『壮大なタンザニアサファリ12日間』にご参加頂いた、T.A.様からのツアーレポートです。
タンザニアから帰国して2週間になるが、いまだマラリアは発症していない。ツェツェ蠅にくわれたところもやっと痒みが落ちつき瘢痕もほとんど残っていない。ナイロビ経由でのタンザニア12日間の旅はあっという間であったが、思い出されることなどを記してみたい。(名誉なことにツアーを企画・添乗されたIさんに依頼されたのです。)ちなみに私は景観や遺跡の見学・音楽鑑賞を中心に旅行しており、動物をみる旅行は初めてである。もちろん東アフリカも初訪問であった。道祖神の読者であれば東アフリカのリピーターも当然多いと思うが、これから初めて同地へ旅する読者も想定して記します。
東アフリカへのフライトに関して
今回は成田<―>インチョン<―>ナイロビの経路で大韓航空利用であった。往路はインチョンで乗り換えが5時間待ちになったが、帰路は3時間弱くらいだった。行きは暇を持て余したが、帰りはシャワーを浴びて免税店を物色しているとあっという間だった。
インチョン>ナイロビは14時間の夜間フライトだが、寝ているだけでよく、時差ボケ(ケニアと日本は6時間差)もほとんど感じなかった。早朝にナイロビに到着するため、その日の午後にはバスでタンザニアのアルーシャに到着でき、ゆっくり休養できて良かった。
逆に朝州発する帰路のナイロビ―>インチョンのフライトは超のつく暇さで、機内で映画を4本鑑賞してもまだ到着しない。一晩夜をとばした感じになって全く眠れず、日本で仕事に戻ってもなかなか疲れが取れなかった。さらにこのフライトは子連れの韓国人観光客で満員、きわめて騒がしかった。同国人にはケニア近辺は手軽な観光地として人気があるのだろうか。
大韓航空の機内食には必ず韓国料理のメニューがあるのに、韓国焼酎(ソジュ)やマッコリがおかれていないのが残念。もしかして韓国人がさらに陽気になってしまうから出さないのか?カルビタンやビビングクスにワインは合わない。安い酒だがソジュを飲みたい!
アルーシャ
単なる経由地ではなく、それなりに買い物など楽しかった。私はサトウキビを原料とした現地のスピリッツが気に入った。銘柄は忘れたが、カクテルのマティーニを少し甘くした感じの味で、アルコール度数は30%くらいだったか?ビールをチェイサーにして飲んだらすぐに酔える。往路に寄った時は昼食をCultural Heritage内のレストランでとったが、同敷地内にあるアフリカンアートの博物館は一見に値する。特に西アフリカ諸国の木彫などのコレクションはかなり貴重に思われた。往路はThe African Tulip Hotelに一泊した。室内設備などは立派でシャワーの湯量も豊富、またレストランの雰囲気・料理も良かったが、インターネット環境は貧弱。
アルーシャ>セレンゲティのフライト
10人乗りくらいの小型プロペラ機。天候が良く、わずかにキリマンジャロも垣間見えた。上空からンゴロンゴロ付近のクレーターがいくつか見え、景色がすばらしかった。観光フライトとしてもっと宣伝したほうが良いと思う。一人あたり15kgまでの機内預け荷物の重量は結構厳しくチェックしていたが、今回は全員の荷物を一緒に測定していた。重量オーバーぎみだった私の荷物もセーフ。荷物の多さには我ながらいつも悩まされる。
セレンゲティ国立公園
食べられる側の草食動物は、それこそ死ぬほどいますね!今回幸運にも、チーターが叢のなかで獲物(おそらくガゼルを)を食している場面に遭遇した。口の周りを血だらけにしたチーターの、(後ろ足)大腿部の筋肉の美しさに感動した。走る速度を上げるためには結構な筋肉量が必要なのだろうが、無駄な贅肉もなく形状もかっこいい。早朝サファリでは湖に上ってくる朝日に感動!大草原を悠々と歩くキリンの家族も優雅な雰囲気で良かったし、メスを追ってひたすら走り回っているオスのダチョウも滑稽な姿で面白かった。サファリカーの運転手兼ガイドは鳥類に詳しいようで、いろいろ美しい鳥の名前を教えてくれたが、残念ながら全部忘れた。
今回、6人乗りサファリカーを3人ずつで使用して2台であったが、車内で余裕があって本当に良かった(Iさんのご英断に感謝!)。目当ての動物が現れてもサファリカーの左右どちらか側でしか見えないことが多く、両サイドに自由に動けるスペースが確保できないとじっくり鑑賞・写真撮影することは困難だろう。また、サファリ中はサンダル履きがよい。車の座席にさっと乗ることができますから。このコースには靴はもはや必要ないですね。
セレンゲティでは「パイオニア・キャンプ」に3連泊だった。高台にあるラウンジからの眺望は素晴らしく、広大な公園が見渡せる。ここからの朝日も素晴らしかった。当キャンプの各部屋は大きなテント張りとなっており、ツェツェ蝿の多い丘陵地帯に散在している。夜はヒヒやバッファローなどが出没するらしい。夜7時以降に部屋からレストランに移動するときはマサイ族のガードマンが付き添ってくれる。マネージャーはジンバブエ人で客の半数は英国人とのこと、日本人は5%くらいだそうだ。昼食・夕食はプレフィックス式のコースで、自分でチョイスできる。ここで特筆すべきは、ラウンジやレストランでのビール・ワインなど飲み物代も宿泊費にすでに含まれていることである(毎回の支払いやサインは面倒ですから)。サファリから帰ってシャワーを浴び、ラウンジで大草原の夕日を見ながらビールやカクテルを飲みつつ各国の観光客や支配人と談笑、8時にレストランに移動して南アフリカ産の赤ワインで乾杯する。完全に西洋人が作るタイプのリゾートである。そして、ここの料理はすばらしくおいしい。正直、毎回どんなメニューがあるか楽しみだった。メインの選択肢には必ずパスタも含まれており、肉ばかりで疲れた私の胃腸には良かった。また、洗濯サービスが宿泊費に含まれているのも便利。夕食前に部屋備え付けのカゴに洗ってほしいものを何でも入れておくと、約24時間後にきれいに洗濯して持ってきてくれる。ドライクリーニングはできないそうだが、このシステムは男の一人旅には超便利ですばらしい。部屋のシャワーなどの温水は、各部屋に一台附属しているソーラーシステムの機器で日中に温めたものとのこと。極端に多量に使わなければ、翌朝まで十分お温は出る。なお、天気が悪いときは薪でお湯を沸かして配るとのこと。また、部屋にはコンセントが存在しない。ランプなどのコードは直接電源につながっていて抜くことはできない。カメラやスマホの充電はレストラン近くの小屋にある充電用コンセントで行う(すごいタコ足配線!)。食事中やシャワー中に行えばそれほど不便ではない。盗難はないと思うが、似たようなバッテリーは数多く、間違えられてなくなる可能性はありそう。なおラウンジ付近では問題なくWi-Fiが使える。当然だがビジネスセンターなどはない。
さて、広大なセレンゲティでは3日間毎日サファリを行ったが、結局キャンプから半径数十キロの範囲を移動しているにすぎない。次回ほかのロッジなどに宿泊すれば、また違う景色のセレンゲティを眺められるのであろうか。また楽しみができた。
オルドパイ峡谷(セレンゲティ―>ンゴロンゴロ移動日のオプショナル)
教科書にのっている地名なので、どうしても行ってみたかった。峡谷というより平原に亀裂が入った感じ。平原を車で走っていても近くまで来ないと存在に気付きにくい。普通は峡谷を見下ろす崖の上にある博物館をみて終わりらしいのだが、私は当然にアウストラロピテクスが発掘された場所に行くつもりだった。(ツアーの同行者の皆様、つき合わせてすいません。)サファリカーの運転手に頼み込んで(チップを渡して?)、谷底に降りるためのガイドを探してもらった。谷底は思ったより暑く、野生のサイザル麻が生えていた。すごいところまで来たものだと実感。今回の旅でもっとも感動した。(なんたって180万年前ですから!)
マサイ族の村(観光村)
マサイ・ジャンプの高さに感服しただけ。総体的には時間の無駄。しかし、彼らのドルへの執着には驚く。
ンゴロンゴロ保全地域
まず、クレーターの外輪山(リム)上のホテルに向かう途中、リムの外側に広がる丘陵地帯の景色がすばらしい。マサイの村が点在している。真っ青な空・草原の緑・真っ赤な大地のコントラスト。(ただし埃っぽいですね。)
宿泊はロケーションのすばらしいンゴロンゴロ・セレナ・ロッジ(2連泊)で、部屋からのクレーターの眺望が良かった。残念ながら2日間とも早朝は濃霧のため日の出自体は見られなかったが、その後に低い雲の間からクレーターに射しこむ光の束は美しかった。ホテルの設備は整っており、温かいシャワーが朝から存分に使える(当たり前か?)。客室が多い立派なホテルのため、宿泊客も相当多い(白人ばかり)。そのためか、やや食事のメニューはパイオニア・キャンプより平凡であるが、味は十分に平均点を越えている。タンザニア産のビールは数種類置いてあったが、私はセレンゲティ・ビールが気に入った。いわゆるハーフ&ハーフのようなやや黒ずんだ色で香ばしい味。ここは有料のランドリーサービスが普通にあった。シャツが一枚100円程度なのでいくつか頼んでみたが、特に問題なく仕上がっていた。なお、ラウンジのバーカウンター付近でなんとかWi-Fiが使えるが、少しでも離れると無理。今回はタランギレでは再度キャンプ・ロッジになるので、ここでちゃんと壁のあるホテルで一服できたのは正直とても良かった。(落ち着いて寝られた。)ちなみに標高が2300m以上あるので、夜は寒くて頭がキリッとする。
クレーターに降りてほぼ一日(6時間という制限時間があるそう)のサファリを行った。ここでは若い3頭のライオンが狩りをしたシマウマを食している場面、それをハイエナとジャッカルが奪う場面に運よく遭遇した。ハイエナがくわえていたシマウマの下腿の「シマシマ」模様が妙にリアルでした。白黒に血液の赤色がとても鮮明。ヌーの大群はみられたが、残念ながらサイには出会わなかった。カバは結構いますね。ここでは動物の背景に外輪山があるので、大平原とはまた異なった趣の写真が撮れておもしろい。ホテルのスタッフによるとンゴロンゴロは雨季の5月が特にお勧めとのこと。
ンゴロンゴロ>>タランギレの移動
すばらしい舗装道路は通っている。途中に昼食を兼ねて、キテラ・ロッジという昨年できたばかりの宿泊施設に立ち寄った。ここのロッジ周辺には農園が広がっていて、ロッジで供される野菜・果物などを有機栽培している。時間があったので、ゆっくり農園を散歩した。昼食では新鮮な野菜がサーブされた。私はここで、タンザニアで初めて生の野菜を食べたが、食あたりはしなかった。
タランギレ国立公園
サルやヒヒが多い。セレンゲティより起伏があるので、景色的には変化があって面白い。ここまで来ると、すでに十分いろいろな動物を見てしまっているので、ライオンが狩りをしている場面がぜひ見たいなどと人間さらに欲が出てくる。草食動物はもはや写真にも撮らない。象の群れは至近距離で見られて良かった。今回分かったのは、午後の陽の高い時間帯、肉食動物はほとんど日陰で寝ているということ。見学する側も食後でボーっとしているし暑いので、無理に車で走り回らずに皆で昼寝すると良さそう。ホテルにいったん帰るのは大変なので、昼食場所の近くにゆっくりできる休息できる施設を作ってほしい! また、ここではナイトサファリも体験できた。国立公園の外側で行うため、近くの村からやってきた飼い犬と野生の象の群れが一緒に見られて、なんかアットホームな感じが良かった。
タランギレではリバー・ロッジに宿泊した。今までの二か所に比べると、かなりボロく見えてしまう。私がもっとも差を感じたのは、その電気量の少なさ。部屋の中でもレストランでも、夜間は相当に暗い。年取ると暗いところで見にくくなるので、料理の色が判別つかず少し困った。誰も入らないようなプールを作るくらいなら、発電機を増やしてほしい。また、Wi-Fiはつながらない。
帰路のナイロビ
帰路は、タランギレ>アルーシャ>ナイロビと丸一日かけて戻った。全体的には道路事情はよく、快適なドライブだった。ナイロビの夕方の渋滞はすごかった。車の増加にインフラが追い付かない例。ホテルはナイロビ・セレナ・ホテル。日本人がみても超高級ですね。浴室のアメニティがPenhaligonsなのには、英国の影響を少し感じた。夕食を取ったビュッフェのレストランも工夫した料理が多く、最後の晩餐は十分に楽しめた。翌早朝に空港に向かったが、ちょうど国際線出発ターミナルは(火事のあとで)再開されたばかりとのこと、少し運が良かったらしい。ローカルな免税店などには、特に買いたいものはなかった。ちなみに我々が離陸した直後に、ナイロビの高級ショッピングモールでテロが発生したが、インチョンに着いてから知った。
今回は、ベテラン添乗員のIさんに引率され、少人数での旅行だった。6人だと小回りがきくので、とても良かった。同行の皆様にはたいへんお世話になり、感謝しております。ありがとうございました。大きく体調を崩す人もいなかったのも良かった。タンザニアにも再訪したいが、次回はケニアでのサファリにも参加してみたいと思う。
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