2020.11.14発 林さんと行く国内日帰り探鳥会第2回 早戸川林道(神奈川)

11月14日(土)に神奈川県 宮ケ瀬湖の早戸川林道のバードウォッチングに同行させて頂きました。皆さんに一番の目標であったヤマセミをじっくり見ることが出来て、他ではオシドリの大きな群れやミサゴの捕食中の姿などが見られました。

 朝の8時20分に小田急線本厚木駅に集合して、バスで約50分かけて宮ケ瀬湖に向かいます。宮ケ瀬湖は丹沢山系の人造湖で、早戸川林道は宮ヶ瀬湖畔の小中沢駐車場の横から始まる林道で、早戸川橋までの約4.2kmまでは一般車両が通行禁止で、湖畔沿いの舗装道路にて車の通行を気にせずゆっくりと鳥を観察出来ます。

最初は園地と自然林の境を歩きますが、11月では冬の小鳥の入りは今ひとつで、ジョウビタキのメス1羽のみでした。やがて、湖が見えて来たので湖面の水鳥をチェックし始めたら、ミサゴが上空をいきなり通過しました。比較的ゆっくりでしたので、皆さんしっかりと見られたと思います。湖面ではオオバン、マガモ、カワウなどよく見られます。その中で、近づいて来たカヌーを嫌がって逃げる小型カモ類の群れを双眼鏡で観察したら、オシドリの群れでした。今回は目標の鳥はしっかりと見えているのですが、とても観察時間が短い感じです。

マガモ
マガモ
シジュウカラ
シジュウカラ
ヤマガラ
ヤマガラ
コゲラ
コゲラ

 山の鳥の方はカラスザンショウの実を目当てにシジュウカラやヤマガラの群れが何度か現れ、コゲラも出ました。また、山の稜線付近にはトビを何度か見ましたが、下見の時に出会えたクマタカ、ハイタカは出てくれませんでした。。。 残念!

クマタカ
クマタカ

やがてヤマセミのポイントが近づいてきました。人が集まってカメラを構えていますので、期待が持てそうです。分かり易い場所にいてくれて、全員の方がしっかり見る事が出来ました。更に場所も移動してくれたので、色々な写真が撮れたと思います。ここでランチを食べながら、他の鳥を待っていたらカワセミも登場してくれました。

ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミのテリトリー&狩り場
ヤマセミのテリトリー&狩り場

帰路は同じ道をゆっくりと鳥を探しながら戻ります。湖面に100羽位のカモの群れが着水するのが見えたので、双眼鏡で覗くとオシドリの大群でした。ちょっと遠かったですが、なかなかゴージャスな水鳥の群れでした。その後、湖の人工浮島にミサゴがとまっているのを見つけました。魚を捕食中で、カラスに見つかって邪魔されていましたが、無視して頑張って食べていました。その後、カヌー乗り場付近でセキレイや別個体のミサゴを観察して帰路につきました。

オシドリ
オシドリ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ

今回は一番の目標であるヤマセミがしっかりと観察出来たので本当に良かったと思います。次点は大群のオシドリと食事中のミサゴだと思います。簡単に出会える鳥では無い上に、興味深い姿を見せてくれました。逆に不作だったのは山の鳥で、まだ高山から移動してきていない感じでした。そのため、今回の観察種は20種に留まりました。

12月になれば、更に冷え込むので移動して来て、木々の葉も落ちて観察もし易くなると思います。山の鳥を安全な林道からゆっくりと観察できる、都内からも簡単に行けるエリアなので、是非訪れてみて下さい。

※現在、林さんと行く探鳥会は中止となっております。

2020.11.01発 林さんと行く国内日帰り探鳥会第1回 ふなばし三番瀬&葛西臨海公園(千葉)

11月1日(日)に三番瀬と葛西臨海公園のバードウォッチングに同行させて頂きました。実は10月10日の予定でしたが、悪天で延期となりました。三番瀬でのシギ・チドリの渡りのピークは過ぎてしまいましたが、数は多く身近で見られるとともに、葛西臨海公園と組み合わせたので、40種類程度の野鳥を観察することが出来ました。

朝の9時に京葉線二俣新町の駅に集合して、バスで三番瀬に向かいます。干潮のピークより約2時間前に現地に到着して長靴に履き替えて渚へと向かいます。

渚のシギやカモメを観察し始めたら、カモメの群れが大騒ぎを始めたので上空を見たらミサゴ2羽が旋回をしながらこちらへ向かって来ました。近くを旋回してくれたので、皆さんしっかりと見られたと思います。その後ハマシギやミユビシギ、シロチドリなどを観察しました。渚で餌を求めてちょこまかと走り回る姿はいつ見ても愛らしいもので、こちらが動かないと近くにも寄ってくる時もあります。

その後、ミヤコドリの大きな群れがいるポイントに移動して観察しました。この時期のシギ・チドリは冬羽の灰褐色で地味なのですが、ミヤコドリだけは大型で黒と白のツートーンでクチバシは朱色がかった赤なので、よく目立ちます。元来は旅鳥でしたが、近年東京湾ではほぼ通年で見られ、三番瀬は見易いポイントとなっています。他に大型のチドリのダイゼンも一緒にいました。

ハマシギ
ハマシギ
ミヤコドリ
ミヤコドリ
ミユビシギ
ミユビシギ
シロチドリ
シロチドリ
ミサゴ
ミサゴ

昼頃にバスと京葉線で葛西臨海公園に移動します。鳥類園のウォッチングセンターに向かう途中の上空にチュウヒと思われる猛禽が現れました。

昼食後には鳥類園を一周しながら鳥を探します。上の池と呼ばれる淡水池にはカモ類はまだ少ない状況でしたが、オオバンは沢山いました。また、カワセミが近くに現れて、楽しませてくれました。森の歩道を歩きながら小鳥を探し、何ヶ所かある下の池と呼ばれる汽水池が見られる観察窓から水鳥を探します。森の中ではシジュウカラやメジロという常連の他にカケスが見られました。カケスは山の鳥なので、おそらく冬になる前に移動中の個体だと思います。ウォッチングセンターの観察リストにはキビタキなど移動中の鳥がいくつか掲載されていました。池が見られる観察窓からは、カワセミが大サービスで、木の杭から何度も餌を探して行ったり来たり姿が間近に見られました。最後に東なぎさとの水路を歩いて、カモメやカワウなどの水鳥を観察していたら、近くの護岸にイソヒヨドリが出てくれました。

今回は水鳥以外に陸の鳥も探したので、約40種類の鳥を観察することが出来ました。これからは木々の葉も落ちるし、冬鳥も渡って来るので賑やかになって来ると思います。

また、春と秋の渡りの季節も様々な鳥が見れますし、珍しい鳥も現れる可能性があります。都内から簡単に行けるエリアなので、是非訪れてみて下さい。

※現在、林さんと行く探鳥会は中止となっております。

カワセミ
カワセミ
カワセミの飛翔
カワセミの飛翔
ゴイサギの幼鳥
ゴイサギの幼鳥
ハクセキレイ
ハクセキレイ
イソシギ
イソシギ
モズ
モズ
オナガ
オナガ
ヒヨドリ
ヒヨドリ
アオサギ
アオサギ
ヒメアマツバメ
ヒメアマツバメ
イソヒヨドリのメス
イソヒヨドリのメス

2020.10.20発 マタギの文化とブナ林の自然に触れる、白神山地の森歩き2泊3日~秋~

新型コロナウイルスの流行により海外旅行ができなくなっている状況を踏まえて、弊社スタッフそれぞれが、それぞれの個性を前面に出す形で考案・企画した「道祖神的日本国内の旅」シリーズ。

そのうち秋田と青森にまたがり、ユネスコ世界自然遺産でもある“白神山地”を、古くからこの山々を生活の場としてきた青森県西目屋のマタギの方々に案内していただく森歩きツアーに、企画者自ら添乗員として同行させていただきました。

 

森歩きのベースとなった、伝統的なマタギ小屋
森歩きのベースとなった、伝統的なマタギ小屋
マタギ小屋の外には炊事場とダイニング
マタギ小屋の外には炊事場とダイニング
小屋は小さいので、ご参加の皆さんはテントに宿泊
小屋は小さいので、ご参加の皆さんはテントに宿泊
様々な説明を聞きながらマタギ道を歩く
様々な説明を聞きながらマタギ道を歩く

ご参加4名様と添乗員という少人数で密を避けつつ、体調管理にも気を付けて催行させていただきましたが、国内とはいえ私自身久々に遠くまで旅し、森を歩くことができるということの爽快感と楽しさを心から味わうことができ、ご参加者の皆様も同じような感想を持たれたことと思います。一般的に白神山地観光と言うと、青森側の十二湖や白神岳登山、あるいは青森側の暗門の滝や通称マザー・ツリーと呼ばれるブナの大木を訪問するものが一般的ですが、私自身白神山地を何度か歩いた経験から、山地に詳しいマタギの方に案内いただいて、何の変哲もない森を歩く方がより深く森を知ることができ、内容的にも面白いものになると考えており、今回はマタギの狩猟キャンプであるマタギ小屋をベースキャンプに、彼らの猟場でもある森を歩く内容で企画しました。10月下旬からが紅葉の最盛期ということもあり、赤~オレンジ~黄色に色づく木々を愛でつつ、キノコや木の実などの森の恵みも味わうこともできました。

白神の森の代名詞であるブナの他、ミズナラ、カツラ、トチ、アカマツなど、植生も豊か
白神の森の代名詞であるブナの他、ミズナラ、カツラ、トチ、アカマツなど、植生も豊か
山の斜面を彩る見事な紅葉
山の斜面を彩る見事な紅葉
紅葉も、視点によって様々な見る楽しみがあります
紅葉も、視点によって様々な見る楽しみがあります
豊かに育ったキノコ、食用に適さないものももちろんあります
豊かに育ったキノコ、食用に適さないものももちろんあります
カラフルな森の果実たち
カラフルな森の果実たち
山でとれたものがそのまま並ぶことも多い食卓
山でとれたものがそのまま並ぶことも多い食卓

野生動物や鳥は、やはり見るのはなかなか難しかったですが、それでもニホンザルの群れや小型のキツツキであるコゲラなどは見ることができましたし、クマの痕跡を見ながらマタギのクマ猟の臨場感あふれる話を聞くことができ、またシベリアから秋田や新潟に渡っていく途上の白鳥の鳴き声を聞くなど、自然の営みの一端にリアルに触れることができたのではないかと思います。

紅葉が美しい津軽湯ノ沢を歩く
紅葉が美しい津軽湯ノ沢を歩く
蕗の葉で拵えた柄杓
蕗の葉で拵えた柄杓
固いブナの樹皮につけられたクマの爪痕
固いブナの樹皮につけられたクマの爪痕
ニホンザルの群れに遭遇しました
ニホンザルの群れに遭遇しました

このツアーはもう一本、時期を冬にかえ、風景もガラッと異なる雪の中を歩くものを2月に企画していますが、そちらもありがたいことに満員御礼となっています。

海外旅行解禁となれば、専門であるアフリカの旅に集中することになるとは思いますが、こういった足元の自然と古来受け継がれてきた文化を知る旅の企画も続けていけたらと考えています。

道祖神 羽鳥

ハネムーン! ケニア 孤児院ホームステイ&サバンナサファリ 10日間

2019年11月8日発の手配旅行でケニアに行かれた、田口様ご夫妻からのレポートです。

ケニア旅行に行ったきっかけ

私にとってははじめての海外旅行・妻も久しぶりだったので、パスポートを取得するところから始まりました!どこに行こうか?と妻がリゾート地のパンフレットをいろいろと取り寄せてくれたりしましたが、なかなか決められませんでした。ある時「動物を見るツアーもあるよ、アフリカとかもいいかもよ」と話し、道祖神さんのHPを見ていたらワクワクが止まらなくなり、五反田の本社に伺いました。
担当の根本さんはアフリカ愛に溢れる方で話が弾みました。妻がアフリカから来日した難民の方々にボランティアで日本語を教えていること等を伝えたところ、「良かったらお勧めしたいところがあるんですが?」と児童養護施設のサイディアフラハさんを紹介してくれ、オーダーメイドプランになりました。
根本さんが出発直前まで手続きのフォローをしてくださり、ナイロビ空港まで迎えに来て頂き、安心しました(*^^*)

1. サイディアフラハ

サイディアフラハはナイロビから約30km南東に位置するキテンゲラ市にあり、1994年にケニア政府によりNGOに認可されました。スワヒリ語で“幸福の手助け”という意味で、日本人とケニア人が対等で一緒に作ってゆく、子どもと女性のためのプロジェクトです。
私達はナイロビ空港からガイドのピーターさんと根本さんに車で連れて行ってもらいました。共同運営者の一人の荒川さんに対する第一印象は穏やかで優しい方、お話する中で意思の強さも感じました。
一日目は夜ご飯を一緒に食べた後に自己紹介をし、アフリカンダンスを踊りました。子ども達の目のキラキラした感じが可愛らしく、日本にとても関心をもってくれたので嬉しかったです。
二日目はボランティアに来た団体の若者たちとみんなでチャパティ(うすくて少し甘いナンのような感じ)を作ったり、子供たちがスワヒリ語で歌を歌ってくれました。荒川さんに施設の説明もして頂き、子ども達の教室等を見学。その後、ストリートチルドレンのリハビリセンターを訪問させて頂き、そちらの子ども達と青空教室のようにお茶をしながらいろいろな話をしました。夜ご飯はなんとサイディアフラハの方で鶏をさばいてくれ、はじめてだったので驚きましたが、とても美味しく貴重な経験でした。数人の子ども達の誕生日パーティーということもあり、アフリカンダンスを夜遅くまで楽しく笑いながら踊り汗だくに(笑)
いつも子どもたちのお世話をしているママさん(寮母さん)やソーシャルワーカーの方、子ども達もしっかりしていて私達はお世話になりっぱなしでした。
三日目の朝、これからマサイ・マラに出発する前に、みんなが一斉に車に乗ってきて「日本にしゅっぱ~つ!」と言ってくれたことが一番の思い出かもしれません。

2.キリマ・キャンプ

見晴らしの良い山の上にあるロッジに2連泊しました。サプライズのハネムーンケーキでお祝いしてくれて嬉しかったです。
到着前にずいぶん高いところにあるなぁと思っていたら、翌朝は日の出を見ることができ、絶景で感動!
サファリドライブにはキリマキャンプのランチボックスを持参。ボリューム満点、お菓子も入っていて大満足。サバンナの木の下で食べたお昼ごはんは格別で、日本では絶対に経験できないことだと思いました。

3.マサイ村訪問

歌での歓迎、一緒にジャンプしたり不思議な体験。
村の中を案内してくれた時は、家の中の見学をし、文化も学びました。マサイ族の方にはキリマキャンプとサンドリバー・ロッジでも、エスコート役として大変お世話になりました!

4.サンドリバー・ロッジ

マサイマラ南側川沿いにあるロッジで3連泊。
とてもラグジュアリーなところでビックリ☆
ロッジ内をスタッフの方に案内して頂いていると、ケニアではよくある突然の雨・・・
雨宿りをしている時、ハネムーンと聞いて特別にハートのカプチーノを作ってくれて嬉しかったです。

5.マサイ・マラ

初めてのサファリだったので、想像もできませんでした。
車を少し走らせると、たくさんの動物たち。それもこんなに近くで見られるなんて、びっくりしました。
襲われないとわかっていても、少しだけ怖かった(笑)
動物にあまり詳しいわけではなかったので、道祖神でもらった動物チェックリストがとても重宝しました。
いろんな写真をたくさん撮ることが出来ました。
中でもお気に入りはライオンと虹が一緒に写っている写真で、なんだか幻想的(≧▽≦)

今回の旅行でずっとお世話になっていた、ドライバーのピーターさん。
英語ができない私は、日本語ができるピーターさんが担当になって本当に心強かったです。
写真も上手で、撮り方を色々と教えてくれました。
こんなにかっこいいヒョウを撮ることができるとは思ってもいませんでした。
人生で初めての気球がバルーンサファリになったので、とても楽しかったです。

最後に・・・

日本に帰ってきてからもサイディアフラハやサファリの話をたまにしたり思い出します。道祖神さんに申込んで本当に良かったです!忘れられないハネムーンになりました。
サイディアフラハの荒川さんは現在もご家族とともにプロジェクト横にあるスラムの中に住み、マスク販売・配布活動等に携わっていらっしゃいます。寄り添い続けるというお姿に対して尊敬しています。施設の子どもたちは親戚のもとにいて休校中とお聞きし、微力ながらサイディア・フラハを支える会に参加しました。いつか、またあの子達と一緒に遊びたいです。
道祖神さんのZOOMサファリ講座で学ばせて頂いたり、妻はアフリカから来た難民の学習者にオンラインで日本語指導を続けることができていて、実際に会えなくても繋がることができる世の中になって凄いなぁと感じています。
海外旅行に行きづらい今はスワヒリ語やアフリカ文化を学び、いつかまたサファリに行き、今回は見られなかったサイも見たい!と思います。私達の好きな言葉は“ハクナ マタタ(大丈夫だよ)”です。
最後にピーターさん、根本さんには本当にお世話になりました。ありがとうございました。

2019.10.11発 エチオピアの大自然と民俗、世界遺産、ゆったり・たっぷり 15日間

『エチオピア』、アフリカ大陸54ケ国の中でも、最も“ミステリアス”という言葉が似合う国ではないでしょうか。まず、この国には他のアフリカ大陸の国々と大きく違う点が1つ、各国が一番お祝いをする独立記念日というものがありません。なぜなら、一度も他の国の植民地となったことがないからです。その歴史の長さはおよそ3,000年と古く、いわゆる古代、紀元前まで遡ります。古アクスム王国が1,000年近く続き、その後中世からはエチオピア帝国が1,974年の最後の皇帝ハイレ・セラシエ時代まで続きます。その祖となるのはイスラエルのソロモン王と現在のイエメンのシェバの女王との間に誕生したメネリク一世の血筋と言われ、殆ど神話の領域です。

ラリベラの聖ギオルギス教会 (Bet Giyorgis)
ラリベラの聖ギオルギス教会 (Bet Giyorgis)
古来より現代へとつながる、人々の祈りの世界
古来より現代へとつながる、人々の祈りの世界
色彩がカラフルなアクスム地方のバスケット
色彩がカラフルなアクスム地方のバスケット
外国人が珍しい?真っすぐ見つめてくる子供たち
外国人が珍しい?真っすぐ見つめてくる子供たち
魅惑のエチオピア料理。インジェラとシロワット
魅惑のエチオピア料理。インジェラとシロワット

今回旅行したのは、そんな神秘の国エチオピアの北部。首都アディスアベバより北の地域は、特に3,000年分のエチオピアの歴史建造物が多く残る地域です。そして、エチオピア北部の歴史とは、すなわち『エチオピア正教』と呼ばれる独自発展したエチオピア・キリスト教の歴史とも言えます。長い歴史と古い信仰が刻まれた数々の建造物は世界遺産のオンパレード。教会や修道院、かつての王の居城など、どれもが非常にユニークで中世の面影を今でも残しています。特に教会の多くは、単なる『観光地としての世界遺産』ではなく、2020年のこの現在でも人々の祈りの場となっています。しっかりと今も息づいている世界遺産を訪問することが、このツアーの大きな魅力のひとつです。

ラリベラの岩窟教会群のひとつ、聖マリア教会 (Bet Maryam)
ラリベラの岩窟教会群のひとつ、聖マリア教会 (Bet Maryam)
教会の守衛さん。クラシックな制服です。
教会の守衛さん。クラシックな制服です。
羊皮紙に描かれた聖ギオルギオス。竜退治の伝説を持つキリスト教の聖人の一人です。
羊皮紙に描かれた聖ギオルギオス。竜退治の伝説を持つキリスト教の聖人の一人です。
一枚岩を十字架の形に彫り込んだ聖ギオルギス教会。天使たちが7日間で造ったと言われています。
一枚岩を十字架の形に彫り込んだ聖ギオルギス教会。天使たちが7日間で造ったと言われています。
十字架の形をした教会を下から眺めるとこんな感じ。
十字架の形をした教会を下から眺めるとこんな感じ。
聖エマニュエル教会 (Bet Amanuel)と修道士
聖エマニュエル教会 (Bet Amanuel)と修道士
聖アバ・リアノス教会 (Bet Abba Libanos)の前で祈りをささげる巡礼者
聖アバ・リアノス教会 (Bet Abba Libanos)の前で祈りをささげる巡礼者
浪々と御詠歌が謳われる中で、立派な佇まいの聖職者
浪々と御詠歌が謳われる中で、立派な佇まいの聖職者
祈りを捧げながら、歌が紡がれていきます
祈りを捧げながら、歌が紡がれていきます
岩窟教会内の壁画も見事です。聖ミカエルと聖ガブリエル
岩窟教会内の壁画も見事です。聖ミカエルと聖ガブリエル
古アクスム王国時代の書物。古代ゲーズ語で記されています。
古アクスム王国時代の書物。古代ゲーズ語で記されています。
地方のふと立ち寄った街にも、何百年も前からある岩窟教会があります。
地方のふと立ち寄った街にも、何百年も前からある岩窟教会があります。
有名観光地以外の教会にも、見事な壁画が残っています。
有名観光地以外の教会にも、見事な壁画が残っています。
アクスムのオベリスク。紀元4世紀から5世紀にかけて造られたと考えられています
アクスムのオベリスク。紀元4世紀から5世紀にかけて造られたと考えられています
建設途中に倒れてしまったと考えられている最大のオベリスク。高さ約33mもあります。
建設途中に倒れてしまったと考えられている最大のオベリスク。高さ約33mもあります。
古代の建築技法が垣間見れる遺物。石切り場のメジャー(測定器)です。
古代の建築技法が垣間見れる遺物。石切り場のメジャー(測定器)です。
聖櫃(アーク)が収められている修道院
聖櫃(アーク)が収められている修道院
旧・聖マリア教会の羊皮紙の書物。600年ころのものとされています。
旧・聖マリア教会の羊皮紙の書物。600年ころのものとされています。
16~17世紀頃のファジルゲビ王宮。インド、アラブ建築にバロック建築の影響を受けた「ゴンダール様式」の建物です。
16~17世紀頃のファジルゲビ王宮。インド、アラブ建築にバロック建築の影響を受けた「ゴンダール様式」の建物です。
17世紀に建設された「デブレ・ブラハン・セラシエ教会」“光の山”という意味があります。
17世紀に建設された「デブレ・ブラハン・セラシエ教会」“光の山”という意味があります。
天井に描かれた天使の壁画。全ての天使と目が合うと言われています。
天井に描かれた天使の壁画。全ての天使と目が合うと言われています。
正面に描かれた、三位一体を表す壁画
正面に描かれた、三位一体を表す壁画
歴代のファシリダス皇帝たちの水浴び場。ティムカット祭礼の時は巡礼者が集結します。
歴代のファシリダス皇帝たちの水浴び場。ティムカット祭礼の時は巡礼者が集結します。
エチオピア正教会の御詠歌を歌う際の太鼓
エチオピア正教会の御詠歌を歌う際の太鼓
道中の旧い教会にも壁画が残ります。十字架を象った出窓
道中の旧い教会にも壁画が残ります。十字架を象った出窓
ユネスコの世界遺産にも登録されているシミエン国立公園。初代管理人のC.W.ニコルさんと固有生物のワリア・アイベックスの剥製
ユネスコの世界遺産にも登録されているシミエン国立公園。初代管理人のC.W.ニコルさんと固有生物のワリア・アイベックスの剥製
「アフリカの屋根」と呼ばれるシミエン国立公園。
「アフリカの屋根」と呼ばれるシミエン国立公園。
固有種のゲラダヒヒ。現生の猿では、唯一、草を主食とする草原のサルです。
固有種のゲラダヒヒ。現生の猿では、唯一、草を主食とする草原のサルです。
顔立ちは厳めしいのですが、表情は愛らしいです。
顔立ちは厳めしいのですが、表情は愛らしいです。
歯茎をむき出しにして鋭い歯を見せます。実は求愛のサインでもあります。
歯茎をむき出しにして鋭い歯を見せます。実は求愛のサインでもあります。
「ブルーナイルの滝」と呼ばれるティシサットの滝
「ブルーナイルの滝」と呼ばれるティシサットの滝

いわゆる正統派の『歴史・遺跡・文科系ツアー』なのですが、そこには私たち道祖神なりのこだわりもあります。ツアータイトルにもある通り、見どころは『世界遺産』だけではありません。エチオピアの『大自然と民俗』、それらをたっぷりと味わう為のこだわりが、何よりも“陸路の旅”であるという事です。前述した各地に散らばる歴史遺産の各都市を、飛行機で飛んで渡ってしまえば楽なのですが、あえて地を這うように1台の車で旅します。観光地と観光地の間の、古来より巡礼の人々が歩いたであろう山岳地帯や、美しい緑に彩られた農村風景では中世より変わらない人々の暮らしぶりを垣間見る事が出来ます。人と家畜がともに暮らしている姿、ふらりと立ち寄った食堂で地元の人々と共に土地の料理を食べる、茶屋の軒先でじっくり淹れてくれた一杯のコーヒーを味わう、観光地をポイントで訪問するだけでは見えてこない、その国の「リアル」は、興味を持たなければ見過ごしてしまうような『移動』の行間にこそあります。旅の合間に見える風景や体験こそが、この国の『大自然と民俗』を感じさせてくれます。

街から街へ。訪問地へは山間部を走り旅をします。
街から街へ。訪問地へは山間部を走り旅をします。
道中にふと立ち寄った村で出迎えてくれた村のご家族。
道中にふと立ち寄った村で出迎えてくれた村のご家族。
覚醒植物カート売りのおじさん
覚醒植物カート売りのおじさん
エチオピアはどこに行っても家畜が人々共にいます。
エチオピアはどこに行っても家畜が人々共にいます。
街角で談笑していた放牧のお兄さんたち
街角で談笑していた放牧のお兄さんたち
家畜のヤギと少年
家畜のヤギと少年
バティの月曜市の一コマ。家畜市場でのラクダの群れ
バティの月曜市の一コマ。家畜市場でのラクダの群れ
家畜の売り買いに集まる人々
家畜の売り買いに集まる人々
立派に育てあげた雄牛。売り手のオジサンも名残惜しそうです。
立派に育てあげた雄牛。売り手のオジサンも名残惜しそうです。
売られていきます。
売られていきます。
ラクダを売る人は、アフロ頭が特徴的なアファールの人々が多い
ラクダを売る人は、アフロ頭が特徴的なアファールの人々が多い
家畜の皮も売り物です
家畜の皮も売り物です
色鮮やかな野菜市場
色鮮やかな野菜市場
コーヒーを淹れる際の素焼きのポット
コーヒーを淹れる際の素焼きのポット
布屋さん。ここでも仕立ては男の仕事だ
布屋さん。ここでも仕立ては男の仕事だ
ラフィア(ヤシ科の葉っぱ)を編むおばさんたち
ラフィア(ヤシ科の葉っぱ)を編むおばさんたち
すべて手編みで立派なバスケットに生まれ変わります。
すべて手編みで立派なバスケットに生まれ変わります。
市場の片隅に佇んでいたオロモの女性。胸のコイン飾りはイタリア進駐軍が残していったものだそうです。
市場の片隅に佇んでいたオロモの女性。胸のコイン飾りはイタリア進駐軍が残していったものだそうです。
市が立つ日は、地元の人々にとっての交流の場所でもあります。
市が立つ日は、地元の人々にとっての交流の場所でもあります。
中国製のサンダルを売る兄ちゃんたち。日常生活品は中国製のものが増えています。
中国製のサンダルを売る兄ちゃんたち。日常生活品は中国製のものが増えています。
市場の片隅でコーヒーを淹れてくれました。
市場の片隅でコーヒーを淹れてくれました。
エチオピア名物のチマキ。絶品のフルーツシェイクです。
エチオピア名物のチマキ。絶品のフルーツシェイクです。
こちらもエチオピア名物。生肉のたたき。「クトゥフォ」ご注意を!
こちらもエチオピア名物。生肉のたたき。「クトゥフォ」ご注意を!
道中立ち寄った村で家庭料理をご馳走になります。
道中立ち寄った村で家庭料理をご馳走になります。
この円形のかまどは、インジェラを焼くためのものです。
この円形のかまどは、インジェラを焼くためのものです。
インジェラと豆のソース、シロです。クセになる味わいです。
インジェラと豆のソース、シロです。クセになる味わいです。
豪華版。インジェラはテフと呼ばれる極小の穀物から作られます。
豪華版。インジェラはテフと呼ばれる極小の穀物から作られます。
エチオピアはビール天国。10種類以上もの銘柄があります。私のお勧めは右端のハラール・ビール
エチオピアはビール天国。10種類以上もの銘柄があります。私のお勧めは右端のハラール・ビール
すれ違いざまのトラック。荷台に人がぎっしりです。
すれ違いざまのトラック。荷台に人がぎっしりです。
どこへ行っても子供は可愛いですね。
どこへ行っても子供は可愛いですね。
人懐っこい子供が多くて楽しくなります。
人懐っこい子供が多くて楽しくなります。

全部で15日間という、長丁場のツアーではありますが、何年も続けている、道祖神のこだわりが詰まった『エチオピアの旅』です。同じ場所に行って、同じ建築物を見に行くのでも、『観光地を訪問する』事と『その国を旅する』事には大きな違いがあります。是非その違いを感じて欲しいと思います。目に映る景色、聞こえてくる生活の音、漂う人々の匂い、そして自分の舌の味わい、全身で『エチオピア』を感じることの出来る旅です。是非、ご参加お待ちしております。

旅の楽しみのひとつが、何度となく立ち寄るお茶屋さん。
旅の楽しみのひとつが、何度となく立ち寄るお茶屋さん。
一杯のコーヒーが、旅のさなかにホッと一息をつかせてくれます。
一杯のコーヒーが、旅のさなかにホッと一息をつかせてくれます。

■エチオピアの大自然と民俗、世界遺産、ゆったり・たっぷり 15日間

by 生野