カメルーンといえば、真っ先に浮かんでくるのがサッカーですが、アフリカ大陸のちょうど真ん中に位置するカメルーンはアフリカの縮図とも呼ばれ、様々な民俗・文化がミックスされた興味深いエリアです。遊牧の民、農耕の民、イスラム教、キリスト教、アニミズムなど様々な要素の交差点へと向かいました。
チャドのンジャメナに到着後、車に乗り換え、たくさんの軍事施設が立ち並ぶ中、北上。今夜の宿ドゥギアへ。チャド湖へと流れ込むシャリ川沿いにあるカンプメントは、設備はシンプルながら、夕陽や朝日の瞬間は素晴らしい景色が広がります。
翌日、チャド湖へ。シャリ川を下り、途中、船のエンジンが故障するというアフリカならでは?のトラブルにより、船を乗り換えチャドへ。かつてはアフリカ最大の湖だったチャド湖ですが、温暖化などの影響で年々水位が下がり、現在はかつての1/3ほどの大きさになってしまったというチャド湖。しかし、ここ最近は各国の援助により水位は少しずつ回復し、今年は水位が高いとのことです。漁師の人たちに手を振りながら、チャド湖クルーズを楽しみました。
国境を越えカメルーンへ。ワザ国立公園ではサファリを楽しみます。西アフリカでサファリを楽しめる数少ない公園ですが、東部・南部アフリカのようには行きません。公園内を走りまわり、どうにかトゥピやダチョウ、キリンを見ることができました。
その後、三角屋根の家々がきれいなコザ峠へ。
モコロで水曜市を散策したあと、この度のハイライトでもあるルムスィキへ。フランスの文豪アンドレ・ジイドが世界一の奇観と評した岩山が拝めるはずでしたが、しかし、例年より早いハルマッタンの影響で真っ白。残念です!
村の散策後は、名物のカニ占いに挑戦です。結婚について、家族のことについて、日本の今後の経済について…などなど、占ってもらいました。私も結婚について占ってもらったところ、アフリカの女性と結婚する、とのこと。当たるかどうか?楽しみです。
その後、トゥルゥでヒデの市を訪問。名物?ひょうたん帽子の奥さんたち。
マルアを経由し、ウジラ村へ。98歳で50人以上の奥さんを持つという王様に謁見、そして奥さんたちのキルディダンスを披露していただきました。
たまねぎ畑などを見ながら、ワザ国立公園へ。
新年はここで迎えました。相変わらずのハルマッタンで、ぼんやりとした日の出でしたが、カメルーンで迎える新年は清々しいものでした。
北カメルーンの民俗とチャド湖訪問11日間、ご興味ありましたら、ぜひお問い合わせください。2011年は6,7月にも出発日を予定しております。
佐藤
悠々の大地セレンゲティ滞在型サファリ
2011年2月5日出発、悠々の大地セレンゲティ滞在型サファリ9日間に参加された小松 明 様からのレポートです。
一生に一度は訪れてみたいと思っていたアフリカ大地サバンナ、結婚25周年の記念もあって思い切ってこのツアーに夫婦で参加、想像以上の多くの動物や見渡す限りの大平原を満喫することができ、それは感動の毎日でした。
今回のツアーは私達2名と我々より年配の女性1名の合計3名、添乗員はおりませんでした。多少の不安もありましたが、同行の亀山様はアフリカ旅行の超ベテラン、サファリドライバーのTさんとも顔なじみで、色々と教えて頂き大変に助かりました。どうも有り難うございました。
成田空港から
セレンゲティまでは遠い~。成田空港からドバイ空港へは約11時間、ドバイ空港で乗り継ぎに約6時間、ドバイ空港からナイロビ空港へは約5時間、ナイロビ空港からは車で約6時間の移動、途中国境を越えてやっとアルーシャのホテルへ到着。特に、最後の陸路は途中の道が非常に悪く、さらに到着時刻が夜になることも重なって、個人的にとても疲れました。しかし、サファリの時間を最大限に取るためにはやもえないスケジュールでもあると思います。ちなみに、帰路のスケジュールは乗り継ぎの時間も短く、ドバイから成田への飛行時間も短いことから、あまり疲れを感じずに、翌日からの仕事もOKでした。
翌日早朝、アルーシャからセレンゲティは小型飛行機で移動。小型機なので少し揺れました。直接なら1時間ほどのところですが、途中二カ所ほど立ち寄り2~3時間程度。昼にはセレンゲティの大地に立ち、早速迎えてくれたドライバーさんがサファリをしながらロッジまで案内。尚、小型飛行機では荷物重量15kg以下の制限があり、他の飛行機で外国人夫婦がかなり重そうなバッグを持っており、超過料金を請求されておりましたので注意が必要です! ちなみに帰路は計測機器がないのでフリーパスでした。
セロネラ・ワイルドライフ・ロッジ
セロネラ・ワイルドライフ・ロッジはセレンゲティの中央に位置し、一歩外に出ればすぐに様々な動物を目にすることができる、絶好のロケーションである。我々が宿泊したのは2Fで、インパラやキリンなどの動物が窓のすぐそこまで来ることがあり、とても感動しました。下記の写真左は部屋から撮影したインパラの群れ。逆に夜はハイエナと思える動物が徘徊している鳴き声が聞こえる。一方、中庭はとても綺麗で安全。(写真中央)食事はバイキング形式で味はまあまあですが、ほとんど毎食同じようなメニューが難点。右写真はある日の私の昼食一枚目の皿です。
サファリは早朝が最高
今回のツアーは全9日間、セレンゲティ滞在は4泊。貴重な時間、着いたその日からサファリが出来るのがとても嬉しい。今回のツアーは2月上旬で現地は乾季、毎日が晴天で日中はやや暑いが早朝はヤッケかカッパが丁度よかったです。この時期はヌーの大移動は見ることができないで残念ですが、その代わりその他の動物は沢山の種類を見ることができ、更に毎日晴天で良い時期だと思いました。
サファリはトヨタ社のランクルを改造した車両に乗り込み、こちらの希望する動物の直ぐそこまで行って見ることができ、少人数ツアーの良さを感じました。ロッジのロケーションの良さや天候にも恵まれ、さらにベテランドライバーのTさんの腕により、セレンゲティならではのほとんどの大型動物を見てそしてカメラに収めることができ、とても感激でした。時にはチータの兄弟がポーズも取ってくれました。どうもありがとう~
日中は気温も高くライオンなどは木陰で休んでおり、こちらのリクエストで早朝サファリを実施して頂きました。おかけで夜行性の動物が早朝に獲物を食べているところなど、様々な場面を見ることができて、とても素晴らしい体験でした。ちょっとかわいそうでもありますが、小型動物が自分の順番を待っております。
基本的にはサファリ中の下車は禁止、但し早朝サファリではランチBOXを準備して頂き、大草原のど真ん中での朝食は格別でした。早朝サファリは毎回場所を変えて頂き、時には大きな岩の上で360°見渡す限りの地平線と、遠くにいる動物の群れを見ながらの朝食は大変に素晴らしく、この感激は言葉でも撮影してきたビデオでも伝えることはできません。個人的にはこの体験だけでも今回のツアーに参加できてとても良かったと感じた瞬間でした。
旅行後記
以上、大きなトラブルもなく無事アフリカ旅行を満喫できましたが、細かいトラブルはありました。やはり海外それもアフリカなので体調含めた十分な準備が必要かと思います。下記は個人的な感想や体験談。参考になれば幸いです。
ロッジの場所はとても素晴らしく最高の立地ですが一方で多少の問題点もあり、例えば私達の2Fの部屋は歩くだけでギシギシ音がしましたが、1Fはうるさくはないのでしょうか?また我々の部屋はシャワーの出がとても悪く、一方バスタブのお湯はとてもよく出るので、大きいペットボトルをカッターで切り、手桶代わりにして使用するなど工夫しました。場合によっては部屋の交換をお願いするのも良いと思いますが、日本とは違うのである程度は我慢ですかね?全体的には改装も進んでおり思ったより綺麗でした。この時期の夜間は乾燥し喉を痛めるので、部屋にロープを張って洗濯物を干し加湿しました。ロッジ全体で虫は少ないですが、それでも蚊取り線香は大変に便利で、寝る前だけ使用しておりました。むしろアルーシャのホテルでも蚊がいたので有効でした。また、ドライバーさんの宿舎は我々とは離れて蚊が多いとのことで、残った蚊取り線香はドライバーのTさんにあげたら大喜びでした!(下の写真はロッジ内で撮影した小動物)
その他、アルーシャで携帯は通じましたが、ここのロッジでは通じませんでした。尚、現在ここでは売店やネットカフェさらにはフィットネスマシンルームなどの工事を行っておりましたので、今後はさらに便利かと思います。
今回の旅行用に望遠付きのデジタルカメラを購入しました。機種はCanon Power Shot SX30ISで、理由は性能と安さと使い易さです。ズームは光学35倍×デジタル4倍=合計最大140倍、本文中のチータ兄弟の写真を参考にして下さい。素人の私が買ったその日から使用可能で、ビデオ撮影もできるのでこれ一台でOK!荷物も少なくて楽でした。カメラを持たない方は双眼鏡も便利ですが、15倍程度の安いモノで十分だと思います。
さて楽しくもあり、また面倒でもあるのがお土産。セレンゲティのホテルに帰る途中、お土産屋さんに一軒寄ってくれましたが値段がやや高く、ドライバーさんにお願いしてもう一軒寄って頂き、ティンガティンガやソープストーンのお皿を購入、直径8cm程度の小さなお皿はUS$5でしたが、10枚以上購入するからと言ってUS$3まで値切りました。アルーシャのホテルに戻り時間があるので町に買い物で出かけましたが、一歩ホテルを出ると売り子の若い兄ちゃんが寄ってきて思うように歩けませんでした。ほとんどの店で値段が付いておらず、値段はあってないようなモノ。ある店で上記と同じお皿の値段を聞いたらUS$50だと言っており、また別の店でキリマンジャロのコーヒー豆(2袋)も最初はUS$50でしたが値切ると最後は1/3程度になりました。コーヒーの味は普通で、「町に出回って売るのはB級品でA級品は直接日本などに輸出している」との話もあるようですがどうでしょうか?
最後に、今回の旅行から帰ってもう数カ月が経過しましたが、あの感動を取り戻しに今すぐにでも再出発したい旅行であり、アフリカはリピータの方が多いのが分かりました。
「悠久の大地セレンゲティ 滞在型サファリ 9日間」ツアーページはこちら。
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サファリ・動物がテーマのツアー・旅行一覧はこちら。
2010.11.27発 ギルフ・ケビール遠征隊 15日間
エジプトの『ギルフ・ケビール』に行ってきました。
ギルフ・ケビールってなに?という方のために少し説明しますと、エジプトの南西部の隅、リビア&スーダンとの国境付近に拡がる台地のことなのですが、人が暮らしているいずれの街からも遙か遠く、「世界の果て」ともいわれている地域です。大きさはスイスとほぼ同じという巨大な台地で、エジプト国土の3分の1にもあたる西方砂漠の、またその中で世界有数の砂の砂漠と言われている「グレート・サンド・シー」を越えた場所にある砂漠の最果ての地です。アカデミー賞8部門受賞の映画「イングリッシュ・ペイシェント」の舞台として有名になり、劇中にも登場して強烈な印象を残した岩絵「泳ぐ人」で知られることとなった場所です。
私自身、西方砂漠やグレート・サンド・シーの北&東の部分には足を運んだことがありましたが、このギルフ・ケビールには足を伸ばしたことがなく、初めての訪問となりました。エジプトと言えば古代遺跡であまりにも有名ですが、その遺跡にも負けない魅力がある、素晴らしく美しい砂漠があるとは思いませんでした。正直言って、私の想像をはるかに超える、魅力あふれる地域でした。「泳ぐ人」があまりにも有名なため、ツアーへのご参加者募集に際しては、岩絵を前面に押し出したパンフレット等を作成しましたが、もちろん岩絵は素晴らしかったものの、実際の見所は砂漠そのものという感があります。
私の経験から、砂漠はニジェールのテネレかチャドの北部が極めつけ、と思っていたのですが、エジプトのグレート・サンド・シー、特にその核心部はそれに勝るとも劣らない雄大さと美しさを湛えていました。しかも砂丘だけが延々と、というような単調なものではなく、大砂丘の連なり、奇岩、そそり立つ岩山、ワジ(涸れ谷)に残された僅かな緑など、次から次へと変化し、飽きさせてくれません。なかには、3日間走りに走っても砂色と青空しかない、というような砂原もありましたが。今回のツアーでは砂漠のテント泊が10泊もあり、砂漠が初めてのお客様には飽きられてしまうかもしれない、という懸念もありましたが、その変化に富んだ道行は飽きる暇もなかったのではないかと思います。
メインが逆転して岩絵がおまけのように感じてしまいかねなかったのですが、2002年に発見されたフォッジーニ・ケイブのものは保存状態も素晴らしく、「泳ぐ人」を含め、ユニークな肢体と繊細な筆使いをじっくり堪能することができました。
その他、砂漠の石でもここでしか見つからない有名な天然ガラス、シリカグラスをはじめ、面白いものが多く、カンブリア紀から白亜紀の地層が剥き出しになっているこの台地ならではという感じがしました。
ギルフ・ケビールまで3日半、ギルフ地域滞在が3日半、グレート・サンド・シー3日という感じで、辿りつくまでかなり時間がかかるため、ツアー自体も長丁場になります。ですが、ドライバーさん、コックさんともにエキスパート揃い、かつエンターティナーで、食事も毎食美味しく、キャンプ自体もかなり楽しめます。砂漠ではキャンプ地のロケーションがとても重要なりますが、もちろんぬかりなく毎日素晴らしいキャンプ地で眠る機会を作ってくれました。
3月末からはハムシーン(砂嵐)が吹き荒れ始め、夏場は灼熱の地となりますので、安全&快適に旅行ができるのは11月~3月上旬の間。期間限定ですが、今年もツアーを設定しますので、砂漠好きの方は是非ご参加をご検討ください!瞳の色がサンド・ベージュ色になってしまったのか?と錯覚してしまうくらい、徹頭徹尾砂漠を堪能できること間違い無しのツアーです。
羽鳥
WILD AFRICA 11 シママングースの引越し
昨年10月末から12月半ばまで南アフリカ、ボツワナ、ナミビアの3カ国で撮影を行った。その際訪れた場所の一つがナミビア北部にあるエトシャ国立公園だ。ここは自然環境の豊かな南部アフリカの中でも特に野生動物が多いことで有名で、大砂丘の連なるソススフレイと並ぶナミビア観光の目玉である。当然のことながら、エトシャを訪れる人のお目当てはライオンやゾウ、サイなどの大型動物なわけだが、小さな生き物たちにも目を向けるようになると、より楽しみが増してくる。しかもそれらは案外身近な場所に現れたりするのだ。
例えば公園内のレストキャンプやピクニックサイトでも、様々な野生動物たちと出会う可能性がある。レストキャンプとはレストランやキャンプ場、コテージ等の宿泊施設が集まっている場所の事を指し、エトシャにはオカウクエヨ、ハラーリ、ナムトーニの3カ所が存在する。いずれもフェンスや塀で囲まれており、危険な大型動物は侵入できないようになっているのだが、小動物や鳥類には全く影響が無い。逆に猛獣がいない事を知って敷地内を生活の場としている動物も多く存在するため、思いがけず面白い場面に出くわしたりする。
写真のシママングースもその一例だ。これはナムトーニの駐車場で撮影したもので、生まれて間もない赤ん坊を違う巣穴へと移している母親の姿である。通常シママングースがこのように小さな子供を巣穴の外に出すなどあまり無いことだ。よっぽどの理由があるのだろうと思っていたら、同じ日の夕方に猛烈な雨が降ってキャンプの大半が水浸しになった。マングースたちは大雨の到来を予見して、より水はけの良い安全な場所に巣穴を移していたのだ。
休憩や宿泊のために利用するレストキャンプだが、気を抜かずに周囲に目を配ると、そこには様々な動物たちの営みがある。しかも敷地内は徒歩で行動できるので、非常に自由度の高い撮影が可能だ。この写真も被写体と同じ目線で撮りたかったので、地面に腹ばいになって撮影した。
撮影データ:ニコンD300, AF-S 500mm f4D, 1/1250 f11 ISO800
シママングース
英名:Banded Mongoose
学名:Mungos mungo
全長:45~70cm
体重:1.5~2.25kg
写真・文 山形 豪さん
やまがた ごう 1974年、群馬県生まれ。幼少期から中学にかけて、グアテマラやブルキナファソ、トーゴなどで過ごす。高校卒業後、タンザニアで2年半を過ごし、野生動物写真を撮り始める。英イーストアングリア大学開発学部卒業後、帰国しフリーの写真家に。南部アフリカを頻繁に訪れ、大自然の姿を写真に収め続けている。www.goyamagata.com
African Art 7 アフリカの仮面、神像の真贋と収集
15世紀半ば、ポルトガル人のディエゴ•カオンがヨーロッパ人として初めて西アフリカの海岸地域を調査し、コンゴで象牙製品といくつかの木製品を持ち帰り、ここで初めて黒人の仮面文化が知られるようになった。18世紀半ばを過ぎて植民地政策が盛んになるや、現地に出かけた船乗りたちが仮面や彫像を珍しい土人のお土産として競って持ち帰るが、野蛮な原始人の奇怪なものとして珍しがられるのが関の山だった。19世紀後半になり大規模な民族博物館がヨーロッパ各地に創設され、まとまった収集が行われるようになったが、それでもまだ美術的評価を受けることはなかった。それが評価を得るようになったのは、ようやく20世紀に入ってからである。また、コピーが作られるようになったのはアフリカ諸国の独立後、1950年代以降である。
私がこの仕事を始めた1980年代には、アフリカ各地のマーケットで売られるほとんどの仮面や神像はコピーだった。民具以外に本物を見つけることは稀であった。それでは本物とコピーはどこが違うのか。端的に言うなら本物とは本来の土着儀礼に使われる、または使われた仮面や神像である。古いから本物、新しいからコピーというわけではない。近年の儀礼では本来の伝統的なしきたりを忠実に守って行われるものは非常に少なく、旅行者用の見世物としても仮面舞踏が行われている。本物の儀礼が少なければ、作り手も祖先に対する敬意や願いを込めて製作することは希薄になる。近年の仮面や神像にアフリカ美術の大きな魅力であるスピリチュアルな力を感じられるものが少ないのは当然である。このような現状なので美術オークションでは、来歴と古さが最重要視される成り行きとなった。しかし来歴のはっきりしたもの、古い歴史を持ったもののほとんどは既に美術館や博物館に収蔵されている。だから、たまにマーケットに出てくる希少な作品の取引額は大変高額で1点が億単位の作品もままある。
この際、私はアフリカ美術を取り扱うプロの業者として、それに魅せられた者として、来歴などにあまりとらわれるなと言いたい。本来作り手は無名の職人たちである。本来収集とは投資ではない。作品と出会い、何らかの魅力を感じ、時にその作品に癒され、時に創作の新しいヒントを得る、そこに意義がある。3万円のものと300万円、3000万円の違いは当然理由がある。しかし自分で楽しめる金額の中で自分なりに楽しめばそれも良い意味での収集ではないだろうか。
写真提供/小川 弘さん
小川 弘さん 1977年、(株)東京かんかん設立。アフリカの美術品を中心に、アフリカ・インド・東南アジアの雑貨、テキスタイルなどを取り扱っている。著書にアフリカ美術の専門書「アフリカのかたち」。公式ウェブサイト http://www.kankan.co.jp/