ナイロビ音楽ライフ

ナイロビは音楽に溢れた街だ。
毎夜にぎわうナイトクラブ、大きなレストランでは生演奏が付き物、マタトゥ(乗合バス)の中、日用品を買うスーパーの中、果ては銀行の中まで音楽のない空間はない。
耳に飛び込んでくるのは、隣国タンザニアのスワヒリポップス、通称「BONGO FLAVOR」、コンゴのキンシャサ発リンガラ・ミュージック、最近ではナイジェリアポップスもよく耳にする。しかし、ナイロビの音楽を席巻しているのはジャマイカの「REGGAE」だ。
外国の音楽ではあるはずなのだが、ナイロビでは老いも若きもREGGAE一直線。
首都キングストンとナイロビの街が似ているのだろうか、人々はREGGAEの中で歌われる日々の葛藤、政府への怒りなど、メッセージを自分の事として受け止めREGGAEを自分たちのものとして消化しているように見える。
ここで残念なのは、あまりケニア・ポップスは元気がないという事だ。
もちろん、ケニアの人が作るケニアのポップスはあるが、どうも欧米の流行音楽の焼き直しみたいでつまらない。タンザニア、ナイジェリア、セネガルなど、他のアフリカ諸国のポップスが独自性に溢れているのと比べると今ひとつ。
何故だろう?と考え、1つの結論に至った。
少なくともナイロビでは伝統音楽に対して、人々の意識が希薄なのだ。
人に聞いてもあまり良く知らない。街の楽器屋に行っても、並んでいるのはギターにピアノにドラムセット、西アフリカの国々のように街中でトラディショナルな音楽が演奏されている風景などはまずお目にかかれない。
これは日本とよく似ている気がする。自分たちの伝統音楽、オリジナリティに対しての意識が希薄だから、欧米のヒットチャートの二番煎じみたいな音楽しか生まれてこないのではないだろうか。
ナイロビの一角に「National theater」という場所がある。
文化やアートの発信の場として使われている施設で、ここに行けばケニアの伝統音楽を知る事が出来る。ミュージシャンがたくさん集まり、日々ケニアの様々な伝統音楽の修練に余念がない。直に触れて見て、あまりの格好よさにとても興奮した。考えてみればケニアは東西南北それぞれに大きく異なる文化背景を持ち、民族の数は50以上だ。その多くの文化の中から、削ぎ落とされて残ったものがこのナイロビに集まってきている、海岸地方の音楽、北方のトゥルカナの音楽、キスムを中心とした西の音楽、どれもが異なる味わいがあり、楽器の種類も多様だ。
これらの素晴らしき伝統音楽の世界と現代ポップスが地続きでないところが至極残念。
…とまあ、なにやら
偉そうに評論家めいたことを書き連ねてしまいましたが、そこはそれ。
日本と違い、街を歩けば何かしら音楽の溢れる愉快なナイロビの生活を満喫している
今日この頃です。
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