アフリカ絵日記その13 テレビは町の宝物

国道をひたすら西へ走る毎日。自転車で走って1日の距離にちょうどいい感じで町があり、ちゃんとホテルがあるのは不思議だった。広大なタンザニアの大地だが、キャンプはほとんどしていない。メイン国道を走る限り80km毎くらいに町はあり、300円くらいで泊まれる安宿があり、ローカル食堂もあるので自炊をする必要もなかった。
BARや食堂には、客席に大事そうにテレビが置いてある。屋内だけでなく野外のテラスに置いてある場合も多い。ただし、それはそれは大事そうに、盗難防止の金網の箱や木箱に入れられ、使わないときは観音扉が閉じられ、南京錠をかけられる。テレビがいかに貴重なものかということがわかる。町の人はそれを見るために今宵も集まってくる。テレビさえあれば、そこは映画館となる。何を見ているのかというと、ほとんどはサッカーの試合かカンフー映画、または音楽ビデオなのだけど。
そんなテレビBARでビールと肉ライス定食を食べ、裸電球に灯された商店街?をトボトボと歩いて帰る。子供たちがそんな電球の下で遊んでいる。まるで夜市かお祭りみたいだ。毎日、そんなに酒を飲んでいたわけではないのだが、旅先の席ではわずかビール1本で裸電球がシャンデリアに見え、色鮮やかなイルミネーションになるのだった。そして明日は湖の国、マラウィへ入国する。
文・画 吉岡健一