2008年4月 イエローストーン国立公園探訪

イエローストーン国立公園探訪 ~野生動物を訪ねる9日間~に御参加頂いたお客様からのレポートです。
2008年ゴールデンウィーク!前々から訪れてみたかったアメリカ・イエローストーン国立公園に行って来ました!日によってはマイナスを下回ることもある、まだまだ寒い早春のイエローストーン。冬眠から覚めたばかりの動物達に会いに行ってきました。
1st day / 4月27日 (日本⇒シアトル⇒ボーズマン⇒ガーディナー)
ゴールデンウィーク初日、名古屋を出発したノースウェスト航空は成田を経由してシアトルへ。夕方に成田を出発したものの、シアトルに到着したのは時間を遡って朝8時半。帰国便でこの時間は払戻ししなければならないと判っていても、何だか得したような錯覚。。。ホライズン・エアー航空の小さなプロペラ飛行機(50人乗り)でボーズマンへろ向かう。窓の外に真っ白な山脈の景色が広がってきた辺りで「眼下にはロッキー山脈が広がってきました」とのアナウンス。否が応でも、今日からの旅行に胸が高鳴る。昼過ぎに到着したボーズマン空港は丸太小屋を組んだ山のロッジのような趣きで、小さいながらも雰囲気があった。ハクトウワシやグリズリー・ベアのオブジェが飾ってあり、またも気持ちが高揚する。現地のガイドさんとドライバーさんに会い、今日の宿泊地であるがーディナーの街へと向かう。途中、早速バッファローやオオツノヒツジの群れが道路に出現、まだ公園内に足を踏み入れていないのに嬉しい驚きだ。幾つか動物を見ながら、今日のホテルに到着。イエローストーンリバーという川岸に部屋があり、眺めはとても素晴らしい。だが、部屋の扉の直ぐ近くに、明らかに大型の動物の糞があった。まさか、こんなところまで動物が来るのか!?夕食はホテル隣接のレストランにて。街事態もとても小さく、西部劇の世界に来たような趣きの建物が並んでいる。地元のおじさん達もテンガロンハットが良く似合っている。が、長旅初日から極厚のステーキには少々胃がもたれた…かな。
明日は早朝の出発なので、今日は直ぐに床に着くことに。
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2nd day / 4月28日 (イエローストーン国立公園観光)
今日はいよいよイエローストーン国立公園入り初日。気合いで早朝4時半に起床、5時半にはホテルを出発だ。何と気温は1度である…。朝から、目当てのオオカミを探すがなかなか見つける事ができず。途中、望遠鏡でようやく発見できた。が、やはり距離があり、言われなければオオカミとは判らないかな。昼食時には地ビールを堪能する。『ムースのよだれ』という銘柄の名前のセンスに脱帽。午後も、ひとしきり公園内を探索。遠目だったが、バッファローの出産シーンや公園内に200頭しかいないオオツノヒツジの群れに出会う。初日にしては、満足の行く結果だった。何より、景色が素晴らしい。真っ白な雪原を駆けるコヨーテの姿などとても絵になる。
さて、明日はどんな動物に会えるのか・・・?
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3rd day / 4月299日 (イエローストーン国立公園観光⇒ウエスト・イエローストーン)
本日は3日目。この日は結果的に今回の旅のハイライトとも言える嬉しい出来事があった。朝はゆっくりめに出発。『イエローストーンゲート』の前で記念撮影。風格のあるその門は、かのルーズベルト大統領の建てたものだとか…。午前中はマンモステラス地区と呼ばれる温泉地帯を歩く。石灰岩が様々な風景を形作っていて何だか別の惑星に来たみたい?な不思議な風景が広がっていた。その後、公園の中の滝を幾つか観光している最中に、突然林の中から灰色の塊が飛び出してきた。その瞬間、ずっと寡黙だったドライバーさんが『ウルフ!!!』と叫ぶ。その後、20~30分に渡り、車と併走してその雄大な姿を披露してくれた。後で話を聞くと非常に珍しいことだったようで、10年以上ガイドをしているドライバーさんもガイドさんもこれ程の至近距離は初めてだと言っていた。ドライバーさんが「アメイジング!ミラクル!!」と連呼していたのが、とっても嬉しかった。午後は、ウエスト・イエローストーンという町に移動する。夕食時は、ツアーメンバーも本日のハイイロオオカミの話題で持ち切りで、お祝いに赤ワインで皆で乾杯する。
明日からは、グランドティトン国立公園に移動するので、また違った風景に出会えるだろう。どんな動物に会えるか楽しみだ。まだ、ムース(ヘラジカ)やクマなんかにも出会っていない。大物に出会えることを期待。
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4th day / 4月30日 (ウエスト・イエローストーン⇒ジャクソン⇒グランドティトン国立公園)
4日目。今日はアイダホ州を抜けて、グランドティトン国立公園を目指す。お昼過ぎには、宿泊地のジャクソン・シティに到着。昼食を取ってから国立公園へ。真っ白なティトン山(標高4190m)がとても美しい。空に突き刺さるような峰に見とれてしまう。動物探索は、ブルーバード、ムース、コヨーテなどを見たが、帰り際に何とグリズリーベアーの家族に出逢う!小熊(と言っても大きいのだが)を連れた4頭からなる家族のグリズリーベアが我々の目の前の道路をゆっくりと横断する。「俺が王様だ」と言わんばかりにゆっくりと歩くその姿は、距離があっても普通に怖い。良く見ると愛らしい顔立ちなのに、この迫力は何だろう?アフリカでサファリカーから、ライオンやヒョウを見ても別に怖さは感じ無かったが、グリズリーの歩く姿を見ていると、思わずゴクリと唾を飲み込んでしまう。
ともあれ、2日連続で大物に出逢えてツアーメンバー一同大喜び。
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5th day / 5月1日 (グランドティトン国立公園観光)
今日は早朝5:30から出発。吹雪の中、ライチョウを観察する。遠めには見れたのだが、吹雪がきつくはっきりと見えなかったのが残念。求愛ダンスとやらを見たかったのだが…。まー、日本帰ってから立山でも登りに行ってライチョウ見るか~なんてことを考えていると、車が大きな建物に到着。ビジター・センターと言って、国立公園の動物や植物の植生の展示、剥製などがあって、なかなか面白い。まず野生のものは見れないと言われているマウンテン・ライオンの剥製は迫力があった。ムースやエルクの角が手に取ってみれるようになっていたりしたのも面白かった。ムースは今の時期は角がないので、今一つ見栄えがしないのだが、角を手にとってみるとかなりの重量がありびっくりした。是非、大きな角を持ったムースの姿をみてみたいものだ。その後はジャクソンの郊外にある美術館に立ち寄ったりしながら町へと戻る。今日は早起きだったのでホテルへ戻った後は夕食までコテンと寝入ってしまった。夕食は中華料理屋で食べた。旅行者としては、旅先では現地の人々と同じものを食べる主義なのだが、アメリカの現地食ってのが、ステーキとポテト三昧なわけで今夜の中華料理は嬉しかった。
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6th day / 5月2日 (ジャクソン⇒ウエスト・イエローストーン)
今日はイエローストーン国立公園へと戻る移動の一日。午前中はグランドティトン国立公園の入り口付近にある岩場ニに出かける。なかなか出逢えないマウンテンゴートに会えるかも?と思ってでかけたのだが、残念ながら不発。その代わり、オオツノヒツジにはたくさん出逢えた。この動物も珍しいづ物なので、崖の上にひょっこり現れた時にはテンションが上がった。その後、イエローストーン方面へ向かう途中、崖下を走っているときにお目当てのマウンテンゴート発見!フワフワしたその身体はとっても可愛い。切り立った岩肌ををぴょんぴょん飛び跳ねる姿は結構感動してしまった。イエローストーンに戻ってからは間欠泉を見学に行ったりして、動物目的よりも自然の景観に重点を置いた観光に。だが、ホテルに戻る途中には寝ているブラックベアを発見!やはり、動物を見つけると興奮が高まる。グリズリーよりも小柄で、眠っていたこともあってかそれ程怖さを感じることはなかった。このブラックベアで、イエローストーン&グランドティトン国立公園の大型動物は殆ど網羅できたのが嬉しかった。
いよいよ、旅も終盤。明日のイエローストーン国立公園がいよいよファイナルだ!
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7th day / 5月3日 (イエローストーン国立公園観光⇒ボーズマン)
今日は動物観察がメインではなく、有名なイエローストーンの間欠泉群を見に行く。ここには世界最大のグランド・ガイザーがあり、最大で70mの高さまで噴出するというその姿を見たいと旅行前から思っていたが、話によると1日3回(日中は2回)しか噴出しない上に、予定噴出時間にプラスマイナス2時間の誤差があるらしく、難しいかな~と思っていた。ところが、そのグランド・ガイザーの前を通りかかったときに、今まで静かだった間欠泉が突然大地を震わせ大噴出!あまりに迫力が凄すぎて、思わず大爆笑してしまった。これは凄い!ほかにも、様々な間欠泉、温泉群を歩いて見て廻ったが、モーニング・グローリー・プール(朝顔温泉)は、その何とも言えない色合いが個人的には気に入った。その後は、今夜の宿泊地ボーズマンへ向かう為、公園西口の出口を目指す。途中、川を挟んで動物の死体を貪っているグリズリー2頭を発見。その内の1頭がもう片方の二周りあろうかという体躯で、クマまではかなりの距離があったのに、肉眼でもその動きがはっきり見えるほどの巨熊だった。ガイドさんの話によると、イエローストーン国立公園には『バッファロー・イーター』と名付けられている公園一の巨熊がいるらしい。川の向こう側だし、十分に安全な距離があると分かっていても怖いぐらいの迫力。…何と、生きたままの雄のバッファローでも食べてしまうらしいのだ。背筋が凍った。最終日にとんでもないものを見てしまった・・・。
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8th / 9th day / 5月4日/ 5日 (ボーズマン⇒シアトル⇒日本)
いよいよ、イエローストーン国立公園ともお別れ。早朝にホテルを出発し、行きと同じくボーズマン空港へ。シアトルを経由して日本へと帰る。
イエローストーン国立公園の旅は、当初思っていたよりも遥かに素晴らしいものだった。たくさんの動物達達の生命の営みをかいま見れたことも良かったが、何よりもしれを含んだ大自然の圧倒的な存在感に圧倒された旅だった。山が、木が、花がそこに生きる動物達と同じように呼吸し、『生命』というとてつもなく大きな流れの中で全ての生き物が溶け合っているような感動を与えてくれた。僅か数日間、その流れの中にお邪魔させてもらっただけだが、願わくば自分もこの大きな『生命』の一部になれたらなあ、なんて思ってしまう。旅が終われば、また日本の雑多な時間の流れの中で毎日の仕事と暮らしに追われる日々が帰ってくる。でも、時々はあの時あの場所に自分がいて、風が吹いていたり、花が咲いていたり、、、そんな些細な記憶が、たしかに自分がイエローストーンの『生命』を共有していた時間があったことを思い出させてくれると思う。長い人生の途中で、また必ずここを訪れると思う。次は、秋の衣をまとった別の顔を見てみたいものだ。そして、またその時の大切なひとときを自分の中に持ち帰って生きていくことができると思うのだ。素晴らしい時間をプレゼントしてくれたイエローストーン&グランドティトン国立公園に「ありがとう」である。
ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい。(星野 道夫さんの言葉より)
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