Africa Deep!! 48 やっぱり地鶏がウマイ!アフリカのニワトリ事情

つい先日、近所でできたばかりの「道の駅」へ立ち寄ると、日本ではめったに目にしないものが売られていた。それは何かというと、ニワトリの足である。甘辛く炊いたものが6本ほど束になって売られていた。さすがは大分県である。
大分県は何を隠そうひとりあたりのニワトリ消費量が全国一。レストランの定食に「トリ天セット」は欠かせないし、県内どこへ行っても唐揚げの店が繁盛している。ちなみにこの唐揚げ屋さんはテイクアウト専門で、量り売りである。売り方も、骨付き、骨なし、手羽先、モモ肉、砂肝……と、多岐にわたる。店によっては何十年も守り抜いている秘伝のタレを使ったりとそのこだわりは半端ではない。大分では、誕生会だ、飲み会だ、ナントカ記念日だというときに、あるいは他人の家にお邪魔するときに、揚げたてのアツアツ唐揚げは必須アイテムで、指でつまんでハフハフしながら食べると、見知らぬ人ともすぐに打ち解けてしまう。
話がちょっとそれてしまったが、アフリカの人たちも結構、鶏肉を食べるのではないかと思う。市場の肉売り場にはすでに羽をむしられたニワトリが並んでいることもあるが、たいていは生きたまま篭に入れられたり、足をひもで縛られて逃げられないようにして売られている。買う人は、足を持って重さを量ったり、肉付きを調べたりしながら、結構真剣な面持ちで値切っている。都市部ではブロイラーの肉も出まわっているが、平飼いや放し飼いが普通なアフリカでは、いわゆる地鶏の味と歯ごたえを楽しむことができる。
ウガンダに聳えるアフリカ第3の高峰ルウェンゾリを登りに行ったとき、麓にあるカセセの街でいろいろ食料品を揃えていたら、少年たちがニワトリを抱えて売りに来た。きっと僕たちの入山準備のことを聞きつけたのだろう。これは保存がきく携帯食になるなと思って購入したのだが、いざ山へ入るとガイドがその日のうちに調理してしまうという。理由をたずねると、「ニワトリを狙って雪豹が出たら怖いでしょ」とのこと。ごもっともです。
写真・文  船尾 修さん

船尾修さん
1960年神戸生まれ。写真家。1984年に初めてアフリカを訪れて以来、多様な民族や文化に魅せられ放浪旅行を繰り返し、いつのまにか写真家となる。[地球と人間の関係性]をテーマに作品を発表し続けている。第9回さがみはら写真新人賞受賞。第25回林忠彦賞受賞。第16回さがみはら写真賞受賞。著書に「アフリカ 豊穣と混沌の大陸」「循環と共存の森から~狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵」「世界のともだち⑭南アフリカ共和国」「カミサマホトケサマ」「フィリピン残留日本人」など多数。元大分県立芸術文化短大非常勤講師。大分県杵築市在住。
公式ウェブサイト http://www.funaoosamu.com/