コートジボワール出身のレゲエ歌手ALPHA BRONDY(アルファ・ブロンディ)

コートジボワール出身のレゲエ歌手ALPHA BRONDY(アルファ・ブロンディ)

アルファ・ブロンディは、西アフリカ・コートジボワール出身のレゲエ歌手。その名声は世界的に轟いており、むしろ西アフリカ出身という事を知らない人も多いかもしれません。
フランス語、ジュラ語、英語、アラビア語、ヘブライ語と、様々な言語を駆使して歌い、世界中の様々な地域で、人々にメッセージを届けてきました。彼が言語を変えて歌を書くのには、1つのテーマがあり、それは「イスラム、ユダヤ、クリスチャンそれぞれの人々に、音楽の力をより直接的に届ける事で、お互いの和合を実現して欲しい」という事だそうです。
60歳を超えてなおも現役でワールド・ツアーを続ける、文字通りアフリカ・レゲエの王様のような存在。
日本ではそこまでの知名度はありませんが、欧州ではスタジアムクラスの会場が常に満席、バニー・ウェイラーが前座を務めるほどです。

コートジボワールの首都アビジャンという街は、アフリカ大陸におけるレゲエの都のような街です。
今ではアフリカ大陸全土で流行しているレゲエですが、最も早く「アフリカ的なレゲエ」が生み出されたのはこのアビジャン。
元々、ジャマイカで誕生したレゲエ音楽は、その出自がラスタファリ運動という宗教運動から始まっている故か、殊更に「宗教的」「政治的」な事を歌った歌詞が多いのですが、アフリカ人によって演奏されるレゲエも同様です。
特にアフリカでは、「音楽」が単なる余暇以上の意味を持っている事が多く、「社会」と「音楽」の関係が非常に直接的です。
コートジボワールはアフリカの優等生として順調に発展していた時代もありましたが、多くの時代は政治的な激変により、不安定な時期を過ごしてきました。そんな中で「政治的」な歌詞のレゲエが盛り上がったのは必然だったのかもしれません。
アルファ・ブロンディもそういった「政治的」な歌をよく歌いますが、彼は国際的なスーパースターと言える地位を築いている為、歌うメッセージの内容も国際的な視点に立ったものが多いのが特徴です。かつての奴隷貿易や植民地化、人種差別的政策などの国際的なシステムの批判、コートジボワールを初めとしたアフリカ各国の政治腐敗の批判、批判的なもの以外では、コートジボワール建国の父として知られる故ウフエ・ボワニ大統領を讃える歌も多くあります。また前述したイスラム、ユダヤ、クリスチャンの宗教的な問題に関しての歌も多く、パレスチナの問題を取り上げた歌詞も多く見受けられます。いずれにしても、「音楽」を持って社会に何らかの影響を与える事の出来る稀有な存在の1人である事は間違いありません。
60歳を超えても、まだまだレゲエ・シンガーとして現役のアルファ・ブロンディ、今後の活動からも目が離せません。
by ナイロビ駐在所・生野
Photo by Riddim 35