2017.4.28発 インドネシア・ネイチャー・アイランド・トリップ 9日間

ゴールデンウィークに企画している、アフリカ以外の地域でのワイルドライフツアーのうちの一つ、インドネシアのツアーに添乗させていただきました。目的はカリマンタン(ボルネオ島)のオランウータンと、コモド島のコモドドラゴンという、インドネシア野生動物界のBIG2。今期のバージョンは、マレーシア航空のクアラルンプール経由を利用することにより、現地での日程が1日伸び、その分カリマンタンのタンジュン・プティン国立公園滞在が1日増え、加えてコモド島海域での宿泊を大型動力帆船「ピニシ」のキャビンに船中泊することによって、単なる移動に費やす時間を節約でき、より中身を濃くすることができました。飛行機の乗り継ぎの関係で、ジャカルタの旧市街(オールド・ジャカルタ、かつてのオランダ統治時代に「バタヴィア」と呼ばれていた場所)の観光も、短時間ながら楽しむことができました。

オランダ統治時代の旧バタヴィア市庁舎
オランダ統治時代の旧バタヴィア市庁舎
植民地時代の建物を使った名物レストラン、カフェ・バタヴィア
植民地時代の建物を使った名物レストラン、カフェ・バタヴィア

オランウータンを見るのは、ボルネオ島のインドネシア領部分の南端にあるタンジュン・プティン国立公園。海に注ぎ、汽水域の広いクマイ川から、更に支流のセコニエル川を遡上して、森の中、川沿いに建つロッジを目指します。寝泊まりもできる伝統的リバーボート「クロトック」でゆったりと川を進んでいくと、ニッパヤシが川沿いによく繁る汽水域から、パンダナスが繁殖する水域へと、徐々に植生も変わっていき、樹冠も高くなり、ロングテイル・マカク(カニクイザル)やテングザルを川沿いの木々に見かけるようになっていきます。オランウータンの生息域は、この川の上流に向かって右手に広がる国立公園がメインになっています。

カリマンタンではこんな川船を使って熱帯雨林の川を遡上します
カリマンタンではこんな川船を使って熱帯雨林の川を遡上します
安定のインドネシア料理、美味しいです
安定のインドネシア料理、美味しいです
川沿いの木々に見かけるテングザル
川沿いの木々に見かけるテングザル
カニクイザルも比較的よく目にします
カニクイザルも比較的よく目にします

初日は拠点となるロッジへの移動で終了。翌日・翌々日と舟で川を遡上し、両岸の木々に見られる鳥やサルの観察をしつつ、タンジュン・ハラパン、ポンドック・タングイ、キャンプ・リーキーと、森の中に3カ所ある研究施設兼餌付け場への訪問を繰り返します。
餌付け場というと「簡単に見られる」と思ってしまいがちですが、森に食料が豊富な時は餌付け場に姿を現さないこともあり、通常は単独で行動する野生のオランウータンですので、全く姿を現さないこともあります。
野生のオランウータンは、野生に近ければ近いほど、地上に降りるリスクを承知しており、ボルネオでの好敵手となる「ウンピョウ」が生息している地域では、餌付け場といっても地面に降りてきてその場で食料を食べ始めることはしません。一旦木から降りて食料となる果物等を掴み、樹上に戻って食べます。見事に木から木へと移動し、スルスルと上り下りを繰り返す様も観察できます。今回は森歩き中に熱帯らしいスコールに見舞われ、ずぶ濡れの中オランウータンを観察するようなこともありましたが、雨に濡れたオランウータンや、手近にある葉の付いた枝で頭を覆い、雨よけを試みるオランウータンも見ることができました。
今回のツアーではこの森の滞在に時間的余裕ができたため、ペサラットの森林保護センターにも訪問し、森の回復活動を見学、ご参加者全員でひと株ずつ苗を植えさせていただきました。

二次林と原生林の間のような森を歩きます
二次林と原生林の間のような森を歩きます
梢を透かして見るオランウータン
梢を透かして見るオランウータン
貫禄ある子連れのママさん
貫禄ある子連れのママさん
子供は表情がユニークです
子供は表情がユニークです
腕を頭上に挙げているのは雨除けのためです
腕を頭上に挙げているのは雨除けのためです
雨の中でも旺盛な食欲を見せる親子
雨の中でも旺盛な食欲を見せる親子
公園内唯一のリンバ・オランウータン・エコ・ロッジ
公園内唯一のリンバ・オランウータン・エコ・ロッジ
雰囲気あるロッジの佇まい
雰囲気あるロッジの佇まい
レセプションにはオランウータン関係のDVDや書籍も揃っています
レセプションにはオランウータン関係のDVDや書籍も揃っています
ペサラットの森林保護センター
ペサラットの森林保護センター
焼き畑やプランテーション化によってダメージを受けた森を回復させる活動を行っています
焼き畑やプランテーション化によってダメージを受けた森を回復させる活動を行っています
多くの異なる種類の森の樹々の苗
多くの異なる種類の森の樹々の苗
森で暮らすダヤク人のレンジャーのお話を聞きながらの森歩き
森で暮らすダヤク人のレンジャーのお話を聞きながらの森歩き
参加者全員でひと苗ずつ植林してきました
参加者全員でひと苗ずつ植林してきました
幻想的な雨上がりの森と川
幻想的な雨上がりの森と川

オランウータンの森に3泊した後、空路カリマンタンからジャカルタを経由してバリ島へ。バリ島で1泊した翌日、さらに国内線でコモド諸島への入り口となるフローレス島へ移動します。コモド諸島での目的はもちろん地上最大のトカゲ「コモドドラゴン」。主に生息しているコモド島とリンチャ島へ、こちらは海上を船に泊まりながら移動して訪問します。
このツアーの裏のテーマは「船旅」。特に、コモド海域で利用したスラウェシ島発祥の伝統木造帆船ピニシを使って美しいコモドの海域を旅することでした。船内は設備が整い、普段はダイビング・トリップに使われている船ですので、真水も積んでいますし、ホットシャワーも浴びることができます。もちろん、キャビンは個室でトイレもシャワーも付いています。サービス精神に溢れたクルーやコックさん達との船旅は、短いながらも旅に鮮やかな印象を残してくれました。

プロペラ機でバリ島からフローレス島へ
プロペラ機でバリ島からフローレス島へ
フローレス島の港町、ラブアン・バジョー。港の真ん中に乗り込む船が停泊しています
フローレス島の港町、ラブアン・バジョー。港の真ん中に乗り込む船が停泊しています
コモド海域での旅の足兼ホテル、ピニシ・レディ・デノック号
コモド海域での旅の足兼ホテル、ピニシ・レディ・デノック号
カッターボートを曳航し、このボートに分乗して各島に上陸します
カッターボートを曳航し、このボートに分乗して各島に上陸します
キャビンの内部、清潔なベッド
キャビンの内部、清潔なベッド
デッキにはベッドが設えてあり、海を眺めながらのんびり読書などもできます
デッキにはベッドが設えてあり、海を眺めながらのんびり読書などもできます
キッチンとダイニングテーブル
キッチンとダイニングテーブル
舳先からは広々とした海と島々を眺められます
舳先からは広々とした海と島々を眺められます

コモド島を含むコモド国立公園は世界遺産にも指定されており、希少なコモドドラゴンの生息する陸上のみならず、ウミガメやイルカ、マンボウなども生息している海面下の豊かな自然でも知られており、ダイビングスポットとしても世界有数の海。
のんびりとした海上移動を楽しみつつ、美しい海でのシュノーケリングを行い、何と今回はシュノーケリングでマンタ(イトマキエイ)を見ることもできました。その他、夕方のリンチャ島周辺では数万匹のオオコウモリ(フライング・フォックス)が餌を探し求めねぐらの島を飛び立っていく圧巻の光景も堪能できます。

ケロール島に上陸、小さな山に登り景観を楽しみます
ケロール島に上陸、小さな山に登り景観を楽しみます
リンチャ島のバジャウの人々の村を散策
リンチャ島のバジャウの人々の村を散策
漁村らしい、懐かしい家並み
漁村らしい、懐かしい家並み
特徴的な高床式の家屋
特徴的な高床式の家屋
子供たちはみな人懐こく、元気
子供たちはみな人懐こく、元気
訪問する外国人も多いため、気軽に挨拶してくれます
訪問する外国人も多いため、気軽に挨拶してくれます
人懐こく、チャーミングなリンチャ島の少女
人懐こく、チャーミングなリンチャ島の少女
日本でも見かける干し魚ですが、より素朴な方法で干されています
日本でも見かける干し魚ですが、より素朴な方法で干されています
同じく干されている小エビ、美味しそうです
同じく干されている小エビ、美味しそうです
穏やかな漁村のサンセット、村の人々も桟橋で夕涼み
穏やかな漁村のサンセット、村の人々も桟橋で夕涼み
ねぐらの島を飛び立っていくオオコウモリの大群、
ねぐらの島を飛び立っていくオオコウモリの大群、
島影に停泊して夜を明かし、迎える朝日
島影に停泊して夜を明かし、迎える朝日
シュノーケリングで見られたマンタ(林弘道さん撮影)
シュノーケリングで見られたマンタ(林弘道さん撮影)
全部で6匹のマンタに遭遇しました(林弘道さん撮影)
全部で6匹のマンタに遭遇しました(林弘道さん撮影)

現在生息しているコモドドラゴンは、生息地の4つの島の合計で6,000匹未満。オスの方がメスより個体数が多く、いずれの島でもシーズン中はほぼ間違いなくコモドドラゴンが見られるのですが、変温動物でかつ大きな体を持つコモドドラゴンは、エネルギー効率を考えて、よほど狩猟の成功率が高くない限り捕食行動はせず、食料の匂いのする国立公園施設のキッチン周辺に集まっている様子がよく見られますが、今回のツアーでは、最初に訪れたリンチャ島に上陸後すぐに朝の涼しい中活発に動いている個体をはじめ、数多くの個体を見ることができました。
オスのコモドドラゴンは最大で体長3m以上、体重は100kgを超えますが、この時見た個体も、そのくらいの大きさはあったのではないかと思います。唾液中のバクテリア(なんと52種類!)を使って噛みついた動物(バッファローやイノシシなど)に敗血症を起こさせて弱らせ、捕食すると考えられていましたが、最近の研究でバクテリアとは別の毒も持っていることが知られるようになりました。いずれにしても噛まれると大変なことになるため、レンジャーが二股になった杖をもって同行し、近づいてもせいぜい3m程度の距離で観察・写真撮影を行います。

リンチャ島のコモドドラゴン生息地への入り口
リンチャ島のコモドドラゴン生息地への入り口
朝の快適な気温の中、活発に動き出したコモドドラゴン
朝の快適な気温の中、活発に動き出したコモドドラゴン
5キロ先からの匂いを嗅ぎつけるという嗅覚を使って様子をうかがう個体
5キロ先からの匂いを嗅ぎつけるという嗅覚を使って様子をうかがう個体
巨体でのしのし歩く様は迫力があります
巨体でのしのし歩く様は迫力があります
太く、強力な尾と四肢
太く、強力な尾と四肢
感情が全く読み取れない、不思議な黒い瞳
感情が全く読み取れない、不思議な黒い瞳
活動が活発な個体は舌を頻繁に出し入れします
活動が活発な個体は舌を頻繁に出し入れします
巨体を支える強靭な足
巨体を支える強靭な足
皮膚の質感も独特で、触ってみたくなるほど
皮膚の質感も独特で、触ってみたくなるほど
唾液には52種類の危険なバクテリアを含んでいます
唾液には52種類の危険なバクテリアを含んでいます
コモドドラゴンの主な獲物になってしまうスイギュウ
コモドドラゴンの主な獲物になってしまうスイギュウ
骨ごと食べて消化してしまうため、コモドドラゴンの糞はカルシウムを含んで白く見えます
骨ごと食べて消化してしまうため、コモドドラゴンの糞はカルシウムを含んで白く見えます
美しい入り江を持つコモド島の景観
美しい入り江を持つコモド島の景観
波のない、穏やかなコモド海域のサンセット
波のない、穏やかなコモド海域のサンセット

インドネシアと言えば、ジャワ島の仏教遺跡やバリ島があまりにも有名ですが、島々それぞれに特色があり、人々も大らかで明るく親切、その意味でも楽しめたインドネシアの島々の旅でした。アジアとは言え、熱帯で気温も湿度も高く、日本の夏前のこの時期にインドネシアを訪問するのは暑さになれていない分少々ハードで、体調を著しく崩された方もいらっしゃいましたが、何とか皆さん元気に帰国できました。
東南アジアで野生動物を見る旅は、アフリカとはまた違った体験ができ、異なる自然や文化に触れることもできますので、まだ足を運んでいない方は、是非足を延ばしてみてください。
羽鳥

2017.4.28発 “島を歩く!カーボ・ヴェルデ 10日間”

西アフリカの果ての島国、カーボ・ヴェルデ共和国に行ってきました。
アフリカの国々に関心の高い方々の間でも「どこ?」という声も多いのではないかと思いますので、まずは簡単に説明を。アフリカ大陸の西端の国セネガルから沖合い600kmほどの所にある、大小18の島々からなる国です。

アフリカ大陸の西の果ての島国です。15世紀中頃、大航海時代までは無人島群でした。
アフリカ大陸の西の果ての島国です。15世紀中頃、大航海時代までは無人島群でした。

15世紀の中頃にポルトガルの冒険家によって発見され、以後、ヨーロッパとアメリカ大陸を結ぶ航路の重要な拠点、また奴隷貿易の拠点として、ポルトガルの植民地化、発展を遂げました。入植したポルトガル人、および連れてこられたアフリカン(セネガル人、ギニア人など)がルーツとなって人々の歴史が発展し、1975年には、ポルトガルから独立しています。
日本からのアクセスは少々困難で、まずはヨーロッパの西端ポルトガルまで飛んで、少々長めの乗継時間を経て、夜中の飛行機でようやくカーボ・ヴェルデの首都プライアに到着します。…ということで、まず降り立ったのはポルトガルの首都リスボン。

まずは中継地のリスボンで一休み。南欧の太陽が気持ち良いです。
まずは中継地のリスボンで一休み。南欧の太陽が気持ち良いです。
大航海時代を記念した記念碑『発見のモニュメント』この時代がなければ、カーボ・ヴェルデはなかったかもしれません。
大航海時代を記念した記念碑『発見のモニュメント』この時代がなければ、カーボ・ヴェルデはなかったかもしれません。
リスボンと言えばこれ。1837年創業のPastéis de Belém(パスティス・デ・ベレン)のエッグタルトです。何を隠そう、リスボンはエッグタルト発祥の地です。
リスボンと言えばこれ。1837年創業のPastéis de Belém(パスティス・デ・ベレン)のエッグタルトです。何を隠そう、リスボンはエッグタルト発祥の地です。
随分寄り道が長かったですが、ポルトガル航空にてようやく深夜に到着。
随分寄り道が長かったですが、ポルトガル航空にてようやく深夜に到着。

まずは、首都プライアのあるサン・ティアゴ島に到着。…したのも束の間、翌朝に早速カーボ・ヴェルデ北部のサン・ヴィンセンテ島に飛行機で向かいます。港町ミンデロを拠点に、まずは北部の島々をアイランド・ホッピングです。

初めて乗りました。カナリア諸島の航空会社、ビンテル・カナリアス航空。緑色のラインが鮮やかです。ちなみに、カーボ・ヴェルデという国名はポルトガル語で「緑の岬」という意味があります。
初めて乗りました。カナリア諸島の航空会社、ビンテル・カナリアス航空。緑色のラインが鮮やかです。ちなみに、カーボ・ヴェルデという国名はポルトガル語で「緑の岬」という意味があります。
小一時間のフライトでしたが、空から見る大西洋がとっても美しく、あっという間に着いてしまいました。
小一時間のフライトでしたが、空から見る大西洋がとっても美しく、あっという間に着いてしまいました。
サン・ヴィンセンテ島は世界的に活躍をした裸足の歌姫、故セザリア・エヴォラの出身島でもあり、空港は彼女の名を冠しています。
サン・ヴィンセンテ島は世界的に活躍をした裸足の歌姫、故セザリア・エヴォラの出身島でもあり、空港は彼女の名を冠しています。
空港の外には彼女の銅像。2011年に70歳で亡くなられました。
空港の外には彼女の銅像。2011年に70歳で亡くなられました。
2014年からは紙幣にもセザリア・エヴォラさんが使われています。お隣は先代のエウジェニオ・デ・パウラ・タヴァレスさん。カーボ・ヴェルデの詩人です。アフリカ各国の紙幣は歴代大統領の肖像画等が使われることが多いですが、この国は端々に文化の香りが覗きます。
2014年からは紙幣にもセザリア・エヴォラさんが使われています。お隣は先代のエウジェニオ・デ・パウラ・タヴァレスさん。カーボ・ヴェルデの詩人です。アフリカ各国の紙幣は歴代大統領の肖像画等が使われることが多いですが、この国は端々に文化の香りが覗きます。
色鮮やかな港町ミンデロ
色鮮やかな港町ミンデロ
ヨーロッパの豪華客船も寄港。後ろの山は、人が上を向いている横顔に見えることで有名です。
ヨーロッパの豪華客船も寄港。後ろの山は、人が上を向いている横顔に見えることで有名です。
日本の漁船も来ていました。第一長久丸さん。
日本の漁船も来ていました。第一長久丸さん。
活気に満ちたミンデロの魚市場
活気に満ちたミンデロの魚市場
珍味カメノテ!(亀の手)。これはフジツボの親戚です。ぷりぷりして美味しい。
珍味カメノテ!(亀の手)。これはフジツボの親戚です。ぷりぷりして美味しい。
お!タイセイヨウマグロもあります。マグロの仲間としては最大の種で、成魚700kgという記録があるそうです。
お!タイセイヨウマグロもあります。マグロの仲間としては最大の種で、成魚700kgという記録があるそうです。
タイセイヨウマグロは、カーボ・ヴェルデ漁業の主要魚種です。どんどん持ってけ!
タイセイヨウマグロは、カーボ・ヴェルデ漁業の主要魚種です。どんどん持ってけ!
という事で、お昼ご飯はマグロのステーキです。
という事で、お昼ご飯はマグロのステーキです。
デザートはQueijo (ヤギのチーズ)とPapaya Jam(パパイヤ・ジャム)の和え物。クセになる味です。
デザートはQueijo (ヤギのチーズ)とPapaya Jam(パパイヤ・ジャム)の和え物。クセになる味です。
ミンデロの魚市場は午前の競りが終わると、仕事を終えた漁師たちの憩いの場へと早変わり。
ミンデロの魚市場は午前の競りが終わると、仕事を終えた漁師たちの憩いの場へと早変わり。
パステルカラーの街並みも相まって、のんびりとした空気が流れます。
パステルカラーの街並みも相まって、のんびりとした空気が流れます。

さて、そんな音楽と漁師の港町ミンデロに別れを告げて、船旅にて次なるサント・アンタン島へ向かいます。
雨の少ないカーボ・ヴェルデの中で、最も緑が豊かな島です。起伏に富んだ素晴らしい景観と、段々畑が連なる村の人々の小路を散策するのが目的です。

フェリーで、島から島へと向かいます。
フェリーで、島から島へと向かいます。
島に着くなり、険しい山の中の小路を車で走ります。
島に着くなり、険しい山の中の小路を車で走ります。
ひたすら山間部の村に住む人々の生活路でもある石畳の道が続きます。
ひたすら山間部の村に住む人々の生活路でもある石畳の道が続きます。
途中の村でお祭りをやっていました。太鼓のお囃子はまるで日本の夏祭りみたいです。
途中の村でお祭りをやっていました。太鼓のお囃子はまるで日本の夏祭りみたいです。
何となく縁日っぽい雰囲気も。
何となく縁日っぽい雰囲気も。
女の子達も白熱しております。
女の子達も白熱しております。
バナナとキャッサバ粉の揚げ物。
バナナとキャッサバ粉の揚げ物。
アンタン島の名産はクローグ(ラム酒)です。ちょいと縁日気分で一杯。
アンタン島の名産はクローグ(ラム酒)です。ちょいと縁日気分で一杯。
山を越えて辿り着いたお宿はこじんまりと雰囲気の良いロッジでした。
山を越えて辿り着いたお宿はこじんまりと雰囲気の良いロッジでした。
翌朝、半日ほど村の人達の生活路を歩きます。毎日の暮らしに使われている道とはいえ、なかなかにハード。
翌朝、半日ほど村の人達の生活路を歩きます。毎日の暮らしに使われている道とはいえ、なかなかにハード。
遠くに今まで歩いてきた村が見えます。絶景!
遠くに今まで歩いてきた村が見えます。絶景!
段々畑の連なりが美しい景観を形作っています。
段々畑の連なりが美しい景観を形作っています。
途中の村の茶屋で休憩。
途中の村の茶屋で休憩。
素朴なおもてなしが嬉しい。
素朴なおもてなしが嬉しい。
ちょっと休憩に立ち寄っただけなのに、姿が見えなくなるまで見送ってくれました。
ちょっと休憩に立ち寄っただけなのに、姿が見えなくなるまで見送ってくれました。
起伏に富んだ見ごたえのある道が続きます。歩きごたえも十分!
起伏に富んだ見ごたえのある道が続きます。歩きごたえも十分!
お昼は地元の食堂で。ここでも変わったデザートが出てきました。バナナが炎に包まれています。
お昼は地元の食堂で。ここでも変わったデザートが出てきました。バナナが炎に包まれています。
バナナをラム酒に漬け込んで、火を付けながらあぶってくれます。危険な味わいです。
バナナをラム酒に漬け込んで、火を付けながらあぶってくれます。危険な味わいです。

アンタン島では、海の幸、大地の恵み、とびっきりの野菜やフルーツを堪能しました。そして、次なる目的地はカーボ・ヴェルデの南に位置するフォゴ島。島まるごとが活火山のような島です。フォゴという言葉自体に“火”という意味があります。実は3年前に噴火しており、その後数年は入山が禁止されていました。解禁されて以来、弊社としても初のツアー催行でしたので、現在はどうなっているのか?不安と期待が入り混じります。またも、船や飛行機を乗り継いで、島から島へ。途中に2つの島を経由してフォゴ島へと辿り着きました。まずは、フォゴ島の玄関口でもあるサン・フェリペの街を散策。

カーボ・ヴェルデ航空の飛行機でフォゴ島到着。この旅、4種類目の航空会社です。
カーボ・ヴェルデ航空の飛行機でフォゴ島到着。この旅、4種類目の航空会社です。
こじんまりした空港ですが、大きな火山の壁面がお出迎え。期待が高まります。
こじんまりした空港ですが、大きな火山の壁面がお出迎え。期待が高まります。
朝早くの到着でしたので、町中のパン屋さんで腹ごしらえ。
朝早くの到着でしたので、町中のパン屋さんで腹ごしらえ。
年季の入った窯で焼いてくれました。
年季の入った窯で焼いてくれました。
ヤギのチーズを削って、パンに練り込んで焼いています。美味!
ヤギのチーズを削って、パンに練り込んで焼いています。美味!
サン・フェリペの街は火山の麓になるので、山側に向かって町全体がゆるやかな坂になっています。
サン・フェリペの街は火山の麓になるので、山側に向かって町全体がゆるやかな坂になっています。
各家々も、傾斜に沿って建っています。
各家々も、傾斜に沿って建っています。
サン・フェリペではコロニアル建築を改装したり、壁を塗り替えたりした建物が目を引きます。
サン・フェリペではコロニアル建築を改装したり、壁を塗り替えたりした建物が目を引きます。

フォゴ島自体が大きな火山ですので中心には直径10kmほどのカルデラ(火口原)が広がります。今夜はこのカルデラ内にある村で宿泊する予定ですので、一路島の中心部へと向かいます。島の外周を半周ほどしてから、だんだん高度を上げていきます。途中、そこかしこに溶岩流の跡が見えました。古いものは土壌と化していますので、土の色を見れば、どの年代の溶岩流かわかるそうです。フォゴ島は、記録が残っているだけでも1600~1700年代に3回、1800年代に3回、1951年、1995年、そして2014年と噴火を繰り返しています。
まさに現役真っ只中の火山島という事になります。
高度を上げていると、突然、目の前にカーボ・ヴェルデ最高峰(2,829m)のカノ山(Pico do Fogo)が姿を現しました。今回の旅の最後のメインイベントでもあります。カノ山のトレッキングです。

カルデラ(火口原)に近づくと、子供たちが火山岩で作ったおもちゃを持って来ました。伝統的な様式の家屋を模したものですね。お土産に最適?
カルデラ(火口原)に近づくと、子供たちが火山岩で作ったおもちゃを持って来ました。伝統的な様式の家屋を模したものですね。お土産に最適?
他にはこんなものが。うーむ。火山岩お土産はシュールな世界です。
他にはこんなものが。うーむ。火山岩お土産はシュールな世界です。
出ました。最高峰のカノ山(Pico do Fogo)です。
出ました。最高峰のカノ山(Pico do Fogo)です。
カルデラ(火口原)内にある村まではバスで登ります。
カルデラ(火口原)内にある村まではバスで登ります。
肥沃な火山性土壌では様々な植物の栽培がおこなわれており、ワイン造りもその1つです。
肥沃な火山性土壌では様々な植物の栽培がおこなわれており、ワイン造りもその1つです。
立派な醸造所です。
立派な醸造所です。
フォゴ島名産。度数が38度もあるものも!
フォゴ島名産。度数が38度もあるものも!

翌日、早朝に村人のガイドが宿まで迎えに来てくれて、トレッキングを開始しました。登りはじめは砂地ですが、途中から足元はガレ場に変わり、ピーク直下はとても急峻になり鎖場も出てきます。ピークに立つと、眼下には様々な年代の噴火口を臨むことが出来ます。周囲を取り囲む外輪山とその向こうに広がる大西洋。遠く他の島まで見ることが出来ます。また、下りは富士山の砂走のような形状をしていて、一気に何百mも駆け降りることが出来、とても楽しいです。登りは約4~5時間とそれなりに時間を要しますが、下りは小一時間程度で麓の村まで駆け降りることが出来ました。

滞在したロッジ。周囲は外輪山に囲まれ、見ごたえのある景観です。食事も凝っていて美味しかったです。
滞在したロッジ。周囲は外輪山に囲まれ、見ごたえのある景観です。食事も凝っていて美味しかったです。
宿の裏庭に回ると、カノ山の雄々しい姿を正面に見据えています。
宿の裏庭に回ると、カノ山の雄々しい姿を正面に見据えています。
ブドウ畑を抜け、登り口へと向かいます。
ブドウ畑を抜け、登り口へと向かいます。
登り始めから、暫くはなだらかな砂地が続きます。遠く向こう側に聳える外輪山も美しいです。
登り始めから、暫くはなだらかな砂地が続きます。遠く向こう側に聳える外輪山も美しいです。
ガレ場に変わったあたりでひと休憩。雲海の先には大西洋が広がります。
ガレ場に変わったあたりでひと休憩。雲海の先には大西洋が広がります。
だんだん足元が急峻になってきました。
だんだん足元が急峻になってきました。
最後の難所、鎖場をつたってピークへ。
最後の難所、鎖場をつたってピークへ。
ようやく登頂!
ようやく登頂!
山頂からは周囲の外輪山、島の向こうまでぐるりと見渡すことが出来ます。
山頂からは周囲の外輪山、島の向こうまでぐるりと見渡すことが出来ます。
下りは砂走りを一気に駆け降ります。
下りは砂走りを一気に駆け降ります。
スピードが出過ぎると急には止まれないのでご注意を!
スピードが出過ぎると急には止まれないのでご注意を!

下山後はしばらく麓に広がるカルデラ(火口原)の中の村で休憩です。このカルデラ内にある村ですが、元々は1,500人ほどが住んでいたのですが、3年前の噴火で流れ出した溶岩流が村を埋め尽くし破壊してしまいました。村の人々は事前に避難をしており、死者や怪我人は1人もいませんでしたが、自然の猛威の前に自分たちの村が無くなってしまうというのは、筆舌に尽くしがたい経験だったと思わずにはいられません。現在、村には500人ほどが戻ってきて、村の再建に取り組んでいます。

2014年の噴火前の村の様子です。
2014年の噴火前の村の様子です。
噴火によって発生した溶岩流で村は埋め尽くされてしまいました。
噴火によって発生した溶岩流で村は埋め尽くされてしまいました。
村を飲み込んだ溶岩流が、そのまま冷えて固まり地面となっています。
村を飲み込んだ溶岩流が、そのまま冷えて固まり地面となっています。
ほとんどの家屋が屋根だけを残して埋もれてしまっています。
ほとんどの家屋が屋根だけを残して埋もれてしまっています。
少しずつですが、着実に再建への道を歩んでいます。
少しずつですが、着実に再建への道を歩んでいます。

固まっているとは言え溶岩流の地面は未だ放熱があり、建物の床の上ですらとても裸足で歩くことなどは出来ません。さらに日に数度、地中深くから『ドーン!』と突き上げるような轟音と振動。何事かと思い、何度も夜に目が覚めました。噴火からまだ数年内は火山自体のエネルギーが収まらず胎動を続けている証です。
噴火から約3年、そんな過酷な環境の中で、溢れんばかりの笑顔でもてなしてくれた人々のフレンドリーさと、何より前しか見ていないそのパワー。村の再建作業は、潰れた住居等の再建に始まり、畑を耕作し、火山地帯の肥沃な土壌を利用してのコーヒーやワイン造りなどもスタートしています。噴火で村が無くなってから、まだたったの2年と少しです。火山という地球のパワーも壮絶なものがありますが、それよりも村の人々の持つパワーに打ちのめされた数日でした。数年後、必ず大きく立ち直っているであろう村をまた再訪して、この村の人々のパワーをもらいに行きたいと思っています。

火山よりも村の人々のパワーに打ちのめされました。
火山よりも村の人々のパワーに打ちのめされました。

◆島を歩く!カーボ・ヴェルデ 10日間
生野

アフリカの森から(小島美佐さん著)

新書をご紹介します。
「アフリカの森から」(小島美佐さん著)です。
長くアフリカ、その中でもナイジェリアと深く関わってきた著者が現地で体験したこと、また人との交流から感じたことなどが書き綴られた1冊です。
政治家から村人まで、現地のいろいろな人たちとのやり取りが描かれていますが、一人一人の生の声がとても新鮮です。
アフリカでも最大の人口1億8200万人を抱えるナイジェリアは名前こそ知られるものの、日本からは最も馴染みのない国のひとつかもしれません。
それだけにナイジェリアという「国」ではなくて、そこに住む人たちの顔が見えてくる、とても興味深い内容でした。
それにしても日本の面積の2.5倍、人口1億8200万人の国もアフリカ54か国のうちの一か国に過ぎません。アフリカはとにかく広いです!
by KQ

ウガリの値上がり

ケニアではウガリが主食であり、ウガリはウンガというトウモロコシの粉を練ってつくります。
水不足が原因でトウモロコシが育たず、昨年から徐々にウンガが値上がりしています。
最近ナイロビを賑やかしているのは、政府が言い出した、メキシコからウンガを輸入するというもの。
先週に木曜日に注文した29,000トンのウンガが先週の金曜日にケニアに届いたと報道され、それはさすがに嘘だろう、と疑問の声があちこちで上がっています。
29,000トンものウンガを船に積み込み、メキシコからケニアまで1日で来るのはさすがに無理だろうとは思いますが、港で働いている人曰く、29,000トンものウンガを船に積むだけでも3日はかかる、とのことで、今週の新聞はウンガの記事で持ちきりです。
輸入したことで値上がりしたウンガを150kshから90kshへ値下げすると言ってはいるものの、スーパーでは1つもウンガを売っていませんでした。
ケニアの人々にとって、主食であるウガリの値上がりは死活問題ですから、政策がうまくいくといいのですが…
ナイロビ駐在所・菊地 佑介

WILD AFRICA 34 サファリに最適な撮影機材とは?

サファリにいくとき、どんな撮影機材をどれだけ持っていくかというのは悩ましい問題だ。何しろ昨今市場に出回っているカメラやレンズの種類はあまりにも多く、何を選べばよいのかが非常に分かりづらい上に、撮りたい写真のタイプによっても必要な機材は変わってくる。また、飛行機に搭乗する際、カメラ類は全て機内持ち込みにせねばならないが、最近どの航空会社も重量制限に関してずいぶんうるさくなった。撮影講習会などで参加者からもっとも多く出る質問も、サファリにどんな機材を持っていけばよいかについてだ。
中でも一番難しいのがレンズの選択だ。サファリには倍率の高い望遠レンズは不可欠だが、高すぎるとフレーミングがとても困難になるし、サイズも大きくなるので運搬や取り扱いも大変だ。ボディにしても、やはり大き過ぎると持ち運びが面倒で、扱うのが億劫になる。つい最近まで私は500mm f/4という大型レンズにニコンD4という、これまた大きなボディをつけていた。倍率や画質は理想的だったのだが、そのサイズと重量故に撮り逃した写真も多かった。
現在撮影ツアーなどで主に使用している機材は、ボディがニコンD500とD810の2台、レンズは望遠側がAF-S 80-400mm f/4.5-5.6、広角側がAF-S 24-70mm f/2.8もしくはAF-S 16-35mm f/4だ。D500は小型ながら高速オートフォーカスと秒間10コマという連写速度を有しており、DXフォーマット(APS-Cサイズのセンサーを搭載)であるため、80-400mmと組み合わせることで、35mm版の600mmに相当する画角を得られる。これは素早い動きをする被写体のアクションショットを撮るのにとても有効だ。この3月に行ったボツワナ、マシャトゥ動物保護区のツアーでも、追いかけっこをするチーターの兄弟を、手持ちで難なく撮影することができた。一方のD810は超高画素機なので、細かなディテールの描写が必要な風景や引きの写真を撮るために使っている。
最高級のカメラやレンズを手に入れれば、いい写真が撮れるかもしれないと思うのは人の心理として当然なのだが、値段がとても高い撮影機材は、得てしてサイズや重量も巨大だ。果たしてサファリの現場でそれらが使いこなせるのかどうか、本当に必要なのかどうか熟慮を要する。むしろある程度小型のものの方が、機動性と即応性に優れるため、歩留まりはよくなると私は最近感じている。
撮影データ:ニコンD500、AF-S 80-400mm f/4.5-5.6G VR、1/2000秒 f/8 ISO800
山形豪さんの写真展を各地で開催中!
南部アフリカ 動物たちの最驚楽園 Go Wild!
■富士フィルムフォトサロン 大阪スペース1
8.11(金)~17(木)10:00~19:00(最終日は14:00まで)

やまがた ごう 1974年、群馬県生まれ。少年時代を西アフリカのブルキナファソ、トーゴで過ごす。高校卒業後、タンザニアで2年半を過ごし、野生動物や風景の写真を撮り始める。2000年以降は、南部アフリカを主なフィールドとして活躍。サファリツアーの撮影ガイドとしても活動している。写真集「From The Land of Good Hope(風景写真出版)」、著書に「ライオンはとてつもなく不味い(集英社新書ヴィジュアル版)」がある。www.goyamagata.com