知られざる森のゾウ -コンゴ盆地に棲息するマルミミゾウ-

アフリカ関連の書籍をご紹介します。
弊社でも「カルチャー講座」の講師として、レクチャーをしていただいています西原智昭氏の翻訳本です。
『知られざる森のゾウ -コンゴ盆地に棲息するマルミミゾウ-』
著書:ステファン・ブレイク
翻訳:西原 智昭
発行:株式会社 現代図書
価格:2,381円+税

われわれが一般的にアフリカゾウと呼んでいるのは、サバンナに棲息するサバンナゾウで、マルミミゾウは、それより小柄で熱帯林に棲息しています。
マルミミゾウの象牙は、ハード材と呼ばれ、印鑑や三味線の撥の材料として古くから重宝されてきました。
現在では、マルミミゾウの象牙の売買は全面的に禁止されているにもかかわらず、現地では密漁が後を絶たず、マルミミゾウは生存の危機に瀕しています。
本書は、日本であまり知られてないマルミミゾウの生態や密漁の現実、保全戦略などが網羅的に紹介されています。
トヨタ財団では、本書を翻訳した西原智昭氏の研究「象牙利用に関する日本伝統文化のあり方の再価値づけとアフリカ熱帯林・マルミミゾウの密漁の実際に関する研究」に2009年度研究助成プログラムで助成を実施しました。
西原氏は、本書の最終章「マルミミゾウと日本人」にて、マルミミゾウ生存の危機と日本の関係について論じています。
まずは、知ることが大切であると西原氏は書いています。その意味でもマルミミゾウについて網羅的に紹介された本書は、大きな役割を果たす一冊です。
http://www.toyotafound.or.jp/project/proreport/publications/2012-0423-1516-6.html