一面の花畑から多肉植物まで・・・南アフリカの植物の世界

8月中旬から末にかけて、ナミブ砂漠とナマクアランドのツアーに同行させていただく機会がありました。見どころはもちろん「世界で最も古く美しい砂漠」と「一年に数週間だけ見られる一面の花畑」。
ナミブ砂漠は、皆さんご存じのことと思いますが、その荒涼とした美しさと絶妙なコントラストで対比できるのが、南アフリカ北西部ナマクアランドの野生の花々。約4000種ともいわれる植物たちが、一年に数週間だけ花開き、荒れ地を一面の花畑に変えます。年によって微妙に変わる開花時期を当てるのは難しいのですが、今年は充分な量の雨も降り、「当たり年」となって満開の花々の彩を見ることができました。
フラワーウォッチャーにはよく知られたナマクアランドの野生の花々ですが、逆にあまり知られていないのが、ナマクアランドのある西ケープ州が多肉植物の宝庫だということ。世界中に存在する多肉植物の約3分の2が、ここの原産だと言われています。ここでは10m四方程度の荒れ地に、約30種も見つけることができます。もちろん多肉植物以外の植物も数十種。とんでもない植物多様性です。

最近は、日本でもコレクターが多いと聞く多肉植物ですが、西ケープ州の園芸屋さんには、日本でもおなじみのものや全く見たことがない種類のものも数多くあり、まさに多肉植物天国。
南へ下ったケープ半島周辺には、世界遺産にも指定されている『フィンボス』と言われる特徴的な灌木植生地域もあり、世界の他の地域にわずか26種しかないツツジ科エリカ属の植物が、何と600種も自生しています。そして、ケープタウンのテーブルマウンテンには1470種の植物が成育していますが、これはイギリスの全植物種を上回っており、驚異的な植物多様性を持っていることがわかります。
意外に奥の深~い、南アフリカの植物の世界、ちょっと覗いてみてはいかがですか?
東京本社 羽鳥
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