南部アフリカ、ナミビアの砂漠に生息する昆虫「キリアツメゴミムシダマシ」

アフリカで観察できる動物として、哺乳類や鳥類などに目が行きがちですが、実は、アフリカには、ユニークな昆虫もたくさんいます。

アフリカ南部のナミビア共和国の、砂漠地帯に暮らす、キリアツメゴミムシダマシもその一つ。(ゴミムシダマシは、日本にも300種以上、世界では10,000種以上いる昆虫)
ナミブ砂漠は、年間の降水量が120mm以下(年によってはそれ以下)の極度の乾燥地帯ですが、数日に一回、大西洋からの霧が発生し、砂漠を覆います。霧が発生すると、このゴミムシダマシは、それに向かって逆立ちをして霧を受け止めます。しばらくすると、体の表面についた水分が、少しずつまとまっていき、それが重力に従い下方へ流れ、ついには、一滴のしずくとなってしたたり、逆立ちをしている口元へと運ばれます。たったの一滴ですが、人間に換算すると20Lもの水を飲んだことになるそうです。
過酷な環境を生き抜く術には、驚かされるばかりです。
未だ地球上に存在する生物の70~80%以上が未確認とされています。今後、アフリカでも数多くの面白い生物が発見されるのが楽しみです。
大阪営業所スタッフ 荒木
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ナミビア、ソリテール名物オジサンのアップルパイ

ナミビアのナミブ砂漠への入り口「セスリエム」から車で40分ほど北上したところに、「ソリテール」という小さい街(村?)があります。フロンティアの街で、かつては人口50人ちょっとだったところですが、先日立ち寄った際は92人(入り口の歓迎の看板に人口が書いてあります)に増えていました。
街の中心は、かつて手動で操作していたガソリンスタンドなのですが、このガソリンスタンドの前には、朽ち果てたシボレーのトラックやオートバイがオブジェのように配置され、少々シュールな空間を演出しています。
このソリテールに、「Moose」という名物オジサンがいます。Moose=ヘラジカ、というあだ名の通り、大きな体に髭面、強面のオジサンなのですが、見た目と違って陽気で愛想がよく、彼の作るアップルパイは、ここに立ち寄った観光客が必ず食べる名物となっています。
私自身は甘すぎてちょっと苦手なのですが、ブラックコーヒーとともにいただくと美味しいらしいです。
弊社のツアーでもナミブ砂漠を訪問する際には必ず立ち寄る街ですので、お立ち寄りの際にはぜひこのアップルパイをお試しください!

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ナミビアに生息するレイヨウ類、砂漠のオリックス(ゲムズボックス)

ナミビアのオリックス。南部アフリカではゲムズボックスとも呼ぶ、オスメス共に真っ直ぐに伸びた非常に美しい角を持つ大型のレイヨウです。半砂漠、草原、サバンナに生息し、オスを中心とした10~50匹からなる群れを形成して生活していますが、時たま単独行動をしている大型の個体を見かけるのは、老齢化したオスが群れを離れ単独で生活することが多いためです。
このオリックス、ナミブ砂漠等の非常に乾燥し、日中の気温がかなり上がる場所では、日差しと高温を避けるためにアカシアの木などの木陰に入り、人がかなりの近さまで近寄っても警戒するだけで逃げない場合があります。実際のところ、3mくらいの近さまで近づけるでしょう。こういった状況で更に近づくのは、実は非常に危険。体力の消耗を防ぐために餌を漁る行為もストップし、止むに止まれず木陰に待機している状況ですので、人間が近づくことで更に彼らを精神的に追い詰め、最終ラインを超えてしまった人間に対して彼らが何をするかと言ったら、”防衛のための攻撃”しか選択肢がありません。その攻撃も生死をかけたものですので、当然ですが最初から手加減なしです。
時にはライオンさえも貫く、その鋭く尖った角を用いてアタックされたら人間はひとたまりもありません。

アフリカの生態系の中では捕食される、どちらかというと”弱い”部類に入るレイヨウ類ですが、厳しい野生の生存競争の中で生きているということに変わりありません。どんな動物であれ、厳しさの中で生き抜く『強さ』を持っているのは、考えてみれば当然のことなんですね。
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私にとって、アフリカらしいもの by 東京本社 平山

『ウェルウィッチャ・ミラビラス』
アフリカらしいかどうかはわかりませんが、何百年、何千年後の未来にも、同じ場所に同じような状態で存在するのではないかと思います。

アンゴラ~ナミビアの砂漠にのみ生育する植物で、生涯2枚だけの葉を伸ばし続けます。朝、大西洋から立ち昇る僅かな霧とほんの少しの雨だけで1年に1~2mmずつ成長すると言われます。一番大きなものは2,000年以上生きているそうです。人間社会で戦争や暴動が起きようと、動じることなく静かに少しずつ成長を続ける姿に感動を覚えます。
世界遺産が破壊され、動物が絶滅の危機に瀕し、また人々の生活や価値観が大きく変わる中、この植物だけは、2,000年後にそこを訪れても変わらぬ姿で在り続けてくれるのではないでしょうか。
和名は『砂漠万年青(オモト)』ですが、園芸名は『奇想天外』。潔い4文字熟語の名前をつけて下さった石田兼六氏に感謝。