アフリカ絵日記その14 マラウィ入国

アフリカ絵日記その14 マラウィ入国

国境を越えると雰囲気はガラッと変わった。まず、交通量がぐっと減った。道は整備された舗装路だけど、大型トラックやバスを全然見かけなくなった。代わりに自転車が増えた。風景は、一言でいうと田舎になった。(今までも十分田舎だったんですが…)
この国でしか見かけない物が登場した。それはポテトフライ用の鉄板。BBQ用の鉄板の中央が、中華鍋のように凹んでいて、そこに油をためて揚げている。主にチップス屋台で見かけたが、マラウィ料理は、肉も魚もかなりの料理をこの鉄板1枚でできるようだ。面白いのは購入する前に味見させてくれることで、「テイスト!テイスト!」と客を呼び込んでいる。そうそう、湖の国だから、魚はどこでもタダみたいに安かった。油で揚げるだけではなく、トマトソースで煮込んだものなど、バリエーションは豊富。
ビールも安かった。マラウィビールの銘柄は「クチェクチェ」。朝日という意味だそうだ。太陽の絵が描いてある。そういえば、この国の国旗も水平線から上る朝日の絵柄だ。「陽出る国」なのだ。どこか日本とつながるものがあると感じる。セカセカしたタンザニアに比べて、どこかほっと落ち着くのは、こういうところが影響しているのかもしれない。
文・画 吉岡健一