2019年ケニア、夏のキャンプサファリの思いで

今年も恒例になりましたマサイマラでのキャンプツアーで、サファリ三昧をしてきました。今回は8月と9月の2回をまとめて、写真を使ってダイジェストで語ろうと思います。

その1、キャンプ場

毎回お世話になっているオルケリキャンプ。夏といえば観光シーズンですが、ここは貸し切りにしてくれるので、とにかくプライベート感が半端じゃない。特に私たちは5連泊するので、ハードなサファリから静かなキャンプ場に戻ってくると、我が家のような安心感があります。日本人が心配するトイレ・シャワーはしっかりした建物でいつも清潔。しかも、夜は電気もついて安心です。今年はキャンプ場に数頭のゾウが入り込んでしまい、夜間は警備のマサイ族が寝ずの番をしてくれました。敷地の中で動物に会えるのは嬉しいですが、一番大事な安全を提供してくれたスタッフに感謝です。この夏は大きな雨に降られることもなく、夜は焚き火を囲んでお話したり、満天の星を眺めたりできました。



その2、ボラタノ

最近のマサイマラで一番有名な「ボラタノ」と呼ばれる5頭のオスチーターに会うことができました。9月はチーターたちがヌーをハンティングする場面に遭遇。仲間でハンティングしようとするチーターを私たちの車も追いかけたので、車の振動で撮影は全くできませんでしたが、ヌーとチーターの興味深い駆け引きを観察することができました。


その3、川渡り

このシーズンで誰もが観たいのは「ヌーの川渡り」です。私たちのキャンプ場からマラ川までは距離があるのでお弁当を持って一日サファリです。草原にはヌーとシマウマの混軍が点在し、川渡り待ちをするサファリカーも並んでいます。私たちはいくつかの川渡りポイントを巡りながら様子を見ましたが、今年は2回とも川渡りを観察することができませんでした。何年ガイドの仕事をしていても、野生動物の行動を把握するのは難しいものです。




その4、ヒョウとサーバル

8月の出来事です。夕暮れ、私たちは珍しいサーバルを見かけました。そのすぐ近くで、今度はヒョウに会います。こちらも車を気にすることなく茂みをウロウロしていています。しばらくヒョウを観察していると、身を伏せて目つきが鋭くなりました。その刹那、ヒョウはサーバルめがけて猛ダッシュ。間一髪、サーバルはヒョウの攻撃を回避し逃げていったようですが、同じネコ科の肉食動物同士の関係を垣間見た瞬間でした。

その5、料理

キャンプ場で私たちの帰りを待ちながら料理を作ってくれるのはコックのサミーです。彼とも7年以上の付き合いなので、日本人好みの味付けを理解してくれます。しかも休みの日にはナイロビの料理教室で日本食を勉強する努力家で、毎年料理のレベルがアップしています。参加者はケニアのキャンプ場でこんなに美味しい料理が提供されることに驚き、そして食べ過ぎてしまうので注意が必要です。ツアーの中休みにはケニア料理作りにチャレンジしてもらいます。スタッフとわいわい言いながら作る料理は楽しくて美味しいものです。





その6、マサイウォーク

いつも警備してくれるマサイ族と一緒に、サバンナを歩きます。キャンプ場は保護区の外ですが、ゾウやライオンが普通に生活している場所なので緊張感もあります。ゾウの糞をサッカーボールのように蹴って転がしながら、マサイ族が普段から利用している薬草などを教えてもらいます。特に私が「スルメアカシア」と呼んでいるアカシアの樹皮がお勧めで、ナイフで幹の中の樹皮を割いてもらい、モグモグ噛みます。すると、じゅわっと何とも言えない甘味とうま味が口に広がります。夕陽の見える丘に登り、日本語とマサイ語を教えあったりしながら、彼らとノンビリした時間を過ごすのも貴重な体験です。



その7、シマウマのティラ

9月のツアーで「変わったシマウマの子供がいる」との情報が入りました。早速、ドライバーは無線で仲間たちと連絡を取り合いながら探しに向かいます。開けた草原の中にヌーとシマウマの大群がいます。その中からようやくそのシマウマを見つけ出すことができました。ぱっと見は黒っぽく、ヌーの子供みたいです。よく見ると、こげ茶色の身体に白い水玉模様が入っています。お尻の方は珍獣オカピのようです。すでにネットでは話題になっていたようで、身体の色素を作るメラニンの突然変異ということでした。このシマウマを最初に見つけたドライバーの名前から「ティラ」と名前もついていました。自然界の中ではこのような不思議が時々起こります。直接観察できたことはラッキーでした。

その8、バードウォッチング

キャンプ場周辺はアカシア疎開林で覆われており、保護区内の開けた草原とは違った景観になっています。実はここでは、けっこう珍しい野鳥に出会うこともしばしばです。ここでは保護区内よりも至近距離で動物が観察できるので、もともと野鳥愛好家でなくとも、次々出てくる美しい小鳥たちに魅了されてしまいます。ぜひ双眼鏡は持ってきて欲しいです。


その9、ナイロビ国立博物館

キャンプで5連泊した後は、ナイロビに戻ってホテルで1泊します。最終日の午前中はナイロビ国立博物館を訪問することをオススメしています。ここには文化や歴史、自然などの分野に分けて膨大な資料や標本が展示されており、ケニアのことをさらに知ることができます。中でも考古人類学の展示がリニューアルされて分かりやすく、「アフリカ人類発祥説」の舞台となっている東アフリカは、なぜヒトが誕生したのかというルーツを探ることができる興味深い展示になっています。



以上。今年の夏のツアーの想いでは、まだまだ語りつくせません。毎年毎回、サファリは変化し、新しい発見があるように、毎年毎回、新しいお客様が参加します。参加してくれるお客様それぞれの目的を大事にし、長年一緒に働いているドライバーやスタッフと、これからも全力でサポートしていきたいと思っています。

2018.12.28発 サファリガイド加藤直邦さんと行くケニア 森とサバンナのサファリ 10日間

年末年始をまたぎ、10日間でケニアの森とサバンナをめぐるサファリへ出発しました。ケニア到着日は空港からナイバシャへ移動。せっかくなので翌朝はナイバシャ湖でボートサファリに参加しました。今回参加の皆さんは野鳥好きの方も多く、水上から見られる水鳥に最初から大興奮です。船長が持ってきた小魚を投げると、サンショクウミワシが飛んできてキャッチするところを見せてもらえます。また、水中でノンビリするカバの群れをかなり近くで観察することもできました。

ウミワシ
ウミワシ
ナイバシャのボートサファリ
ナイバシャのボートサファリ
ナイバシャのボートサファリ
ナイバシャのボートサファリ

午後にはケニア西部に位置するカカメガフォレストへ移動。ここはケニアで最大にして最後の熱帯雨林です。面積はそれほど大きくありませんが、ここだけでしか見られない動植物も多く生息しています。今回は、キリスト教関係が運営している保養所で連泊します。施設はコロニアル風で、手入れの行き届いた庭に沢山の野鳥やサルがやってきます。ゆったりと年越しを迎えるのに最高の場所でした。

ロンドリトリート
ロンドリトリート
アビシニアコロブス
アビシニアコロブス
カカメガ
カカメガ
カカメガのネイチャー・ガイド
カカメガのネイチャー・ガイド
ハイノドゴシキドリ
ハイノドゴシキドリ

明け方、ガイドと共に近くの丘を登り日の出を眺めました。ひんやりとした空気の中、雄大な森林を眼下に現れた太陽は、とても印象的でした。帰り道ではカカメガでしか見られないムラサキハチクイを見ることができ、滅多に見られない美しい鳥にガイドも感動していました。

カカメガ
カカメガ
カカメガ
カカメガ
カカメガ
カカメガ
ムラサキハチクイ
ムラサキハチクイ

新年に入り、ナクル湖へ移動。1泊だったので短いサファリでしたが、フラミンゴなどの多くの水鳥、それに見たいと思っていたシロサイとロスチャイルドキリンも出会えて大満足です。

赤道通過
赤道通過
シロサイ
シロサイ
ナクル
ナクル
ナクル
ナクル
ナクル
ナクル
フラミンゴキャンプ
フラミンゴキャンプ
ペリカン
ペリカン
ロスチャイルドキリン
ロスチャイルドキリン

翌日から最終目的地のマサイ・マラ国立保護区へ移動し、キャンプ場で3連泊しました。このオルケリキャンプはいつも使っている場所です。馴染みの親切なスタッフとプライベート施設で皆さん快適に過ごすことができました。さらにほぼ毎晩満天の星が見られたので、言うことありません。サバンナでは出発時間や所要時間を毎回変えて、合計3回サファリドライブをしました。もちろんいつ来ても期待を裏切らないマサイ・マラなので、ライオン親子やチーターの兄弟も見られたし、珍しいと言われるヒョウも毎日違う場所で観察することができました。

マサイ・マラのキャンプサイト
マサイ・マラのキャンプサイト
キャンプサイトの食事
キャンプサイトの食事
ライオン親子
ライオン親子
ゾウ
ゾウ
セグロジャッカル
セグロジャッカル
ヒョウ
ヒョウ
ライラックニシブッポウソウ
ライラックニシブッポウソウ
マサイ・マラ
マサイ・マラ
マサイ・マラのピクニックランチ
マサイ・マラのピクニックランチ

最後の日はキャンプ場周辺をマサイと一緒に歩きました。なんと40頭ものキリンの大群と遭遇し、同じ地面に立って空間を共有できた時間は忘れられません。

マサイ・マラのウォーキング・サファリ
マサイ・マラのウォーキング・サファリ
マサイ・マラのウォーキング・サファリ
マサイ・マラのウォーキング・サファリ
マサイ・マラのウォーキング・サファリ
マサイ・マラのウォーキング・サファリ
マサイ・マラのウォーキング・サファリ
マサイ・マラのウォーキング・サファリ

このツアーはケニアの熱帯雨林とサバンナという全く異なる自然環境を体感できる、とても贅沢な企画だと思います。アフリカリピーターのお客様にもお薦めできますので、定番のツアーとして是非また出発したいです!
加藤
■サファリガイド加藤直邦さんと行くケニア・森とサバンナのサファリ 10日間

2018.9.14発 サファリガイド加藤直邦さんと行くベストシーズンのマサイ・マラ 10日間

9月は大型台風の影響で関空が一時閉鎖してしまうハプニングがありましたが、お客様の了解を得て飛行機の経路を変更してもらい、全員無事に現地へ到着できました。
参加者の想いが通じたのか、目的地のマサイマラでは天候に恵まれ、快適なキャンプ生活です。さらにオルケリキャンプ場のテントはリニューアルされて広くなり、プライベート感が増しました。

朝のキャンプ場
朝のキャンプ場

動物観察では、9月と言うと例年でしたら「ヌーの大移動」真っ盛りなんですが、サファリドライブへ行くとヌーは1頭もいません。ドライバーたちの情報によると、タンザニア側へ戻ってしまったそうです。自然の理はなかなか読めないものです。

サファリドライブ
サファリドライブ

だけど動物天国マサイマラは裏切りません。いくつかのライオンの群れに、5頭のチーター兄弟、木の上のヒョウ、それに小型ネコ科のサーバルも見られました。
ビックファイブで最も見つけるのが難しいクロサイは、最後の最後でようやく茂みの中で発見。全身の写真を撮ることができませんでしたが、わずかな茂みの隙間からこっそり見られた角は感動深かったです。

ライオンの子供たち
ライオンの子供たち
木の上のヒョウ
木の上のヒョウ
兄弟チーター
兄弟チーター
サーバルの親子
サーバルの親子
茂みの中のクロサイ
茂みの中のクロサイ
ヒョウの気持ちになってみる
ヒョウの気持ちになってみる

今回一番印象的だったのは、明け方保護区へ入る前の道路で立派な雄ライオンを3頭も見かけたことです。
ここは町のすぐ近くで、あと1時間もすると近所の子供たちが頻繁に歩いている通学路でした。こんな風に野生動物と地元住民の生活の距離が近い世界があることに、今更ながら驚きを感じずにはいられませんでした。

早朝の薄暗い中に登場したオスライオン
早朝の薄暗い中に登場したオスライオン

マサイ族とのウォーキングは、野生の美味しい果実や食べられる樹皮、それに歯磨きの木など、自然の恵みを五感で堪能しました。特に、マサイの長老が今回のために採ってくれた野生のハチミツは、今まで食べたことのない独特の風味があり、滋養効果がありそうでした。

インパラの頭骨
インパラの頭骨
野生のハチミツを採取
野生のハチミツを採取
ハチミツの試食
ハチミツの試食

キャンプ場では定番のアフリカンクッキングに挑戦。それにマサイ族のコックがヤギ肉を焼いてくれて一緒に堪能しました。普段はベテランコックのサミーが料理を作ってくれますが、野菜が多めで味付けも日本人好みです。彼は休みのときナイロビの日本料理学校で学んでいるそうです。
夜になると焚火を囲みながら野生動物の鳴き声を聞きながら、満天の星を満喫したことも良い思い出です。

アフリカンクッキング
アフリカンクッキング
マサイが焼いてくれたヤギ肉
マサイが焼いてくれたヤギ肉
焚火でマシュマロを焼く
焚火でマシュマロを焼く

2016.11.17発 サファリガイド加藤直邦さん同行 ケニア・バードウォッチング 11日間

今年は8月、9月とマサイマラでのキャンプサファリが続き、11月は11日間のバードツアーへ行って来ました。鳥観察が中心のケニア周遊ツアーは、自分にとって初めてです。
最初はナイバシャ湖でのボートサファリです。
水位が高くなっているようで、水面から樹木が伸びている風景が独特です。魚市場付近では、漁師からのおこぼれを狙って沢山の鳥たちが集まっていました。ボートで数メートルまで近づいても逃げ出すそぶりを見せません。
特に、小さいイメージのあるカワセミですが、その仲間のオオヤマセミの大きさは目を見張ります。また、サンショクウミワシの凛々しい姿も見応えがありました。

ナイバシャ・ソパ・ロッジ
ナイバシャ・ソパ・ロッジ
ナイバシャ湖
ナイバシャ湖
オオヤマセミ
オオヤマセミ
サンショクウミワシ
サンショクウミワシ

この日はナイバシャからバリンゴ湖まで移動して、午後からバードウオッチングです。
今度は湖の鳥ではなく、周辺の半乾燥地帯に棲息する鳥の観察です。
現地ガイドと向かった岩場には、地上にスミレスナバシリという渉禽類がいました。じっとしていると何処にいるのかわかりません。立ち上がったときの脚の長さに驚きました。
他にもオナガヨタカ、アフリカワシミミズク、アフリカスズメフクロウ、アフリカコノハズクと、居場所をあらかじめ知っていないと見つけられない夜行性の鳥たちを紹介してもらい大興奮でした。

スミレスナバシリ
スミレスナバシリ
オナガヨタカ
オナガヨタカ
アフリカワシミミズク
アフリカワシミミズク
ボゴリア湖のアリ塚
ボゴリア湖のアリ塚

翌日はボゴリア湖まで移動。この辺には面白い形のアリ塚が多くて気になります。路上販売している蜂蜜も有名なので購入しました。
いよいよボゴリア湖にたどり着くと、水面がフラミンゴの大群でピンクに染まっていました。想像以上です。世話しなく首を動かしながらピンクの塊が移動していきます。一斉に飛び立つ姿も優雅でした。
合計で30万羽以上はいたと思います。

コフラミンゴ
コフラミンゴ
コフラミンゴその2
コフラミンゴその2

ナクル湖で宿泊し、いよいよ今回のメインイベントであるカカメガフォレストへ向かいます。
天気予報ではずっと雨マークでしたが、森へ入ってみると乾燥していてほっとしました。
2泊滞在したロンドー・リトリートはキリスト教の保養所で、落着いた雰囲気です。宿泊したコテージの隣には大きなイチジクの木があり、その実を食べに沢山の動物たちがやってきて飽きませんでした。
個人的に一番見たかったカンムリエボシドリは、さっそく明け方に鳴きながら飛んできてイチジクの木に留まってくれました。お茶を飲みながらテラスで待っていると、他にもムラサキエボシドリや、サルを襲いにカンムリクマタカもやってきました。
現地ガイドと共にウォーキングすると、綺麗なムラサキハチクイやキバシオナガゴシキドリも見ることができました。
のんびりもできたし、見たかった鳥たちにも会えて大変満足です。

ムラサキエボシドリ
ムラサキエボシドリ
カンムリエボシドリ
カンムリエボシドリ
キバラゴシキチョウチョウ
キバラゴシキチョウチョウ
ムラサキハチクイ
ムラサキハチクイ
タテフコショウビン
タテフコショウビン
キバシオナガゴシキドリ
キバシオナガゴシキドリ

最後はマサイマラ国立保護区で3連泊しました。雨季らしく一日に一回は局所的な雨が降っています。
運の良さとベテランドライバーのお陰で、お客様の見たがっていたノガンやヘビクイワシ、ジサイチョウなどはしっかり観察することができました。開けたサバンナには昼行性猛禽類が多く、ハゲワシも含めると12種類を確認しました。
いつもはライオンやチーターを探し回るマサイマラですが、今回のようにゆっくりと走りながら、小さくても鳥を見つけては車を停めて、ガイドブックで名前を調べるサファリもなかなか楽しかったです。
改めてケニアの鳥類の多様さと、観察の奥の深さを感じました。

クラハシコウ
クラハシコウ
ヘビクイワシ
ヘビクイワシ
ダルマワシ
ダルマワシ
マサイマラ
マサイマラ
カタグロトビ
カタグロトビ
ミミヒダハゲワシ
ミミヒダハゲワシ

天候にも恵まれ、お客様は皆さん陽気な方ばかりで、終始どこでも笑いが絶えないツアーでした。
普段から双眼鏡を片手に鳥を観察している方ばかりなので、私やドライバーより先にどんどん鳥を見つけてくれました。おかげで6つの場所で合計150種以上の鳥類を観察できました。ケニアには1000種を超える鳥が棲息するそうですから、まだまだ見ていない鳥はたくさんいます。
この経験を活かして、またケニアのバードウォッチング・ツアーへ出発できたらなと思います。
加藤直邦
ケニア地域別鳥観察リスト
サファリガイド加藤直邦さん同行 ケニア・バードウォッチング 11日間

サファリガイド加藤直邦さんと行く ケニア・森とサバンナのサファリ 10日間

去年のクリスマスからお正月にかけてケニア・キャンプツアーへ行ってきました。今回はナイロビの空港へ着いたらそのまま移動。夜までにナクルの町まで移動しました。
そして翌朝、2年ぶりのカカメガフォレストへ向けて出発です。道中、綺麗に整備されたお茶農園が広がるケリチョーで休息もしました。道路の整備が進んだおかげで昼過ぎには目的地のカカメガフォレストへ入ることができました。テントの設営をすると、さっそく森の中を散策です。
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私たちが訪問する前まで雨が多かったらしく時々ぬかるみがありますが、比較的歩きやすく気持ちのいい森が広がっています。道のわきには野生のコショウやショウガも自生しているので、それらを味見するのも森歩きの楽しみです。
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お客様から見たいとリクエストされていたアビシニアコロブスは、私が見つける前にお客様自らどんどん見つけてくれます。樹上の生き物なので双眼鏡が必要ですが、コロブスのほかにレッドテール、ブルーモンキーも混群で観察することができました。野鳥の仲間では、なぜか一番大きなハシダカサイチョウが飛んできて私たちを観察していました。こんなに近くで見られたのは初めてかもしれません。そのほか美しいムラサキエボシドリも森の中で一瞬見ることができたのも印象的です。
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2連泊とも早朝丘に登り、ビューポイントから朝日を眺めました。森が明るくなってくると鳥たちが一斉に鳴き始めます。空の雲の広がり方で2回とも違った様子の壮言な日の出が見られて良かったです。
5日目はカカメガフォレストからマサイマラへ移動です。ケニアの熱帯雨林からサバンナへの車での移動は計12時間にもなってしまいました。さぞ皆さんお疲れになっただろうと思っていましたが、移り変わる風景や、「ケニア人の生活が見られて楽しかった」と、それなりに1日を満喫してくれたようでほっとしました。移動中サバンナでは多くの草食動物が見られましたし、辺りが暗くなると満点の星空が広がっていることもドライブを楽しめた要因ではないかと思います。
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マサイマラでの1夜目にして、近所でライオンの鳴き声が響き渡りました。さっそく翌朝ドライブへ出かけると、すぐに若いオスライオンに遭遇しました。これこそがより自然に近いキャンプサファリの醍醐味です。キャンプ場周辺ではユニークなカオグロハイイロエボシドリやシロハラムラサキテリムクなど、アカシア林の野鳥も観察することができました。
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いよいよ保護区の中にサファリドライブへ出発。12月はエルニーニョの影響で大雨が降ったらしく、予想以上に草丈が高くなっていました。大型のバッファローでさえ埋もれてしまいそうです。ぬかるみのせいで通行止めになっている道もあり、最初のころはなかなか大物に会えませんでした。
翌日は計画を変更しロングサファリへ出かけると、マサイマラらしく様々な動物に会うことができました。特に印象的だったのは3頭の親子チーターと、木の上で休むヒョウの姿でした。
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それに普段見かけることの少ない野鳥も多く観察できました。鳥好きのドライバー・ジョフリーのお陰でもあります。彼の車を大事にする安全な走りはお客様にとても好評でした。
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カカメガからずっと同行してくれたコックのサミーも、毎回クオリティーの高い日本人好みの料理で楽しませてくれました。二人とも私にとって欠かせないツアーのパートナーです。
マサイマラ最後の夜は大晦日ということで、キャンプ場に隣接するロッジで豪華なバイキングとバーベキューをご馳走になりました。
夜が明けて新年。私たちはナイロビへ帰る前にマサイの戦士たちと早朝サファリウォークをしました。今回のキャンプ中は夜間ずっとライオンやハイエナの鳴き声が響き渡っていたので、歩くことを心配されるお客様もいましたが、普段からここで生活しているマサイとなら安心です。
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車では通り過ぎてしまいがちな足元のフィールドサインや、薬草として利用している樹木の紹介をしてもらいながら、遠くで不思議そうにこちらを眺めている草食動物たちが印象的でした。
今回のお客様は動物だけでなく自然環境やケニアの文化にも非常に興味のある方々だったので、ガイドの仕事も遣り甲斐がありました。これからもお客様の安全を第一に、それぞれのご要望をサポートできるツアーを続けていきます。
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加藤直邦