2018.8.13発 ナイジェリア オショボの祭りとヨルバランド訪問 8日間

4年ぶりにナイジェリアの添乗に行かせて頂きました。4年前は、陸路で隣国のベナンから入国し、ナイジェリアのラゴスで半日観光して、翌日にはラゴスから帰国の途につくだけでした。しかしそれでも入国時、道中、そして出国時の空港の至る所で、賄賂を要求する役人たちと交渉することに疲れ果てた記憶があり、今回も相当の覚悟をしてナイジェリアに行きました。
ところが、4年前とは雲泥の差。車での移動途中一度も警官に止められることなく、空港も2年前に改修されてチェックイン、出国審査、セキュリティチェックも整然とスムーズに進み、賄賂を要求されることもなく終えることができました。また、ナイジェリアの地元の方々も、車窓から目が合うと笑顔で手を振ってくれ、フェスティバルやマーケットでも「写真を一緒に撮ろう!」「これ食べませんか?」と超フレンドリーで、更に他アフリカ諸国と比べて、「物をくれ」とか「中国人」とか言われることも少なく、ナイジェリアに対しての私の評価は大きく変わりました。役人、地元の人々を見ていると、ナイジェリアも良き方向に動いているのだと実感しました。

アフリカ最大の人口を誇る超多民族国家ナイジェリア・・・そして3大民族の一つであるヨルバの人々が聖なる森として崇めユネスコ世界遺産にも登録されている「オショボの森」で、世界中からヨルバの神々を信仰する人々が集まる年に一度8月に行われる一大フェスティバルに是非お越し下さい。

ラゴスも移動途中も、街を通る度に交通渋滞
ラゴスも移動途中も、街を通る度に交通渋滞

ラゴスで1泊した翌日は、ヨルバ語で「岩の下」を意味するアベオクタの街へ。まずは巨大な岩「オルモ岩」に登り、アベオクタの町並みを見ます。巨岩の周囲には3つの神殿があり、ブードゥ教のオリシャ神の像が祀られており、国内他地域に暮らすヨルバの人々も多く訪れる観光地です。

下から見たオルモ岩の全景。エレベーターもありますが歩いても約15分。途中に神社もあります。
下から見たオルモ岩の全景。エレベーターもありますが歩いても約15分。途中に神社もあります。
オルモ岩からのアベオクタの町並み
オルモ岩からのアベオクタの町並み

アベオクタは、伝統的藍染(アディレ)が有名な街です。地元庶民向けのイトク・マーケットで、藍染の布を購入し、続いて呪術のコーナへ。

カメレオンや各種動物の頭や全身を燻製にしたもの、草木を販売するお店が立ち並びます。
カメレオンや各種動物の頭や全身を燻製にしたもの、草木を販売するお店が立ち並びます。

アベオクタの街で1泊した翌日は、旅のハイライト、オショボに移動します。移動途中の風景も楽しみの一つです。

ヤム芋
ヤム芋
洋服屋
洋服屋


ツアー5日目は、終日「オショボの森」で開催されるオシュン・フェスティバルに参加します。「オショボの森」は、2005年に文化遺産としてユネスコの世界遺産にも登録されています。森の奥には社があり、最奥部には聖なる河が流れ、その河辺には豊穣の女神「オシュン」の石像が両手を広げて佇んでいます。毎年8月には、この聖なる河の水を汲みに世界中からヨルバの神々を信仰する大勢の人たちが集まります。

オショボ祭りの会場の様子
オショボ祭りの会場の様子



王族や神官達の前で踊りを披露する人たち
王族や神官達の前で踊りを披露する人たち


各地から集まる王族や神官たち、そして訪れたヨルバの人たちの出で立ちも興味深々です。


警察官、セキュリティの人たちも仕事しながらも楽しそうですね。

すごい防備服と装具ですね。
すごい防備服と装具ですね。

そして王様の入退場は会場が緊張と歓迎に包まれます。

王様登場
王様登場


会場の隣を流れる聖なる河の河辺には豊穣の女神「オシュン」の石像が両手を広げて佇んでいます。そして白装束の巫女たちが奉納しています。

巫女に聖なる河の水をかけてもらう人
巫女に聖なる河の水をかけてもらう人


森の奥にある社
森の奥にある社

また「オショボの森」には、2009年に93歳で亡くなったオーストリー人の女性彫刻家スーザンさんの作品がいくつも置かれています。ヨルバの文化に心を奪われ、やがて巫女として儀式にも参加し、ヨルバ人の芸術家と一緒にヨルバの信仰・儀式などを再活性化し、たくさんの神々を象徴する彫刻や社を創り出した女性です。



最後に今回食べました地元料理の一部紹介です。

チキン入りオクラソース
チキン入りオクラソース
ジョロフ・ライスとチキントマトソース

今年も8月に同ツアーが予定されています。地元の方々、そして日本とは全く違った文化との触れ合いを体験されたい方には、是非お勧めします。またナイジェリアというと赤道直下で暑いというイメージだと思いますが、8月は平均気温が最高28度位と日本の8月と比較するとずっと過ごしやすい気候です。是非、お越し下さい!お待ちしています。
◆ナイジェリア オショボの祭りとヨルバランド訪問 8日間
写真提供:山内 理香子 様
藤井 千江美

2014.03.07発 シアバター&モリンガの郷 ニャガドゥ村に滞在 ブルキナファソ 10日間

ブルキナファソには、ドバイ・カサブランカ経由で行きます。往復ともにカサブランカでは約8時間の待ち時間があります。行きは、希望者の方々と、空港駅から電車に乗って市内観光へ。メディナやハッサン2世モスクを見学します。帰りは、空港近くのホテルで休息です。

モロッコ最大、世界で5番目に大きいハッサン2世モスク
モロッコ最大、世界で5番目に大きいハッサン2世モスク

このツアーの特徴は、アフリカでも最近は少なくなってきています人々の素朴さと伝統的な習慣が残る村に滞在し、地元の人々や生活、文化・習慣に触れてもらうことです。朝はニワトリの声と共に目覚め(早起きし過ぎるのが問題ですが…)、夜は満点の星と共に眠ります。
滞在中の主な内容をご紹介しますね。ゆっくりされたい方は、自由参加をご希望して頂くことも可能です。
伝統的なシアバターの製造見学とシアバター&豆ご飯の昼食

シアバターの実
シアバターの実

種子の中の胚
種子の中の胚

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胚を細かく砕き、殻をふるい分ける
胚を細かく砕き、殻をふるい分ける

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砕いた胚を更に細かく砕く
砕いた胚を更に細かく砕く

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練り状になるまで木臼で砕く
練り状になるまで木臼で砕く

更に石の上で練る
更に石の上で練る

鍋の中でこね回し、熱を加えることで油分との分離をしやすくする
鍋の中でこね回し、熱を加えることで油分との分離をしやすくする

ココア色のペースト状になったところで、40度から45度の温度を保つように水を加えながら強く練っていく。練り続けると、少しずつ油分が浮いてくる。
ココア色のペースト状になったところで、40度から45度の温度を保つように水を加えながら強く練っていく。練り続けると、少しずつ油分が浮いてくる。

浮いた油をカラバシの容器へ
浮いた油をカラバシの容器へ

出来上がったシアバターと、悪人などが触れないようにするおまじない
出来上がったシアバターと、悪人などが触れないようにするおまじない

作りたてのシアバター&豆ご飯の昼食
作りたてのシアバター&豆ご飯の昼食

デム湖畔でモリンガ茶製造体験とバーベキューの昼食

モリンガ葉の採取
モリンガ葉の採取

採取した葉
採取した葉

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お土産にマイ・モリンガ茶の完成
お土産にマイ・モリンガ茶の完成

デム湖で手作りボート乗り
デム湖で手作りボート乗り

私たちを乗せた後、自宅へ自転車を乗せて帰る船頭さん
私たちを乗せた後、自宅へ自転車を乗せて帰る船頭さん

湖畔でバーベキューの昼食
湖畔でバーベキューの昼食

酋長の住むデルガ村のパレス見学とタムタムによる語りと演奏

パレスとデルガ村の全景
パレスとデルガ村の全景

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酋長
酋長

酋長お抱えのタムタム楽団で世襲制。タムタムの音は、言葉の意味を持つ。
酋長お抱えのタムタム楽団で世襲制。タムタムの音は、言葉の意味を持つ。

パレスで酋長と昼食
パレスで酋長と昼食

自転車でデルガ村の散策
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デルガ村内
デルガ村内

村の小学校
村の小学校

3日に一度開かれる青空市場
3日に一度開かれる青空市場

金の伝統的採掘現場見学
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深さは約30メートルで全て手掘り
深さは約30メートルで全て手掘り

地下で働く人に手動で空気送り
地下で働く人に手動で空気送り

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ロバ(希望者)に乗ってロック山へ
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ロック山の頂上
ロック山の頂上

地元のパン作り体験

細長いパンの形作りが難しいです。トタン屋根の一部にパンを並べる素晴らしいアイディアです。
細長いパンの形作りが難しいです。トタン屋根の一部にパンを並べる素晴らしいアイディアです。

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朝食のパンの出来上がり。特に焼きたては、本当においしいです。
朝食のパンの出来上がり。特に焼きたては、本当においしいです。

最後の夜は、ニャガドゥ村の女性たちとダンスです。女性だけが輪になり手拍子、そして2人ずつ輪の中に入り、お尻どうしをぶつけ合います。私も入りましたが、アフリカの女性の立派なお尻に飛ばされました(苦笑)
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続いて、食事です。村滞在中は、地元の料理を堪能して頂きます。もちろん、モリンガ葉を使った伝統的な料理も出ます。
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首都のワガドゥグで、地元の大衆レストランでの食事
首都のワガドゥグで、地元の大衆レストランでの食事

次からは、村滞在中の食事の一例です。

スンバラ(豆)ご飯
スンバラ(豆)ご飯

酋長の息子手作りも野菜たっぷりシチュー(モリンガの鞘入り)
酋長の息子手作りも野菜たっぷりシチュー(モリンガの鞘入り)

卵と魚入りシチュー
卵と魚入りシチュー

玉ねぎと魚入りモリンガ葉ボール
玉ねぎと魚入りモリンガ葉ボール

魚とチキン入りモリンガ葉の伝統的シチュー
魚とチキン入りモリンガ葉の伝統的シチュー

赤飯と似ている豆ご飯とマカロニ
赤飯と似ている豆ご飯とマカロニ

デム湖畔の農園でとれた新鮮な野菜サラダと肉入りマカロニ
デム湖畔の農園でとれた新鮮な野菜サラダと肉入りマカロニ

最後に宿泊する場所のご紹介です。首都のワガドゥグとカヤ市は、電気も水もエアコンもあるホテルに滞在します。

首都のワガドゥグのホテル
首都のワガドゥグのホテル

カヤ市で宿泊するホテル
カヤ市で宿泊するホテル

村での宿泊場所には、電気はありません。電気は懐中電灯やランプ、水は大きな容器に入れて準備しています。お客様が持参されたロウソクの灯りで食べた夕食も、素敵な雰囲気で良かったです。
次回のツアーは、2014年10月の予定です。

ニャガドゥ村の宿泊所
ニャガドゥ村の宿泊所

部屋の様子
部屋の様子

トイレとシャワー室(ただし水は手動で!)
トイレとシャワー室(ただし水は手動で!)

藤井千恵美

2012.04.27発 藤井千江美さんと行くシエラレオネを識る旅 11日間

2012年のゴールデンウィークに、道祖神初の西アフリカにあるシエラレオネへのツアーに、ガイド兼添乗員として同行させて頂きました。
シエラレオネというと、最近まで、「世界で一番寿命が短い国」として知られ、また世界の国々の中でも最貧国でした。その背景には、映画「ブラッド・ダイヤモンド」にも描かれています、1991年から約10年間続きましたダイヤモンドをめぐる内戦が大きく影響をしています。
私は、2008年から2011年の3年間、シエラレオネのカンビア県に滞在していましたが、シエラレオネも近年急速に開発が進められ、大きく変わりつつあることを、今回の1年ぶりの訪問で感じました。
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しかし、地方や田舎に行くと、人々の暮らしは変わっていませんでした。内戦が終わって約10年、シエラレオネにはようやく各国から旅行者が訪れ始めました。ですので、まだまだ整備された観光地はなく、サービスや宿泊設備なども整っていません。首都のフリータウン以外には、今も電気や水の供給設備がないのですから仕方がありませんね。そして、首都を離れると、食べる場所も、地元料理を出す大衆食堂的な雰囲気のレストランしかありません。
そのような状況だからこそ、シエラレオネでは、観光地化されていない地元の人々の暮らしに触れ、そして開発が進む前のアフリカの国の現状を少しでも知って頂けるのではないかなと思います。それでは、今回の旅行のハイライトをいくつかご紹介しますね。
まずは、空港から首都のフリータウンへの移動が大変です。というのは、空港とフリータウンの間には大西洋が横たわっており、橋もありませんので、ヘリコプターか高速船を利用するしか方法がありません。しかし、唯一の乗り物も、時々故障とかで運航が中止されていたり・・・私たちが訪れた時も、高速船のみが運航していました。出発まで1時間近く待ち、約40分でフリータウンに到着しました。
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フリータウンの市内は、1日あれば十分に見学できます。町のシンボルである樹齢200年以上とも言われていますコットン・ツリーの木の周辺に、博物館や平和記念公園など主な見所がかたまっています。
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続いて、西アフリカにありましたイギリス最大の奴隷貿易の拠点でしたブンス島に半日訪れました。フリータウンから高速船で、約1時間です。島内には、その当時を思い起こさせる建物などが残っており、シエラレオネの国の重要文化財にも指定されています。
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そして、現在、ユネスコの世界遺産登録申請の準備もしているそうです。
ガーナのエルミナ城や、セネガルのゴレ島にも行きましたが、ブンス島は全く整備も観光地化もされておらず、より一層、その当時の様子を思い浮かべることができた場所でした。
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旅行の3日目から訪れますティワイ島へは、フリータウンから約6時間かかります。そのうちの2時間は、舗装していないかなりの悪路。雨季にはとても走れないだろうな・・・という感じの道が続きます。ティワイ島は、川の中にある島で、コミュニティの方たちが運営する唯一の自然保護区です。そして、絶滅の危機にあると言われていますコロンブス・ディアナ猿や、ピグミーカバが生息する世界でも貴重な場所となっています。
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今回は、残念ながら、ピグミーカバは見られませんでしたが、コロンブス猿には何度か遭遇することができました。そして、まだまだ整備はされていませんが、手付かずの大自然が残る中での2日間でした。毎晩訪れた嵐のような暴風雨に空全体が光る稲光と雷の轟音、夜空に輝く無数の星、そして数々の虫・鳥・動物の鳴き声が響き渡る中でのキャンプは、大自然と一体感を持つことができました。
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敷地内には、食事をする場所、テントサイト(一つのサイトにテントが4つくらい可能)が3箇所、そして、男女別のトイレ兼水浴び場所が設置されています。水は川から、電気は太陽発電で、テントサイト・食事の場所・トイレは24時間電気がつきます。ですので、なかなか快適でしたよ。
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食事は、「私がシェフだ!」と誇らしげに紹介してくれた村のおじさんが1人で、種類は少なかったですが、毎回違った料理を作ってくれました。味も素朴で美味しかったですよ。
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ティワイ島では、手付かずの大自然の中、カヌー、ナチュラル・ウォークを楽しみます。
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そして、今回の一番のハイライトは、地元の方たちとの交流でした。ティワイ村にある小学校と診療所を、地元の関係者の方々に案内してもらいました。
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また、カンビア県に行く道中のルンサという町では、そこで約30年近く活動をされています2人の日本人シスターたちを訪問し、教会が運営されています幼稚園から高校、職業訓練学校を案内して頂き、お昼ご飯を頂きながら、シエラレオネでの生活や内戦当時のお話などをお伺いすることもできました。
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そして、今回の移動の約半分が舗装されていない道路で、車内で私たちの体は左右・上下に揺られての旅行でした。5月はマンゴの季節で、道中、たくさんのマンゴをつけた木があちこちに!そして夕食のデザートに!と途中の村でマンゴを買うと、なんと16個で約15円でした。日本では信じられない値段ですね。味も美味しかったです!私が住んでいましたカンビアの町も、1年でかなり変わっていましたが、町の中心から離れると、まだまだ素朴な人々の暮らしと、たくさんの子どもたちの笑顔がありました!約4時間、地元友人の案内で、あちこちから「アポト!セケ!?(白人!元気か!?)」と声がかかるマンゴの木々の中を散策しました。
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鼻水を垂らしながら、顔のしわをより一層深く刻みながら、満面の笑みと大きな声で話しかけてくれる子どもから大人まで・・・大自然の中に溶け込む彼らの笑顔と響き渡る声の輪の中に、是非皆さんも一緒に入ってみませんか?
藤井千恵美