風まかせ旅まかせ Vol.17 世界一、美味しい食べ物

旅をしていると、お客さまから、「世界のいろんな国に行って、いろんなものを食べてきたと思いますが、何が一番美味しかったですか?」と聞かれることが多くある。僕の場合は、基本的にその国の主食と言われるもの、またガイドの話や宿のオヤジに聞いた情報をもとに、地元の名物は必ず食べるようにしている。
西アフリカへ行くと、玉ネギをたっぷり使ったチキンヤッサを食べるのを楽しみにしているし、どこの村でも食べることのできるピーナツバターをたっぷり使ったマフェも美味しい。マリのドゴン族を訪れる旅の楽しみの一つには、チキンがある。岩山で虫を追いかけて育ったチキンは身がしまり弾力があり、この上なく美味しい。
東アフリカでは、日本の肉ジャガに似たカランガが好物だ。野菜が美味いのだろう。また、赤道直下のアフリカでは果物も豊富だ。木で熟したバナナやパパイヤ、パイナップルやマンゴーが信じられないほど安く手に入る。果物が大好きな僕には本当にありがたい。旅の途中、路肩や村の市場で美味しそうな果物を見かけると必ず買って、メンバーのお客さまに無理やり?食べさせることにしている。
海岸地方では、豊富な魚介類が食べられる。アフリカ一、シーフードの美味しい国はモザンビークだと勝手に思っている。漁港さえあれば、どんな小さな漁港でもエビ、イカ、タコ、魚が手に入り、ポルトガル風味付けの絶品料理を村の安宿で食べることができる。
さて、冒頭の質問、一番美味しかったモノ…。
1980年代の初め、長い旅の途中キリマンジャロに登った。4泊5日の登山期間中、高山病でほとんど食事ができないまま、酷い疲れと空腹のまま下山した。その夜、モシの町のYMCAでたまたま一緒になった日本人登山者からもらったカップヌードル。これは美味かった。汁の一滴まで飲んだ。「世の中にこれほど美味い食べ物があるのか!?」と真剣に思った。30年以上経つが、いまだにあの時のカップヌードル以上に美味しいモノは食べていない。…と思う。
写真 : チキンヤッサ