2月、東アフリカは小雨期明けの夏。キリマンジャロ登山のベストシーズンです。この時期に合わせて集まった9人の山好き、旅好きは用意周到で気合いも十分。早く山に着かないかと道中そわそわしてしまいます。
タンザニアはあいにくの曇。キリマンジャロは雲に隠れてしまい遠望はかなわなかったものの、雲の下にうっすら見える稜線の角度はあまりに大きく、雲に隠れた巨大な山容を想像すると身体が慄きます。
登山開始。早朝、雲の切れ間からキリマンジャロが姿を見せてくれました。「あんなの本当に登れるの~?」という声。氷河を抱いた頂きに立つ自分の姿を想像してしばし呆然。
マチャメゲートで手続きの後、マチャメキャンプまで4時間半の登り。キリマンジャロの赤道雨林帯は雨の多い照葉樹の森。湿度が高く苔の量が多いので鬱蒼としているように感じます。花や昆虫は日本では見られないものが多いので動植物好きには楽園です。今回はカメレオンに遭遇。とりあえず皆でスキンシップ。キャンプ地も森林帯にあります。星空はもちろん一級品。
標高3,600mに位置するシラーキャンプまで5時間の登り。森林帯、低潅木帯から砂礫帯へ景色が移り変わります。天気が良く、参加者の歩きも軽快。所々でサミットが姿を見せてくれました。なだらかな尾根を目で追っていった先にはアフリカらしい遠大なサバンナが広がっていました。
その2へつづく
有冨
大ニジェール河の舟旅とサバンナの民族 15日間 その3
幻想の都ティンブクトゥ
かつて探検家達が目指した伝説の黄金都市ティンブクトゥ…。現在は、かなり過疎化が進んでいて、泥土で出来た家々が並ぶ、少し大きな村といった程度の規模ですが、街並みの随所に刻まれたかつての栄華の記憶やサハラ交易の足跡には、アフリカ大陸の歴史に深く関係を持たない我々日本人も旅情を揺さぶられたのではないでしょうか。
夕方からは、街の郊外(サハラ砂漠です)に出かけてラクダに乗って、トゥアレグのキャンプを訪ねます。ラクダは、揺れが激しいので乗るには慣れが必要ですが、皆さん悪戦苦闘されていました。翌日ぐらいまでお尻が痛かった人も多かったのでは…。
ドゴンの人々を訪ねる
ティンブクトゥの街を出発し、隣国ブルキナファソの方向へと、荒れた大地をひた走ります。切り立った岩山や、塩を運ぶキャラバン隊とすれ違いながら、目指すは、バンディアガラの台地。未だ昔ながらの生活を送り続けるドゴンの人々に会いに行きます。
ドゴンの入口、クンドゥーの村で1泊し、翌日は崖をトレッキングして、村々を訪ね歩きます。幅150kmにも及ぶ崖にへばり付くようにして約700の村があり、およそ25万人が暮らしているといわれています。何度も休憩しながら、台地の頂上まで登り切った時の感動と絶景は、格別でした。
村を訪ね歩くトレッキングを終え、ホッと一息休憩した後は本日の訪問地ティレリの村へと向かいます。ここで、今回の最後のハイライト!ドゴン・ダンスを見せてもらいました。仮面を被った屈強な男達が、次々に現れては飛び跳ね、踊る!息を飲むほどの素晴らしさでした。ツアー終盤を締めくくるに相応しい、まさに圧巻の一時でした。
ドゴンの地に別れを告げた後は国境を超えてブルキナファソへ。2日間しか滞在できませんでしたが、マリでの怒涛の日々の後に、ゆっくりと滞在することが出来ました。15日間という短い日程では、とても味わい尽くせない魅力を持った土地ですが、お客様も西アフリカの土地が持つ空気や風土、人々に触れて何かしら感じ取って頂けたのではないかと思います。
※一部、写真を福島 毅様より提供していただきました。ありがとうございました。
生野
大ニジェール河の舟旅とサバンナの民族 15日間 その2
ジェンネの大モスクと月曜市
セグゥの街は、普段はのどかで落ち着ける街ですが、我々が到着した夜は年に1度の『ニジェール河フェスティバル』という音楽祭の最終日だった為に、夜遅くまで街中が賑わっていました。
街中で見かけた音楽祭のポスター。夜中の街は、まさしくお祭り騒ぎの様相でした。
翌朝は、静かな街の河沿いを散歩です。洗濯をしている女性達や、水浴びをする子供、行き交う小舟などの景色に目を奪われていると、河沿いの土で焼き物を作っているところに出くわしました。暫らく、茶碗や壷を物色してからセグゥを出発、河を渡って車を走らせ、1つ目のハイライト、月曜市で賑わうジェンネの街へ。
セグゥのニジェール河沿いでは素朴な焼き物がたくさん売られています。彩色もない、剥き出しの土色をした焼き物の数々は力強くて温かい雰囲気のものが多い。
また、道中の河沿いに見た景色は、この土地の人々とニジェール河は切っても切り離せないんだな、と実感させるものでした。
ある時、河は、みんなの洗濯場です。
洗車もしますし、炊事場にもなります。
勿論、体も洗います。
そんなニジェール河とバニ河の中州に位置し、13~16世紀には交易の中継地として栄えた都市がジェンネです。世界遺産にも登録されている美しいジェンネ旧市街を抜けると、巨大な泥のモスクがお出迎え。
ジェンネの見所はこの壮大なモスクと、何といっても、モスク前の広場で開かれる月曜市。遠方からはるばるやってきたマーケットで商う人、人、人。いったいどこから湧いてきたのかと思うほどの怒涛の人混みで埋め尽くされてしまいます。
野菜や魚や香辛料などの食べ物、衣類や布地、鍋や釜などの日用品から、何から、とにかくありとあらゆるものが売り買いされています。大声を張り上げて売買する商人達、笑顔でお喋りに興じるお母さん達、この日の為に、とびっきりのお洒落をして着飾った女性達の姿も絵になります。
人々の熱気とパワーを肌で感じさせてくれるジェンネの月曜市は、まちがいなくこのツアーで最初のハイライトの一つでした。
大ニジェール河の舟旅
ジェンネで夜を明かした後、港町モプティへ。この町は現在でも、昔と変わらない交易でにぎわうマリ第二の都市としてエネルギーに満ち溢れた街です。バンバラ、フラニ、ボゾ、等々周辺の様々なエスニックグループの人々が混在し、漁港や魚市場は、とてもエネルギッシュで港町ならではの喧噪と熱を感じます。
北方からは、サハラ砂漠で切り出した塩の塊り(岩塩)を運んで来ているのですが、板状の塩をノコギリで切って、小分けして売っているのが印象的でした。
そして、このモプティの街から今回のツアーのメインイベントの一つ、『大ニジェール河の舟旅』が始まります。
4日間、我々を載せて運んでくれるのは、ピローグ船と呼ばれる木造のカヌーです。ツアーで乗船するのは、改造をしてトイレや台所、テーブルを設置した旅行者用のものですが、元は現地の人々の生活船です。エンジンも取り付けておりますが、河の流れや吹く風に身をまかせ、のんびりとしたペースで、マリの空気や薫りを感じながらの船旅となります。快晴の中、いよいよ船旅に出発です。
頼りになる3人の船員達。毎食、彼らが腕をふるってくれ、シンプルながらも力強い船員達の料理は舌鼓を打ちます。意外にも?バラエティに富んでおり、お米やクスクスを主食にした料理は日本人の口にもあい、ついついおかわりしてしまう方も。
特に、魚は絶品です。小舟の漁師達から、捕ったばかりの魚を買い付け、そのまま船内で捌いて調理してくれるので、新鮮そのもの!焼いた白身の川魚に、ピリピリ(赤唐辛子)を刻んでふりかけ、熱々のまま口に放り込み、舌に残る辛さをビールで流し込む…、船旅中の料理はツアー中でも全員一致で一番人気でした。
幾度か訪れる河沿いの村々では、観光客の姿も珍しいのでしょう、子供たちを何人も引き連れて歩くことになってしまいます。素朴な村の人々と触れ合い、食事や漁の風景を眺め、人々の家を訪問する。。。目的地まで、車に揺られているだけではわからない移動そのものの楽しみがありました。
このニジェール河の舟旅は、かつて数多の探検家達が通った道でもあります。夜は満天の星空を眺めながら、河の音に耳を傾け眠りにつきます。そんな数日間の旅を経て、だんだんと肌に感じる風が乾いたものになってきた頃、舟は目的地に到着します。そこはサハラの玄関口、ティンブクトゥの街でした。
※一部、写真を福島 毅様より提供していただきました。ありがとうございました。
その3へつづく
生野
大ニジェール河の舟旅とサバンナの民族 15日間 その1
旅の始まり
先日、冬の日本を後にして西アフリカの、暑くて熱い国、マリとブルキナファソへ出掛けてきました。西アフリカの熱気と文化の面白さ、その見所をぐっと凝縮した15日間のツアーです。見所を押さえながら、旅程の順を追って解説していきたいと思います。
経由地、モロッコ・カサブランカのハッサン2世モスクで、まだまだ元気な皆さん。ハッサン2世モスクは、全敷地内に8万人を収容することが可能なモロッコ最大のモスクです。後ろに聳えているのは、高さ200メートルを誇る世界最大級のミナレット。近くまで寄って見ると、気が遠くなるような精緻な模様が…。うーん、仕事が細かい。
始まりの町、バマコの喧噪
真っ暗闇の首都バマコに到着したのは深夜4時近く、人波を搔き分け、無事に現地ガイドとも合流、今夜の寝床へと車を走らせ、いよいよ翌朝からマリの旅がスタートです!
まずは、喧噪で賑わうバマコの街並みを行き、市内の2大マーケットへ。Le Marche de Recyclage(リサイクル・マーケット)では、鉄屑を再加工して、鍋釜を始めとした様々な生活用品を作りだしている職人達の姿を見物。金属の擦れ合う音が響き、火花が散る中で、汗と埃にまみれて作業を続ける背中に、アフリカの男達の逞しさを感じさせました。
出来あがった品物は色んなところで売りに出されます。男の子が抱えている鍋も、鉄屑から見事に再生した一品。
次に訪れたのは、バマコの一大お土産物屋街。Maison des Artisans(アルティザン・マーケット)です。ここでは、木彫りの仮面、楽器、銀細工に、布、皮製品など土地の工芸品を作る職人達が集まっています。店も路上から、建物から、いたる所に溢れていて、ア フリカン・アートや、アフリカの家具や雑貨等が好きな方にはたまりませんが、いざ商売となると彼等のタフさには本当に頭が下がりました…。
お客さんと一緒に太鼓選び。土産物から本物の楽器まで。玉石混合の中から、良い品物を良い値段(!)で手に入れるのは、ハードな買い物でした。 はてさて、得をしたのか、してやられてしまったのか…?
また、何よりバマコの市場は、路地を埋め尽くしている自然に広がっている野外市場が、活気があって面白い。路上で大声を張り上げて何かを売買している人、大きな大きな荷物を頭に抱えて走り廻っている人、見ていて全く飽きません。
そして、バマコ観光の最後は、国立博物館へ。これからの旅路で触れていく人々の文化や歴史をお勉強してから、まだまだ賑わうバマコを後にして、一路セグゥへ。
※一部、写真を福島 毅様より提供していただきました。ありがとうございました。
その2へつづく
生野
悠久の大地セレンゲティ 滞在型サファリ 9日間
『悠久の大地・セレンゲティ滞在型サファリ9日間』にご参加頂いた、山下信子さんからのツアーレポートです。(2009年9月)
訪れた人にしかわからないセレンゲティの魅力。日本からの長いフライトやナイロビからナマンガそしてアルーシャまでの悪路も許せてしまう・・・。サファリでの動物たちのドラマに涙が止まらなかったり、マサイ語で「果てしない平原」という名のとおり360度地平線、 圧倒される大自然に癒されている一人の人間がいる事に気づかされました。また訪れたい、そんな気持ちにさせられる。それが、セレンゲティ。
サファリ1日目
アルーシャから軽飛行機でセレンゲティへ 正味約1時間が何箇所も経由して2時間30分のフライト(正直、こんなに沢山の飛行場があるとは知りませんでしたが)。長いと文句をいってはいけません。ラッキーです。遊覧飛行です。マニャラ湖やンゴロンゴロを眼下に楽しい飛行でした。チェックイン後、昼食、休憩、そしていよいよ、1日目のサファリです。飛行場からロッジまでの道程がもうトムソンガゼルやキリンのお出迎えだったので期待は高まるばかり・・・ 期待どおり、ハネムーン中のライオンのカップルが木陰でのんびりしているに出逢えました。
サファリ2日目
昨日はしょっぱなから、ライオンの子供たちが遊んでいる姿や豹がトムソンガゼルを木の上まで運び、食べるシーンにでくわし、その興奮がまださめやらぬところで今日は2日目です。残酷なシーンなのですが、観察している車からは距離があり、匂いもしないのでなにか映画の1シーンを見ているようで、自然のなかでは毎日こういったことが営まれているんだなぁという思いでした。豹親子の狩の練習シーンは失敗に終わりましたが、土煙をあげて走るすがたの綺麗だったこと。
サファリ3日目
ブレック・ファースト・ボックスを持って少し朝早く出発です。ハゲワシ達がトムソンガゼルの子供の死体に群がって肉を啄ばんでいる近くで お母さんが悲しそうに鳴いている声がなんとも物悲しく、私の眼から知らぬ間に涙があふれていました。ワニがトムソンガゼルを食べる迫力のあるシーンも観察することが出来ました。ワニが水中で獲物を食べるなんて・・・水面から顔をだして獲物を振ってちぎって食べるすがたは圧巻でした。水牛の大移動は凄かったです。1千頭ほどの水牛がゆっくり行進してくるのは、迫力満点でした。
今日もブレック・ファースト・ボックスを持って出かけました。早朝のサファリ。日の出がすばらしい草原の丘の上で食べる朝食は格別。因みに、トイレもあり快適です。この日は雄ライオン2頭が草原を一定の距離を保ちながら走っている姿が観察できました。チーターの子供が親とはぐれて親を呼んでいる声のかわいらしいこと、夕暮れに豹の子供が木から下りてくる一瞬。数え挙げればきりがありません。
アルーシャにたつ軽飛行機に乗るまで時間の許すかぎりサファリ三昧でしたが飽きることがありません。2ヶ月ぐらいの三頭の子ライオンが親からトムソンガゼルの足をもらって、食事の訓練をしていました。
セロネラ・ワイルドライフ・ロッジですが改修がされ、とても快適に過ごすことができました。レストランも巨岩を利用してあり南に面したガラス窓からは、サバンナや気球の飛んでいる雄大な景色を見ることが出来ます(バスタブがあったのが最高)。
今回、9日間でしたが、セロネラ地区にしぼられていたので、すごく身体が楽でした。帰ってからも、旅の疲れも無く、直に日常に戻れたのが凄く良かったです。
「悠久の大地セレンゲティ 滞在型サファリ 9日間」ツアーページはこちら。
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