アフリカ絵日記その22 スペインからモロッコに上陸

自転車アフリカ縦断の記念すべき第一歩は、スペインのアルヘシラスからセウタに渡ったモロッコから始まった。今まで持っていたモロッコのイメージと180度違う世界がそこにはあった。とにかく美しい。道を歩く人が優しく声をかけてくれる。絵本のような世界が広がる。以前、ほんの一瞬訪れたタンジェ1日観光とは全然違う印象だった。
モロッコの土地の色は「茶色」と思っていたけど、北部モロッコは緑の草原がどこまでも続いていた。そんな草原の道を、薄いピンク色のムスリム服を着た女の子が歩いていて、ゆっくり自転車で走る僕に手を振りながら「ジャッキーさん」と呼んでくれる。日本人を見ると東洋人という意味で「ジャッキーチェン」と呼ばれるのだが、フランス語発音すると「ジャッキーさん」になるらしい。なんか、ほっこりする。風にヒラヒラと揺れる衣装が天使みたいに見えた。ズドンっとした割烹着風ではなく、微妙に腰のクビレがある、それなりに洗練されたムスリム女子の服がステキだった。
モロッコ北部には、シャウエンやフェズ、マラケシュなど、お馴染みの観光地も数多くある。そんな都市に入るたびに「外国人観光客」が急に出現し、テーマパークのような雰囲気を感じるようになった。田舎のほっこり感と観光地のギトギト感が交互に次々と現れる。
やがて大地の色は草原の緑から茶色、ピンク色へと変わり、気が付けば砂の世界に包まれる。「自分はアフリカに来たのだ」という緊張感がようやく芽生えてきた。