アフリカ絵日記その19 自転車屋求めて三千里

アフリカ絵日記その19 自転車屋求めて三千里

車輪のベアリングが砕けた自転車。ボツワナの道をトボトボと押していると後ろからバスがやってきた。行先表示には「マウン」と書いてある。「助かった!」屋根に自転車を載せてもらい、マウンへ移動。「町なら自転車屋くらいあるだろう」と思ったが、あまかった。どうやらお隣の国、ナミビアの首都ウィントフックまで行かないと、まともな自転車屋はないらしい。なんてこったい!さて、どうしよう?ナミビアまでバスで行ってしまうか?いや、それではバスの距離が長すぎる。やはり砂漠や荒野は自分自身で越えたい。今、思えばアホなプライドだった。結局、マウンのキャンプ場にキャンプ道具などを預かってもらい、壊れた後輪だけ持ってバスやシェア・タクシーを乗り継いでナミビアへ向かう。800km以上の距離、自転車なら1週間の距離をわずか1日で移動。あっと言う間のことだった。車ってすごいな、と思った。
翌朝、自転車屋へ。日本のプロショップのような立派な店。もうここでは、ベアリングを組み直すなんて原始的な方法はしない。ホイールを丸ごと新品に交換、修理完了。バスに乗って再び800kmの道を走り、マウンに戻る。自転車修理のためだけに、国境をまたいだ往復1600kmのバスの旅。そして翌日、昨日バスで往復した同じカラハリ・ハイウェイを再び西へ向かい、ナミビアを目指して旅は再スタートする。バカみたいな旅はまだまだ続く。