6カ国あるアフリカの島国について

ご存知の通り、アフリカには新しく独立した南スーダン共和国を含めて54の独立国があります。そのうちアフリカ大陸にあるのは48カ国、ということは島嶼国は6カ国あるということです。
内訳は、
カーボベルデ、サントメ・プリンシペ、セーシェル、コモロ、マダガスカル、モーリシャスの6カ国。
この中で、モーリシャス、セイシェルはインド洋のリゾートとして、マダガスカルは独特の自然環境を持つ島として、ご存知の方は多いと思います。
カーボベルデ、コモロ、サントメ・プリンチペの3ヶ国は、ツーリストにとってある意味マイナー(失礼!)な国かもしれません。
マイナーだからといって魅力が少ないかといえば、そんなことはありません。島というのは船を使って人や物資が移動していた古来から、十字路、あるいは混ざり合う場所として、独特の文化を育んできた場所が多く、これらの島嶼国も例外ではありません。

特にセネガルの沖、大西洋に浮かぶ島々から成るカーボベルデは、アフリカでもなく、ヨーロッパでもなく、南アメリカとも違いますが、それらの全てが混ざり合っている独特の雰囲気を持った国です。ヨーロッパの大航海時代に初めて真水のある無人島として存在が知られるようになってから、様々な国が領有し、文化を持ち込んだ国ですので、当然文化も混ざり合いますし、当時の歴史を偲ぶ街並みなども残されています。また、火山島ですので山がちな土地が多くトレッキングも楽しめます。どちらかと言うと「手付かずの自然が残る」という感じではなく、非常に勤勉に手入れされた耕地が山の中にも広がり、行き交うローカルの人々との穏やかな交流が楽しめます。
リゾート大好きな欧米人と違って、年齢的な差は大きいいものの全般的には日本のツーリストの方々にはリゾートというのは不人気なようですが、アフリカの島嶼国はリゾートではない部分の魅力が多い国ばかりです。
これまで、あまりアフリカの島嶼国のツアーラインナップが多くなかった弊社ですが、今後はリゾート面、リゾートではない面、両方を楽しめる島国ツアーを計画していければと考えています。
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エチオピアは歴史遺産、民族・文化、自然がバランスよく多彩な魅力を持つ国

先日、エチオピア北部の歴史遺産のお話を投稿しましたが、エチオピアほど、歴史遺産・民族・文化、自然の、観光の柱といえる3つの分野全てにバランスよく魅力があり、多彩な見所を持つ国もそう多くはありません。
特に北部の歴史遺産・エチオピア正教文化と、南部の民族・文化はコントラストがありすぎて、同じ国とは思えないほどです。
ケニアとの国境にほど近い南部エチオピア・オモ川下流域は、化石人骨が発見され、「人類のゆりかご」の一つと言われています。もちろんユネスコの世界文化遺産に指定されていますが、このオモ川流域には、今なお自らの固有文化と伝統的な暮らしを固く守る人々が多く暮らしています。固有文化を持つエスニック・グループがエチオピア南部だけで40以上あると言われています。
このエチオピア南部へのツアー、弊社でも「南部エチオピア オモ・マゴ探索隊 14日間」として、毎年夏に企画しています。弊社がこのツアーを始めた当時は、世界中のどの旅行会社もまだこの地方へのツアーは行なっていなかった、弊社のオリジナルツアーです。

近年、このオモ川に巨大なダム建設が計画され、現在半分程度完成しています。大型工事が計画されるとなれば、道ができ、外部からの様々な文化が流入し、この地域の人々が長年守ってきた文化も、急速な変化を余儀なくされている状況です。もちろん、観光客が彼らに与えるインパクトも小さくはないでしょう。
下唇に陶器を嵌めたり、素っ裸で暮らしていたり、観光客の目には珍奇に映り、興味本位の目線や写真の被写体としてさらされることが多い人々とその生活です。ですが、弊社のツアーでは、そんな好奇の目線を超えたところにある、彼らの誇り高い暮らしを、皆さんに知っていただき、様々なものを感じ、日本に持ち帰っていただければと思っています。
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東部アフリカに多いレイヨウ類、グラントガゼルとトムソンガゼルの共存関係

久々に野生動物のお話をひとつ。
写真の動物をご存知ですか?
手前の1頭はグラントガゼル、後の群れはトムソンガゼル、ともに東アフリカの国立公園で多く見られるレイヨウです。この2種、パッと見た感じよく似ていますが、トムソンの方が小型でかつお腹の横にハッキリと黒い筋があり、一方のグラントは大きめでお腹の横の筋がないか、あっても薄い、という違いに着目して見分けます。この2頭はかなりの頻度で、お互いの近くで草を食んでいる光景を見かけます。特に子育ての時期はそうです。それには実はこんな理由があります。

グラントガゼルの子供にも、お腹の横にトムソンガゼルと同様の黒い筋がハッキリとあります。ですが、親の体が大きいので子どもといえどもトムソンの成獣と体の大きさはほとんどかわりません。
早い話が、もしトムソンの群れの中に子供のグラントがいたとしても、両者はほとんど見分けがつかない、ということです。
ほとんどの捕食者(肉食獣)は、子供のレイヨウを獲物として狙います。親はすばしこく、警戒心も強いので、獲物としての優先順位は低いのです。ということは、グラントの子供がトムソンの群れとともに居れば、肉食獣には狙われにくい、ということなのです。
グラントガゼルは幼獣の時ならではの体色を有効に使って、トムソンガゼルを利用して身の安全を高めている、ということが言えます。
反面、一方的に利用されているようにみえるトムソンガゼルも、自分たちより体が大きく、体高も高い(=自分たちより遠目が効く)グラントガゼルの親が近くに居れば、見張り台として利用して、自身と群れの安全を高めることが出来ます。
実は、お互いに持ちつ持たれつの関係にある、ということなのです。
頻繁に目につき、実は真っ先に観光客の方々に飽きられてしまうレイヨウ類ですが、やはり野生で生きるにために色々と生き延びる術を身につけていることが分かります。
こんな話をご存知であれば、ありふれたガゼルの群れが、ちょっと違って見えてくるかもしれません。
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アフリカの見どころは大きく分けると「砂と歴史遺産」、「野生動物」、「自然景観」、「人と文化」の4つ

「自然の宝庫」というちょっと偏ったイメージが先行しがちなアフリカですが、島嶼国を含めて54カ国ありますので、自然に限らずそれぞれ”観光の目玉”を持っています。
「何と言っても『サファリ』がしたいんです!ナマで野生動物が見たいんです!」などと、目的がはっきりされているお客様は別ですが、初めてアフリカを訪問されるお客様から、「見所は?」とご質問をいただきますと、「大きく4つの地域に分けて特色ある見所があります」とご案内しています。
1)砂と歴史遺産、イスラム文化の北部アフリカ
2)自然と野生動物の東部アフリカ
3)自然景観の南部アフリカ
4)人と文化の西部アフリカ

もちろん複合的な魅力を持っている国も沢山ありますし、リゾートばかりではない魅力がある島嶼国もありますので、かなり乱暴な分類なのですが、それなりに特色を捉えた分け方ではないかと思っています。
上記の分類に入りづらい国が2つあります。それがエチオピアとマダガスカルで、この2カ国は非常に不思議な魅力があります。
特にアフリカ諸国中最多の、9つの世界遺産を持つエチオピアは歴史・文化・自然すべての面で、バランスよく魅力を持っている国と言えるでしょう。
アルメニアと並んで世界最古のキリスト教国(現在は国教ではありませんが)でもあるエチオピアには、世界遺産以外にも、それに勝るとも劣らない歴史遺産が国のあちこちに埋もれるように存在しています。
写真はエチオピア北部、ティグレ州にあるエチオピア正教の教会「Abuna Yemata Guh」ですが、その内部は9世紀に描かれたといわれる宗教画で埋め尽くされています。
一般的なツアーではなかなか訪問しない場所ですが、アフリカ旅行専門店たる弊社では、こんな場所もツアーの日程に組み込んでいきたいと思っています。

北アフリカ、サハラ砂漠のベドウィンが飲むミントティーの淹れ方

昨日の話題の続き・・・
せっかくなので、ミントティーの淹れ方をご紹介します。日本で販売している材料でも簡単に淹れることができます。淹れ方は地域・人によって違いますが、今回はモロッコスタイルをご紹介します。
■材料

★中国産の緑茶適量
茶葉は、「ガンパウダー」と呼ばれる丸くて小さい茶葉をよく使います。日本で売られているものは平水珠茶(ピンシュイヂューチャア/へいすいたまちゃ)。紅茶でも代用できますが、全く味が変わってしまいます。
★フレッシュミント ひとつかみ(20cm長さのものを7~8本、実際は適当)
★角砂糖 適量(お好みで)
※モロッコでは、円錐形の大きな砂糖の塊をハンマーで割って使ったりします。
■淹れ方
①ポットに熱湯を入れ1分ほどポットを温め、お湯を捨てる。茶葉を入れてさらに少量の熱湯を入れ、一回お湯を捨てる。
②フレッシュミント、角砂糖を入れる。
③高い位置から熱湯を入れる。
④フタをせず、しばらく火にかける。
⑤茶葉が開いたら、まず1杯分だけグラスに注ぎ、ポットに戻す。これを2回繰り返し、高いところから人数分コップに注ぐ。
※グラスにフレッシュミントを入れるか、入れないかはお好みで。もちろん入れるとミントの香りが更に引き立ちます。
※砂糖は、はじめからポットに入れるのではなく、後からグラスに入れてもOKです。
コップに数回注ぐのは、中の葉が混ざるため。
美味しく淹れるポイントは、高いところからジャバジャバ注ぐこと。
これで、泡立ちますが香りもたちます。
甘さはお好みによって調節を。
フレッシュミントを長めに火にかけると、苦味が気にならなくなります。
是非、お試しを。
因みに砂漠のベドウィンの人たちは、ドライミントを使って、お茶と一緒に煮立ててしまいます。苦味が強いですが、砂糖を多めに入れると非常に美味しいです。ベドウィン・スタイルであれば、ホーローのポットを直接炭火の上に置いて煮立ててしまうと、雰囲気が出ます。野外向きですね。