。炭火でじっくり焼くため、注文してからは小一時間ほどかかる。奥の酒場でビールをチビチビ飲みながら気長に待つ。待ち過ぎて退屈になってきた頃に、店のおじさんが焼き上がった肉の塊を席まで持ってきてくれる。慣れた手つきで肉を細かく刻んでくれて、皿に盛ってくれて完了。後は塩をかけて食べるだけだ。マスタードをつけても美味しいが、店には置いていないので持参するのが◎。
ニャマチョマの主食には、何よりも「ウガリ」が合う。この「ウガリ」はケニア人にとっての白ご飯。トウモロコシやキャッサバの粉を練って作る、味の無いおからのような食べ物だ。ケニア、タンザニアをはじめ東、中央アフリカでは、ほとんどの国で一番の主食となっている。西アフリカ諸国でも、違った名前で食されている。あんまり味も無く、個人的にはあまり美味しいとも思えないのだが、不思議とこのニャマチョマにはウガリが良く合う。油のしたたり落ちるヤギ肉とウガリを口いっぱいにほおばり、ビールで一気に流し込む。胃袋も刺激されたところでもう1発、もう止まらない。肉とウガリとビールが、どんどん進んで仕方ない。こんな食生活だと、若くして痛風になりそうで怖いが、今夜もやめられない。
生野