ヌアバレ・ンドキ国立公園(コンゴ共和国)

熱帯雨林が広がるアフリカ大陸中央部に、地上最後の秘境とも呼ばれるヌアバレ・ンドキ国立公園があります。まったく森林開発を受けていない特別な場所として、ユネスコ世界遺産リストに登録されました。

かつて現地の人間でさえ近寄らなかったンドキ“悪霊”の森に行くには、丸木舟でンドキ川を遡らなくてはなりません。
ヌアバレ・ンドキ
ヌアバレ・ンドキ
森ではゾウ(マルミミゾウ)が作ったゾウ道を歩かせてもらいます。ゾウは道に生えてきた植物の芽を摘んで整備するので他の動物のケモノ道よりも広くて通りやすいです。夕方はゾウと出くわすといけないのでゾウ道は避けます。
ヌアバレ・ンドキ
ゾウが森の中に開いたバイと呼ばれる空間は、樹木が生えていないことで草が繁茂し、ゴリラやアカスイギュウ、鳥たちの集まる楽園となります。バイの中心部の池は大きな雄のゾウの特等席です。森の樹木の多くは、その実をゾウが食べて排泄することが、種の発芽の条件になっています。ゾウ道に沿って種子が広く運ばれていきます。
ヌアバレ・ンドキ
アフリカ中央部の熱帯雨林はゾウの生存によって成立していることになります。そしてこのアマゾンに次ぐ規模の熱帯雨林は、地球の肺と呼ばれるほどの酸素を地球上に供給しており、我々の生存を下支えしています。
横行する象牙の密猟はこの大きな関係性を崩すものですが、密猟を促しているのは日本を含む、消費社会の需要です。
by 有冨

アフリカのユネスコ世界遺産

現在、ロシアのサンクトペテルブルグでUNESCOの世界遺産選考会議が行われており、アフリカ大陸からは以下の5つが候補として挙げられています。
◆自然遺産
チャド:ウニアンガ・ケビールの湖沼群
コンゴ共和国・中央アフリカ・カメルーン:3カ国にまたがるサンガエリア

◆文化遺産
モロッコ:ラバトの歴史的都市
セネガル:バサリ、フラ、べディックの文化的景観
コートジボワール:グラン・バサム歴史都市
モロッコのラバトに関しては、既に世界遺産登録が決定したようです。
上記の文化遺産候補がある3カ国はそれぞれ他の世界遺産を既に持っている国ですが、自然遺産候補のチャドとコンゴ共和国にはまだ世界遺産がありません。この機会に登録されると良いのですが。
現在はツアーをおこなっていない、北部チャドのウニアンガの湖沼群は、ほぼサハラのど真ん中にあるにもかかわらず満々と水をたたえています。更に、知られざるチャド北部にはアーシェイ・ゲルタという岩山に囲まれた大きな泉があり、その泉にはサハラが緑だった時代に取り残されたワニの子孫たちが今も生息しています。
弊社のツアーラインナップのうちの多くのツアーには各国の世界遺産訪問が高い頻度で含まれていますが、何故か弊社のスタッフが「ここはスゴイですよ!!」という場所の中には、含まれていないものも多くあります。もしかしたら、自国の人々にもあまり知られていない場所が多いのかも知れません。
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