ナイロビ ダイアリー no.8 ナイロビ観光 その1

ケニアに旅行に来られる方の
ほぼ9割以上が、
野生動物を観るサファリツアーが目的だ。
首都ナイロビは到着した日の1日だけ、もしくは到着してそのまま
ナイロビを離れて次の目的地へ、という方も多い。
たしかに、ナイロビには目玉となるような観光名所もないのですが、
実はなかなか面白いスポットもあるのです。
そんな場所の幾つかをご紹介いたします。

Africa Heritage House

ナイロビ市内から車で約1時間。ナイロビ国立公園が見渡せる丘の上に、米国人オーナーのアラン・ドノヴァン氏が所有するお屋敷〈African Heritage House〉が突如として姿を現す。外観はマリ共和国・ジェンネの泥のモスク風で、アフリカン・アートに興味のある人なら思わずにんまりとしてしまう。屋敷内には、古今東西のアフリカ大陸中から集めたアート品が並び、その全てが家具やインテリアとして、空間の中で生かされている。

西アフリカ・テイストでシックにまとめられたベッドルーム。
西アフリカ・テイストでシックにまとめられたベッドルーム。

例えば、階段の手すりに施されたブロンズ彫刻を掴んで進むと、ザンジバルから来たと思われるスワヒリ・スタイルの扉。中に入ると、カーテンに使われているガーナ産の手織りケンテ生地と、カウチのクッションカバーに使われているマリの泥染め生地が目を引きつける。壁を見ると、ティンガティンガ絵画やセネガルのガラス絵、マスク等が並ぶ。反対の壁に掛かっている大きなテキスタイル生地やゴミ箱(?)に使われている籠細工は南部アフリカのものだろうか。天井から下がる微細なステンドグラスのランプはおそらくモロッコ産だろう。何だかとりとめのない部屋を想像してしまうが、不思議と統一感があり、インテリアとしても、とても洗練された印象を受ける。
アフリカ各国のものがずらりと並ぶダイニング。
アフリカ各国のものがずらりと並ぶダイニング。

全てアラン氏が約40年もかけて収集した品の数々で、氏自らの解説付きでじっくりと屋敷を案内してくれる。アフリカン・アートへの底なしの愛情と、長年に渡るアフリカの旅の体験談を聞くだけでも面白い。宿泊もできるそうで、異なったスタイルの客間が全3室。いつか、週末にでも丸1日この屋敷の中だけに滞在し、アフリカ中のアートに囲まれてうっとりとした時間を過ごす日を企んでいる。

Kitengela Glass

ナイロビ市内から車で約1時間半~2時間。ナイロビ国立公園を超え、ひたすら悪路を進むと辿り着くのが〈キテンゲラ・ガラス工場〉。全てのガラス製品が、ビールやワインの空き瓶のリサイクルで作られていて、1つとして同じものがなく、原材料は全て廃品。その中から再生されたガラス製品の数々は、高級ロッジやレストランでも使われている。その素晴らしいアイディアに脱帽。

アトリエは不思議な空間。時間を忘れてしまう。
アトリエは不思議な空間。時間を忘れてしまう。

ナイロビ郊外にガラス工場があると聞いて訪ねて行ったその場所は、ただのガラス工場ではなく、アーティスト集団が共同生活をする不思議の王国だった。1979年にドイツ人の壁画家ナニ・クローゼ女史がステンドグラスのアトリエとして始めたもので、現在の雰囲気はまるでジブリの世界。周囲に何もない広大な自然の敷地の中で、建物のデザインからそこで働き生活する人々まで、不思議な異空間が広がっている。様々な廃品が、アートへと再生する試みが日々模索されており、思わず唸らされる素晴らしいものから何だこれ?というものまで、色々なアイディアに溢れている。ナイロビの喧騒を離れて、色彩豊かなガラスに囲まれた静かな空間でゆっくり過ごす一時もお勧め。とても居心地のいい空間です。
色彩豊かなガラス製品の数々。
色彩豊かなガラス製品の数々。

ナイロビ鉄道博物館

最後にご紹介するのは、ナイロビ駅のすぐ近くにある〈ナイロビ鉄道博物館〉。1896年のウガンダ鉄道から始まり、東アフリカの鉄道史全般の資料を展示している。館内の展示室は1室のみだが、なかなか見ごたえがある。
しかし、この博物館の醍醐味は館外に展示されている往年のSL、ディーゼル機関車、客車などの数々で、運転室や客車にも自由に入って触れることができる。ナイロビの青空の下、黒く輝く蒸気機関車はさすがに迫力。私はいわゆる鉄っちゃんではないので、ふーんと一通り眺めて満足してしまったが、「その筋」の方にとっては野生動物よりもたまらない場所かもしれません。

青空の下、往年のSLが映える。
青空の下、往年のSLが映える。

生野