アフリカ絵日記その6 1杯のビールを求めて

アフリカ絵日記その6 1杯のビールを求めて

1日を無事走り終え、まずはビールを1杯!最高に幸せなひととき。しかし、自転車アフリカ縦断の前半である西アフリカは、イスラム教の占める範囲が広いので、どこでもビールが飲めるわけではありません。大都市や観光地では特に問題ありませんが、小さな田舎の村ではちょっと難しい。やっぱり酒を飲むのは「いけないこと」なんでしょうか、たいがいは集落の少し外れにあり、飲んでいるところが外から見えないような店の作りになっています。お酒は隠れて密かに飲むもの、といったイメージがありました。そんな店が1軒あるかないかというような村に着いたときは大変です。1日走って疲れているはずなのに、ビール1本のために村の中を隅から隅までさまようこともしばしば。普通の人にはどうでも良いことに、かなりのエネルギーを費やしていましたね(笑)
モロッコでは西部に行くほど酒屋の発見は難しくなり、モーリタニアはほぼ皆無。セネガル、マリ、ブルキナは都市部では問題なく飲めますが、田舎はやはり集落の外れにあって、外から見えないような壁がある。それが、ガーナに入ると「格子状の壁」が出現し、微妙に外から見えるようになり、ビアガーデンっぽい作りの店が増えていきました。青空の下で堂々と飲めるのは気持ちいいものです。でも、今から思うと、あの湿っぽい暗いBARで背中を丸めて飲んだのもいい思い出です。BARは地元の人と気軽に触れ合える最高の場所でもありましたから。
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文・画 吉岡健一