2021.07.24発 林さんと行く夏の尾瀬でバード&ネイチャーウォッチング 1泊2日

7月24日(土)~25日(日)で尾瀬のバードウォッチングに同行させて頂きました。首都圏の猛暑を避けて、爽やかな気候の中で尾瀬の豊かな自然を満喫してきました。今回は鳩待峠から尾瀬ケ原を散策した後に、尾瀬沼へ向かい大清水に下山するコースです。

今回歩いたルートマップ
今回歩いたルートマップ

午後には天気が崩れる予報のため、当初の予定より1本早い新幹線に変更して尾瀬に向かい、10時半には鳩待峠に到着しました。尾瀬ケ原に向かう途中の道では樹林帯や河原に咲く花々や花に集まる昆虫などを観察しながら下ります。草花ではツクバネソウやモミジカラマツ、マルバダケブキ、オニシモツケなどで、オニシモツケの花にはハナカミキリが集まっていました。また、森の中からは姿は見えないものの、コマドリ、コルリ、ミソサザイなどの声が聞こえ、川原にはカワガラスの姿も見られました。

クルマバツクバネソウ 中心の花が黒い実に熟した姿が羽子板のつくばねに似るため名がついた
クルマバツクバネソウ 中心の花が黒い実に熟した姿が羽子板のつくばねに似るため名がついた
モミジカラマツ 線香花火の様な花が唐松の葉に似ており、葉はモミジのような五葉である
モミジカラマツ 線香花火の様な花が唐松の葉に似ており、葉はモミジのような五葉である
オニシモツケとヨツスジハナカミキリ オニシモツケの花は蜜や花粉が多いのか、沢山の昆虫が集まる
オニシモツケとヨツスジハナカミキリ オニシモツケの花は蜜や花粉が多いのか、沢山の昆虫が集まる

1時間程度下ると尾瀬ケ原の入口の山の鼻に到着します。休憩は密を避けて研究見本園のベンチにして、植物を観察しながら休みます。キンコウカの群落とコバノギボウシ、トキソウ、コバノトンボソウなどが見られました。

キンコウカ 今回一番見られた湿原に大きな群生を作っていた
キンコウカ 今回一番見られた湿原に大きな群生を作っていた
コバノトンボソウ ランの仲間で、花が飛び交うトンボを想像させる
コバノトンボソウ ランの仲間で、花が飛び交うトンボを想像させる

休憩を終えたら尾瀬ケ原に出発です。山の鼻周辺の草花ではカキツバタや池塘の中にヒツジグサ、オゼコウホネが見られ、水辺ではナガバノモウセンゴケは花をつけていました。鳥はノビタキが湿原を移動しながら餌を探し、上空ではイワツバメが飛び交っており、周辺の森からはカッコウ、ホトトギス、ツツドリの声が聞こえてきます。他には珍しいトンボも多く、日本最小のトンボであるハッチョウトンボのオスが鮮やかな赤い姿で水草にとまっている姿も何度か見られました。また、池塘の底にはイモリも見られました。

カキツバタ アヤメの仲間で花弁の根元に白い筋が入る
カキツバタ アヤメの仲間で花弁の根元に白い筋が入る
ヒツジグサ スイレンの仲間で羊の刻に開花するためこの名がついた
ヒツジグサ スイレンの仲間で羊の刻に開花するためこの名がついた
ナガバノモウセンゴケ 北方系のモウセンゴケで、食虫植物としても有名
ナガバノモウセンゴケ 北方系のモウセンゴケで、食虫植物としても有名
ノビタキのオス 夏鳥で本州では山の高原や湿原で繁殖し、冬は東南アジア等に渡る
ノビタキのオス 夏鳥で本州では山の高原や湿原で繁殖し、冬は東南アジア等に渡る
ノビタキのメス
ノビタキのメス
ハッチョウトンボのオス とても小さく、羽を除くと大きさは1円玉程度である
ハッチョウトンボのオス とても小さく、羽を除くと大きさは1円玉程度である
カオジロトンボ 高山の水辺のみで見られるトンボで顔が白い
カオジロトンボ 高山の水辺のみで見られるトンボで顔が白い
コサナエ 山の渓流で見られるトンボ
コサナエ 山の渓流で見られるトンボ
アカハライモリ 池塘で見られ、背中は黒いが腹部は鮮やかな赤で黒い斑紋が混じる
アカハライモリ 池塘で見られ、背中は黒いが腹部は鮮やかな赤で黒い斑紋が混じる

牛首の分岐からは東電小屋の方に進み、ニッコウキスゲ群落のポイントに向かいます。実はここまでの道でほとんどニッコウキスゲは見られませんでした。ようやく群落が見えてきたと思ったら鹿除けの柵が設置されており、その中のみ咲いている状態でした。かなり鹿の食害による深刻なダメージを受けている模様です。この周辺ではアオヤギソウやカキラン、トキソウなども見られました。

ニッコウキスゲの群落 鹿侵入防止柵の内側には群落が見られた
ニッコウキスゲの群落 鹿侵入防止柵の内側には群落が見られた
カキラン 花弁の上部が柿の実に似た色の可愛い蘭
カキラン 花弁の上部が柿の実に似た色の可愛い蘭
ミズチドリ 高原の湿原で見られ、白い花が飛ぶ千鳥を連想させる
ミズチドリ 高原の湿原で見られ、白い花が飛ぶ千鳥を連想させる
アオヤギソウ 花が淡黄緑色で目立たないが、よく見ると可愛らしい
アオヤギソウ 花が淡黄緑色で目立たないが、よく見ると可愛らしい

ところが、この頃から天気予報の通りに雲行きが怪しくなって来て、雨が降り出して本降りになってしまい、ヨッピ橋から竜宮経由で宿泊する小屋がある見晴までは雨の中での歩行となってしまいました。ヨッピ橋近くの河原では昼だというのにニホンジカの姿が見られました。

小屋に到着して濡れた服を乾燥室で乾かしながら、ひと風呂浴びた頃には雨は上がりました。尾瀬の小屋ではお風呂に入れる事も魅力のひとつです。ビールを飲んで一息入れたら、温泉小屋のある赤田代方面に散策に出掛けました。

赤田代には尾瀬でもここでしか見られない草花があり、今回はクロバナロウゲ、コアニチドリ、サワヒヨドリが見られました。湿原ではホオアカのつがいが見られ、上空にはノスリが飛んで、小屋へ戻った時には手前の広場の木にはニュナイスズメの群れが集まっていました。夕食後には再度、木道を歩いて蛍狩りを楽しみます。あまり知られていませんが、7月下旬から8月上旬まで尾瀬ケ原ではヘイケボタルが見られます。

キンコウカの群落と至仏山 雨が上がり暮色がかった至仏山が見られる
キンコウカの群落と至仏山 雨が上がり暮色がかった至仏山が見られる
クロバナロウゲ 本州中部以北の湿原で見られるいかつい花で、漢字では「黒花狼牙」と迫力がある
クロバナロウゲ 本州中部以北の湿原で見られるいかつい花で、漢字では「黒花狼牙」と迫力がある
コアニチドリ マタギの里である秋田県上小阿仁村で発見されたのが名前の由来で、絶滅危惧種の蘭
コアニチドリ マタギの里である秋田県上小阿仁村で発見されたのが名前の由来で、絶滅危惧種の蘭
マイサギソウ 湿原で見られるサギが舞っているイメージの蘭
マイサギソウ 湿原で見られるサギが舞っているイメージの蘭
オタラコウ フキに近い仲間で水が流れる場所で見られる
オタラコウ フキに近い仲間で水が流れる場所で見られる
ホオアカ 夏は高原で繁殖し、冬は日本南部で越冬するホオジロの仲間
ホオアカ 夏は高原で繁殖し、冬は日本南部で越冬するホオジロの仲間

翌日は朝から快晴です。あわただしく夜明けの風景を撮影して、5時半には朝食を食べて出発です。見晴から尾瀬沼までの道は樹林帯が大半で、最初はブナの原生林で標高をあげるにつれてアオモリトドマツとシラビソの針葉樹に替わっていきます。ここではメボソムシクイやエゾムシクイ、ウソを期待しましたが、声は聞こえましたが姿を見る事は出来ませんでした。ゆるいけど長い登りを歩いて白砂峠を越え、白砂湿原で休憩しました。ここは針葉樹林に囲まれた湿原で、久しぶりの解放感に浸れます。池塘ではイモリやツチガエル、マツモムシの背泳ぎやゲンゴロウの仲間が見られました。ここからはゆるい下りを少し歩くと尾瀬沼の沼尻に着きます。尾瀬沼をあふれた水は沼尻から尾瀬ケ原に下り、他と合流して只見川となり、三条の滝を経由して日本海にそそぎます。ここは以前小屋とトイレがありましたが火事で焼失してしまい、今は休憩するスペースのみ残っています。この周辺は標高が高いので、サワランが咲き残っていました。

沼尻からは尾瀬沼北岸の道を歩いて大江湿原を目指します。針葉樹林と小さな湿原が交互に現れる道で、途中でヒガラの群れや高山性のトンボであるエゾイトトンボなどを観察しながら歩きました。

夜明けの尾瀬ケ原と至仏山
夜明けの尾瀬ケ原と至仏山
ミヤマバイケイソウ 山道の沢沿いに咲く大型の花
ミヤマバイケイソウ 山道の沢沿いに咲く大型の花
サワラン 色は鮮やかであるが、これ以上蕾が開かない蘭
サワラン 色は鮮やかであるが、これ以上蕾が開かない蘭
エゾイトトンボ 高山性のトンボでブルーと黒が鮮やか
エゾイトトンボ 高山性のトンボでブルーと黒が鮮やか

大江湿原へは鹿除けのゲートを開けて入ります。今年のニッコウキスゲは裏年でやや少なめでしたが、コオニユリ、オタカラコウ、ヤナギランなども咲いて眼を楽しませてくれます。更に花が多いので蝶もよく見られました。

大江湿原入口にある鹿柵の扉
大江湿原入口にある鹿柵の扉
ニッコウキスゲ群落と尾瀬沼及び三本唐松
ニッコウキスゲ群落と尾瀬沼及び三本唐松
ニッコウキスゲ 別名ゼンテイカ(禅庭花)と呼ばれ、朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう
ニッコウキスゲ 別名ゼンテイカ(禅庭花)と呼ばれ、朝方に開花すると夕方にはしぼんでしまう
コオニユリ 湿原で見られるユリの仲間
コオニユリ 湿原で見られるユリの仲間
ヤナギラン 日当たりのよい草原を好む大型の花
ヤナギラン 日当たりのよい草原を好む大型の花
ウラギンヒョウモン 山地性のヒョウモンチョウの仲間
ウラギンヒョウモン 山地性のヒョウモンチョウの仲間
アキアカネとニッコウキスゲ 実はこのトンボが一番多く見られた
アキアカネとニッコウキスゲ 実はこのトンボが一番多く見られた

その後、長蔵小屋のベンチで尾瀬沼を眺めながら昼ごはんを食べます。水辺にはアオサギやカワウが見られました。昼食後は沼沿いの道をしばらく歩いた後に三平下で尾瀬沼と別れて三平峠までの山道を登り、峠から一ノ瀬まで下ります。下りの道ではでは再びニホンジカに至近距離で遭いました。その後一ノ瀬からシャトルバスで大清水へ行き、路線バスに乗り換えて尾瀬戸倉に戻って温泉で汗を流してから上毛高原駅で解散しました。

尾瀬沼と燧ケ岳
尾瀬沼と燧ケ岳
ニホンジカ 見た目は可愛いが、植物への被害は深刻
ニホンジカ 見た目は可愛いが、植物への被害は深刻

今回は姿を見た鳥は少ないものの、声を含めると22種の観察となりました。しかし、尾瀬の魅力は湿原と山の風景とそこに咲く草花や動物全てであり、ベストシーズンの初夏に見られる動植物はほぼ網羅したと思います。自身で記録したリストでは、植物82種で、動物は鳥以外では哺乳類1種、両生類3種、魚類2種、昆虫18種でした。特にトンボは北方系や高山系の珍しい種類が見られて興味深かったです。今後も動植物層の豊かな地域へのツアーを企画して皆さんをご案内したいと思います。

◆道祖神的!?国内ツアー特集

2021.07.03発 林さんと行く国内日帰り探鳥会第2回 八王子城跡と高尾周辺(東京都)

7月3日(土)に東京都 八王子市高尾山周辺のバードウォッチングに同行させていただきました。梅雨の期間でしたが、さいわいにも雨には降られず、目的のアオバズクとサンコウチョウをじっくり見ることが出来ました。

サンコウチョウ
サンコウチョウ

今年の梅雨は中休みも無く雨が降り続いており、前日は激しい雨が降って南関東の一部には警報も出ている状態でした。しかし、天気予報では昼前には止む予報であり、延期をしたらサンコウチョウの繁殖が終わってしまい観察が困難になると予想されるので、集合時間を遅らせて実施しました。

10時30分に京王線狭間駅に集合した時には雨は予報通りに止んでおり、徒歩でアオバズクがすむ神社に向かいます。到着して早速探しますが、いつもとまっているカエデの木の横枝に姿が見えません。ちょっと焦って少し探しましたが、奥の杉の木にいました。おそらく激しい雨を避けて定位置から移動したのでしょう。

アオバズクは夏鳥で東南アジアから渡ってきて、東アジアで繁殖します。抱卵はメスのみが行い、オスが見張りと餌を運ぶ役目なので、撮影した個体は見張り中のオスだと思われます。平地から低山地にかけての森林に棲みますが、巣になる大きなうろがある木は少なくなってきているので、数が減ってきているそうです。

アオバズク
アオバズク

1時間程度、観察と撮影をした後に八王子城址公園に移動します。高尾駅からバスに乗り八王子城址公園に向かいます。バスから降りて歩く途中の八王子霊園ではキビタキのメスとメジロが見られました。八王子城址公園は戦国時代の小田原北条氏の城の一つの山城で公園として周辺環境も保全されています。公園の広場で昼食した際にはウグイスとガビチョウの声が聞こえました。

昼食後に薄暗い杉の木が茂る林道を歩きながら、サンコウチョウが出るポイントに向かいます。林道入口でよく見られたコサメビタキは巣立ちした模様で見られませんでした。

コサメビタキ
コサメビタキ

林道に入ったらすぐに「ホイホイ」とサンコウチョウの声が聞こえたので、声の方向を見るとオスが長い尾をひらひらさせながら杉の木立の間を飛んでいます。しばらく観察をしていたら、メスも現れてくれました。一緒にいる時もあるのでつがいの模様です。

サンコウチョウのつがい
サンコウチョウのつがい

杉木立の薄暗くて枝が沢山ある中を頻繁に飛び回るサンコウチョウは撮影がとても難しく、お客様も苦労されている様です。薄暗いため枝にとまっても、一旦眼を離してカメラや双眼鏡を覗くと場所が分からなくなる程でした。オスの方が羽毛は暗い色ですが、ブルーのアイリングやクチバシが鮮やかで、比較的見つけやすい感じです。

この日は近くを流れる小さな沢も大量の水が流れており、いつもは水飲みや水浴びにやってくるオオルリやキビタキは現れる気配は無い状態でしたが、河原の方から「シーシー」とヤブサメの声が聞こえてきました。しかし、暗い森の中でとても小さく保護色の鳥はついに見つける事は出来ませんでした。

皆さんが撮影に夢中になっている間に時間は過ぎて行き、3時半にはかなり暗くなってきたので、観察を切り上げて帰路につきました。今回は梅雨の合間をぬって目的にしていた簡単には見られない2種の鳥をしっかり観察出来たので良かったと思います。

サンコウチョウは日本へは夏鳥として渡来して、平地から低山にかけての暗い森にすみます。昆虫食で、木々の間を飛翔中の昆虫を捕食する姿をみられます。「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」月・日・星、と聞えることから、三光鳥と呼ばれていますが、「ツキヒーホシ」はよく聞き取れません。また、漢字記載では三光鳥ですが、その際はイカルも含まれます。私の個人的な感想ではイカルの方が「ツキヒーホシ」はよく聞き取れますが、「ホイホイホイ」はありません。

道祖神ツアーなので、参考にアフリカでみられるアフリカサンコウチョウの画像を掲載します。こちらはオスも鮮やかな赤褐色で、稀に白色と黒のみの個体も見る事があります。明るい疎林にすみ、ロッジの庭などでもよく見られます。

アフリカサンコウチョウ
アフリカサンコウチョウ
アフリカサンコウチョウ
アフリカサンコウチョウ

~添乗員より~

去る7月3日(土)に、弊社の動物チェックリストの著者でもある林さんがご案内する八王子城跡と高尾周辺でのバードウォッチングにお手伝いとして同行させていただきました。
前日、前々日と梅雨のさなかということを考えても、かなり激しい雨が降り続き、八王子には大雨警報も出ていたため、実施を危ぶみましたが、集合時間を1時間遅らせるという判断が功を奏したのか、集合いただいた時点ですでに雨は止んでおり、16時頃にバードウォッチングを終了するまで雨に降られることなく鳥たちの観察を楽しむことができました。

今後も8月の富士山奥庭での第3回以降、12回まで企画しておりますので、鳥がお好きな方、週末に自然の中を少し歩いてみたいという方、在宅期間中にバードウォッチングに目覚めたという方などなど、本格的な方もいらっしゃいますが、そうでない方も多くご参加いただいておりますので、気軽にご参加いただければと思います。

■道祖神的国内ツアー特集

羽鳥

2020.11.14発 林さんと行く国内日帰り探鳥会第2回 早戸川林道(神奈川)

11月14日(土)に神奈川県 宮ケ瀬湖の早戸川林道のバードウォッチングに同行させて頂きました。皆さんに一番の目標であったヤマセミをじっくり見ることが出来て、他ではオシドリの大きな群れやミサゴの捕食中の姿などが見られました。

 朝の8時20分に小田急線本厚木駅に集合して、バスで約50分かけて宮ケ瀬湖に向かいます。宮ケ瀬湖は丹沢山系の人造湖で、早戸川林道は宮ヶ瀬湖畔の小中沢駐車場の横から始まる林道で、早戸川橋までの約4.2kmまでは一般車両が通行禁止で、湖畔沿いの舗装道路にて車の通行を気にせずゆっくりと鳥を観察出来ます。

最初は園地と自然林の境を歩きますが、11月では冬の小鳥の入りは今ひとつで、ジョウビタキのメス1羽のみでした。やがて、湖が見えて来たので湖面の水鳥をチェックし始めたら、ミサゴが上空をいきなり通過しました。比較的ゆっくりでしたので、皆さんしっかりと見られたと思います。湖面ではオオバン、マガモ、カワウなどよく見られます。その中で、近づいて来たカヌーを嫌がって逃げる小型カモ類の群れを双眼鏡で観察したら、オシドリの群れでした。今回は目標の鳥はしっかりと見えているのですが、とても観察時間が短い感じです。

マガモ
マガモ
シジュウカラ
シジュウカラ
ヤマガラ
ヤマガラ
コゲラ
コゲラ

 山の鳥の方はカラスザンショウの実を目当てにシジュウカラやヤマガラの群れが何度か現れ、コゲラも出ました。また、山の稜線付近にはトビを何度か見ましたが、下見の時に出会えたクマタカ、ハイタカは出てくれませんでした。。。 残念!

クマタカ
クマタカ

やがてヤマセミのポイントが近づいてきました。人が集まってカメラを構えていますので、期待が持てそうです。分かり易い場所にいてくれて、全員の方がしっかり見る事が出来ました。更に場所も移動してくれたので、色々な写真が撮れたと思います。ここでランチを食べながら、他の鳥を待っていたらカワセミも登場してくれました。

ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミ
ヤマセミのテリトリー&狩り場
ヤマセミのテリトリー&狩り場

帰路は同じ道をゆっくりと鳥を探しながら戻ります。湖面に100羽位のカモの群れが着水するのが見えたので、双眼鏡で覗くとオシドリの大群でした。ちょっと遠かったですが、なかなかゴージャスな水鳥の群れでした。その後、湖の人工浮島にミサゴがとまっているのを見つけました。魚を捕食中で、カラスに見つかって邪魔されていましたが、無視して頑張って食べていました。その後、カヌー乗り場付近でセキレイや別個体のミサゴを観察して帰路につきました。

オシドリ
オシドリ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ
ミサゴ

今回は一番の目標であるヤマセミがしっかりと観察出来たので本当に良かったと思います。次点は大群のオシドリと食事中のミサゴだと思います。簡単に出会える鳥では無い上に、興味深い姿を見せてくれました。逆に不作だったのは山の鳥で、まだ高山から移動してきていない感じでした。そのため、今回の観察種は20種に留まりました。

12月になれば、更に冷え込むので移動して来て、木々の葉も落ちて観察もし易くなると思います。山の鳥を安全な林道からゆっくりと観察できる、都内からも簡単に行けるエリアなので、是非訪れてみて下さい。

※現在、林さんと行く探鳥会は中止となっております。

2020.11.01発 林さんと行く国内日帰り探鳥会第1回 ふなばし三番瀬&葛西臨海公園(千葉)

11月1日(日)に三番瀬と葛西臨海公園のバードウォッチングに同行させて頂きました。実は10月10日の予定でしたが、悪天で延期となりました。三番瀬でのシギ・チドリの渡りのピークは過ぎてしまいましたが、数は多く身近で見られるとともに、葛西臨海公園と組み合わせたので、40種類程度の野鳥を観察することが出来ました。

朝の9時に京葉線二俣新町の駅に集合して、バスで三番瀬に向かいます。干潮のピークより約2時間前に現地に到着して長靴に履き替えて渚へと向かいます。

渚のシギやカモメを観察し始めたら、カモメの群れが大騒ぎを始めたので上空を見たらミサゴ2羽が旋回をしながらこちらへ向かって来ました。近くを旋回してくれたので、皆さんしっかりと見られたと思います。その後ハマシギやミユビシギ、シロチドリなどを観察しました。渚で餌を求めてちょこまかと走り回る姿はいつ見ても愛らしいもので、こちらが動かないと近くにも寄ってくる時もあります。

その後、ミヤコドリの大きな群れがいるポイントに移動して観察しました。この時期のシギ・チドリは冬羽の灰褐色で地味なのですが、ミヤコドリだけは大型で黒と白のツートーンでクチバシは朱色がかった赤なので、よく目立ちます。元来は旅鳥でしたが、近年東京湾ではほぼ通年で見られ、三番瀬は見易いポイントとなっています。他に大型のチドリのダイゼンも一緒にいました。

ハマシギ
ハマシギ
ミヤコドリ
ミヤコドリ
ミユビシギ
ミユビシギ
シロチドリ
シロチドリ
ミサゴ
ミサゴ

昼頃にバスと京葉線で葛西臨海公園に移動します。鳥類園のウォッチングセンターに向かう途中の上空にチュウヒと思われる猛禽が現れました。

昼食後には鳥類園を一周しながら鳥を探します。上の池と呼ばれる淡水池にはカモ類はまだ少ない状況でしたが、オオバンは沢山いました。また、カワセミが近くに現れて、楽しませてくれました。森の歩道を歩きながら小鳥を探し、何ヶ所かある下の池と呼ばれる汽水池が見られる観察窓から水鳥を探します。森の中ではシジュウカラやメジロという常連の他にカケスが見られました。カケスは山の鳥なので、おそらく冬になる前に移動中の個体だと思います。ウォッチングセンターの観察リストにはキビタキなど移動中の鳥がいくつか掲載されていました。池が見られる観察窓からは、カワセミが大サービスで、木の杭から何度も餌を探して行ったり来たり姿が間近に見られました。最後に東なぎさとの水路を歩いて、カモメやカワウなどの水鳥を観察していたら、近くの護岸にイソヒヨドリが出てくれました。

今回は水鳥以外に陸の鳥も探したので、約40種類の鳥を観察することが出来ました。これからは木々の葉も落ちるし、冬鳥も渡って来るので賑やかになって来ると思います。

また、春と秋の渡りの季節も様々な鳥が見れますし、珍しい鳥も現れる可能性があります。都内から簡単に行けるエリアなので、是非訪れてみて下さい。

※現在、林さんと行く探鳥会は中止となっております。

カワセミ
カワセミ
カワセミの飛翔
カワセミの飛翔
ゴイサギの幼鳥
ゴイサギの幼鳥
ハクセキレイ
ハクセキレイ
イソシギ
イソシギ
モズ
モズ
オナガ
オナガ
ヒヨドリ
ヒヨドリ
アオサギ
アオサギ
ヒメアマツバメ
ヒメアマツバメ
イソヒヨドリのメス
イソヒヨドリのメス

2017.12.29発 林さんと行く!ボツワナ・キャンプ年末スペシャル 10日間

雨季のボツワナにキャンプで行ってきました。雨季といっても雨は短時間で止むのでサファリには支障は無く、みずみずしい緑の景色の中で動物観察を楽しめます。また、定番のボツワナキャンプのコースでは盛り込まれないリニヤンティエリアを訪ねました。
ヨハネスブルグからの飛行機がカサネに近づくと巨大なマガディカディパンが見られ、着陸寸前にはチョベ国立公園の上空を飛ぶので、気分は盛り上がります。
1日目は午後に到着なので、保護区内には入らず一般道で常設のキャンプサイトへの移動のみでしたが、アフリカゾウやバッファロー他、沢山の動物や鳥が見られました。キャンプ場にも夜にはアフリカゾウがやってきました。

飛行機の窓から見えたマガディカディパンと塩田(赤い箇所)
飛行機の窓から見えたマガディカディパンと塩田(赤い箇所)
カサネに着陸前に見えるチョベ国立公園リバーフロントの風景
カサネに着陸前に見えるチョベ国立公園リバーフロントの風景
立ち寄ったナミビア国境のチョベ川にかかる橋の風景
立ち寄ったナミビア国境のチョベ川にかかる橋の風景

2日目はサブチに向けて出発ですが、道路沿いの電線や樹々に鳥が沢山見られるので、なかなか前に進みません。やがて雨が降って来たので、観察はやめて先を急ぎます。弱い雨で、サブチのゲートに着く頃には止んで青空が広がりました。
到着したら、早速午後のサファリです。乾季では埃っぽいサバンナになっているサブチマーシュは爽やかな緑の草原になっていました。オスライオン4頭の群れや猛禽類も良い場所で見られ、中々充実しました。

アカハシウシハタオリ(草ではなく、枯れ枝で巣を作るのでボサボサです)
シロクロオナガモズ
シロクロオナガモズ
アフリカブッポウソウ(雨季のみ見られます)
アフリカブッポウソウ(雨季のみ見られます)
サブチマーシュの草原1
サブチマーシュの草原1
サブチマーシュの草原2
サブチマーシュの草原2
ライオンのオス1
ライオンのオス1
ライオンのオス2
ライオンのオス2
クドゥ
クドゥ
インパラの力比べ
インパラの力比べ
ゴマバラワシ(マーシャルイーグル)1
ゴマバラワシ(マーシャルイーグル)1
ゴマバラワシ(マーシャルイーグル)2
ゴマバラワシ(マーシャルイーグル)2
アフリカソウゲンワシ(トゥニーイーグル)
アフリカソウゲンワシ(トゥニーイーグル)
アフリカソウゲンワシ(トゥニーイーグル)
アフリカソウゲンワシ(トゥニーイーグル)
アフリカオオノガン
アフリカオオノガン
シュバシコウ(雨季のみ見られます)
シュバシコウ(雨季のみ見られます)

3日目も午前中はサブチでのサファリです。動物のみでなく、小鳥にも興味を持って観察する余裕が出てきました。

サバンナシマウマ
サバンナシマウマ
ケープオグロヌー
ケープオグロヌー
イボイノシシの親子
イボイノシシの親子
コビトマングース
コビトマングース
コブガモ(繁殖期のみクチバシに突起が出来ます)
コブガモ(繁殖期のみクチバシに突起が出来ます)
セネガルショウビン(雨季のみ見られます)
セネガルショウビン(雨季のみ見られます)
ミナミベニハチクイ(雨季のみ見られます)
ミナミベニハチクイ(雨季のみ見られます)
ルリホオハチクイ(雨季のみ見られます)
ルリホオハチクイ(雨季のみ見られます)
ハジロアカラヤブモズ
ハジロアカラヤブモズ

3日目の午後と4日目はリニヤンティで過ごしました。サブチからモパニの森を行く細い道は砂が深い場所や大きな水たまりもあり、スタックの恐怖に怯えながら進むと、突然大きな湿原が目の前に広がりました。リニヤンティのキャンプサイトは川辺林の中にあり、目の前にはラグーンが広がってカバも見られて、とても快適な場所です。サファリ自体は木々が茂って見通しがきかず、動物も散っているようで、大型の動物は見られませんでしたが、水辺や森に棲む生き物が見られ、景色の良さもあり飽きる事はありませんでした。

リニヤンティのキャンプサイトはラグーンが目の前
リニヤンティのキャンプサイトはラグーンが目の前
リニヤンティの夕日
リニヤンティの夕日
コモンウォーターバック
コモンウォーターバック
レッドリーチュエ
レッドリーチュエ
スミスヤブリス
スミスヤブリス
サンショクウミワシ(アフリカンフィッシュイーグル)
サンショクウミワシ(アフリカンフィッシュイーグル)
シロビタイハチクイ
シロビタイハチクイ
クビワゴシキドリ
クビワゴシキドリ
ムナオビオナガゴシキドリ
ムナオビオナガゴシキドリ
ミミジロアフリカアオゲラ
ミミジロアフリカアオゲラ
アフリカヤツガシラ
アフリカヤツガシラ
ヒョウモンリクガメ
ヒョウモンリクガメ
ヌマヨコクビガメ
ヌマヨコクビガメ

5日目は朝からチョベのリバーフロントへ移動です。リニヤンティからのトラジットロードは、往路に比べて走り易く、順調にリバーフロントのンゴマゲートに到着しました。チョベ川への急な坂道を下ると雄大な風景が広がります。川沿いの道をしばらく走っていたら、シマウマがチョベ川を泳いで横断する風景に出会えました。他にも景色を楽しみながら動物を探し、雄大な夕日を眺めた後にキャンプに戻りました。

トランジットロード
トランジットロード
チョベ川とインパラ
チョベ川とインパラ
チョベ川を泳いで渡るシマウマ1
チョベ川を泳いで渡るシマウマ1
チョベ川を泳いで渡るシマウマ2
チョベ川を泳いで渡るシマウマ2
シマウマの大群
シマウマの大群
アフリカゾウの大群
アフリカゾウの大群
ハイガシラショウビン
ハイガシラショウビン
コウギョクチョウ
コウギョクチョウ
フナシセイキチョウ
フナシセイキチョウ
チョベ川の夕日
チョベ川の夕日

6日目と7日目の午前はチョベのリバーフロントでサファリ三昧です。朝一番にインパラの見事なジャンプが見られました。他にもキリンの力比べなど見ながら、ボートサファリの乗船場に移動です。ボートからはダイナミックなアフリカゾウの水浴びが見られました。もちろん、水鳥も楽しみます。夜にはラーテルがキャンプにやってきました。翌朝はおさらいをするように、チョベ川沿いを端から走ってカサネの空港に向かいました。

インパラのジャンプ
インパラのジャンプ1
インパラのジャンプ2
インパラのジャンプ2
キリンの力比べ1
キリンの力比べ1
キリンの力比べ2
キリンの力比べ2
ボートからのアフリカゾウ
ボートからのアフリカゾウ
アフリカゾウの水浴び1
アフリカゾウの水浴び1
アフリカゾウの水浴び2
アフリカゾウの水浴び2
アフリカゾウの水浴び3
アフリカゾウの水浴び3
アフリカクロトキとカバ
アフリカクロトキとカバ
クロコサギ(羽で水面に覆いを作って魚を集める)
クロコサギ(羽で水面に覆いを作って魚を集める)
ミズベイシチドリ
ミズベイシチドリ
ミナミキンランチョウ(雨季の繁殖羽)
ミナミキンランチョウ(雨季の繁殖羽)
テンニンチョウ(雨季の繁殖羽)
テンニンチョウ(雨季の繁殖羽)
キャンプにやってきたラーテル
キャンプにやってきたラーテル
チャクマヒヒ1
チャクマヒヒ1
チャクマヒヒ2
チャクマヒヒ2
ダルマワシ
ダルマワシ
ライラックニシブッポウソウ
ライラックニシブッポウソウ
キリンさん、バイバイ!また来るね
キリンさん、バイバイ!また来るね

雨季のボツワナは緑がみずみずしく、爽やかな風景が広がっていました。スコールも移動中と夜の2回だけでサファリやキャンピングには全く支障がありませんでした。動物はブッシュが茂って見つけづらかったからなのか、雨季で散っていたからなのかは分かりませんが、乾季に比べると少なめでした。しかし、色鮮やかな鳥たちや草花が十分に補ってくれています。また、繁殖期なので可愛らしい子供を沢山見られます。
雨季のボツワナはリピーターの方、特に鳥が好きな方には絶対お勧めの場所です。ロッジも値引きをしているので、お財布にも優しく滞在が出来ます。
林 弘道
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2018年8月23日発 林さんと行く!ボツワナ・キャンプ 塩湖とサファリ 10日間