名盤紹介「Lobi Traore Bamako Nights (Live at Bar Bozo 1995)」

2010年に惜しくも亡くなってしまったマリ共和国のギタリスト、
ロビ・トラオレさんが1995年に首都バマコのバーで行ったライブ録音。
その名も『Bamako Nights』

実はこの演奏が行われている『ボゾ』という名のバーは、バマコに流れるニジェール河に面した歴史ある名店で、弊社のマリ・ツアーでも、バマコでの夕食はこの店で取る事が多いです。
私も何度か訪れたことがありますが、ニジェール河に沈む夕陽を眺めながら、荒くれ者のボゾの漁民たちとの何気ないやり取り、ちょっと臭みの残る釣れたてのティラピア(淡水魚)の味、目を閉じてこの一枚を耳にしていると、むせかえるようなバマコの夜が蘇ってくるようです。
マリの伝統楽器を駆使したリズム隊と歌は、これぞマリ・ミュージックと言わんばかりですが、その上に乗っかるロビ・トラオレさんのギターは、まるでジミヘンみたいに泥臭いブルースです。
バンバラ・ブルースと名付けられたその音楽は、勢いのある伝統楽器(主にパーカッション)の演奏と唸るエレキギターの演奏が国境も時代も超えて見事に結実していますが、そんな中にも、誇り高いバンバラの人たちの暮らしの薫りを感じずにはいられません。
さて、私の住むここナイロビの街で、この名盤をどのようにして聴くのがふさわしいか。色々考えた挙句、近所の安酒場で地酒と煙草を片手に1人でヘッドフォンで聴きながら、酒場の喧騒を目で楽しんでいると、音楽と光景がマッチして、それなりにいい雰囲気になってきたのですが、地元の酒場で、一人日本人が誰とも喋らずにヘッドフォンで音楽を聴いている様は、人懐っこいケニア人達の恰好の的。
次から次に、人がやって来て話しかけてくるので、私の至福の時間は10分足らずで、あえなく強制終了してしまいました。
う~~ん、マリに行きたい!!
同じアフリカ大陸に居ながら、5,000km以上離れたバマコの街に思いを馳せたNairobi Nightsの夜でした。
By ナイロビ駐在所・生野
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