WILD AFRICA 13 ボツワナサファリの穴場 マシャトゥ

南部アフリカのボツワナ共和国はサファリのメッカである。ゾウが多いことで有名なチョベ国立公園や、モレミ動物保護区、オカヴァンゴデルタなど、世界的に有名な場所がいくつもあるからだ。一方で、知名度はさほど高くないものの、負けず劣らず魅力的なスポットも多数存在する。マシャトゥ動物保護区(Mashatu Game Reserve)もそんな「穴場」の一つだ。
マシャトゥは南アフリカとボツワナとの国境を形成するリンポポ川沿いに位置している。川を挟んで対岸は南アフリカのマプングブウェ国立公園だ。緩やかな丘の連なるサバンナや、緑豊かな河辺林(かへんりん)、湿地帯や岩山などの多様な環境を持つ。哺乳類50種、鳥類約350種を数えるなど、被写体の多さに関しても申し分ない。
宿泊施設は2カ所、高級ロッジのあるメインキャンプと、よりベーシックなテントキャンプのみである。いずれも3食、サファリ付きで、セルフドライブはできない。そのため保護区の面積が広大な割に、一度に滞在できる人数が限られていて、よりプライベートなサファリを楽しめる。しかも南アフリカのサビサンズ動物保護区などに比べ、料金もだいぶ割安だ。
私にとって、マシャトゥのハイライトは何と言ってもヒョウである。このエリアのヒョウたちは何世代にも渡ってサファリカーの存在に慣らされてきたので、かなりの至近距離から容易に撮影できるのだ。しかも、ガイドたちはどの個体がどのエリアにいるのかを常に把握しており、発見率が信じられないほど高い。
しかし、良い写真を撮るためには、良い被写体に巡り合うだけでは不十分だ。車の運転を他人に任せる場合、ドライバーがこちらの要求をどれだけ理解しているかによって結果が大きく左右される。その点マシャトゥでは、南アフリカのサファリ会社が動物写真専門のワークショップを開催しているため、ドライバーやガイドたちが撮影者の要求を熟知している。おまけに道を外れて、ブッシュに車で分け入ることが許されているので、ポジションを自由に決められるし、オープンカーなので撮影可能範囲がとても広い。
写真は2010年11月にマシャトゥで撮影した、1才を過ぎたオス。後ろには母親の背中が見えている。夕暮れ時だったため、スポットライトを使用している。
撮影データ:ニコンD700, AF-S 500mm f4, 1/60, f4, ISO1250 車載三脚使用
ヒョウ
英名:Leopard
学名:Panthera pardus
体長:♀104〜140cm
♂130〜190cm
体高:70~80cm
体重:♀28~60kg
♂35~90kg
寿命:20年
写真・文  山形 豪さん

やまがた ごう 1974年、群馬県生まれ。幼少期から中学にかけて、グアテマラやブルキナファソ、トーゴなどで過ごす。高校卒業後、タンザニアで2年半を過ごし、野生動物写真を撮り始める。英イーストアングリア大学開発学部卒業後、帰国しフリーの写真家に。南部アフリカを頻繁に訪れ、大自然の姿を写真に収め続けている。www.goyamagata.com