ルワンダ中央銀行総裁日記

何年か前に、とある雑誌の企画で「人に勧めたい本」があり、誰が紹介したかは忘れてしまいましましたが、「ルワンダ中央銀行総裁日記」が載っていました。

それから月日が流れて、道祖神に入社し、社内のコレクションにこの本がありました。
著者の服部正也氏は、日銀、IMF(国際通貨基金)などを経て、1965年より6年間ルワンダのキガリに赴き、ルワンダ中央銀行総裁として勤務した際に体験した内容を本にしています。
当時のルワンダが非常に貧しく、中央銀行内も銀行業務を知らない行員も多く非常に苦労したようですが、次第に銀行の内情、ルワンダ経済を把握していき、通貨の切り下げなどの諸改革を実施していきます。
服部氏は着任時に、ルワンダ人に税が重く、外国人に税が軽いという印象を大統領との夜の会談で、経済改革で意気投合をして、いろいろな困難に立ち向かって経済改革を実施していきます。
経済改革の一環で、首都と地方との交通事情の改善のためにルワンダバス公社を設立して、日本人の整備士を招聘したりしています。
最終的には、中央銀行総裁ポストをルワンダ人に引き渡して、ルワンダを離れます。
当時の服部氏の銀行での苦労、ルワンダなどの近隣国の状況、改革を抵抗する人々のことも手に取るように分かるのですが、一番の読みどころはルワンダの状況に絡めて、経済の初歩が分かるということです。冒頭の雑誌の企画の紹介者の紹介理由が、経済の初歩が分かるという理由からです。
by 虎

マガディ湖の温泉

先日、週末にぽっかり休みができたので、ナイロビ在住の友人達と連れ立ってキャンプに出掛けました。目的地は、ナイロビから南西に約120km、タンザニアとの国境にほど近い、マガディ湖(Lake Magadi)です。
湖の名前はマサイの言葉で Magad (苦い) に由来すると考えられています。何故、そんな由来があるかと言うと、このマガディ湖は水質がかなり強いアルカリ性の塩湖である事が大きな理由です。
この湖のあるあたりの地域は、非常に標高が低く乾燥している為、地表の水はけも悪く、塩水の薄い層が湖の周囲を覆うのですが、蒸発するのも早く、後には白やピンクの塩が残ります。湖はソーダの白い結晶と藻類の色が周囲を包み、ちょっと摩訶不思議な景観を持った湖なのです。

01
また、湖の水温は40~45度もあるのが特徴で、これは天然の温泉となっています。水深も、ちょうど人が肩まで浸かれるぐらいの場所があり、実は温泉好きの日本人たちの間では隠れたスポットでもあります。

沸き立つ温泉!
沸き立つ温泉!

ですが、乾燥しきっていて草木もろくに生えていないサバンナが広がるだけの、はっきり言ってマサイの人達しか住んでいない(住めない)非常に気候の厳しい土地なので、涼しく快適なナイロビから足を延ばすのは気合と根性がいるのですが、ここは思い切って、何もないサバンナで1泊2日キャンプをしてやろうじゃないか、という事で出かけました。
削り出した塩は、鉄道によって運ばれます。乾燥したマサイの土地。
削り出した塩は、鉄道によって運ばれます。乾燥したマサイの土地。

120Kmと言うと、距離にしてはそれほどではないのですが、ずっと岩や砂利だらけの悪路が続くため、大きな4WDなど持っていない私たちは、おそるおそるといった感じで半日ほどかけてようやく到着。
何もないサバンナの中に、ほのかに湯気を漂わせるマガディ湖、そこには1000~1500羽ほどでしょうか、フラミンゴも生息していました。噂には聞いていたのですが、あまり期待もしていなかったので、この出迎えは嬉しいサプライズ。さっそく天然の温泉に飛び込み、悪路を旅して来て疲れた身体を癒しました。
04
湯(湖)から上がるとテント設営。キャンプサイトなんてものはないので、ちょうどいい感じのアカシアの木を見つけ、その下でまずは焚火開始。
大きな月も出て来て、サバンナには、月明かりと焚火と自分達のみ。とても贅沢な時間でした。途中で護衛に拾ったマサイの兄ちゃん(野生動物に襲われない為、一晩火のそばでテントを見張ってくれました)、彼が怪訝な顔で見つめる中、飲めや歌えやのサバンナ大宴会、心身ともに癒され、束の間、ナイロビの喧騒から解放された週末でした。
マガディ湖に興味のある方は、是非お問い合わせ下さい。
護衛に雇ったマサイの青年。一晩、テントを見張ってくれていました。
護衛に雇ったマサイの青年。一晩、テントを見張ってくれていました。

月と焚火とサバンナと酒と…
月と焚火とサバンナと酒と…

アフリカゾウとアジアゾウの違い

以外と知られていない、アフリカ象とアジア象の違い。
アフリカ象のほうが全体として大きく、耳も大きいです。

アフリカ象の特徴である牙がアジア象に比べて長く、アジア象のメスは牙を持たないこともあります。
また、蹄の数も違い、アフリカ象の蹄の数が前足が4つ、後ろ足が3つなのに対し、アジア象は前足が5つ、後ろ足が4つです。固体によっては数が違うことがあるそうですが・・・
一番簡単にわかる違いは背中の形でしょうか。アフリカ象は背中が凹んでいて、アジア象は丸く猫背のようになっています。また、頭の形も違い、アフリカ象は平らなのに対し、アジア象は頭に2つの出っ張りがあります。アフリカ象のほうが一般的に気性が荒いと言われていますが、これは個体差があるようです。
鼻の先も両者で違いがあり、全ての部位が違うと言っていいほど違いがあります。動物園で見比べてみるのも面白いかもしれませんね。
アフリカゾウ
アフリカゾウ

アジアゾウ
アジアゾウ

by 菊地 佑介

Red Deer(アカシカ)

初めてアフリカでサファリをされるお客様が、インパラやグラントガゼルをご覧になったときに「あっ、シカだー!」と歓声を上げて喜ぶ光景をよく目にしますが、厳密にいうとケニアのサバンナにはシカはいません。

インパラ、グラント&トムソンガゼル、ウォーターバック、エランド等々、角があってシカのように見える草食獣は全てアンテロープ、またはレイヨウと呼ばれるウシ科の哺乳類で、シカよりはウシやヤギに近い動物です。「科」で分けた場合は、ウシ科となりますが、より大きな括りの「目」で分類すると、シカ科もウシ亜目に含まれるので、何だかややこしい話になります。ややこしさついでに言うと、「アンテロープ」というのは分類群ではなく(アンテロープ科やアンテロープ亜科、アンテロープ族という分類群はない)、ウシ科のうちのヤギ亜科以外の全てに分かれて存在し、ほとんどの種はアンテロープ同士より、それぞれがウシかヤギにより近い関係にあります。
簡単にお話しすると、ウシ亜目のすぐ下の分類にシカ科とウシ科があり(因みにキリン科もウシ亜目の下にあります)、ウシ科の更に下がウシ族、ヤギ亜科、その他多くのアンテロープが含まれるいくつかの族と亜族がある、といった感じです。アンテロープの特徴は、生え変わりや枝分かれしない1対の角、草食、小さい二股の蹄、短い尾などですが、シカとの大きな違いは『角』です。シカの角は生え変わり、枝分かれもします。
サファリドライバーによっては「アフリカにはシカいない」と言い切る人もいますが、実は1種類だけ生息しています。チュニジアなど北アフリカに生息しているアカジカがそれで、ドイツやポーランド、トルコなどに生息しているものと同様の種です。野生状態でずっと存続してきたのはチュニジアの個体群だけだといわれています(モロッコは一旦絶滅後、再移入された)。
南アフリカにもシカがいるのですが、このシカは「ダマジカ」でハンティングの対象動物として移入されたものです。私もサファリガイドの専門学校では「アフリカにはシカいない」と教わっていたのですが、チュニジアのバルドー博物館(残念ながらテロ事件で有名になってしまった、チュニスにある世界最高峰のモザイク画の博物館)でダチョウやヒョウとともにシカが描かれたローマ時代のモザイク画を見つけ、キュレーターの方に「チュニジアってシカが生息しているんですか?」と聞いたら、「いますよ、紀元前から(笑)」と返事をされて驚いた記憶があります。
アカジカ
アカジカ
アカジカ
最後に...「カモシカ=アンテロープ、レイヨウ」と理解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、ニホンカモシカを含むカモシカ類は、実はヤギ亜科ジャコウウシ亜族に分類され、アンテロープとはかなり離れた種となっています。
最後まで、ややこしい話ですみません。

アフリカの飛び地・アンゴラ共和国カビンダ州

アフリカ大陸にも「飛び地」というところが幾つか存在します。
有名なところでは、モロッコ内にあるスペイン領の「セウタ」「メリリャ」でしょうか。

どちらも最近は内戦や政治不安定化などの影響で不法入域者が増えて、ニュースになったりしていますね。
そして今回ご紹介するのは南部アフリカで一番大きな国である、アンゴラ共和国の飛び地の「カビンダ州」です。
なぜここに飛び地が残ったのか。それは植民地時代のポルトガル、フランス、ベルギー等の争奪戦に巻き込まれてしまったからなのですが、飛行機や鉄道が無い当時は船、そう、水運が欠かせない運搬形態でしたのでアフリカ南西部で一番大きな川であるコンゴ川の河口を押さえることが最重要ポイントにしたことなのでしょう。
カビンダ州はアンゴラの北、コンゴ民主共和国(旧ザイール)と、コンゴ共和国に挟まれていますが、状況から考えて両コンゴに組み込まれてしまいそうな位置関係です。
(似たような国境線でセネガルに囲まれたガンビア共和国があります)
このカビンダ州、実は沖合いには非常に埋蔵量の多い海上油田があり、リビア、ナイジェリア、アルジェリアと続くアフリカ4位の埋蔵量となりますので、アンゴラにとっては絶対に手放せない重要な飛び地となりました。
カビンダ州に訪れる機会はそう無いとは思いますが、アンゴラという国はまだまだ太古から残る景色や自然がたくさんあります。オイルマネーだけではなく、是非とも観光産業にも日の目を当てて欲しいと思います。
カビンダ州
カビンダ州
by 久世