Africa Deep!! 49 子どもの遊びというのはやはり世界共通だね

先日、ほぼ十年ぶりに南アフリカ共和国のタウンシップに滞在する機会があった。タウンシップというのは黒人居住区の意味で、アパルトヘイトという人種による隔離政策が存在していた時代の置き土産のようなものだ。
当時は、黒人は都市で労働することはできても、滞在することが許されていなかった。いってみればタウンシップは、都市の産業を支える労働力をプールする場所、住宅地として開設された。だからここには黒人と一部のカラード(インド系やマレー系、混血など)しか居住していない。現在は、アパルトヘイトは撤廃されているから居住は自由だが、しかしタウンシップには白人はまったくといってよいほど住んでいない。アパルトヘイトが撤廃されて20年たつが、現実には人種は交わらないで暮らしている。
いま南アフリカは新興経済発展国としてアフリカ経済をリードする存在だ。それはタウンシップのようすにも反映されていた。モールと呼ばれるショッピングビルがあちこちにできている。また自家用車を持つ人たちも増えた。治安が悪いという理由もあるのだが、家に立派な門と塀が取り付けられていた。2010年に開かれたサッカーのワールドカップも経済効果の後押しをしたのだろう。
しかしそれでも変わらないのは、子どもたちの姿。夕方、タウンシップを散歩すると、どこからともなく、わらわらと子どもが湧いて出てくる。男の子の遊びで多いのは、断然サッカー。女の子の場合は、縄跳び、お人形遊びなど。感心するのは、幼児から小学校高学年ぐらいの年頃の子どもたちが、ときには男女入り混じって仲良く遊んでいる姿である。いまどきの日本の子は同学年同士でしか遊ばない。妹や弟をおんぶしている子もいる。
お、懐かしい「ケンケンパー」をやっている。僕が子どもの時分は「かかし」とも呼んだのだが、石を投げてケンケンパーをしながら拾うというゲーム。男女の区別はあまりないようだった。「ホップスコッチ」とこちらでは呼ぶのだそうだ。日本の「かかし」と比べて「頭と笠」の部分がないのはおもしろい。でも、子どもの発想って、世界共通なんだな。
写真・文  船尾 修さん

船尾修さん
1960年神戸生まれ。写真家。1984年に初めてアフリカを訪れて以来、多様な民族や文化に魅せられ放浪旅行を繰り返し、いつのまにか写真家となる。[地球と人間の関係性]をテーマに作品を発表し続けている。第9回さがみはら写真新人賞受賞。第25回林忠彦賞受賞。第16回さがみはら写真賞受賞。著書に「アフリカ 豊穣と混沌の大陸」「循環と共存の森から~狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵」「世界のともだち⑭南アフリカ共和国」「カミサマホトケサマ」「フィリピン残留日本人」など多数。元大分県立芸術文化短大非常勤講師。大分県杵築市在住。
公式ウェブサイト http://www.funaoosamu.com/