ラマダン中の食事

先日、ラマダン(断食月)についての記事もありましたが、私にとっては意外に身近なラマダン。そんなわけでラマダン中の食事に関する話です。
私の家族(西アフリカのマリ出身)は、日本にいながら毎年、もちろんラマダンを実施していて、今年は日本でのスケジュールの通り、6月29日から開始しました。さて今年のラマダン中の食事の様子はこんな感じです。
まず1日の始まり(?)の食事は、夜中の2時頃(時間は、国と日によって変わります)。タイムテーブルがあるので、それまでに食事を済ませなきゃいけません。そのあとはようやく眠りにつき、それ以降は、通常通りの生活をします。但し、2時頃に食事をしてからは一切の飲食は無し。そして日が落ちてから午後7時半頃に、2回目食事を軽く。そのあとは夕食の時間に、その日3回目の食事となります。

彼がもらしたラマダンの食事に関する問題は2つ。
ひとつは、ラマダン中の食事の準備。夕食の準備、といっても味見(口に入れる)ことはできないので、どんな味付けになるかわからないわけです。うっかり間違って口にしてしまわないようにしなければいけません。ラマダン中は初めての料理にはトライしないほうがよさそうですよね。
もう一つは日本でのラマダン。
ラマダンは、日没か日の出前までが基本。マリでは一年中、日の出が6時台、日の入りも6時台と時間がほとんど変わりませんが、日本ではそういうわけに行きません。夏の間は、朝4時過ぎに日が昇り、夜7時を過ぎないと日は落ちてくれません。早くラマダンが冬に来てくれないかなーと、日本に住むムスリムの方たちは思っているかもしれません。(毎年約10日ずつ前にずれるため、いつかは冬に来るのです)
7月13日大相撲名古屋場所を迎える、エジプト出身の大砂嵐。去年もラマダン中の大砂嵐の頑張りが話題になりましたが、今年も名古屋場所はぴったりラマダンの期間。初のアフリカ大陸出身横綱を目指して頑張れ、大砂嵐!!
by KQ

2014年のラマダン(断食月)

ラマダンとはヒジュラ暦(イスラム暦)第9月のこと。この月の日の出から日没までのあいだ、イスラム教徒の方々は義務の一つ「断食(サウム)」として、飲食、喫煙、性行為、投薬(ただし健康上支障をきたす者は断食が免除される)、故意に物を吐く事、などを絶ちます。「ラマダン」を断食のことと間違って理解している方も少なくありませんが、「ラマダン」とはあくまでもヒジュラ暦における月の名前で、断食自体は「サウム」と言います。

今年のラマダンは6月28日から7月27日、先週土曜日にすでに始まっています。ヒジュラ暦は太陰暦ですので、ラマダン入り・明けの判断は月を見て決定され、時には曇っていて月が確認できなかったので、終了は1日延期、ということもあるようです。とはいえ概ね7月27日にラマダンが終了し、翌日はイード・アル=フィトル(断食月明けの祭)が催されます。
アフリカでも、イスラム教徒が大多数を占める、あるいは半数近い国々では、このラマダンに大いに影響され、観光も例外ではありません。モロッコやチュニジアなどでは、観光施設が閉まることもありますし、外国人利用者が多いレストランやホテル以外では、日中食事ができなかったりということもあります。また、お酒が手に入るイスラム諸国でも、厳禁ではありませんがなるべく飲酒は控えた方が良かったりします。実生活的には、皆さん空腹を抱えているためか怒りっぽかったり、交通事故件数が増えたり、役所などで何かの処理をお願いしても通常よりはるかに時間がかかったりすることも。ちょっと不便もありますが、これはこれで「ラマダンの時のイスラム教徒の方々の生活を知る」という意味で、貴重な経験になるのではないかと思います。日中は軒並み閉店状態のローカル・レストランも、日没後は遅くまで開いていますし。
今年は、ワールドカップ開催期間と若干被ってしまいましたが、ヨーロッパ諸国の代表チームの中にもムスリム(イスラム教徒)の選手がいるので、「ラマダンをやる!」と決めた選手達(旅行中などやむを得ない理由がある場合は延期もできます)は、かなり大変だと思いますが、日没後に食いだめをして、是非頑張ってほしいものです。

2013年のラマダン(断食月)

この夏、イスラム圏へのご旅行をお考えの皆様
ご存知の方も多いかとは思いますが、イスラム教徒の方々はラマダン(ヒジュラ暦9月)と呼ばれるひと月の間、年に一度、断食(サウム)を行います。
月の状態を見て高位の聖職者が開始と終了の時期を判断しますが、今年はおおよそ7月9日 (火)頃から8月7日(水)頃になるであろうと言われています(雲が出ていて月の状態が確認できない場合は翌日に延期されます)。
この間、モロッコ、チュニジア、エジプト等の北アフリカ諸国はもとより、イスラム教徒が多い西アフリカ諸国でも、商店が閉まったり、営業しているレストランが少なかったり、普段は内部を見学できるモスクに入れなくなったりという状況が発生し、公共の交通機関等が運行数を減らしたりすることもありますので、注意が必要です。また、空腹でイライラしている地元の方ももちろんいますので、ケンカや交通事故が起こる頻度が普段よりも少しだけ上がることも。
ただし、日没の礼拝(マグレブのサラート)から日の出前の礼拝(ファジュルのサラート)までは、食事をとっても良い時間帯ですので、商店もレストランも開き、普段以上の活気を取り戻します。
日中が主な活動の時間となる旅行者にはちょっと不便ですが、ラマダン中の人々の暮らしぶりを見られる貴重な期間でもあり、特にラマダン明けにはイード・アル・フィトルという盛大なお祭りが3日間開催されますので、この時期に当たった方は非常にラッキーでしょう。
大っぴらな飲酒、派手な服装や行動など、異教徒である旅行者でも多少配慮した方が良いであろうことはありますので、「郷に入ったら郷に従え」の精神で、ラマダン中のご旅行を有意義なものにして下さい。